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第2章 新入社員の私に人気俳優の彼
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スーツから、部屋着(といっても、Tシャツに膝丈のステテコ)に着替えて、一息ついた時。
ピンポーン
玄関のチャイムに、ビクッとする。
まさか、と思って、念のため、スマホをチェック。
L〇NEのマークにため息をつく。
『まーだーでーすーかー』
ピンポーン
ドアスコープをのぞくと、遼ちゃんのグレーのパーカーが見える。
思いっきりため息をついてから、ドアを開ける。
「はい……」
「遅いです」
「……」
「お腹すきました」
拗ねた顔が、ちょっとだけ可愛いとか思ってしまう。
「もう、いいや。入って」
ぱぁぁぁっと花のような笑顔になってる。まるで女の子の笑顔だわ。
「片づけたばっかりだから、まだご飯の準備、かかるよ」
私の話に反応もせずに、部屋の中を見回す遼ちゃん。
「あんまり見ないで。あんまり片づけられなかったんだから」
「うん」
1Kに二人だと、やっぱり狭く感じる。
特に、遼ちゃんみたいに背が大きい人がいると、余計にそう思う。
そんな彼が、まるで遊園地に来た子供みたいにワクワクした顔をしてる。
「座ってたら。そこに、テレビのリモコンあるよ」
「うん」
私は、お米を炊飯器にセットする。あとは、まずは煮物からかな。
「よく、自炊するんですか?」
座ってテレビを見ながら、声をかけてくる遼ちゃん。
「帰りが早くて気力があったときくらいかなぁ。最近は忙しかったから、なかなかね。それに、暑いから食欲もわかないし」
「ふーん」
「遼ちゃんは?」
「僕は実家住まいなんで」
「そうなの?」
「まぁ、だからここのマンションが隠れ家なんですけどね。家だと集中できないこともあるんで」
そんなもんなのだろうか。
「それに、移動とか考えると、こっちのほうが楽な時もあるし」
「ふーん。その割に、あんまり遭遇しないね?というか、遭遇したことないよね?」
「美輪さんの活動時間と、たまたま重ならないだけじゃないですか?」
味噌汁は豆腐とネギ。あとは豚肉の生姜焼き。
「美輪さん」
「なに?」
「今さらなんですけど」
「うん」
「彼氏いないんですか?」
いきなりの爆弾発言に、固まる私。
「あ、彼氏じゃなくても好きな人とか」
本当に今さらなことを聞く。耳まで真っ赤にしながら、料理を続ける私。
「い、いないよ」
遼ちゃんのことは気になってはいるけど。それは言わない。恥ずかしくて言えない。
「……あの、身体でっかい人は?」
ん?何を言ってるんだろう?
「今日、会社でイチャイチャしてたじゃない」
へ? どういうこと?
思わず振り向くと、テレビは見てなくて、私の方を見てる遼ちゃん。
「僕が行った時。美輪さんのこと、抱きしめてたじゃない」
な、何を勘違いしている?
「え、え、えぇぇ?」
「いつも、一緒にお昼食べてるみたいだし」
……は?
「僕が見る時、いっつも一緒にいて楽しそうだし」
いつも? いつもって?
……もしかして、あの視線。
「まさか、今日のお昼とか、見てた?」
「う、うん。」
「他にも?」
「……」
呆れて大きなため息をついた私は、ガスコンロを止めて、小さいテーブルの反対側に座った。
「んーと、まず、あの大きい人は同じ部署の先輩ね。それに抱きしめられてないし。目を隠そうとしてたから、はずそうとしてただけで」
「……」
「それと。ストーカーみたいなこと、しないで」
「ス、ストーカーじゃないもの」
「でも、私がそう感じたら、ストーカーだよね?」
「うっ」
「遼ちゃん、有名人なんだよ。ちょっとは自覚しなよ」
「……」
「まぁ、私みたいのじゃ、スキャンダルにもならないだろうけどさ」
なんとなく、自分を卑下するのって悲しい。でも現実考えたら、仕方ない。
「美輪さんは、かわいい。」
遼ちゃんの強い言葉に、息をのむ。
「それに、僕程度は有名人じゃない。有名人ってのは、朝ドラとか出て全国区になってる人のことを言うんだ」
……いやいや。それ違うでしょ。
「じゃあ、あの人は関係ないんだね?」
「お兄さんみたいに尊敬してる先輩だよ。第一、今日は、女の先輩も一緒にいたし。まったく、何、勘違いしてるんだか。」
