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第21章 魔道具を作りながら生きていこう
417.事なかれ主義者は身体強化を使いたい
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ノエルの部屋でせっせと依頼品を作る。その様子をラピスさんが記録していた。
スケッチは数枚書けば十分だからか、僕が作っている物を一つ一つ聞いてくる。
「これはなんですか?」
「除塩杭だね。地面に打ち込むと、周辺の塩を集めて、塩の結晶を作ってくれるんだよ」
「なるほど。塩害対策もできて、なおかつ集めた塩も活用できるんですね。海沿いの国々に求められそうですね」
「そうだね。ガレオールから大量に依頼が来たけど、ほとんどこれだったんだよね。魚人国との関係が悪化してるから国内の島同士を繋ぐために転移陣もいくつか依頼来てたけど」
「なるほど。……さきほど作っていたこれは?」
「魔力マシマシ飴だね。口の中に含んで魔力を流すと、甘みを感じるものだね」
「……何の意味があるのですか?」
「レヴィさんは甘味を我慢できたみたいだよ」
「なるほど。……こちらは女性物の下着ですが……」
「別に変な趣味とかないからね! 『育乳ブラ』っていう魔道具にするために用意された下着なだけだから!」
義妹に下着集めが趣味とか思われたら致命的なのでしっかりと主張する。
ただ、ラピスさんはレヴィさんと違って目つきが鋭いので睨まれたら結構怖かった。
ラピスさんは「まあ、そういう事にしておきましょう」と言って他の魔道具に視線を向けたが、どれも見た事がある物だったらしく、質問タイムは終わった。
隣で作業をしているノエルに視線を向けると、彼女はまだまだノルマがあるようだ。まあ、まだ日が暮れるには時間があるもんね。
「同じもの作るの飽きてきたから新しい魔道具作りたいんだけど……また今度にした方が良いかなぁ」
「実験でしたら、私が付き合いましょうか?」
「ラピスさんが?」
「ええ。これのお礼もありますし」
ラピスさんがアイテムバッグから取り出したのは、依頼品を作る前にパパッと作った魔道具『ビデオカメラ』だ。名前は思いつかなかったので安直にそのままにした。
うろ覚えの知識で作ったにしては、良い感じに見た目はできていると思う。中身は記録するための魔石を入れる空洞があるだけで何も詰まってないけど。
記録した映像は専用の魔道具『プロジェクター』にセットして、壁やスクリーンに映す事で見る事ができる。
以前、大国ヤマトの大王様に会いに行く時に使った記録用魔道具をもう一度作っても良かったんだけど、隠れて撮る事が目的ではないので、カメラのレンズを通して映った物しか記録しないようにしておいた。
「このような魔道具はダンジョンで見た事がありませんから一体いくらになるのか分かりませんけど、貰ってばかりだと申し訳ないですし、私からも何かできたらと思いまして」
「なるほど。どう思う? ノエル」
「別にいいんじゃないっすか。庭で実験するならわざわざ頼まなくてもジュリウスやレヴィに頼ればいいと思うっすし、わざわざラピス様にしてもらう必要はないっすけどね」
「……確かに?」
「ただまあ、ボクたちにない視点からアドバイスが貰えるかもしれないっすし、ジュリウスやレヴィが止めないんだったらいいんじゃないっすか?」
「なるほど。じゃあちょっと聞いてくるわ」
「新しい魔道具ができたらボクにも見せるっすよ」
「はいはい」
そうと決まればとりあえずレヴィさんの所に行くか。ジュリウスは僕が屋敷を出たらついて来るだろうし。
ラピスさんを連れてノエルの部屋を出ると、背中から「絶対見せるっすよ!」と声をかけられたので「分かってるよ」と振り返らずに答え、玄関へと向かった。
「別にいいと思うのですわ」
「ですわ~」
「ですわ!!」
ドライアドたちと一緒に農作業をしていたレヴィさんに聞いたら「むしろ何か問題あるのですわ?」とでも言いたそうに首を傾げながら了承された。
近くにいたドライアドたちは「ですわですわ」言っていて賑やかだ。
メイド服姿のままレヴィさんと一緒に農作業をしていたセシリアさんに視線を向けても頷かれたし、僕の護衛としていつの間にか側にいたジュリウスに至っては「シズト様の御心のままに」としか言わないのでラピスさんと一緒に魔道具の実験をする事になった。
レヴィさんとセシリアさんは草むしりと水やりを再開して、ドライアドたちも今は仕事モードなのか僕に寄ってきていた子たちも離れて行って植物の様子を見ている。
ジュリウスは僕が求めたものをいつでも出せるようにアイテムバッグを準備していた。
