63 / 81
第7章
62
しおりを挟む「氷系の魔法使いは希少じゃ無かったのか?」
客入りも悪いし、早めに店を閉めての作戦会議だ。
時夫が疑問を呈する。
「学園でも多分一人もいないと思います」
国の強力な魔力を持つ若者が3桁も集まるところでも居ないレベルの希少さだ。
だからこそ他の魔法の組み合わせでも、氷を作れる時夫と、特別な種族のフォクシーのいるこの店の地位は盤石だった筈なのだが。
「氷系の魔力の篭った魔石も存在はするのですが、他国の王室が代々所有する杖についているとかですから、魔道具でもあり得ません」
ルミィが魔道具の可能性も否定する。
よしんば魔石を手に入れられたとしても、そこまでの代物をアイスクリーム作るのには使わないだろう。
「まさか……氷を冬から取っておいて、それを利用して?」
氷室とかこの世界にもありそうだし。
「それで価格競争で我々に勝てますか?
こちらは冷やす過程が省けてるんですよ」
コニーの意見は最もだ。
「調査が必要だ。潜入するぞ」
時夫が重々しく結論を告げた。
「せんにゅー?誰がやります」
ルミィは完全に他人事っぽい顔をしている。
時夫はスッとスプーンでマルンアイスを突いてる当事者であるルミィを指差した。
「え!?私ですか?」
そして、スッと自分を指した。
「え!?トキオですか?」
時夫は胸元を指差した。服の下にはお揃いのネックレス。
「俺ら以外に適任はいないだろ?
客も少ないから他の3人で店回せるだろうし」
そんな訳で『フォームチェンジ』!
「え!?トーニャさん!?」
そうだった。忘れていたが、女の姿を伊織は知ってるんだった。
ちょっと照れるな。
……いや、待て。気持ち悪がられないかな。
急に不安になったが、オドオドしては逆効果かと、コホンと咳払いをして真面目くさって答える。
「そうなんだ。たまに女の姿であちこち潜入して仕事してるんだよ」
「そうだったんですか。トーニャさん優しくて親切だったから、また会いたいと思ってたんです!」
「伊織ちゃん……」
伊織は時夫の両手をギュッと握って歯並びの良い白い歯を見せて笑う。
淑女感は無いけど、魅力的な笑顔だ。
やはり、この笑顔が下品と陰口を言われない日本の方が伊織には合ってるのかも知れない。
「イオリ、いちいち殿方の手を握ったりしてはいけません」
ルミィが苦言を呈してきた。
お嬢様としては気になるのか……。
……いや、でもルミィも偶に時夫の手を握ったりするのに。
迷子の恐れがある時は緊急時だからオッケーってことか?
『嫉妬』と言う単語が頭に浮かび掛けて、頭を振る。
ルミィは相棒だし、時夫はその内日本に帰る身だ。変なことは考えない様にする。
いつまで一緒に居られるか分からないのに、変に意識して関係を壊したくは無い。
「はーい……」
伊織が不服げに手を離す。
そして、ルミィも顔も変える変装をする。
なんと、ゾフィーラ婆さんの姿だ。
これなら、絶対にバレない!
「じゃあ、行ってくるよ」
念のためフードで顔を隠しつつ、いざ、敵陣へゴーゴーだ。
店番3人が手を振り、狐っ娘二人は尻尾も振ってお見送りしてくれる。
店内から、客足が遠のいた今も一日に何度もやってくる冒険者ギルド長も手をブンブン大きく振って見送ってくれる。
……あの人はいい加減ギルドの方の仕事ちゃんとした方が良いと思う。
そんなこんなで、
やって来ました!
新しいアイスクリーム屋さんとやら!
