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第11章
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母親の一族に命を狙われるとか、どういうハードモード。
その上、父親の方の一族にしても、今更、新たな火種になりそうな子供(それもハーフエルフ)の俺を受け入れるとは思えない。
だいたい、俺の父親っていうのも、母親の一族に殺されてるんだぞ?
そもそも、一度も会ったことのない相手に、親族と言われても、って俺でも思う。
「ハル」
「うん?」
へリウスが真剣な顔。
「うちの子になるか」
「うん?」
「そうか、よし!」
「いや、違うっ! 返事したつもりはないっ!」
「なんでだよ!」
普通にいきなりすぎての反応だよ!
「へリウス、あんた、メイリンに話してあるの?」
「ギルド経由であっちから連絡をいれてもらってる」
「で、返事はもらってるんだろうね? 勝手に決めてないわよね?」
「ああ! 大丈夫だ!」
自信満々のへリウスに、呆れているミーシャさん。
「あんたん所は、あっちと繋がりがあるんじゃなかった?」
ちらりとアーロンさんへと目を向ける。
「確かにアーロンの一族が、あちらには根付いているが」
「姉の嫁ぎ先の商家は、一応、あっちでもかなり大きな商家でして」
「……本当に大丈夫なの?」
喧々諤々と大人たちが俺の行く先で揉めている。
正直、今更、どこかの家に入るっていうのが、ピンとこない。
確かに、ボブさんたちや、へリウス、アーロンに助けてもらった。こんな子供の身体で、日本とは違う、過酷な異世界でここまで生きてこれたのも、彼らがいたからだ。
見かけは5才児だけど、中身は18才。
むしろ、独立して何かしたいと思うくらいだ。見かけが5才児でなければ。
この短いような、長いような間、へリウスやアーロンを見てきた俺にとっては、この世界でのロールモデルは彼らになるわけで。
「あのさ」
俺の声に、皆の視線が向く。
「俺、冒険者になりたい」
「うん?」
「まぁ、身体は子供だし、ちょっと、時々、子供っぽいかもしれないけどさ」
「……」
「ちゃんと、自分の身くらい、自分で守れるようになりたい」
たぶん、これから先、面倒なことに巻き込まれるのは確実だと思う。
何せ、得体の知れない俺という存在を、未だに母親の一族が探すくらいだ。しつこそうなのは、俺だって想像できる。
「だから、へリウスのとこで、世話になってもいい?」
「ああ、いいとも! きっちり、鍛えてやるぞ」
ニカッと笑うへリウスに、俺もニヤリと笑い返す。
「……あんた、ハルに魔法のことは教えられるの?」
「あ」
「あ」
「あ、じゃないわよ」
エルフの魔法、獣人のへリウスは教えられなかったっけ。
呆れた顔のミーシャさん。俺の方をジッと見てから、ぽそりと「鑑定」と呟く。
「……うわ、しっかり、名前付いてるし」
『ああ。これは鑑定持ちに見つかったら一発でマズいヤツだな』
「え、え、え?」
「よく今まで無事だったよね……って、そういう精霊王様だって、何気に加護、与えてんじゃないのっ!?」
「え、え、え!?」
『ハハハ、他の連中も、コイツに会ったら与えずにはいられまいよ』
ど、どういうこと!?
その上、父親の方の一族にしても、今更、新たな火種になりそうな子供(それもハーフエルフ)の俺を受け入れるとは思えない。
だいたい、俺の父親っていうのも、母親の一族に殺されてるんだぞ?
そもそも、一度も会ったことのない相手に、親族と言われても、って俺でも思う。
「ハル」
「うん?」
へリウスが真剣な顔。
「うちの子になるか」
「うん?」
「そうか、よし!」
「いや、違うっ! 返事したつもりはないっ!」
「なんでだよ!」
普通にいきなりすぎての反応だよ!
「へリウス、あんた、メイリンに話してあるの?」
「ギルド経由であっちから連絡をいれてもらってる」
「で、返事はもらってるんだろうね? 勝手に決めてないわよね?」
「ああ! 大丈夫だ!」
自信満々のへリウスに、呆れているミーシャさん。
「あんたん所は、あっちと繋がりがあるんじゃなかった?」
ちらりとアーロンさんへと目を向ける。
「確かにアーロンの一族が、あちらには根付いているが」
「姉の嫁ぎ先の商家は、一応、あっちでもかなり大きな商家でして」
「……本当に大丈夫なの?」
喧々諤々と大人たちが俺の行く先で揉めている。
正直、今更、どこかの家に入るっていうのが、ピンとこない。
確かに、ボブさんたちや、へリウス、アーロンに助けてもらった。こんな子供の身体で、日本とは違う、過酷な異世界でここまで生きてこれたのも、彼らがいたからだ。
見かけは5才児だけど、中身は18才。
むしろ、独立して何かしたいと思うくらいだ。見かけが5才児でなければ。
この短いような、長いような間、へリウスやアーロンを見てきた俺にとっては、この世界でのロールモデルは彼らになるわけで。
「あのさ」
俺の声に、皆の視線が向く。
「俺、冒険者になりたい」
「うん?」
「まぁ、身体は子供だし、ちょっと、時々、子供っぽいかもしれないけどさ」
「……」
「ちゃんと、自分の身くらい、自分で守れるようになりたい」
たぶん、これから先、面倒なことに巻き込まれるのは確実だと思う。
何せ、得体の知れない俺という存在を、未だに母親の一族が探すくらいだ。しつこそうなのは、俺だって想像できる。
「だから、へリウスのとこで、世話になってもいい?」
「ああ、いいとも! きっちり、鍛えてやるぞ」
ニカッと笑うへリウスに、俺もニヤリと笑い返す。
「……あんた、ハルに魔法のことは教えられるの?」
「あ」
「あ」
「あ、じゃないわよ」
エルフの魔法、獣人のへリウスは教えられなかったっけ。
呆れた顔のミーシャさん。俺の方をジッと見てから、ぽそりと「鑑定」と呟く。
「……うわ、しっかり、名前付いてるし」
『ああ。これは鑑定持ちに見つかったら一発でマズいヤツだな』
「え、え、え?」
「よく今まで無事だったよね……って、そういう精霊王様だって、何気に加護、与えてんじゃないのっ!?」
「え、え、え!?」
『ハハハ、他の連中も、コイツに会ったら与えずにはいられまいよ』
ど、どういうこと!?
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