869 / 1,094
後日譚
後日譚57.皇帝は後ろ盾を失った
しおりを挟む
神聖エンジェリア帝国の皇帝はアルスリア・デ・エンジェリアという中年の男だった。
豪華なローブに身を包み、宝石がふんだんにちりばめられた王冠を被った彼は、頭を抱えていた。
世界樹騒動の時にエルフに力を貸した時以上の窮地に陥っていると言っても過言ではなかった。
皇帝派と呼ばれる貴族たちの多くが失脚したリ、悪事が露見してしまって爵位を下げる事態になってしまっていたからだ。
原因はアルスリアが一番よく分かっていた。
「あのシズトとかいう異世界転移者さえいなければ……!」
黒髪の少年の事を思い出しただけで顔を真っ赤にさせたアルスリアは、握っていた杖が折れてしまった所で我に返った。
「そ、それでいかがなさいましょうか……?」
「しばし考える。黙っておれ」
報告をしに来た黒尽くめの男にそう返すと、アルスリアは腕を組んで考え始めた。
黒尽くめの男はただ黙って彼に従う。一度礼をすると空気に溶け込むかのようにその場から消えてしまった。
それに気づいた様子もなく、アルスリアは「ううむ」と唸った。
そもそもエンジェリア帝国の発言力が落ちたのは世界樹騒動が一番の原因だった。
あれさえなければ、少なくとも勇者の内誰かは留める事はできただろう、とアルスリアは考えていた。
賢者か聖女が手に入れば、と考えていたアルスリアだったが、何も問題がなかったとしても、残る可能性があったのは剣聖の加護を持っている少年くらいだっただろう。
そして二つ目の大きな要因は邪神が神々が住まう世界へと帰ってしまった事だった。
神聖エンジェリア帝国の上層部はいつの頃からか、不毛の大地にある『亡者の巣窟』と呼ばれるダンジョンに身を隠していた邪神と協力関係にあった。
時の権力者に逆らう者は謎の死を迎え、周辺にあった国々は邪神の信奉者が暗躍し次々に呑み込んでいった。
神聖エンジェリア帝国の軍事力はそこまで高くはなかったので強国を攻め込む事は出来なかったが、それも少しずつ勇者の血を取り込む事で強化を図っていた。
その対価として人族至上主義を掲げ、民衆の間で対立を煽ったり、東の小国家群に争いの種を蒔いたり、エンジェリア帝国の南にあるドタウィッチ王国の選民思想に拍車を掛けたりして呪いの力を求める者たちを増やし、邪神の力になる事に貢献していた。
邪神の言う事さえ聞いておけばひどい目に遭う事はないだろう、と皇帝の一族は考えていた。
その邪神が神々の世界にある日突然返されるとは誰も想像していなかった。
(魔道具を用いた邪神の信奉者狩りの影響で連絡が取り辛くなったかと思えば、邪神そのものがこの世からいなくなっていたとは……本当に余計な事をしてくれる。だが、いなくなってしまった事に文句を言い続けていても仕方がない、か)
アルスリアが視線を上げると、再び黒尽くめの男が姿を現した。
「ひとまず、派閥の者たちには今までのやり方と変えるように伝えよ。後ろ盾がない今、隙を見せるとそこから崩されるだろうからな。他の派閥への裏工作は引き続き続け、相手の力を削りつつ、味方陣営の強化に当たるように。あと、業腹だが異世界転移者には出産祝いとして使節団を派遣せよ。他国と比べて我が国は距離が近い。ファマリアに行くのに時間がかからんから他国よりも先んじて動く事が可能だろうからな」
「かしこまりました。出産祝いの代物はいかがいたしましょうか?」
「最上級の物だ。また、使節団の使者には幼い子どもがいる上位貴族を入れるように。異世界転移者本人はもう何の価値もない神々との縁を手放した者になったが、子どもはそうではないからな」
「かしこまりました」
「くれぐれも選定に時間を掛けて他の派閥の者たちに先を越されないように気をつけよ」
「ハッ」
黒尽くめの男は端的にそう答えたが、その場から動こうとしない。
アルスリアはそれに疑問を抱き「まだ何かあるのか?」と問いかけると、黒尽くめの男はしばらくしてから口を開いた。
「…………今までとやり方を変える必要があるのであれば、皇帝の血筋に勇者の血を入れるのも一つの案ではないかと愚考いたします」
「…………」
アルスリアはすぐさま否定する事はなかった。
邪神とのつながりがあった時は、邪神から勇者の血を極力入れないように、と釘を刺されていたので派閥の貴族を動かしていたのだが、邪神がこの世から去った今、言う事を聞く必要はない。
むしろ、協力で貴重な加護だと判明した三つの加護を、同じ派閥とはいえ下の者に与えていいのかという懸念はもっともだった。
アルスリアはしばらく考え込んだが、黒尽くめの男が言った通り、使節団の中に自身の直系となる者たちを入れるように指示した。
そのタイミングで、東側諸国に関する報告をしに兵士がやってきた。
アルスリアは黒尽くめの男がその場から消える際に、口元が綻んでいた事に気付く事はなかった。
豪華なローブに身を包み、宝石がふんだんにちりばめられた王冠を被った彼は、頭を抱えていた。
世界樹騒動の時にエルフに力を貸した時以上の窮地に陥っていると言っても過言ではなかった。
皇帝派と呼ばれる貴族たちの多くが失脚したリ、悪事が露見してしまって爵位を下げる事態になってしまっていたからだ。
原因はアルスリアが一番よく分かっていた。
「あのシズトとかいう異世界転移者さえいなければ……!」
黒髪の少年の事を思い出しただけで顔を真っ赤にさせたアルスリアは、握っていた杖が折れてしまった所で我に返った。
「そ、それでいかがなさいましょうか……?」
「しばし考える。黙っておれ」
報告をしに来た黒尽くめの男にそう返すと、アルスリアは腕を組んで考え始めた。
黒尽くめの男はただ黙って彼に従う。一度礼をすると空気に溶け込むかのようにその場から消えてしまった。
それに気づいた様子もなく、アルスリアは「ううむ」と唸った。
そもそもエンジェリア帝国の発言力が落ちたのは世界樹騒動が一番の原因だった。
あれさえなければ、少なくとも勇者の内誰かは留める事はできただろう、とアルスリアは考えていた。
賢者か聖女が手に入れば、と考えていたアルスリアだったが、何も問題がなかったとしても、残る可能性があったのは剣聖の加護を持っている少年くらいだっただろう。
そして二つ目の大きな要因は邪神が神々が住まう世界へと帰ってしまった事だった。