『パーラーゴールダマイン』
時夫の店の客をごっそり引き抜いたように、長蛇の列だ。
最後尾に並んで様子を見ると、なるほど、中々可愛い顔立ちの若い女の子を揃えている。
しかし、身内贔屓無しにこちらの四人の看板娘の方が圧倒的に可愛い、と思う。
違いがあるなら……露出度か。
なんと言うか、時夫デザインの制服は、ちゃんと接客のプロって感じで、でも可愛くって、女性陣の本来の良さが引き立っているが、
こちらは……膝上が出とる!!
いや、ニーソ的なので肌自体はそこまで見せてないけど!
それに……胸元が……出とる!
しかも!凹凸が!胸元の!凹凸が!
「トキオ……何を熱心に見てるんですか……?」
隣のフードを老婆から、低ーい呟きが聞こえた。
「……いや、なんも見てないっす」
――敵の戦略の分析のためなのに!!ルミィは俺を疑うなんて酷いよ……。
本当だよ!!
……とは、言わなかった。変に言葉を重ねる先には地獄が待っている気がする!!
時夫は死線をいくつも潜り抜けるうちに、危機察知能力が上がっているのだ!
きっとこの能力は今後も時夫の命を繋いでくれることだろう……。
「しかし……ゴールダマイン、ですか」
ルミィが意味ありげに看板を見上げながら囁く様な声で独り言を言う。
老婆の姿だと、こう言う呟きも雰囲気出るなぁ。
「何か意味があるのか?ゴールドマイン」
「ゴール、ダ、マインですよ!
……第一王子の手下に緑頭の成金趣味のロン毛がいたでしょう?
アイツの名前がフィリー・ゴールダマインです」
「な、なんだってー!」
「しっ!声が大きいです!」
周りの客の男達は鼻の下を伸ばして店員さんを見てるので、騒ぐ時夫の方は見ていなかった。
あ、あの客はウィルの店で声入り目覚まし時計買いまくってた奴だ!
……うちの店でも見たことある気がするな。
店員さんに果敢に声をかけている。店員さんの笑顔が引き攣り気味だ。
熱意は凄いがあちこち狙いすぎでは?
そして、夏の照りつける太陽に灼かれつつ、なんとか目当てのアイスクリームを手に入れた。
フレーバーはパクられたとしか思えない程に一緒だ。
味はうちの方が良い!……と思う。
「もう常連なんだし、こっそり名前教えてよ~。
今日なんて君と会う為にこれでアイスクリーム食べるの8個目なんだよ?」
さっきの常連客が店員さんを一人捕まえて粘っている。
ツインテールの小柄な女の子だ。
かなり迷惑そう。
時夫の中の紳士たれと自らに求める心が、迷惑客を放置しておけなかった。
「ちょっとトキオ……」
止めるルミィを手で制して、常連客に声を掛けた。
「仕事中の人にあんまり長時間話しかけるもんじゃ無いわよ!」
常連客はポカンとした顔で時夫を見た。
目と口を真ん丸くしている。
顔の輪郭と鼻が元々丸っこいせいで、顔全体が丸で作られている。
「き……綺麗だ……」
「ん……?」
時夫は何かの聞き間違いかと思って、眉を顰めた。
ガバッと常連客が汗ばんでヌルヌルの手で時夫の両手を握りしめた!
うへぇ!手汗すごい……。手を洗いたい……。
振り解こうとしたが、謎のしつこさで汗の滑りもなんのその、振り解けない。
たす……助けて……。
「こりゃ!おなごの手を突然握る者があるか!」
ルミィが妖怪手汗男の肩をグーパンした。
「な、なんだこのババア!」
時夫は『クリーンアップ』で手を綺麗にしつつ、手汗男から距離を取る。
ゾフィーラ婆さんの姿のルミィはいつもの目立つのとは違う予備の地味な杖を構えて時夫を背に庇ってくれている。
ルミィ……ありがとう。
ツインテールの店員さんは気がついたら店の奥に引っ込んでいた。
「この人は私のお婆ちゃんだわよ!」
「トキオ……なんか口調変です」
ルミィの呟きはさて置き、時夫もルミィの背後から精一杯男を睨みつける。
「いや、その……お詫びにアイス奢ります!
