わき役でいいから

４

結婚した達也の家は私鉄の駅付近に広大な土地を有し
達也はいわゆるボンボンだ
仕事は実家が所有するマンションや駐車場を管理していた
派手な生活をしていると思われがちだが
派手な生活ではなく、ごくごく堅実な暮らしぶりだった
それでも長男の達也の結婚に低層の高級マンションを１部屋
ポンと購入し与えてくれた。
3LDKの間取りで128平米
たぶん億ションだろう
結婚してすぐの頃はモデルルームのような部屋に住み
週一でハウスキーパーも来てくれて、とても楽な生活を喜んだ
料理好きの瑞香は毎日素敵なアイランドキッチンで腕をふるい
時々訪れる達也の母は、実家が仕出し屋だけあって
とても料理上手で瑞香にも色々と教えてくれた。
学生結婚ではあったが、既に1・2年生の頃に履修単位は取り終わり
3年生でほとんど単位は取り終わっていた
残りの1年は週に何度か通学すればよく
学生生活と結婚生活は楽に両立できた。

最初は楽しかった。。。楽しかったのだが
スキー場では素敵に見えた達也も
日々一緒にいると色褪せてくる
趣味的なものがまったく合わないのだ
それから一番厄介なことも分かった
性の不一致だ
瑞香はたいして男性経験が豊富とは言えないが、まぁそれなりに経験はあった
たいした数ではないが。。。
新婚である、当初はほぼ毎日達也に夜になると求められ
瑞香も応じていたが。。。
3ヶ月もすると気がつかれないように
ほんの少しずつ距離を置き始めた
愛がなかったのかもしれない。。。
幼かったのだ。。。