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第21章 魔道具を作りながら生きていこう
423.事なかれ主義者は明日から頑張る
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いつもの時間に目が覚めると、知らない天井だった。
「あー、そっか。旅館に泊まったんだった」
覚醒した意識で昨日の出来事を反芻する程度には余裕がある。いつもなら誰かが近くで横になっているけど、一枚の布団の中に僕以外いないからだ。
ラオさんとノエルを両隣に配置したのが良かったのかもしれない。
昨日の夜はご飯を食べてお風呂に入った後、部屋に戻ってきたら布団がずらりと並んでいた。
全員がお風呂に入っている間に、従業員として働いてくれているエルフたちが布団を敷いてくれたようだ。
パメラが「枕投げするデス!」と言いながら枕を投げ始め「負けないのですわ!」とレヴィさんが参戦した。
僕が入ると仕方がない、と言った感じでシンシーラとエミリーも加わってくれたけど、尻尾はブンブンと嬉しそうに振られていた。
ノエルは部屋の隅っこで魔道具をじっと観察していたし、ラオさんとルウさんは縁側に置かれていた椅子に座って不参加だったけど、ドーラさんとセシリアさんはレヴィさんに求められて参加していた。
チーム戦のような、そうでないような感じの乱戦に発展したんだけど、途中から記憶がない。
きっとホムラに眠らされたんだろう。
体を起こすと、隣で横になっていたラオさんも体を起こした。胸元が大きく開いたタンクトップから見える谷間に自然と視線が行ってしまう。
「そろそろ起きるか」
「眠いのですわ……」
「夜更かしするからですよ」
セシリアさんに注意されているレヴィさんが目を擦りながらむくりと起き上がった。
同時に大欠伸をしているラオさんとルウさんや、「ん~~~」と伸びをしているシンシーラとエミリーたちも寝不足のようだ。僕が寝た……というか眠らされた後も枕投げが盛り上がったのだろうか。
反対側に視線を向けると、こんもりと盛り上がった布団がある。
丸まって眠っているのだろうか、と突いてみると布団から顔だけがニョキッと出てきて、目の下に隈を作ったノエルがジロッと僕の方を見た。
「なんか用っすか」
「寝てるのかなって思ったんだけど……もしかして寝てない?」
「寝たっすよ。十分くらい」
「それは寝たとは言わないと思う」
ノエルはそれ以上何も言わなくて、また布団の中に潜ってしまった。布団をめくって中を覗き込んでみると、布団の中で魔道具を観察している様だった。
「見辛くない?」
「大丈夫っす」
「そっか。ご飯の前に布団をしまうだろうから、それまでだよ」
「分かってるっす」
ほんとかなぁ、と思いつつもそっとめくった布団を元に戻しておく。
皆が寝間着姿でダラダラとしている中で、セシリアさんとモニカは既にメイド服に着替え終わっていて、壁際で控えていた。こっちに来ている間くらい、ゆっくりしていてもいいのに。
レヴィさんに体を揺らされているドーラさんは、蓑虫のように布団に包まったまま動く気配がない。
パメラの姿は見えないけど、窓が開いているから元気に外へ飛び出して行ったのだろう。
「……みんな着替えたいと思うし、とりあえず僕部屋から出とくね」
「お供します」
「大丈夫だよ。きっとジュリウスがくるだろうし。モニカは皆と一緒にいて」
「分かりました」
モニカは聞き分けが良くて助かる。
ホムラとユキはついてくる気満々だからね。
朝風呂をのんびりと入りたかったんだけど、無理かもしれない。
抜け駆けは禁止、という事でホムラとユキを置いてジュリウスと一緒に朝風呂をゆっくりと堪能した。
やっぱりこういう旅館に泊まるんだったら朝もお風呂に入りたい。
ジュリウスと他愛もない話をしながらのんびりと入浴している間に、朝ご飯の準備は整っていた。
「待たせてごめんね」
「大丈夫なのですわ~」
部屋に戻ると既にみんな着替え終わっていた。いや、ノエルだけ着替えてなかった。どうやら今日は一歩も旅館から出る気がないらしい。
「とりあえず、皆でご飯にしようか」
「レヴィア様たちとお食事をするなんて恐れ多い……」
エミリーがなんか言っているけど、用意されちゃったから仕方がないね。お風呂に行くついでに、従業員さんたちにお願いしておいてよかった。
空いていたのはお誕生日席だけだったのでそこに腰を下ろした。
食事前の挨拶を唱和すると食事が始まった。
給仕をするのは奴隷の首輪を着けたエルフたちだ。
ファマリアで暮らしている子たちと比べると、表情が暗い。
ムサシに買い集めておいてもらったんだけど、それまでに結構大変な目に遭ったエルフもいるらしい。
敗戦国だから仕方がない、と皆は納得しているようだった。……ムサシにはできるだけエルフたちを買い集めるように伝えておこう。
シグニール大陸の通貨を使えたら良かったんだけど、向こうのお金をこっちで大量に消費しちゃうといろいろとよくないらしいから、こっちで魔道具をせっせと作ってお金を稼ぐしかない。
