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後日譚
後日譚88.道楽息子は念のため待った
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クレストラ大陸にある農業が盛んな国ファルニルの侯爵家の長男であるギュスタン・ド・アリーズは、今話題の異世界転移者であるシズトと同じ『生育』という加護を授かった。
植物の育て方が分かったり、成長を促すだけではなく、世界樹までも育てる事ができるという事でファルニル国内だけでも彼と縁を結び、ファマ神との縁をその地に取り込みたいと考えている者は多い。
堂々と縁談の申し込みをする貴族もいれば、搦め手で彼を婿に迎え入れようとする者もいた。
幸いな事はアリーズ家が外交貴族だった事だろう。そこら辺の交渉はお手の物で、搦め手で攻めてきた相手には倍返しとばかりに裏工作をして手を引かせていた。
その貴重な加護を狙って闇ギルドも動いてはいるようだが、そのほとんどが仮面をつけたエルフたちによって、彼が気づく前に制圧されている。
そういう状況だったため、ちょっと午前中は加護を使って世界樹の世話をする必要はある物の、それ以降の過ごし方は今までと変わらないギュスタンだった。
生育の加護をしっかりと使えるようにと王家から下賜された土地を、魔道具でせっせと耕すギュスタンは縦にも横にも大きい。
これだけ毎日せっせと働いているというのに変化がないのは彼がストレスでそれ以上に食べているから……なんて事はなく、世界樹のお世話をしに行った際にドライアドたちから渡されるお裾分けを渡されるたびにその場で食しているからだった。
それもこれも、ドライアドたちが作る野菜や果物が美味しいのが悪い、というのが彼の言い訳だった。
「お~い、ふとっちょ~~~。このくらいでいいか~~~?」
「まだまだ! 魔力が途切れるぎりぎりまで耕してもらっていいぞ!」
「わかった~~~」
「ギュスタン様、芋はどこに埋めればいいんだい?」
「好きな所でいいよ。だけど、同じ物はできるだけ同じところに埋めて欲しい。あと、上終えたらこの看板を近くに立てといてくれるかな?」
「分かったよ」
「植えたら水蒔けばい~の?」
「そうだね。まだ魔力には余裕があるから、芋の畑の所には水を撒いていいよ」
「わかった~」
仲が良い平民の子どもたちや、女性たちに助けられながらせっせと耕した畑には、どんどん植物の種を植えてもらい、すぐにでも加護を使う所には水も十分すぎるほどまいて貰っていた。
そうして一通りの準備が終わった頃には、平民たちの注目を浴びながら、ギュスタンは加護を使う。
「【生育】!」
安全のために地面にしゃがみ込んだ彼は、畑の一部に両手をついたまま加護を使った。
植えたばかりの芋畑から、目がにょきにょきっと出たかと思えば、ワサワサワサ! と葉っぱが広がっていく。
だが、一度の加護の使用で収穫までは成長しないようだ。同じ植物に対しては一日に一度しか効果がないという事も確認済みのため、魔力をギリギリまで使うためには複数の畑を用意する必要があった。
シズトから聞いていた話とだいぶ違うな、と感じつつも異世界転移者と現地人に同じ加護が授けられたとしても異世界転移者の方が強力である事が多い事を当然ギュスタンも知っていたので、そういうものだと受け入れていた。
「じゃあ、今日はこのくらいにしとこうか。収穫した者の一部はいつも通り祠の前にお供え物として準備してくれたかな?」
「ちゃんとしておいたよ」
収穫作業は元気が有り余っている子どもたちに任せていたが、慣れた手つきで取り組んでいたため特に作物に傷とかはついていなかった。
作物の中でも出来が良かった物をピックアップして、簡易的に作った祠の前に並べている。
ギュスタンと畑作業を手伝っていた領民たちは祠の前で跪くと、いつも通り手を合わせて目を瞑り祈り始めた。
真剣に祈りを捧げる領民たちはいつも通りだったが、ギュスタンは祈り始めてからしばらくするとビクッと何かに反応した。
それに気づいたのは近くで祈りを捧げていた大人の女性陣だったが、特に声をかける事もなく祈りを再開した。
普段通り祈り終えた領民たちだったが、ギュスタンがなかなか立ち上がらない。
いつもの倍以上祈りを捧げている彼を、子どもたちは「太っちょ、どうしたんだ?」と声をかけるが、大人たちが窘めていた。
昼前にはいつも通りの雰囲気で戻ってきたギュスタンだったが、平民の彼らとは違ってギュスタンは貴族の青年だ。悩みなどを隠すのは上手いだろうし、何かしら神様に縋りたい事があったのかもしれない。
そう思ってギュスタンが祈り終えるのを待っていた。