……少しお話ししませんか、お嬢さん!」
時夫にも今の状況に合点がいった。
コイツ節操無しに、見た目が良い女に片っ端から声かけてるんだ!
「いや……お断りだわよ!」
ふんっ!時夫はそんな安い女じゃ無いわよ!
ルミィと共にさっさと店を離れる!
アイスは溶けないうちにぺろぺろ舐める!
「ま、待って!俺はあの店の裏メニューも!安さの秘密も!なんでも知ってますよ!」
時夫は足を止める。
ルミィを見る。
ルミィがコクリと頷いた。
「貴様……その話……詳しく聞かせてもらうわよ!」
保護者《ルミィ》付きのおデートが決定した。
客入りも悪いし、早めに店を閉めての作戦会議だ。
時夫が疑問を呈する。
「学園でも多分一人もいないと思います」
国の強力な魔力を持つ若者が3桁も集まるところでも居ないレベルの希少さだ。
だからこそ他の魔法の組み合わせでも、氷を作れる時夫と、特別な種族のフォクシーのいるこの店の地位は盤石だった筈なのだが。
「氷系の魔力の篭った魔石も存在はするのですが、他国の王室が代々所有する杖についているとかですから、魔道具でもあり得ません」
ルミィが魔道具の可能性も否定する。
よしんば魔石を手に入れられたとしても、そこまでの代物をアイスクリーム作るのには使わないだろう。
「まさか……氷を冬から取っておいて、それを利用して?」
氷室とかこの世界にもありそうだし。
「それで価格競争で我々に勝てますか?
こちらは冷やす過程が省けてるんですよ」
コニーの意見は最もだ。
「調査が必要だ。潜入するぞ」
時夫が重々しく結論を告げた。
「せんにゅー?誰がやります」
ルミィは完全に他人事っぽい顔をしている。
時夫はスッとスプーンでマルンアイスを突いてる当事者であるルミィを指差した。
「え!?私ですか?」
そして、スッと自分を指した。
「え!?トキオですか?」
時夫は胸元を指差した。服の下にはお揃いのネックレス。
「俺ら以外に適任はいないだろ?
客も少ないから他の3人で店回せるだろうし」
そんな訳で『フォームチェンジ』!
「え!?トーニャさん!?」
そうだった。忘れていたが、女の姿を伊織は知ってるんだった。
ちょっと照れるな。
……いや、待て。気持ち悪がられないかな。
急に不安になったが、オドオドしては逆効果かと、コホンと咳払いをして真面目くさって答える。
「そうなんだ。たまに女の姿であちこち潜入して仕事してるんだよ」
「そうだったんですか。トーニャさん優しくて親切だったから、また会いたいと思ってたんです!」
「伊織ちゃん……」
伊織は時夫の両手をギュッと握って歯並びの良い白い歯を見せて笑う。
淑女感は無いけど、魅力的な笑顔だ。
やはり、この笑顔が下品と陰口を言われない日本の方が伊織には合ってるのかも知れない。
「イオリ、いちいち殿方の手を握ったりしてはいけません」
ルミィが苦言を呈してきた。
お嬢様としては気になるのか……。
……いや、でもルミィも偶に時夫の手を握ったりするのに。
迷子の恐れがある時は緊急時だからオッケーってことか?
『嫉妬』と言う単語が頭に浮かび掛けて、頭を振る。
ルミィは相棒だし、時夫はその内日本に帰る身だ。変なことは考えない様にする。
いつまで一緒に居られるか分からないのに、変に意識して関係を壊したくは無い。
「はーい……」
伊織が不服げに手を離す。
そして、ルミィも顔も変える変装をする。
なんと、ゾフィーラ婆さんの姿だ。
これなら、絶対にバレない!