ただその前に、今日はフソーに来た事がないエミリーやシンシーラたちと一緒に街を散策する事になった。
魔道具作りは明日から頑張ろう。
「あー、そっか。旅館に泊まったんだった」
覚醒した意識で昨日の出来事を反芻する程度には余裕がある。いつもなら誰かが近くで横になっているけど、一枚の布団の中に僕以外いないからだ。
ラオさんとノエルを両隣に配置したのが良かったのかもしれない。
昨日の夜はご飯を食べてお風呂に入った後、部屋に戻ってきたら布団がずらりと並んでいた。
全員がお風呂に入っている間に、従業員として働いてくれているエルフたちが布団を敷いてくれたようだ。
パメラが「枕投げするデス!」と言いながら枕を投げ始め「負けないのですわ!」とレヴィさんが参戦した。
僕が入ると仕方がない、と言った感じでシンシーラとエミリーも加わってくれたけど、尻尾はブンブンと嬉しそうに振られていた。
ノエルは部屋の隅っこで魔道具をじっと観察していたし、ラオさんとルウさんは縁側に置かれていた椅子に座って不参加だったけど、ドーラさんとセシリアさんはレヴィさんに求められて参加していた。
チーム戦のような、そうでないような感じの乱戦に発展したんだけど、途中から記憶がない。
きっとホムラに眠らされたんだろう。
体を起こすと、隣で横になっていたラオさんも体を起こした。胸元が大きく開いたタンクトップから見える谷間に自然と視線が行ってしまう。
「そろそろ起きるか」
「眠いのですわ……」
「夜更かしするからですよ」
セシリアさんに注意されているレヴィさんが目を擦りながらむくりと起き上がった。
同時に大欠伸をしているラオさんとルウさんや、「ん~~~」と伸びをしているシンシーラとエミリーたちも寝不足のようだ。僕が寝た……というか眠らされた後も枕投げが盛り上がったのだろうか。
反対側に視線を向けると、こんもりと盛り上がった布団がある。
丸まって眠っているのだろうか、と突いてみると布団から顔だけがニョキッと出てきて、目の下に隈を作ったノエルがジロッと僕の方を見た。
「なんか用っすか」
「寝てるのかなって思ったんだけど……もしかして寝てない?」
「寝たっすよ。十分くらい」
「それは寝たとは言わないと思う」
ノエルはそれ以上何も言わなくて、また布団の中に潜ってしまった。布団をめくって中を覗き込んでみると、布団の中で魔道具を観察している様だった。
「見辛くない?」
「大丈夫っす」
「そっか。ご飯の前に布団をしまうだろうから、それまでだよ」
「分かってるっす」
ほんとかなぁ、と思いつつもそっとめくった布団を元に戻しておく。
皆が寝間着姿でダラダラとしている中で、セシリアさんとモニカは既にメイド服に着替え終わっていて、壁際で控えていた。こっちに来ている間くらい、ゆっくりしていてもいいのに。
レヴィさんに体を揺らされているドーラさんは、蓑虫のように布団に包まったまま動く気配がない。
パメラの姿は見えないけど、窓が開いているから元気に外へ飛び出して行ったのだろう。
「……みんな着替えたいと思うし、とりあえず僕部屋から出とくね」
「お供します」
「大丈夫だよ。きっとジュリウスがくるだろうし。モニカは皆と一緒にいて」
「分かりました」
モニカは聞き分けが良くて助かる。
ホムラとユキはついてくる気満々だからね。
朝風呂をのんびりと入りたかったんだけど、無理かもしれない。
抜け駆けは禁止、という事でホムラとユキを置いてジュリウスと一緒に朝風呂をゆっくりと堪能した。
やっぱりこういう旅館に泊まるんだったら朝もお風呂に入りたい。
ジュリウスと他愛もない話をしながらのんびりと入浴している間に、朝ご飯の準備は整っていた。
「待たせてごめんね」
「大丈夫なのですわ~」
部屋に戻ると既にみんな着替え終わっていた。いや、ノエルだけ着替えてなかった。どうやら今日は一歩も旅館から出る気がないらしい。
「とりあえず、皆でご飯にしようか」
「レヴィア様たちとお食事をするなんて恐れ多い……」
エミリーがなんか言っているけど、用意されちゃったから仕方がないね。お風呂に行くついでに、従業員さんたちにお願いしておいてよかった。
空いていたのはお誕生日席だけだったのでそこに腰を下ろした。
食事前の挨拶を唱和すると食事が始まった。
給仕をするのは奴隷の首輪を着けたエルフたちだ。
ファマリアで暮らしている子たちと比べると、表情が暗い。
ムサシに買い集めておいてもらったんだけど、それまでに結構大変な目に遭ったエルフもいるらしい。
敗戦国だから仕方がない、と皆は納得しているようだった。……ムサシにはできるだけエルフたちを買い集めるように伝えておこう。
シグニール大陸の通貨を使えたら良かったんだけど、向こうのお金をこっちで大量に消費しちゃうといろいろとよくないらしいから、こっちで魔道具をせっせと作ってお金を稼ぐしかない。
ただその前に、今日はフソーに来た事がないエミリーやシンシーラたちと一緒に街を散策する事になった。
魔道具作りは明日から頑張ろう。
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