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ロジータ、ダンジョンから脱出する
第8話 セーフティーエリアからの脱出
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装備を整えたので、一旦、外に出てみることにしました。
外といっても、セーフティーエリア内です。そもそも、ここから出られないと、どうしようもないのですが、肝心の出口らしきものが見当たりません。
真っ暗ではあるものの、スキル『夜目』があるので、ぼんやりと周囲の様子が伺えます。私が落ちたのは、ちょうど穴の中央付近だったようです。とにかく壁際に寄って寄って確認してみないと何も始まりません。
テントを片づけると、私は目の前の壁へと近づきました。手で触れてみると、普通に固い岩の壁なのがわかります。一応、目印になりそうな石をいくつか重ねてから、私はゆっくりと歩き始めました。
しかし、ぐるりと1周しましたが、抜け出せそうなドアなり、出口が見当たりません。
――もしかして、上の方にあるのかも?
私は生活魔法の『ライト』を唱えると、現れた光の玉を上へと放り投げます。
残念ながら、それらしいのは見当たりません。参りました。
もしかして、『フライ』で上まで飛んでいかないとダメなのかもしれません。
かなり下まで落ちてきた気がするので、今あるMPでは足りないかもしれません。
――これを『詰んだ』っていうのよね。きっと。
私は腕組をしたまま、上空を睨みつける。
「もうっ!」
思わず苛立ちを地面に叩きつけるように、右足をドンッと踏みしめました。
サーッ
目の前の壁が、自動ドアのように左右に開きました。
「え」
思わず、声が出たのは、仕方がないと思います。
正面の空間は真っ暗で、奥の方が見えません。スキルの『探知』を使ってみると、探知できる範囲内には敵はいないようです。
となったら、前に進むしかありません。
私は万が一のためにも、スキルの『隠蔽』を使いながら、同時に『探知』を展開して、『夜目』を使って暗がりの中へと足を踏み入れました。
その瞬間、まるで『ゼリー』のような、なんともいえない抵抗感を感じたと思ったら、ずるりと潜り抜けたと同時に、背後の空間が消えてしまいました。
――これって、もう戻れないってこと!?
しかし、ここで確認するのも時間が勿体ない気がするので、私は忍び足で前に進むことにしました。
道は一本道でした。暗がりの中、どこにも曲がる道もなく、魔物除けのネックレスのおかげで魔物とも遭遇せず、罠にもあいません。このまま、真っすぐ進んでいいのか、段々と不安な気持ちが膨らんでいきます。
どれくらい歩いたかわからないくらい、気持ちの方が限界になりそうになった時、正面に壁が見えました。壁面と同じように、岩でゴツゴツしています。
「ここまで来て、まさかの行き止まり!?」
そう思ったら、思わず膝から崩れ落ちた途端。
ゴトン
目の前の壁が急に消えて、目の前に広い場所が現れました。
――ここも隠し扉かよ!
大きくため息をついた後、再び正面を見つめます。
延々と歩き続けた道と比べて、ぼんやりと明るいその場所には、大きな魔法陣が描かれています。
私は、なんとか立ち上がって気合を入れると、この広い部屋へと足を踏み入れたのでした。
外といっても、セーフティーエリア内です。そもそも、ここから出られないと、どうしようもないのですが、肝心の出口らしきものが見当たりません。
真っ暗ではあるものの、スキル『夜目』があるので、ぼんやりと周囲の様子が伺えます。私が落ちたのは、ちょうど穴の中央付近だったようです。とにかく壁際に寄って寄って確認してみないと何も始まりません。
テントを片づけると、私は目の前の壁へと近づきました。手で触れてみると、普通に固い岩の壁なのがわかります。一応、目印になりそうな石をいくつか重ねてから、私はゆっくりと歩き始めました。
しかし、ぐるりと1周しましたが、抜け出せそうなドアなり、出口が見当たりません。
――もしかして、上の方にあるのかも?
私は生活魔法の『ライト』を唱えると、現れた光の玉を上へと放り投げます。
残念ながら、それらしいのは見当たりません。参りました。
もしかして、『フライ』で上まで飛んでいかないとダメなのかもしれません。
かなり下まで落ちてきた気がするので、今あるMPでは足りないかもしれません。
――これを『詰んだ』っていうのよね。きっと。
私は腕組をしたまま、上空を睨みつける。
「もうっ!」
思わず苛立ちを地面に叩きつけるように、右足をドンッと踏みしめました。
サーッ
目の前の壁が、自動ドアのように左右に開きました。
「え」
思わず、声が出たのは、仕方がないと思います。
正面の空間は真っ暗で、奥の方が見えません。スキルの『探知』を使ってみると、探知できる範囲内には敵はいないようです。
となったら、前に進むしかありません。
私は万が一のためにも、スキルの『隠蔽』を使いながら、同時に『探知』を展開して、『夜目』を使って暗がりの中へと足を踏み入れました。
その瞬間、まるで『ゼリー』のような、なんともいえない抵抗感を感じたと思ったら、ずるりと潜り抜けたと同時に、背後の空間が消えてしまいました。
――これって、もう戻れないってこと!?
しかし、ここで確認するのも時間が勿体ない気がするので、私は忍び足で前に進むことにしました。
道は一本道でした。暗がりの中、どこにも曲がる道もなく、魔物除けのネックレスのおかげで魔物とも遭遇せず、罠にもあいません。このまま、真っすぐ進んでいいのか、段々と不安な気持ちが膨らんでいきます。
どれくらい歩いたかわからないくらい、気持ちの方が限界になりそうになった時、正面に壁が見えました。壁面と同じように、岩でゴツゴツしています。
「ここまで来て、まさかの行き止まり!?」
そう思ったら、思わず膝から崩れ落ちた途端。
ゴトン
目の前の壁が急に消えて、目の前に広い場所が現れました。
――ここも隠し扉かよ!
大きくため息をついた後、再び正面を見つめます。
延々と歩き続けた道と比べて、ぼんやりと明るいその場所には、大きな魔法陣が描かれています。
私は、なんとか立ち上がって気合を入れると、この広い部屋へと足を踏み入れたのでした。
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