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第21章 魔道具を作りながら生きていこう
431.事なかれ主義者は好き合った人と結ばれたい
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大国ヤマトから来た使者との会談はとりあえず協力はする、という事で話がまとまった。
協力した場合と、しなかった場合に起こり得る事を天秤にかけて、まだましな方を選んだつもり……なんだけど、正直気乗りしない。
現大王様には恨まれるだろう。……まあ、もう良く思われてはいないだろうから今更だけど。
大陸統一思想なんてものを持ってなければこんな事にはなってなかったのになぁ。
なんて、現実逃避している間にも話は進んでいき、とりあえず使えそうな魔道具がないか魔道具の目録を見て考えてもらう事になった。僕たちも考えるけど、大王様の事をより深く知っているのは彼女たちだから。
引き渡しはこっちに残るムサシにお願いして、僕たちは明日の朝、フソーのお世話をしたらシグニール大陸に帰る事にした。
これ以上の厄介事はごめんだ。
そんな事を思いながら旅館の布団の上でゴロゴロとしていたら、寝間着姿のレヴィさんが僕の近くに寄ってきた。そして、おもむろに僕の頭を持ち上げると、自分の太ももをその下に差し込んだ。
ちょっと目のやり場に困る……というか、視界がほぼほぼ遮られたので横向きになると、温かく、柔らかい感触と共に良い匂いがする。普段から良い香りがするんだけど、お風呂上りは特にそうだった。
「お疲れ様ですわ」
「ほんとにね。レヴィさんも同席してくれてありがとね」
「私が役立てる事だったらどんどん頼って欲しいのですわ!」
「頼りきりにならないように頑張る」
向こうの大陸だとレヴィさんだけでなく、ランチェッタさんも僕の代わりに王侯貴族の相手をしてくれている。
ただ、こっちの大陸だと現状レヴィさんに集中している状況だ。
少しでもレヴィさんの負担を減らすためにも、僕でも問題がなさそうな顔合わせとかはやろうかな、という気持ちが芽生えつつある。
ただ、それ以上に王侯貴族の相手は下手すると首が飛びそうなのでやりたくない、という気持ちの方が強いけど。
「今のシズトの首を飛ばすなんて、そうそうできるとは思えないのですわ~。それよりも、良かったのですわ?」
「何が?」
「ヤマト・メグミですわ。シズトが心配している王侯貴族の相手もできるはずですけれど、結婚はしない、という事で良かったのですわ?」
「うん。だって、僕に対する印象がマイナスなんでしょ?」
「そうですわね。恐怖の感情が色濃く出ていたのですわ。シズトの一挙手一投足にびくびくしていて、挙動不審だったのですわ」
「そんな人と温かい家庭を築いていけるとは到底思えないんだよね。それに、やっぱり結婚は好きな人同士がした方が良いと思うし。あ、もちろん政略結婚も王侯貴族の間だと重要って事は分かってるけど……」
せめてゼロからお付き合いの方がまだマシだと思う。
お見合いでも多少プラスからのスタートなんじゃないかな。
まあ、政略結婚の場合だと嫌っている相手だろうが、評判の悪い所だろうが関係ない時もあるのかもしれないけど。
うーんと考え込んでいると、目の前にルウさんが座った。
彼女はポンポンと自分の太ももを叩いているけど「早い者勝ちですわ」とレヴィさんは譲るつもりはないらしい。
とりあえず目のやり場に困るから肌着だけじゃなくて、何かしら着てほしいなぁ。
そう思っていてもレヴィさんはルウさんに僕を奪われないように意識を集中しているようで、指摘してくれない。
僕が言った方が良いのかな。でも言ったところで「もう裸を見せ合ったなかでしょう?」と言われるってのは分かってる。
「お姉ちゃんとしても、やっぱりシズトくんの事が好きな子と一緒に暮らしたいわ。ラオちゃんもそう思うわよね?」
「まぁな」
「そういう訳なので、メグミ様とのお話はなかった事で。そして膝枕ももうお終いという事で……」
なぜかって?
