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第5章
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サージェント様に言われた通り、翌日にはアストリアの王都から旅立っていた私たち。
まがりなりにも国王陛下のエルドおじさんなのに、旅立つ準備とか、仕事のこととか、そんな簡単に片を付けてしまうことに唖然となる私。
気が付けば馬車にのり、あれよあれよという間に、オルドンに戻ってきてしまった。
予定よりも戻りが早いことと、エルドおじさんを同行していることに驚くかな、と思っていたのに、サカエラおじさんは、待ってましたと言わんばかりに満面の笑みで、エルドおじさんを屋敷に招き入れていた。
アストリアから戻ると、私には、普段通りの毎日が始まった。
違いがあるとすれば、サカエラのおじさんの家に、いつもエルドおじさんがいるようになったことだ。
料理長のホッズさんやマリエッタさんに頼まれた買い物を終えて帰ってくる度。
「おかえり~」
玄関先でドアを開けたとたん、『ただいま』という前に抱き付かれて、毎回私は押しつぶされそうになる。荷物持ってるのに!
「お、おじさんっ、苦しいっ」
背中をポンポンと叩いて、ようやく脱出できる。
毎回、なぜ玄関開けてすぐに、と思ったら、カイルからアストリア土産だと渡されてたチャームについた魔石に、追跡機能がつけられてたことを、ついこの前教えられた。
「そこまでしなくても」
「いやいや、心配なんだよ」
「……ここで心配されるべきなのは、おじさんの方じゃ」
一国の王様が、まさか、こんな商会の会長の屋敷に滞在してるなんて、思ってもいないかもしれないけど。
私が注意しても、おじさんは、ずっとサカエラおじさんの屋敷から出ないからいいんだって。それに、ちゃんと護衛がついていると。わざわざ紹介はしてくれなかったし、姿も見てないんだけど、影で護衛している人がいるんだそうだ。それも複数。全然、私にはわからない。それがプロというものなのかもしれない。
そして、私にもなぜか、女性の護衛がついてしまった。
「レイ様、エルド様のお気持ちですから」
「……はぁ」
私についているのは、ベアトリスさんという、凄い美女。なんでも、カイルの護衛をしているチャールズさん(少し軽い感じの護衛の方)の双子のお姉さんなのだとか。
私の買い物にも一緒に行ってくれる頼もしい女性だ。さすがに、街中を騎士のような格好で平民の私の護衛は浮くので、私と似たような格好をしているけど。違う意味で浮いている。
「ホッズ! 今日の夕食はなんだい?」
厨房に荷物を届けに来た私の後を、嬉しそうについてくるエルドおじさん。
なぜか、オルドンに来てからエルドおじさんが、どんどん元気になっていっている気がする。
「そうですなぁ、エルド様のお好きな卵のフッカ焼きあたりどうですか」
「いいね、いいね」
私の隣で荷物を取り出すのを、楽しそうに手伝うエルドおじさん。
絶対、誰も、この人が国王陛下だなんて、思ったりしないと思う。
まがりなりにも国王陛下のエルドおじさんなのに、旅立つ準備とか、仕事のこととか、そんな簡単に片を付けてしまうことに唖然となる私。
気が付けば馬車にのり、あれよあれよという間に、オルドンに戻ってきてしまった。
予定よりも戻りが早いことと、エルドおじさんを同行していることに驚くかな、と思っていたのに、サカエラおじさんは、待ってましたと言わんばかりに満面の笑みで、エルドおじさんを屋敷に招き入れていた。
アストリアから戻ると、私には、普段通りの毎日が始まった。
違いがあるとすれば、サカエラのおじさんの家に、いつもエルドおじさんがいるようになったことだ。
料理長のホッズさんやマリエッタさんに頼まれた買い物を終えて帰ってくる度。
「おかえり~」
玄関先でドアを開けたとたん、『ただいま』という前に抱き付かれて、毎回私は押しつぶされそうになる。荷物持ってるのに!
「お、おじさんっ、苦しいっ」
背中をポンポンと叩いて、ようやく脱出できる。
毎回、なぜ玄関開けてすぐに、と思ったら、カイルからアストリア土産だと渡されてたチャームについた魔石に、追跡機能がつけられてたことを、ついこの前教えられた。
「そこまでしなくても」
「いやいや、心配なんだよ」
「……ここで心配されるべきなのは、おじさんの方じゃ」
一国の王様が、まさか、こんな商会の会長の屋敷に滞在してるなんて、思ってもいないかもしれないけど。
私が注意しても、おじさんは、ずっとサカエラおじさんの屋敷から出ないからいいんだって。それに、ちゃんと護衛がついていると。わざわざ紹介はしてくれなかったし、姿も見てないんだけど、影で護衛している人がいるんだそうだ。それも複数。全然、私にはわからない。それがプロというものなのかもしれない。
そして、私にもなぜか、女性の護衛がついてしまった。
「レイ様、エルド様のお気持ちですから」
「……はぁ」
私についているのは、ベアトリスさんという、凄い美女。なんでも、カイルの護衛をしているチャールズさん(少し軽い感じの護衛の方)の双子のお姉さんなのだとか。
私の買い物にも一緒に行ってくれる頼もしい女性だ。さすがに、街中を騎士のような格好で平民の私の護衛は浮くので、私と似たような格好をしているけど。違う意味で浮いている。
「ホッズ! 今日の夕食はなんだい?」
厨房に荷物を届けに来た私の後を、嬉しそうについてくるエルドおじさん。
なぜか、オルドンに来てからエルドおじさんが、どんどん元気になっていっている気がする。
「そうですなぁ、エルド様のお好きな卵のフッカ焼きあたりどうですか」
「いいね、いいね」
私の隣で荷物を取り出すのを、楽しそうに手伝うエルドおじさん。
絶対、誰も、この人が国王陛下だなんて、思ったりしないと思う。
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