「それで、どの様な物を作るのですか?」
「特に決めてないよ。同じ物ばっかり作ってると飽きてくるからちょっと気分転換で何か作ろうかなって」
「なるほど。……どの様な物を作る事ができるのかは分かりませんが、とりあえず人気の高い水を生み出す魔道具や、アイテムバッグを作ってはいかがでしょうか?」
「んー、どっちももう作った事があるんだよね。アイテムバッグは今も依頼として時々来るし、水を生成する魔道具はアクスファースから依頼が来てるし……除塩杭が一段落したらガレオールからも来るんじゃないかな」
「なるほど。では、魔剣はいかがですか?」
「それ作ったら怒られたし全部没収されたからなぁ。自分用に作っておいたお喋りの相手にもなってくれて、身体強化もしてくれる『トークソード』っていうのがあったんだけど、使用者の代わりに体を動かしてくれる機能つけたらそれも没収されたんだよね」
「……なるほど」
「いつ襲われるか分かんないし、自衛する程度の力は身に着けたいんだけどね」
「身体強化を使えるようになりたいのはそういうわけですか」
「そういうわけなんです」
ふむ、と腕を組んで少しの間考え事をしていたラピスさんは「では、こういうのはどうでしょう」と魔道具の案を出してくれた。
「身体強化の機能だけに絞って魔道具を作るんです。他に追加で付与した物がまずかったのか、魔剣がまずかったのか分かりませんので、剣という形にこだわりがなければ身に着ける服とかにすればいいと思います。アクセサリーなどは場所によっては預かられてしまう事もありますが、服を没収される事態なんてそうそうありませんから」
「なるほど、パワードスーツみたいな感じか」
以前、似たようなものを手袋で作ったけど、アレは腕力だけしか上がらなかったから、全体的に力が増すイメージで作ってみよう。
とりあえずテスターとなるラピスさんが着ていた制服に【付与】をして、使用者の魔力に比例して力の補助をする魔道具にしてみた。
ラピスさんが試しに跳躍した。とても高く飛んだ。しばらく上を見上げていると、ラピスさんが転移魔法で地上に戻ってきた。
「身体強化に慣れていないシズトは使わない方が良いと思います」
「やっぱり?」
僕も力の加減ができなくてものを壊す未来しか見えない。
ただ、それでもパワードスーツ的な物というか、身体強化は諦めきれないのでだいぶ効果を弱めてラピスさんと近くで見ていたジュリウスからオッケーが出るまで試作を続けるのだった。
スケッチは数枚書けば十分だからか、僕が作っている物を一つ一つ聞いてくる。
「これはなんですか?」
「除塩杭だね。地面に打ち込むと、周辺の塩を集めて、塩の結晶を作ってくれるんだよ」
「なるほど。塩害対策もできて、なおかつ集めた塩も活用できるんですね。海沿いの国々に求められそうですね」
「そうだね。ガレオールから大量に依頼が来たけど、ほとんどこれだったんだよね。魚人国との関係が悪化してるから国内の島同士を繋ぐために転移陣もいくつか依頼来てたけど」
「なるほど。……さきほど作っていたこれは?」
「魔力マシマシ飴だね。口の中に含んで魔力を流すと、甘みを感じるものだね」
「……何の意味があるのですか?」
「レヴィさんは甘味を我慢できたみたいだよ」
「なるほど。……こちらは女性物の下着ですが……」
「別に変な趣味とかないからね! 『育乳ブラ』っていう魔道具にするために用意された下着なだけだから!」
義妹に下着集めが趣味とか思われたら致命的なのでしっかりと主張する。
ただ、ラピスさんはレヴィさんと違って目つきが鋭いので睨まれたら結構怖かった。
ラピスさんは「まあ、そういう事にしておきましょう」と言って他の魔道具に視線を向けたが、どれも見た事がある物だったらしく、質問タイムは終わった。
隣で作業をしているノエルに視線を向けると、彼女はまだまだノルマがあるようだ。まあ、まだ日が暮れるには時間があるもんね。
「同じもの作るの飽きてきたから新しい魔道具作りたいんだけど……また今度にした方が良いかなぁ」
「実験でしたら、私が付き合いましょうか?」
「ラピスさんが?」
「ええ。これのお礼もありますし」
ラピスさんがアイテムバッグから取り出したのは、依頼品を作る前にパパッと作った魔道具『ビデオカメラ』だ。名前は思いつかなかったので安直にそのままにした。
うろ覚えの知識で作ったにしては、良い感じに見た目はできていると思う。中身は記録するための魔石を入れる空洞があるだけで何も詰まってないけど。
記録した映像は専用の魔道具『プロジェクター』にセットして、壁やスクリーンに映す事で見る事ができる。
以前、大国ヤマトの大王様に会いに行く時に使った記録用魔道具をもう一度作っても良かったんだけど、隠れて撮る事が目的ではないので、カメラのレンズを通して映った物しか記録しないようにしておいた。
「このような魔道具はダンジョンで見た事がありませんから一体いくらになるのか分かりませんけど、貰ってばかりだと申し訳ないですし、私からも何かできたらと思いまして」
「なるほど。どう思う? ノエル」
「別にいいんじゃないっすか。庭で実験するならわざわざ頼まなくてもジュリウスやレヴィに頼ればいいと思うっすし、わざわざラピス様にしてもらう必要はないっすけどね」
「……確かに?」
「ただまあ、ボクたちにない視点からアドバイスが貰えるかもしれないっすし、ジュリウスやレヴィが止めないんだったらいいんじゃないっすか?」
「なるほど。じゃあちょっと聞いてくるわ」
「新しい魔道具ができたらボクにも見せるっすよ」
「はいはい」
そうと決まればとりあえずレヴィさんの所に行くか。ジュリウスは僕が屋敷を出たらついて来るだろうし。
ラピスさんを連れてノエルの部屋を出ると、背中から「絶対見せるっすよ!」と声をかけられたので「分かってるよ」と振り返らずに答え、玄関へと向かった。
「別にいいと思うのですわ」
「ですわ~」
「ですわ!!」
ドライアドたちと一緒に農作業をしていたレヴィさんに聞いたら「むしろ何か問題あるのですわ?」とでも言いたそうに首を傾げながら了承された。
近くにいたドライアドたちは「ですわですわ」言っていて賑やかだ。
メイド服姿のままレヴィさんと一緒に農作業をしていたセシリアさんに視線を向けても頷かれたし、僕の護衛としていつの間にか側にいたジュリウスに至っては「シズト様の御心のままに」としか言わないのでラピスさんと一緒に魔道具の実験をする事になった。
レヴィさんとセシリアさんは草むしりと水やりを再開して、ドライアドたちも今は仕事モードなのか僕に寄ってきていた子たちも離れて行って植物の様子を見ている。
ジュリウスは僕が求めたものをいつでも出せるようにアイテムバッグを準備していた。
「それで、どの様な物を作るのですか?」
「特に決めてないよ。同じ物ばっかり作ってると飽きてくるからちょっと気分転換で何か作ろうかなって」
「なるほど。……どの様な物を作る事ができるのかは分かりませんが、とりあえず人気の高い水を生み出す魔道具や、アイテムバッグを作ってはいかがでしょうか?」
「んー、どっちももう作った事があるんだよね。アイテムバッグは今も依頼として時々来るし、水を生成する魔道具はアクスファースから依頼が来てるし……除塩杭が一段落したらガレオールからも来るんじゃないかな」
「なるほど。では、魔剣はいかがですか?」
「それ作ったら怒られたし全部没収されたからなぁ。自分用に作っておいたお喋りの相手にもなってくれて、身体強化もしてくれる『トークソード』っていうのがあったんだけど、使用者の代わりに体を動かしてくれる機能つけたらそれも没収されたんだよね」
「……なるほど」
「いつ襲われるか分かんないし、自衛する程度の力は身に着けたいんだけどね」
「身体強化を使えるようになりたいのはそういうわけですか」
「そういうわけなんです」
ふむ、と腕を組んで少しの間考え事をしていたラピスさんは「では、こういうのはどうでしょう」と魔道具の案を出してくれた。
「身体強化の機能だけに絞って魔道具を作るんです。他に追加で付与した物がまずかったのか、魔剣がまずかったのか分かりませんので、剣という形にこだわりがなければ身に着ける服とかにすればいいと思います。アクセサリーなどは場所によっては預かられてしまう事もありますが、服を没収される事態なんてそうそうありませんから」
「なるほど、パワードスーツみたいな感じか」
以前、似たようなものを手袋で作ったけど、アレは腕力だけしか上がらなかったから、全体的に力が増すイメージで作ってみよう。
とりあえずテスターとなるラピスさんが着ていた制服に【付与】をして、使用者の魔力に比例して力の補助をする魔道具にしてみた。
ラピスさんが試しに跳躍した。とても高く飛んだ。しばらく上を見上げていると、ラピスさんが転移魔法で地上に戻ってきた。
「身体強化に慣れていないシズトは使わない方が良いと思います」
「やっぱり?」
僕も力の加減ができなくてものを壊す未来しか見えない。
ただ、それでもパワードスーツ的な物というか、身体強化は諦めきれないのでだいぶ効果を弱めてラピスさんと近くで見ていたジュリウスからオッケーが出るまで試作を続けるのだった。
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