「じゃあ、行ってくるよ」
念のためフードで顔を隠しつつ、いざ、敵陣へゴーゴーだ。
店番3人が手を振り、狐っ娘二人は尻尾も振ってお見送りしてくれる。
店内から、客足が遠のいた今も一日に何度もやってくる冒険者ギルド長も手をブンブン大きく振って見送ってくれる。
……あの人はいい加減ギルドの方の仕事ちゃんとした方が良いと思う。
そんなこんなで、
やって来ました!
新しいアイスクリーム屋さんとやら!
『パーラーゴールダマイン』
時夫の店の客をごっそり引き抜いたように、長蛇の列だ。
最後尾に並んで様子を見ると、なるほど、中々可愛い顔立ちの若い女の子を揃えている。
しかし、身内贔屓無しにこちらの四人の看板娘の方が圧倒的に可愛い、と思う。
違いがあるなら……露出度か。
なんと言うか、時夫デザインの制服は、ちゃんと接客のプロって感じで、でも可愛くって、女性陣の本来の良さが引き立っているが、
こちらは……膝上が出とる!!
いや、ニーソ的なので肌自体はそこまで見せてないけど!
それに……胸元が……出とる!
しかも!凹凸が!胸元の!凹凸が!
「トキオ……何を熱心に見てるんですか……?」
隣のフードを老婆から、低ーい呟きが聞こえた。
「……いや、なんも見てないっす」
――敵の戦略の分析のためなのに!!ルミィは俺を疑うなんて酷いよ……。
本当だよ!!
……とは、言わなかった。変に言葉を重ねる先には地獄が待っている気がする!!
時夫は死線をいくつも潜り抜けるうちに、危機察知能力が上がっているのだ!
きっとこの能力は今後も時夫の命を繋いでくれることだろう……。
「しかし……ゴールダマイン、ですか」
ルミィが意味ありげに看板を見上げながら囁く様な声で独り言を言う。
老婆の姿だと、こう言う呟きも雰囲気出るなぁ。
「何か意味があるのか?ゴールドマイン」
「ゴール、ダ、マインですよ!
……第一王子の手下に緑頭の成金趣味のロン毛がいたでしょう?
アイツの名前がフィリー・ゴールダマインです」
「な、なんだってー!」
「しっ!声が大きいです!」
周りの客の男達は鼻の下を伸ばして店員さんを見てるので、騒ぐ時夫の方は見ていなかった。
あ、あの客はウィルの店で声入り目覚まし時計買いまくってた奴だ!
……うちの店でも見たことある気がするな。
店員さんに果敢に声をかけている。店員さんの笑顔が引き攣り気味だ。
熱意は凄いがあちこち狙いすぎでは?
そして、夏の照りつける太陽に灼かれつつ、なんとか目当てのアイスクリームを手に入れた。
フレーバーはパクられたとしか思えない程に一緒だ。
味はうちの方が良い!……と思う。
「もう常連なんだし、こっそり名前教えてよ~。
今日なんて君と会う為にこれでアイスクリーム食べるの8個目なんだよ?」
さっきの常連客が店員さんを一人捕まえて粘っている。
ツインテールの小柄な女の子だ。
かなり迷惑そう。
時夫の中の紳士たれと自らに求める心が、迷惑客を放置しておけなかった。
「ちょっとトキオ……」
止めるルミィを手で制して、常連客に声を掛けた。
「仕事中の人にあんまり長時間話しかけるもんじゃ無いわよ!」
常連客はポカンとした顔で時夫を見た。
目と口を真ん丸くしている。
顔の輪郭と鼻が元々丸っこいせいで、顔全体が丸で作られている。
「き……綺麗だ……」
「ん……?」
時夫は何かの聞き間違いかと思って、眉を顰めた。
ガバッと常連客が汗ばんでヌルヌルの手で時夫の両手を握りしめた!
