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エピローグ

二人の朝 Ⅳ

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「犯人は、警察の徹底した操作網と街中の防犯カメラから逃れ続けて、犯行に及んでいるってこと。これは凄いぞ! なんたって、土地勘が無いとはいえ、この私ですら、見回りの刑事に見つかって面倒な職質をされるはめになったんだから。ソイツは、もの凄いセンスだよ」

「いや、何でマイさんが現場に?」
「昨日、気になって行ってみたのさ。そしたらホラ」
 峰子は、ひょいっと海斗の机から降りると、ベッドの下から何やら麻袋のようなものを取り出す。

「猫の死体、拾ってきた。」
 海斗は、知らずのうちにこめかみを抑えていた。
「昨日の朝出ていって、今朝遅くに帰ってきたと思ったら……愛姫まで行ってたんですか。その猫、どうせ、また無許可で拾ってきたんですよね」
「当たり前だ。国のわんこが、私たちみたいなのに大切な証拠品を渡すと思うかい?」

 諦めたようにため息をつく江藤海斗を他所に、舞田峰子は嬉々として言う。

「さ、今朝の仕事は、コイツの検死からだ」

 その声に、徹夜の疲れは見受けられない。


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