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第11章 待っていられなかった私と人気俳優の彼
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近所の神社で年越しの初詣。兄ちゃんと彼女の優さん、一馬と私の四人で並んでいた時、呑気に年越しの挨拶の電話をしてきた遼ちゃん。
私の気持ちなんて気づきもしないことに、イラっとする。
『美輪、あけましておめでとう』
「まだ、そっちは年越してないでしょ?」
『まぁね。でも、美輪のいる時間が、僕のいる時間だから。みんな元気?』
何も言わないんだな。
「うん」
遼ちゃんからしてみたら、言い訳するようなことをしてないから?
一緒にいる写真ってだけ、なんだろうけれど、そんなことでだって、私は不安になるんだよ? わかってる?
『美輪と一緒に年越しそば食べたかったなぁ』
ぼそっと言った遼ちゃん。
私だって、と口にしようとした時、気が付いたら、耳をスマホに寄せていた一馬が、私からスマホを取り上げて口を出した。
「浮気もんに食わせるそばはないっ!」
『なっ!?』
「ふん、お前、他の女とか近づけてんじゃねーよ。脇が甘いってんだよっ」
『え? か、一馬くん? 何言ってんだよ』
「美輪が何も言わないからって、調子こいてんじゃねーよ」
『いや、まじで何のことだか』
「マネージャーにでも聞け。アホ」
私の手元にスマホが戻ってきた時には、すでに電話は切れた状態だった。
「かーーーーーずーーーーーまーーーーーーーっ!」
「な、なんだよ~。美輪が言わねぇから、俺が言ってやったんじゃねぇかっ」
顔を引きつらせてる一馬の頬っぺたを、思わず捻りあげてしまう私。
「遼ちゃんに余計な心配かけさせないでっ。まだ、行ったばっかなんだからっ」
「ひ、ひはひよ~。」
薄ら涙目になっている一馬。
優さんは、じゃれ合ってる私たちを見てクスクス笑いながら言った。
「まぁ、あんな画像みちゃったら、一言言いたくもなるわよ。美輪ちゃん。とりあえず、L〇NEだけしておいたら?」
「あ、はい」
優さんに優しく言われると、照れくさくなる。
少しずつ参拝の列が進んでいく中で、一馬の腕に手を回しながら、スマホの画面とにらめっこする。
『一馬のことは気にしないで。勉強がんばって。もうすぐお賽銭いれるとこ』
お賽銭を放り投げて、遼ちゃんの無事とこれからのアメリカでの生活を祈った。私のことはその次でいいから。
甘酒とお神酒をくばっているところに、一馬を無理やり引っ張りながら行く。
「慰謝料。甘酒のお金出して。」
「えー、俺、悪いことしてないと思うけどー」
「遼ちゃんに余計な心配かけたからっ」
「だからって、美輪に奢る必要ないじゃーん」
「主人が不在ですので、妻の私に払って。」
「ぷぷぷ。妻って。全然、妻っぽくないんですけど」
三日月のような目つきになる一馬。
……ねぇ。一馬、マジで殴られたい?
気が付くと、L〇NEには既読がついていて、でも返事はなくて、ちょっとだけ寂しくなった。
私の気持ちなんて気づきもしないことに、イラっとする。
『美輪、あけましておめでとう』
「まだ、そっちは年越してないでしょ?」
『まぁね。でも、美輪のいる時間が、僕のいる時間だから。みんな元気?』
何も言わないんだな。
「うん」
遼ちゃんからしてみたら、言い訳するようなことをしてないから?
一緒にいる写真ってだけ、なんだろうけれど、そんなことでだって、私は不安になるんだよ? わかってる?
『美輪と一緒に年越しそば食べたかったなぁ』
ぼそっと言った遼ちゃん。
私だって、と口にしようとした時、気が付いたら、耳をスマホに寄せていた一馬が、私からスマホを取り上げて口を出した。
「浮気もんに食わせるそばはないっ!」
『なっ!?』
「ふん、お前、他の女とか近づけてんじゃねーよ。脇が甘いってんだよっ」
『え? か、一馬くん? 何言ってんだよ』
「美輪が何も言わないからって、調子こいてんじゃねーよ」
『いや、まじで何のことだか』
「マネージャーにでも聞け。アホ」
私の手元にスマホが戻ってきた時には、すでに電話は切れた状態だった。
「かーーーーーずーーーーーまーーーーーーーっ!」
「な、なんだよ~。美輪が言わねぇから、俺が言ってやったんじゃねぇかっ」
顔を引きつらせてる一馬の頬っぺたを、思わず捻りあげてしまう私。
「遼ちゃんに余計な心配かけさせないでっ。まだ、行ったばっかなんだからっ」
「ひ、ひはひよ~。」
薄ら涙目になっている一馬。
優さんは、じゃれ合ってる私たちを見てクスクス笑いながら言った。
「まぁ、あんな画像みちゃったら、一言言いたくもなるわよ。美輪ちゃん。とりあえず、L〇NEだけしておいたら?」
「あ、はい」
優さんに優しく言われると、照れくさくなる。
少しずつ参拝の列が進んでいく中で、一馬の腕に手を回しながら、スマホの画面とにらめっこする。
『一馬のことは気にしないで。勉強がんばって。もうすぐお賽銭いれるとこ』
お賽銭を放り投げて、遼ちゃんの無事とこれからのアメリカでの生活を祈った。私のことはその次でいいから。
甘酒とお神酒をくばっているところに、一馬を無理やり引っ張りながら行く。
「慰謝料。甘酒のお金出して。」
「えー、俺、悪いことしてないと思うけどー」
「遼ちゃんに余計な心配かけたからっ」
「だからって、美輪に奢る必要ないじゃーん」
「主人が不在ですので、妻の私に払って。」
「ぷぷぷ。妻って。全然、妻っぽくないんですけど」
三日月のような目つきになる一馬。
……ねぇ。一馬、マジで殴られたい?
気が付くと、L〇NEには既読がついていて、でも返事はなくて、ちょっとだけ寂しくなった。
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