うへぇ!手汗すごい……。手を洗いたい……。
振り解こうとしたが、謎のしつこさで汗の滑りもなんのその、振り解けない。
たす……助けて……。
「こりゃ!おなごの手を突然握る者があるか!」
ルミィが妖怪手汗男の肩をグーパンした。
「な、なんだこのババア!」
時夫は『クリーンアップ』で手を綺麗にしつつ、手汗男から距離を取る。
ゾフィーラ婆さんの姿のルミィはいつもの目立つのとは違う予備の地味な杖を構えて時夫を背に庇ってくれている。
ルミィ……ありがとう。
ツインテールの店員さんは気がついたら店の奥に引っ込んでいた。
「この人は私のお婆ちゃんだわよ!」
「トキオ……なんか口調変です」
ルミィの呟きはさて置き、時夫もルミィの背後から精一杯男を睨みつける。
「いや、その……お詫びにアイス奢ります!
……少しお話ししませんか、お嬢さん!」
時夫にも今の状況に合点がいった。
コイツ節操無しに、見た目が良い女に片っ端から声かけてるんだ!
「いや……お断りだわよ!」
ふんっ!時夫はそんな安い女じゃ無いわよ!
ルミィと共にさっさと店を離れる!
アイスは溶けないうちにぺろぺろ舐める!
「ま、待って!俺はあの店の裏メニューも!安さの秘密も!なんでも知ってますよ!」
時夫は足を止める。
ルミィを見る。
ルミィがコクリと頷いた。
「貴様……その話……詳しく聞かせてもらうわよ!」
保護者《ルミィ》付きのおデートが決定した。
0
お気に入りに追加
165
あなたにおすすめの小説
夫と息子は私が守ります!〜呪いを受けた夫とワケあり義息子を守る転生令嬢の奮闘記〜
梵天丸
恋愛
グリーン侯爵家のシャーレットは、妾の子ということで本妻の子たちとは差別化され、不遇な扱いを受けていた。
そんなシャーレットにある日、いわくつきの公爵との結婚の話が舞い込む。
実はシャーレットはバツイチで元保育士の転生令嬢だった。そしてこの物語の舞台は、彼女が愛読していた小説の世界のものだ。原作の小説には4行ほどしか登場しないシャーレットは、公爵との結婚後すぐに離婚し、出戻っていた。しかしその後、シャーレットは30歳年上のやもめ子爵に嫁がされた挙げ句、愛人に殺されるという不遇な脇役だった。
悲惨な末路を避けるためには、何としても公爵との結婚を長続きさせるしかない。
しかし、嫁いだ先の公爵家は、極寒の北国にある上、夫である公爵は魔女の呪いを受けて目が見えない。さらに公爵を始め、公爵家の人たちはシャーレットに対してよそよそしく、いかにも早く出て行って欲しいという雰囲気だった。原作のシャーレットが耐えきれずに離婚した理由が分かる。しかし、実家に戻れば、悲惨な末路が待っている。シャーレットは図々しく居座る計画を立てる。
そんなある日、シャーレットは城の中で公爵にそっくりな子どもと出会う。その子どもは、公爵のことを「お父さん」と呼んだ。

愛など初めからありませんが。
ましろ
恋愛
お金で売られるように嫁がされた。
お相手はバツイチ子持ちの伯爵32歳。
「君は子供の面倒だけ見てくれればいい」
「要するに貴方様は幸せ家族の演技をしろと仰るのですよね?ですが、子供達にその様な演技力はありますでしょうか?」
「……何を言っている?」
仕事一筋の鈍感不器用夫に嫁いだミッシェルの未来はいかに?