神聖エンジェリア帝国の上層部はいつの頃からか、不毛の大地にある『亡者の巣窟』と呼ばれるダンジョンに身を隠していた邪神と協力関係にあった。
時の権力者に逆らう者は謎の死を迎え、周辺にあった国々は邪神の信奉者が暗躍し次々に呑み込んでいった。
神聖エンジェリア帝国の軍事力はそこまで高くはなかったので強国を攻め込む事は出来なかったが、それも少しずつ勇者の血を取り込む事で強化を図っていた。
その対価として人族至上主義を掲げ、民衆の間で対立を煽ったり、東の小国家群に争いの種を蒔いたり、エンジェリア帝国の南にあるドタウィッチ王国の選民思想に拍車を掛けたりして呪いの力を求める者たちを増やし、邪神の力になる事に貢献していた。
邪神の言う事さえ聞いておけばひどい目に遭う事はないだろう、と皇帝の一族は考えていた。
その邪神が神々の世界にある日突然返されるとは誰も想像していなかった。
(魔道具を用いた邪神の信奉者狩りの影響で連絡が取り辛くなったかと思えば、邪神そのものがこの世からいなくなっていたとは……本当に余計な事をしてくれる。だが、いなくなってしまった事に文句を言い続けていても仕方がない、か)
アルスリアが視線を上げると、再び黒尽くめの男が姿を現した。
「ひとまず、派閥の者たちには今までのやり方と変えるように伝えよ。後ろ盾がない今、隙を見せるとそこから崩されるだろうからな。他の派閥への裏工作は引き続き続け、相手の力を削りつつ、味方陣営の強化に当たるように。あと、業腹だが異世界転移者には出産祝いとして使節団を派遣せよ。他国と比べて我が国は距離が近い。ファマリアに行くのに時間がかからんから他国よりも先んじて動く事が可能だろうからな」
「かしこまりました。出産祝いの代物はいかがいたしましょうか?」
「最上級の物だ。また、使節団の使者には幼い子どもがいる上位貴族を入れるように。異世界転移者本人はもう何の価値もない神々との縁を手放した者になったが、子どもはそうではないからな」
「かしこまりました」
「くれぐれも選定に時間を掛けて他の派閥の者たちに先を越されないように気をつけよ」
「ハッ」
黒尽くめの男は端的にそう答えたが、その場から動こうとしない。
アルスリアはそれに疑問を抱き「まだ何かあるのか?」と問いかけると、黒尽くめの男はしばらくしてから口を開いた。
「…………今までとやり方を変える必要があるのであれば、皇帝の血筋に勇者の血を入れるのも一つの案ではないかと愚考いたします」
「…………」
アルスリアはすぐさま否定する事はなかった。
邪神とのつながりがあった時は、邪神から勇者の血を極力入れないように、と釘を刺されていたので派閥の貴族を動かしていたのだが、邪神がこの世から去った今、言う事を聞く必要はない。
むしろ、協力で貴重な加護だと判明した三つの加護を、同じ派閥とはいえ下の者に与えていいのかという懸念はもっともだった。
アルスリアはしばらく考え込んだが、黒尽くめの男が言った通り、使節団の中に自身の直系となる者たちを入れるように指示した。
そのタイミングで、東側諸国に関する報告をしに兵士がやってきた。
アルスリアは黒尽くめの男がその場から消える際に、口元が綻んでいた事に気付く事はなかった。
63
お気に入りに追加
454
あなたにおすすめの小説

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。

【完結】神スキル拡大解釈で底辺パーティから成り上がります!
まにゅまにゅ
ファンタジー
平均レベルの低い底辺パーティ『龍炎光牙《りゅうえんこうが》』はオーク一匹倒すのにも命懸けで注目もされていないどこにでもでもいる冒険者たちのチームだった。
そんなある日ようやく資金も貯まり、神殿でお金を払って恩恵《ギフト》を授かるとその恩恵《ギフト》スキルは『拡大解釈』というもの。
その効果は魔法やスキルの内容を拡大解釈し、別の効果を引き起こせる、という神スキルだった。その拡大解釈により色んなものを回復《ヒール》で治したり強化《ブースト》で獲得経験値を増やしたりととんでもない効果を発揮する!
底辺パーティ『龍炎光牙』の大躍進が始まる!
第16回ファンタジー大賞奨励賞受賞作です。
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。

調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜
水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。
その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。
危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。
彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。
初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。
そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。
警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。
これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?
お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。
飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい?
自重して目立たないようにする?
無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ!
お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は?
主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。
(実践出来るかどうかは別だけど)

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる