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第19章 自衛しながら生きていこう
398.事なかれ主義者は初めての夜を迎えた
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屋敷に戻ると夕食の準備が進められていた。
エミリーがとても張り切って準備をしていて、そのサポートをジューンさんがしている様だった。
ちょっと小腹が空いたので厨房にお邪魔してみたんだけど、エミリーが指示を出して、首輪をつけた少年少女が慌ただしく働いている。
「お腹空いたデース」
「もうちょっと我慢してなさい」
「おやつ欲しいデス!」
「もうすぐご飯だからダメよ」
先に来ていたパメラがエミリーの近くをウロチョロしているが、エミリーは夕食の準備に忙しいようだ。
これは回れ右をして退散した方がよさそうだ、と思って踵を返そうとしたら「シズト様」とこっちに背を向けているエミリーに呼び止められた。
「作業しながらですみません。何か御用でしたか?」
「え、あ……いやぁ、特に用はないというか……なくなったというか」
獣人の身体能力をもってすれば、作業をしている最中でも僕が近づいてきたら分かるようだ。
耳だけこちらに向けている様子で、盛り付けをしていた。
ブンブンと振られていた尻尾がしょんぼりと垂れる。
「そうですか。特に御用がないのですか。……そうだ、ちょっと味見をしてもらえませんか?」
「僕が食べてもよく分からないけど」
「シズト様が美味しいと思って頂ければそれでいいですから」
「それならまぁ……」
「パメラはおやつが欲しいデス!」
「あなたもつまみ食いで我慢しなさいよ」
先程からエミリーたちの目を盗んでつまみ食いをしていたパメラだったけどバレバレだったようだ。
しょうがないからと僕と一緒にパメラも味見係になった。
エミリーを挟むように並んで待っていると、彼女は小皿にスープをよそって僕たちに渡した。
赤茶色の液体の正体は、みそ汁だった。味見なので具はなかった。小腹が満たされないな、と思っていると目の前に料理をちょっとずつ並べてくれた。
オーク肉の角煮は柔らかくて好きだからか、ちょっと多めに盛り付けてくれていた。
「隙ありデース!」
「ちょっとパメラ! アンタの分はあるでしょーが!」
「早い者勝ちデース!」
「まあまあ……後で食べるし別にいいよ」
「御心配には及びません。パメラの分から減らしますから」
「そ、それはダメデース!!」
慌てるパメラをエミリーは「自業自得よ」と言いつつ僕の前に先程よりもちょっと多くオーク肉の角煮を用意してくれた。
……あんまり食べ過ぎると夜ご飯が食べきれなくなるし味見はほどほどにして、エミリーが見ていない時にパメラの口に放り込んであげた。
夜ご飯は、いつものメンバーにランチェッタさんが加わった。
席順もちょっと変わったけど、相変わらず僕から一番近い席に座っているのはホムンクルスであるホムラとユキだった。
食事中は向かい合わせに座っているレヴィさんとランチェッタさんが主に話をしていて、その奥に座っているラオさんとルウさんは手早く食事を済ませると魔力マシマシ飴を舐めながらのんびりとしているようだった。
ジューンさんは隣で急いで食べ終わろうとしているノエルを温かく見守っていて、ドーラさんはモリモリ食べ続けている。
一番奥のノエルが口に物を詰め込んだ状態で立ち上がると、なんか言いながら嵐のように去っていった。それをエミリーが注意しても聞く耳を持たない。
一国の女王が食事に加わっても雰囲気が全く変わらないのは、お昼に話し合いをしていたからだろうか?
そこら辺の話について聞いたら藪蛇になりそうな予感がしたので僕は黙って食事を続けた。
食事が終わるとお風呂だ。
今日の当番はパメラだったはず……なんだけど、一緒に脱衣所へと向かうのはランチェッタさんとディアーヌさんの二人だった。
「順番は前後するけど、初夜だから譲ってもらったの」
「……そうですか。湯浴み着はちゃんと持ってますか?」
「万事抜かりなく準備させていただきました」
ディアーヌさんの鼻息が荒いからちょっと心配だったんだけど、着替え終わった二人はちゃんと透けない素材の水着を着ていた。
ランチェッタさんは布面積が多めの白いビキニを着ていた。肌が褐色だからか、普段見る白色の水着よりも眩しく見える。
胸元は見ないようにしないと……と視線を少し逸らすとディアーヌさんの水着姿が目に入った。
彼女は白色の競泳水着のような物を着ている。長い手足を惜しげもなく晒し、むっちりとした太ももや大きなお尻についつい目が行きそうになる。
向かい合わせは危険だ。さっさと浴室に入ろう。
二人を引き連れて浴室に入ると、二人とも物珍し気に浴室を見渡していた。
「手紙で聞いていたけど、やっぱりすごいわね。これだけの量のお湯を用意するだけじゃなく、それぞれ効能の違うお風呂なのよね?」
「そうだね。ちょっとネタ切れになりつつあるからしばらく増えてないけど」
今度あの三人に聞いてみようかな。
……銭湯とか行くイメージがないから似たようなお風呂しか言われないかな?
ランチェッタさんとお風呂についてお喋りをしている間に、ディアーヌさんは洗い場で準備を終えていた。
「さあ、シズト様。こちらにお座りください」
「あ、はい。……聞いてるとは思うけど、洗う場所は頭と背中と両腕だけだからね? 他の所はダメだよ?」
「はい、存じております。新参者ですし、そこら辺のルールは守ります」
「レヴィア王女殿下……じゃなかった。レヴィは新しい場所を開拓していってもらっても構わない、とは言っていたけど……それはまたの機会にしましょう。シズト殿に嫌がられて避けられたら元も子もないし。それじゃあまずは頭からだけど……わたくしはやった事がないからディアーヌに任せるわ」
「お任せください。ランチェッタ様のために手早く終わらせる技能も身に着けております。早く終わらせて夜伽を致しましょう」
………ゆっくりでお願いしたいかもしれない。
なんて思っている間に本当にササッと終わってしまった。
ちゃんと体を洗った後のさっぱりとした感じになってるし、文句の付け所がなかった。
その後、背中や腕であれば危険はないから、とランチェッタさんも体を洗うのに加わり、二人に体を洗われた。
二人と初めてお風呂に入るからか視覚的刺激などに慣れてなくて途中から目を瞑っていたけど、約束を守って背中と両腕しか洗われなかった。
「さあ、そろそろ上がるわよ」
「まだお風呂に浸かってないんですけど!?」
「夜伽を早くしたい風を装ってますけど、単純に暑がりなのでお風呂にいつも浸からないんですよ」
ディアーヌさんに告げ口されたランチェッタさんはこっちを見ようとしない。
そういえばラオさんやルウさんも暑がりだから湯船に浸かろうとしなかったな。
「じゃあせめて水風呂に一緒に入ろうよ。あれなら冷たくて気持ちいいと思うよ」
「シズト殿がそういうのならまあ……」
「なるほど、それならランチェッタ様でも入れますね」
その後、僕とディアーヌさんはお湯を張ったお風呂と水風呂を交互に入ったけど、ランチェッタさんは水風呂から出る様子はなかった。
ラオさんたちはサウナと交互に入ってたけど、ランチェッタさんは水風呂から全く出てないし大丈夫なのかな、と思ったけどお風呂から上がった後も普通に元気だった。
………元気すぎて寝る時間が遅くなってしまったけど、初めての夜だから仕方ないんだと思う。
エミリーがとても張り切って準備をしていて、そのサポートをジューンさんがしている様だった。
ちょっと小腹が空いたので厨房にお邪魔してみたんだけど、エミリーが指示を出して、首輪をつけた少年少女が慌ただしく働いている。
「お腹空いたデース」
「もうちょっと我慢してなさい」
「おやつ欲しいデス!」
「もうすぐご飯だからダメよ」
先に来ていたパメラがエミリーの近くをウロチョロしているが、エミリーは夕食の準備に忙しいようだ。
これは回れ右をして退散した方がよさそうだ、と思って踵を返そうとしたら「シズト様」とこっちに背を向けているエミリーに呼び止められた。
「作業しながらですみません。何か御用でしたか?」
「え、あ……いやぁ、特に用はないというか……なくなったというか」
獣人の身体能力をもってすれば、作業をしている最中でも僕が近づいてきたら分かるようだ。
耳だけこちらに向けている様子で、盛り付けをしていた。
ブンブンと振られていた尻尾がしょんぼりと垂れる。
「そうですか。特に御用がないのですか。……そうだ、ちょっと味見をしてもらえませんか?」
「僕が食べてもよく分からないけど」
「シズト様が美味しいと思って頂ければそれでいいですから」
「それならまぁ……」
「パメラはおやつが欲しいデス!」
「あなたもつまみ食いで我慢しなさいよ」
先程からエミリーたちの目を盗んでつまみ食いをしていたパメラだったけどバレバレだったようだ。
しょうがないからと僕と一緒にパメラも味見係になった。
エミリーを挟むように並んで待っていると、彼女は小皿にスープをよそって僕たちに渡した。
赤茶色の液体の正体は、みそ汁だった。味見なので具はなかった。小腹が満たされないな、と思っていると目の前に料理をちょっとずつ並べてくれた。
オーク肉の角煮は柔らかくて好きだからか、ちょっと多めに盛り付けてくれていた。
「隙ありデース!」
「ちょっとパメラ! アンタの分はあるでしょーが!」
「早い者勝ちデース!」
「まあまあ……後で食べるし別にいいよ」
「御心配には及びません。パメラの分から減らしますから」
「そ、それはダメデース!!」
慌てるパメラをエミリーは「自業自得よ」と言いつつ僕の前に先程よりもちょっと多くオーク肉の角煮を用意してくれた。
……あんまり食べ過ぎると夜ご飯が食べきれなくなるし味見はほどほどにして、エミリーが見ていない時にパメラの口に放り込んであげた。
夜ご飯は、いつものメンバーにランチェッタさんが加わった。
席順もちょっと変わったけど、相変わらず僕から一番近い席に座っているのはホムンクルスであるホムラとユキだった。
食事中は向かい合わせに座っているレヴィさんとランチェッタさんが主に話をしていて、その奥に座っているラオさんとルウさんは手早く食事を済ませると魔力マシマシ飴を舐めながらのんびりとしているようだった。
ジューンさんは隣で急いで食べ終わろうとしているノエルを温かく見守っていて、ドーラさんはモリモリ食べ続けている。
一番奥のノエルが口に物を詰め込んだ状態で立ち上がると、なんか言いながら嵐のように去っていった。それをエミリーが注意しても聞く耳を持たない。
一国の女王が食事に加わっても雰囲気が全く変わらないのは、お昼に話し合いをしていたからだろうか?
そこら辺の話について聞いたら藪蛇になりそうな予感がしたので僕は黙って食事を続けた。
食事が終わるとお風呂だ。
今日の当番はパメラだったはず……なんだけど、一緒に脱衣所へと向かうのはランチェッタさんとディアーヌさんの二人だった。
「順番は前後するけど、初夜だから譲ってもらったの」
「……そうですか。湯浴み着はちゃんと持ってますか?」
「万事抜かりなく準備させていただきました」
ディアーヌさんの鼻息が荒いからちょっと心配だったんだけど、着替え終わった二人はちゃんと透けない素材の水着を着ていた。
ランチェッタさんは布面積が多めの白いビキニを着ていた。肌が褐色だからか、普段見る白色の水着よりも眩しく見える。
胸元は見ないようにしないと……と視線を少し逸らすとディアーヌさんの水着姿が目に入った。
彼女は白色の競泳水着のような物を着ている。長い手足を惜しげもなく晒し、むっちりとした太ももや大きなお尻についつい目が行きそうになる。
向かい合わせは危険だ。さっさと浴室に入ろう。
二人を引き連れて浴室に入ると、二人とも物珍し気に浴室を見渡していた。
「手紙で聞いていたけど、やっぱりすごいわね。これだけの量のお湯を用意するだけじゃなく、それぞれ効能の違うお風呂なのよね?」
「そうだね。ちょっとネタ切れになりつつあるからしばらく増えてないけど」
今度あの三人に聞いてみようかな。
……銭湯とか行くイメージがないから似たようなお風呂しか言われないかな?
ランチェッタさんとお風呂についてお喋りをしている間に、ディアーヌさんは洗い場で準備を終えていた。
「さあ、シズト様。こちらにお座りください」
「あ、はい。……聞いてるとは思うけど、洗う場所は頭と背中と両腕だけだからね? 他の所はダメだよ?」
「はい、存じております。新参者ですし、そこら辺のルールは守ります」
「レヴィア王女殿下……じゃなかった。レヴィは新しい場所を開拓していってもらっても構わない、とは言っていたけど……それはまたの機会にしましょう。シズト殿に嫌がられて避けられたら元も子もないし。それじゃあまずは頭からだけど……わたくしはやった事がないからディアーヌに任せるわ」
「お任せください。ランチェッタ様のために手早く終わらせる技能も身に着けております。早く終わらせて夜伽を致しましょう」
………ゆっくりでお願いしたいかもしれない。
なんて思っている間に本当にササッと終わってしまった。
ちゃんと体を洗った後のさっぱりとした感じになってるし、文句の付け所がなかった。
その後、背中や腕であれば危険はないから、とランチェッタさんも体を洗うのに加わり、二人に体を洗われた。
二人と初めてお風呂に入るからか視覚的刺激などに慣れてなくて途中から目を瞑っていたけど、約束を守って背中と両腕しか洗われなかった。
「さあ、そろそろ上がるわよ」
「まだお風呂に浸かってないんですけど!?」
「夜伽を早くしたい風を装ってますけど、単純に暑がりなのでお風呂にいつも浸からないんですよ」
ディアーヌさんに告げ口されたランチェッタさんはこっちを見ようとしない。
そういえばラオさんやルウさんも暑がりだから湯船に浸かろうとしなかったな。
「じゃあせめて水風呂に一緒に入ろうよ。あれなら冷たくて気持ちいいと思うよ」
「シズト殿がそういうのならまあ……」
「なるほど、それならランチェッタ様でも入れますね」
その後、僕とディアーヌさんはお湯を張ったお風呂と水風呂を交互に入ったけど、ランチェッタさんは水風呂から出る様子はなかった。
ラオさんたちはサウナと交互に入ってたけど、ランチェッタさんは水風呂から全く出てないし大丈夫なのかな、と思ったけどお風呂から上がった後も普通に元気だった。
………元気すぎて寝る時間が遅くなってしまったけど、初めての夜だから仕方ないんだと思う。
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