ギュスタンが祈りを止めたのは、通常の三倍以上時間が経ってからの事だった。
「大丈夫かい?」
そう問いかける近所のおばさんに彼は特に答える様子もなく「すぐにシズト様の所に行かないと」と立ち上がった。
護衛のエルフに事情を説明した彼は、領民たちに解散するようにだけ言うと、転移陣を複数経由して世界樹ファマリーの根元へと向かった。
「…………あれ、ドライアドたちが来ない?」
「どうやら取り込み中の様です」
案内人のエルフの視線を追うと、シズトが暮らしている本館と呼ばれている建物にたくさんのドライアドたちがよじ登っていた。特に三階の窓には隙間がほとんどないのではないか? と思うくらい張り付いている。
自由自在に使える髪って便利だなぁ、なんて思いながらエルフの後をついて本館の玄関に辿り着いた彼は、ドライアドたちが自分の足元にいつの間にかたくさんいる事に気付いた。
「この人間さんにくっついたら入れてくれるかなぁ?」
「どーだろうね~」
「くっついてみる?」
「そうする~?」
何やら不穏な気配を感じつつも、ドライアドに危害を加えるわけにはいかないので大人しく玄関が空くのを待つギュスタン。
案内人のエルフがノックしてしばらくすると扉が開いて、中から黒髪のメイドが顔を出した。
「こんにちは、モニカ様。ギュスタン様が、シズト様にご相談したい事があるようです」
「分かりました。……伝えてみますが、今日は難しい可能性もあります」
「何かあったんですか?」
ギュスタンが心配そうに尋ねると、モニカと呼ばれた侍女は困った様に眉を下げながら申し訳なさそうに口を開いた。
「ドーラ様が産気づいたんです。安産祈願はしっかりと行っていて、準備も万全ではありますが今までの出産時のシズト様の様子を考えると、しっかりと相談事を聞く事は出来ないかもしれません」
「な、なるほど……。では、言伝だけお願いしてもよろしいでしょうか?」
「もちろんです」
「もちろんです。その……ファマ様から神託を授かりまして、まじないの神チャム様の祠の前でチャム様に対して祈りを捧げるように、との事でした」
「神託、ですか。かしこまりました。間違いなくシズト様にお伝えしておきます」
「よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げたギュスタンは、足元でドライアドたちがこっそりと動いている事に気付いた。
どうやら彼女たちが入ろうとするから少しだけ扉を開けているようだ。
ドライアドたちに囲まれた生活というのも大変なんだな、と思いながら日が暮れるまでファマリーの根元に広がる畑を見て回って過ごすのだった。
植物の育て方が分かったり、成長を促すだけではなく、世界樹までも育てる事ができるという事でファルニル国内だけでも彼と縁を結び、ファマ神との縁をその地に取り込みたいと考えている者は多い。
堂々と縁談の申し込みをする貴族もいれば、搦め手で彼を婿に迎え入れようとする者もいた。
幸いな事はアリーズ家が外交貴族だった事だろう。そこら辺の交渉はお手の物で、搦め手で攻めてきた相手には倍返しとばかりに裏工作をして手を引かせていた。
その貴重な加護を狙って闇ギルドも動いてはいるようだが、そのほとんどが仮面をつけたエルフたちによって、彼が気づく前に制圧されている。
そういう状況だったため、ちょっと午前中は加護を使って世界樹の世話をする必要はある物の、それ以降の過ごし方は今までと変わらないギュスタンだった。
生育の加護をしっかりと使えるようにと王家から下賜された土地を、魔道具でせっせと耕すギュスタンは縦にも横にも大きい。
これだけ毎日せっせと働いているというのに変化がないのは彼がストレスでそれ以上に食べているから……なんて事はなく、世界樹のお世話をしに行った際にドライアドたちから渡されるお裾分けを渡されるたびにその場で食しているからだった。
それもこれも、ドライアドたちが作る野菜や果物が美味しいのが悪い、というのが彼の言い訳だった。
「お~い、ふとっちょ~~~。このくらいでいいか~~~?」
「まだまだ! 魔力が途切れるぎりぎりまで耕してもらっていいぞ!」
「わかった~~~」
「ギュスタン様、芋はどこに埋めればいいんだい?」
「好きな所でいいよ。だけど、同じ物はできるだけ同じところに埋めて欲しい。あと、上終えたらこの看板を近くに立てといてくれるかな?」
「分かったよ」
「植えたら水蒔けばい~の?」
「そうだね。まだ魔力には余裕があるから、芋の畑の所には水を撒いていいよ」
「わかった~」
仲が良い平民の子どもたちや、女性たちに助けられながらせっせと耕した畑には、どんどん植物の種を植えてもらい、すぐにでも加護を使う所には水も十分すぎるほどまいて貰っていた。
そうして一通りの準備が終わった頃には、平民たちの注目を浴びながら、ギュスタンは加護を使う。
「【生育】!」
安全のために地面にしゃがみ込んだ彼は、畑の一部に両手をついたまま加護を使った。
植えたばかりの芋畑から、目がにょきにょきっと出たかと思えば、ワサワサワサ! と葉っぱが広がっていく。
だが、一度の加護の使用で収穫までは成長しないようだ。同じ植物に対しては一日に一度しか効果がないという事も確認済みのため、魔力をギリギリまで使うためには複数の畑を用意する必要があった。
シズトから聞いていた話とだいぶ違うな、と感じつつも異世界転移者と現地人に同じ加護が授けられたとしても異世界転移者の方が強力である事が多い事を当然ギュスタンも知っていたので、そういうものだと受け入れていた。
「じゃあ、今日はこのくらいにしとこうか。収穫した者の一部はいつも通り祠の前にお供え物として準備してくれたかな?」
「ちゃんとしておいたよ」
収穫作業は元気が有り余っている子どもたちに任せていたが、慣れた手つきで取り組んでいたため特に作物に傷とかはついていなかった。
作物の中でも出来が良かった物をピックアップして、簡易的に作った祠の前に並べている。
ギュスタンと畑作業を手伝っていた領民たちは祠の前で跪くと、いつも通り手を合わせて目を瞑り祈り始めた。
真剣に祈りを捧げる領民たちはいつも通りだったが、ギュスタンは祈り始めてからしばらくするとビクッと何かに反応した。
それに気づいたのは近くで祈りを捧げていた大人の女性陣だったが、特に声をかける事もなく祈りを再開した。
普段通り祈り終えた領民たちだったが、ギュスタンがなかなか立ち上がらない。
いつもの倍以上祈りを捧げている彼を、子どもたちは「太っちょ、どうしたんだ?」と声をかけるが、大人たちが窘めていた。
昼前にはいつも通りの雰囲気で戻ってきたギュスタンだったが、平民の彼らとは違ってギュスタンは貴族の青年だ。悩みなどを隠すのは上手いだろうし、何かしら神様に縋りたい事があったのかもしれない。
そう思ってギュスタンが祈り終えるのを待っていた。
ギュスタンが祈りを止めたのは、通常の三倍以上時間が経ってからの事だった。
「大丈夫かい?」
そう問いかける近所のおばさんに彼は特に答える様子もなく「すぐにシズト様の所に行かないと」と立ち上がった。
護衛のエルフに事情を説明した彼は、領民たちに解散するようにだけ言うと、転移陣を複数経由して世界樹ファマリーの根元へと向かった。
「…………あれ、ドライアドたちが来ない?」
「どうやら取り込み中の様です」
案内人のエルフの視線を追うと、シズトが暮らしている本館と呼ばれている建物にたくさんのドライアドたちがよじ登っていた。特に三階の窓には隙間がほとんどないのではないか? と思うくらい張り付いている。
自由自在に使える髪って便利だなぁ、なんて思いながらエルフの後をついて本館の玄関に辿り着いた彼は、ドライアドたちが自分の足元にいつの間にかたくさんいる事に気付いた。
「この人間さんにくっついたら入れてくれるかなぁ?」
「どーだろうね~」
「くっついてみる?」
「そうする~?」
何やら不穏な気配を感じつつも、ドライアドに危害を加えるわけにはいかないので大人しく玄関が空くのを待つギュスタン。
案内人のエルフがノックしてしばらくすると扉が開いて、中から黒髪のメイドが顔を出した。
「こんにちは、モニカ様。ギュスタン様が、シズト様にご相談したい事があるようです」
「分かりました。……伝えてみますが、今日は難しい可能性もあります」
「何かあったんですか?」
ギュスタンが心配そうに尋ねると、モニカと呼ばれた侍女は困った様に眉を下げながら申し訳なさそうに口を開いた。
「ドーラ様が産気づいたんです。安産祈願はしっかりと行っていて、準備も万全ではありますが今までの出産時のシズト様の様子を考えると、しっかりと相談事を聞く事は出来ないかもしれません」
「な、なるほど……。では、言伝だけお願いしてもよろしいでしょうか?」
「もちろんです」
「もちろんです。その……ファマ様から神託を授かりまして、まじないの神チャム様の祠の前でチャム様に対して祈りを捧げるように、との事でした」
「神託、ですか。かしこまりました。間違いなくシズト様にお伝えしておきます」
「よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げたギュスタンは、足元でドライアドたちがこっそりと動いている事に気付いた。
どうやら彼女たちが入ろうとするから少しだけ扉を開けているようだ。
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