✻基本ゆるふわ設定。箸休め程度に楽しんでいただけると幸いです。

【完結】あなたに抱きしめられたくてー。
彩華(あやはな)
恋愛
細い指が私の首を絞めた。泣く母の顔に、私は自分が生まれてきたことを後悔したー。
そして、母の言われるままに言われ孤児院にお世話になることになる。
やがて学園にいくことになるが、王子殿下にからまれるようになり・・・。
大きな秘密を抱えた私は、彼から逃げるのだった。
同時に母の事実も知ることになってゆく・・・。
*ヤバめの男あり。ヒーローの出現は遅め。
もやもや(いつもながら・・・)、ポロポロありになると思います。初めから重めです。

王宮侍女は穴に落ちる
斑猫
恋愛
婚約破棄されたうえ養家を追い出された
アニエスは王宮で運良く職を得る。
呪われた王女と呼ばれるエリザベ―ト付き
の侍女として。
忙しく働く毎日にやりがいを感じていた。
ところが、ある日ちょっとした諍いから
突き飛ばされて怪しい穴に落ちてしまう。
ちょっと、とぼけた主人公が足フェチな
俺様系騎士団長にいじめ……いや、溺愛され
るお話です。

この度、運命の番に選ばれまして
四馬㋟
恋愛
※章ごとに主人公が変わるオムニバス形式
・青龍の章:
蓬莱国(ほうらいこく)を治める青帝(せいてい)は人ならざるもの、人の形をした神獣――青龍である。ゆえに不老不死で、お世継ぎを作る必要もない。それなのに私は青帝の妻にされ、后となった。望まれない后だった私は、民の反乱に乗して後宮から逃げ出そうとしたものの、夫に捕まり、殺されてしまう。と思ったら時が遡り、夫に出会う前の、四年前の自分に戻っていた。今度は間違えない、と決意した矢先、再び番(つがい)として宮城に連れ戻されてしまう。けれど状況は以前と変わっていて……。
・朱雀の章:
美麗(みれい)は疲れていた。貧乏子沢山、六人姉弟の長女として生まれた美麗は、飲んだくれの父親に代わって必死に働き、五人の弟達を立派に育て上げたものの、気づけば29歳。結婚適齢期を過ぎたおばさんになっていた。長年片思いをしていた幼馴染の結婚を機に、田舎に引っ込もうとしたところ、宮城から迎えが来る。貴女は桃源国を治める朱雀―ー炎帝陛下の番(つがい)だと言われ、のこのこ使者について行った美麗だったが、炎帝陛下本人は「番なんて必要ない」と全力で拒否。その上、「痩せっぽっちで色気がない」「チビで子どもみたい」と美麗の外見を酷評する始末。それでも長女気質で頑張り屋の美麗は、彼の理想の女――番になるため、懸命に努力するのだが、「化粧濃すぎ」「太り過ぎ」と尽く失敗してしまい……

【完結】私はいてもいなくても同じなのですね ~三人姉妹の中でハズレの私~
紺青
恋愛
マルティナはスコールズ伯爵家の三姉妹の中でハズレの存在だ。才媛で美人な姉と愛嬌があり可愛い妹に挟まれた地味で不器用な次女として、家族の世話やフォローに振り回される生活を送っている。そんな自分を諦めて受け入れているマルティナの前に、マルティナの思い込みや常識を覆す存在が現れて―――家族にめぐまれなかったマルティナが、強引だけど優しいブラッドリーと出会って、少しずつ成長し、別離を経て、再生していく物語。
※三章まで上げて落とされる鬱展開続きます。
※因果応報はありますが、痛快爽快なざまぁはありません。
※なろうにも掲載しています。

みんながみんな「あの子の方がお似合いだ」というので、婚約の白紙化を提案してみようと思います
下菊みこと
恋愛
ちょっとどころかだいぶ天然の入ったお嬢さんが、なんとか頑張って婚約の白紙化を狙った結果のお話。
御都合主義のハッピーエンドです。
元鞘に戻ります。
ざまぁはうるさい外野に添えるだけ。
小説家になろう様でも投稿しています。

ヤンデレお兄様から、逃げられません!
夕立悠理
恋愛
──あなたも、私を愛していなかったくせに。
エルシーは、10歳のとき、木から落ちて前世の記憶を思い出した。どうやら、今世のエルシーは家族に全く愛されていないらしい。
それならそれで、魔法も剣もあるのだし、好きに生きよう。それなのに、エルシーが記憶を取り戻してから、義兄のクロードの様子がおかしい……?
ヤンデレな兄×少しだけ活発な妹
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる