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第6章
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俺たちは結局、護衛の依頼を取ることが出来なかった。長距離移動の連中にしてみれば、例えAランクでも子連れは厳しかったらしい。赤ん坊でもないのに、と思うものの、傍から見たら、こんな子供は足手まといでしかないのだろう。へリウス、すまん。
しかし、へリウスが言っていたとおり、一泊二日の徒歩移動でヨドドにはついてしまった。護衛しながらの移動だったら、その倍以上かかってただろう、と言われた。へリウスの身体能力高すぎ。
「やはり、ここで溜まっている連中が多いな」
ヨドドの町はたいして大きくはなかった。たぶん、普段は通過するだけの町のせいなのだろう。宿屋は満杯で、町の外の外壁沿いに、野営をしている連中すらいた。この周辺は低ランクではあるものの、魔物も出没する場所だけに、見張り役もしなきゃならない冒険者たちも大変だ。
へリウスは渋い顔をしながら、町の冒険者ギルドの建物へと向かう。町の規模に合わせて、ここのギルドは小さい。たぶん、出張所扱いなんだろう。中に入ってみれば、多くの冒険者でごった返している。
俺たちは、すぐに依頼が貼りだしてある掲示板へと向かう。他の冒険者に比べて、へリウスは頭一つ分くらいとびぬけているおかげで、掲示板を見るのも苦労しない。当然、肩車されてる俺も、バッチリ読める。
「護衛依頼が多いな」
ここから先、高ランクの魔物が増えるせいか、護衛の条件が格段に上がっているらしい。ヨドドまでだったら、Dランクでも十分だったのが、ここから先は、Cランク以上となっている。
ここまでは来れても、この先には行けない冒険者が溜まっているってことか。
「それに魔物討伐も多い……それも、ずいぶんと高ランクのが多いな」
魔物討伐で稼ぎたい冒険者が居残りを決めているのかもしれない。
へリウスはAランクだけど、それでも、俺が一緒じゃ、護衛を拒否される可能性の方が高い。俺が、あっちの姿だったら、もう少しマシに扱ってもらえるだろうに。申し訳ない気持ちになる。
「おう、狼の兄ちゃん、子供連れでこの先に行くのは、しばらくはやめておけ」
へリウスの隣に立っていた、三十代くらいのおっさんが声をかけてきた。格好からして、彼も冒険者なのかもしれない。
「もう少しすりゃぁ、『剛腕の獅子』たちが討伐を終えて帰ってくるはずだ」
「『剛腕の獅子』?」
思わず、上からおっさんに問いかけた。
「ああ、少し前に、護衛でここまで来たBランクのパーティさ。今は、魔物討伐で大忙しだけどな」
「へぇ……へリウスは知ってる?」
「いや、俺はこっちの冒険者のことはよく知らねぇからなぁ」
「なんだい、あんたは、あっちの大陸の人なのかい。珍しいね」
「ああ、これから戻ろうと思ってたら、乗合馬車が動かないっていうからよ、とりあえず、ここまでは来てみたんだが」
「ああ……最近、魔物、それもランクの高い奴らが増えてなぁ」
なんでも、最近はワイバーンの姿が頻繁にみられるらしい。どうもワイバーンの巣が近くにあるのか、街道沿いの森の方から多数のワイバーンが飛んでくるらしいのだ。それを討伐しに、その『剛腕の獅子』とかいう冒険者のパーティが向かったそうだ。
「なんか、名前は強そうだね」
「名前だけじゃねぇ、実際に強いんだ」
まるで自分のことのように、自慢しそうになるおっさんを置いて、へリウスと俺は早々にその場を離れる。そんな残念そうな顔されてもね。
「どうする? へリウス」
「まいったな。ワイバーンも厄介だが、貼りだされている討伐対象の魔物のランクも比較的高いものばかりだ。前に来た時は、ここまで酷くはなかったんだがな」
「そうなの?」
「ああ……少しばかり時間はかかるかもしれんが、あいつに頼んでみるか」
「あいつ?」
「魔法使いの友人さ」
渋い顔をしたへリウスが、深い溜息をついた。
しかし、へリウスが言っていたとおり、一泊二日の徒歩移動でヨドドにはついてしまった。護衛しながらの移動だったら、その倍以上かかってただろう、と言われた。へリウスの身体能力高すぎ。
「やはり、ここで溜まっている連中が多いな」
ヨドドの町はたいして大きくはなかった。たぶん、普段は通過するだけの町のせいなのだろう。宿屋は満杯で、町の外の外壁沿いに、野営をしている連中すらいた。この周辺は低ランクではあるものの、魔物も出没する場所だけに、見張り役もしなきゃならない冒険者たちも大変だ。
へリウスは渋い顔をしながら、町の冒険者ギルドの建物へと向かう。町の規模に合わせて、ここのギルドは小さい。たぶん、出張所扱いなんだろう。中に入ってみれば、多くの冒険者でごった返している。
俺たちは、すぐに依頼が貼りだしてある掲示板へと向かう。他の冒険者に比べて、へリウスは頭一つ分くらいとびぬけているおかげで、掲示板を見るのも苦労しない。当然、肩車されてる俺も、バッチリ読める。
「護衛依頼が多いな」
ここから先、高ランクの魔物が増えるせいか、護衛の条件が格段に上がっているらしい。ヨドドまでだったら、Dランクでも十分だったのが、ここから先は、Cランク以上となっている。
ここまでは来れても、この先には行けない冒険者が溜まっているってことか。
「それに魔物討伐も多い……それも、ずいぶんと高ランクのが多いな」
魔物討伐で稼ぎたい冒険者が居残りを決めているのかもしれない。
へリウスはAランクだけど、それでも、俺が一緒じゃ、護衛を拒否される可能性の方が高い。俺が、あっちの姿だったら、もう少しマシに扱ってもらえるだろうに。申し訳ない気持ちになる。
「おう、狼の兄ちゃん、子供連れでこの先に行くのは、しばらくはやめておけ」
へリウスの隣に立っていた、三十代くらいのおっさんが声をかけてきた。格好からして、彼も冒険者なのかもしれない。
「もう少しすりゃぁ、『剛腕の獅子』たちが討伐を終えて帰ってくるはずだ」
「『剛腕の獅子』?」
思わず、上からおっさんに問いかけた。
「ああ、少し前に、護衛でここまで来たBランクのパーティさ。今は、魔物討伐で大忙しだけどな」
「へぇ……へリウスは知ってる?」
「いや、俺はこっちの冒険者のことはよく知らねぇからなぁ」
「なんだい、あんたは、あっちの大陸の人なのかい。珍しいね」
「ああ、これから戻ろうと思ってたら、乗合馬車が動かないっていうからよ、とりあえず、ここまでは来てみたんだが」
「ああ……最近、魔物、それもランクの高い奴らが増えてなぁ」
なんでも、最近はワイバーンの姿が頻繁にみられるらしい。どうもワイバーンの巣が近くにあるのか、街道沿いの森の方から多数のワイバーンが飛んでくるらしいのだ。それを討伐しに、その『剛腕の獅子』とかいう冒険者のパーティが向かったそうだ。
「なんか、名前は強そうだね」
「名前だけじゃねぇ、実際に強いんだ」
まるで自分のことのように、自慢しそうになるおっさんを置いて、へリウスと俺は早々にその場を離れる。そんな残念そうな顔されてもね。
「どうする? へリウス」
「まいったな。ワイバーンも厄介だが、貼りだされている討伐対象の魔物のランクも比較的高いものばかりだ。前に来た時は、ここまで酷くはなかったんだがな」
「そうなの?」
「ああ……少しばかり時間はかかるかもしれんが、あいつに頼んでみるか」
「あいつ?」
「魔法使いの友人さ」
渋い顔をしたへリウスが、深い溜息をついた。
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