料理の続きをしようと立ち上がる。
「……よかった。」
遼ちゃんが、俯きながら、小さくつぶやいた。
ピンポーン
玄関のチャイムに、ビクッとする。
まさか、と思って、念のため、スマホをチェック。
L〇NEのマークにため息をつく。
『まーだーでーすーかー』
ピンポーン
ドアスコープをのぞくと、遼ちゃんのグレーのパーカーが見える。
思いっきりため息をついてから、ドアを開ける。
「はい……」
「遅いです」
「……」
「お腹すきました」
拗ねた顔が、ちょっとだけ可愛いとか思ってしまう。
「もう、いいや。入って」
ぱぁぁぁっと花のような笑顔になってる。まるで女の子の笑顔だわ。
「片づけたばっかりだから、まだご飯の準備、かかるよ」
私の話に反応もせずに、部屋の中を見回す遼ちゃん。
「あんまり見ないで。あんまり片づけられなかったんだから」
「うん」
1Kに二人だと、やっぱり狭く感じる。
特に、遼ちゃんみたいに背が大きい人がいると、余計にそう思う。
そんな彼が、まるで遊園地に来た子供みたいにワクワクした顔をしてる。
「座ってたら。そこに、テレビのリモコンあるよ」
「うん」
私は、お米を炊飯器にセットする。あとは、まずは煮物からかな。
「よく、自炊するんですか?」
座ってテレビを見ながら、声をかけてくる遼ちゃん。
「帰りが早くて気力があったときくらいかなぁ。最近は忙しかったから、なかなかね。それに、暑いから食欲もわかないし」
「ふーん」
「遼ちゃんは?」
「僕は実家住まいなんで」
「そうなの?」
「まぁ、だからここのマンションが隠れ家なんですけどね。家だと集中できないこともあるんで」
そんなもんなのだろうか。
「それに、移動とか考えると、こっちのほうが楽な時もあるし」
「ふーん。その割に、あんまり遭遇しないね?というか、遭遇したことないよね?」
「美輪さんの活動時間と、たまたま重ならないだけじゃないですか?」
味噌汁は豆腐とネギ。あとは豚肉の生姜焼き。
「美輪さん」
「なに?」
「今さらなんですけど」
「うん」
「彼氏いないんですか?」
いきなりの爆弾発言に、固まる私。
「あ、彼氏じゃなくても好きな人とか」
本当に今さらなことを聞く。耳まで真っ赤にしながら、料理を続ける私。
「い、いないよ」
遼ちゃんのことは気になってはいるけど。それは言わない。恥ずかしくて言えない。
「……あの、身体でっかい人は?」
ん?何を言ってるんだろう?
「今日、会社でイチャイチャしてたじゃない」
へ? どういうこと?
思わず振り向くと、テレビは見てなくて、私の方を見てる遼ちゃん。
「僕が行った時。美輪さんのこと、抱きしめてたじゃない」
な、何を勘違いしている?
「え、え、えぇぇ?」
「いつも、一緒にお昼食べてるみたいだし」
……は?
「僕が見る時、いっつも一緒にいて楽しそうだし」
いつも? いつもって?
……もしかして、あの視線。
「まさか、今日のお昼とか、見てた?」
「う、うん。」
「他にも?」
「……」
呆れて大きなため息をついた私は、ガスコンロを止めて、小さいテーブルの反対側に座った。
「んーと、まず、あの大きい人は同じ部署の先輩ね。それに抱きしめられてないし。目を隠そうとしてたから、はずそうとしてただけで」
「……」
「それと。ストーカーみたいなこと、しないで」
「ス、ストーカーじゃないもの」
「でも、私がそう感じたら、ストーカーだよね?」
「うっ」
「遼ちゃん、有名人なんだよ。ちょっとは自覚しなよ」
「……」
「まぁ、私みたいのじゃ、スキャンダルにもならないだろうけどさ」
なんとなく、自分を卑下するのって悲しい。でも現実考えたら、仕方ない。
「美輪さんは、かわいい。」
遼ちゃんの強い言葉に、息をのむ。
「それに、僕程度は有名人じゃない。有名人ってのは、朝ドラとか出て全国区になってる人のことを言うんだ」
……いやいや。それ違うでしょ。
「じゃあ、あの人は関係ないんだね?」
「お兄さんみたいに尊敬してる先輩だよ。第一、今日は、女の先輩も一緒にいたし。まったく、何、勘違いしてるんだか。」
料理の続きをしようと立ち上がる。
「……よかった。」
遼ちゃんが、俯きながら、小さくつぶやいた。
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