ホムラが安眠カバーを付けた枕を構えてルウさんの後ろに立っているからさ。
という事でおやすみなさい。
いつも通りの時間に目が覚めると、皆既に支度をし終えていた。
ジュリウスを引き連れて朝風呂を済ませて着替えが終わる頃には布団もあげられていて、朝食がずらりと並べられていた。旅館の雰囲気に合わせてなのか、今日も和食だ。
空いていた座布団の上に座り、挨拶を唱和した後、食事を始める。
「今日、向こうに帰るのですわ?」
「そうだね。こっちの事は予定通りムサシに任せようかなって思うんだけど、一人で十分かな?」
「問題ないと思われます、マスター」
「魔道具店の方も大丈夫?」
「魔道具工房の者たちに指示は出しておいたわ、ご主人様」
上手に箸を使って食事をしていたホムラとユキがそれぞれ答えてくれた。
ホムンクルスたちはある程度僕の知識を引き継いでいるようで、お箸の持ち方などの基本動作はしっかりとマスターしているようだ。
「ヤマトの問題に関しては魔道具を向こうで作ればいいんだよね?」
「そうですわね。受け渡しはムサシに任せるのですわ」
転移門を使って繋がっている国々の大都市を訪れてみたいし、早く解決してほしい。
ただ、急いては事を仕損じるっていうし、しっかり策を練ってから実行してほしいな。
場合によっては戦闘用の魔道具を作る必要が出てくるかもしれないけど、圧倒的武力でその地位を守っている人に正攻法で戦って勝てるとは思えない。
隙さえ作れればいくらでも拘束できるだろうけど……。
気乗りしないからか、考えても妙案は思い浮かばないし、とりあえずメグミ様達が何か思いつくのに期待しよう。
協力した場合と、しなかった場合に起こり得る事を天秤にかけて、まだましな方を選んだつもり……なんだけど、正直気乗りしない。
現大王様には恨まれるだろう。……まあ、もう良く思われてはいないだろうから今更だけど。
大陸統一思想なんてものを持ってなければこんな事にはなってなかったのになぁ。
なんて、現実逃避している間にも話は進んでいき、とりあえず使えそうな魔道具がないか魔道具の目録を見て考えてもらう事になった。僕たちも考えるけど、大王様の事をより深く知っているのは彼女たちだから。
引き渡しはこっちに残るムサシにお願いして、僕たちは明日の朝、フソーのお世話をしたらシグニール大陸に帰る事にした。
これ以上の厄介事はごめんだ。
そんな事を思いながら旅館の布団の上でゴロゴロとしていたら、寝間着姿のレヴィさんが僕の近くに寄ってきた。そして、おもむろに僕の頭を持ち上げると、自分の太ももをその下に差し込んだ。
ちょっと目のやり場に困る……というか、視界がほぼほぼ遮られたので横向きになると、温かく、柔らかい感触と共に良い匂いがする。普段から良い香りがするんだけど、お風呂上りは特にそうだった。
「お疲れ様ですわ」
「ほんとにね。レヴィさんも同席してくれてありがとね」
「私が役立てる事だったらどんどん頼って欲しいのですわ!」
「頼りきりにならないように頑張る」
向こうの大陸だとレヴィさんだけでなく、ランチェッタさんも僕の代わりに王侯貴族の相手をしてくれている。
ただ、こっちの大陸だと現状レヴィさんに集中している状況だ。
少しでもレヴィさんの負担を減らすためにも、僕でも問題がなさそうな顔合わせとかはやろうかな、という気持ちが芽生えつつある。
ただ、それ以上に王侯貴族の相手は下手すると首が飛びそうなのでやりたくない、という気持ちの方が強いけど。
「今のシズトの首を飛ばすなんて、そうそうできるとは思えないのですわ~。それよりも、良かったのですわ?」
「何が?」
「ヤマト・メグミですわ。シズトが心配している王侯貴族の相手もできるはずですけれど、結婚はしない、という事で良かったのですわ?」
「うん。だって、僕に対する印象がマイナスなんでしょ?」
「そうですわね。恐怖の感情が色濃く出ていたのですわ。シズトの一挙手一投足にびくびくしていて、挙動不審だったのですわ」
「そんな人と温かい家庭を築いていけるとは到底思えないんだよね。それに、やっぱり結婚は好きな人同士がした方が良いと思うし。あ、もちろん政略結婚も王侯貴族の間だと重要って事は分かってるけど……」
せめてゼロからお付き合いの方がまだマシだと思う。
お見合いでも多少プラスからのスタートなんじゃないかな。
まあ、政略結婚の場合だと嫌っている相手だろうが、評判の悪い所だろうが関係ない時もあるのかもしれないけど。
うーんと考え込んでいると、目の前にルウさんが座った。
彼女はポンポンと自分の太ももを叩いているけど「早い者勝ちですわ」とレヴィさんは譲るつもりはないらしい。
とりあえず目のやり場に困るから肌着だけじゃなくて、何かしら着てほしいなぁ。
そう思っていてもレヴィさんはルウさんに僕を奪われないように意識を集中しているようで、指摘してくれない。
僕が言った方が良いのかな。でも言ったところで「もう裸を見せ合ったなかでしょう?」と言われるってのは分かってる。
「お姉ちゃんとしても、やっぱりシズトくんの事が好きな子と一緒に暮らしたいわ。ラオちゃんもそう思うわよね?」
「まぁな」
「そういう訳なので、メグミ様とのお話はなかった事で。そして膝枕ももうお終いという事で……」
なぜかって?
ホムラが安眠カバーを付けた枕を構えてルウさんの後ろに立っているからさ。
という事でおやすみなさい。
いつも通りの時間に目が覚めると、皆既に支度をし終えていた。
ジュリウスを引き連れて朝風呂を済ませて着替えが終わる頃には布団もあげられていて、朝食がずらりと並べられていた。旅館の雰囲気に合わせてなのか、今日も和食だ。
空いていた座布団の上に座り、挨拶を唱和した後、食事を始める。
「今日、向こうに帰るのですわ?」
「そうだね。こっちの事は予定通りムサシに任せようかなって思うんだけど、一人で十分かな?」
「問題ないと思われます、マスター」
「魔道具店の方も大丈夫?」
「魔道具工房の者たちに指示は出しておいたわ、ご主人様」
上手に箸を使って食事をしていたホムラとユキがそれぞれ答えてくれた。
ホムンクルスたちはある程度僕の知識を引き継いでいるようで、お箸の持ち方などの基本動作はしっかりとマスターしているようだ。
「ヤマトの問題に関しては魔道具を向こうで作ればいいんだよね?」
「そうですわね。受け渡しはムサシに任せるのですわ」
転移門を使って繋がっている国々の大都市を訪れてみたいし、早く解決してほしい。
ただ、急いては事を仕損じるっていうし、しっかり策を練ってから実行してほしいな。
場合によっては戦闘用の魔道具を作る必要が出てくるかもしれないけど、圧倒的武力でその地位を守っている人に正攻法で戦って勝てるとは思えない。
隙さえ作れればいくらでも拘束できるだろうけど……。
気乗りしないからか、考えても妙案は思い浮かばないし、とりあえずメグミ様達が何か思いつくのに期待しよう。
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