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心象世界
夢戦闘Ⅲ
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「おい、ぼさっとしてんなよ」
「わっ……え?」
真梅雨の心臓を通過するはずだった銀色の鉄は、横から割って入った江藤海斗の赤髪を掠めた。
続けて連射されるマシンガンの弾を、江藤は、真梅雨を抱きかかえたままジグザグに走り、すべて避けきる。江藤の
動きの速さに、敵兵は照準を合わせることが出来ないようだ。
「ちょっと、どうなってるのよ!」
何が起きているのか意味が分からず、泣きそうになりながら江藤に尋ねる真梅雨。
「詳しいことは後で、とりあえずは、ボーナスステージはクリアならずって所かな」
「海斗、もういいぞ。射線を開けろ」
後ろから、女性の声が聞こえる。峰子のものだ。
「了解です」
返事をして、海斗はビルを走って駆け上ると、二階付近で思い切り壁を蹴って後ろ向きに宙返りする。
その浮遊感の中で、峰子が拳銃で敵兵の眉間を打ち抜いたのが見えた。
「流石です、マイさん」
「久しぶりだったが、私もまだまだ現役だな。それより、君も相変わらずの健脚だね」
「いえ、このくらい。小崎には、こたえたみたいですけどね。気絶してます」
「そうだな。区切りもいいし、そろそろ現実に帰ろうか」
「はい、お願いします」
「わっ……え?」
真梅雨の心臓を通過するはずだった銀色の鉄は、横から割って入った江藤海斗の赤髪を掠めた。
続けて連射されるマシンガンの弾を、江藤は、真梅雨を抱きかかえたままジグザグに走り、すべて避けきる。江藤の
動きの速さに、敵兵は照準を合わせることが出来ないようだ。
「ちょっと、どうなってるのよ!」
何が起きているのか意味が分からず、泣きそうになりながら江藤に尋ねる真梅雨。
「詳しいことは後で、とりあえずは、ボーナスステージはクリアならずって所かな」
「海斗、もういいぞ。射線を開けろ」
後ろから、女性の声が聞こえる。峰子のものだ。
「了解です」
返事をして、海斗はビルを走って駆け上ると、二階付近で思い切り壁を蹴って後ろ向きに宙返りする。
その浮遊感の中で、峰子が拳銃で敵兵の眉間を打ち抜いたのが見えた。
「流石です、マイさん」
「久しぶりだったが、私もまだまだ現役だな。それより、君も相変わらずの健脚だね」
「いえ、このくらい。小崎には、こたえたみたいですけどね。気絶してます」
「そうだな。区切りもいいし、そろそろ現実に帰ろうか」
「はい、お願いします」
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