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第15章 三本の世界樹を世話しながら生きていこう
274.事なかれ主義者は何となく想像した
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久しぶりに対面した神様たちは、僕から見ても確かに成長していた。
少し膨らみ始めた胸を反らして誇らしげなプロス様と、可愛らしいおかっぱ頭の女の子がプロス様よりも身長が伸びてお姉さんっぽくなったエント様。
そして、僕の背中にタックルしてきたファマ様は、縦にも横にも大きくなった。相撲とか強そう。
「ファマ様、逃げないので今後タックルは止めてください」
「わ、分かったんだなー」
ニコニコしている坊主頭のファマ様に、もう一度お願いをしたけど、正直信用できない。
ジト目で見ていると、エント様が「今度はちゃんと止めるから、ね……?」と困った様に眉を下げながら言ってきたので信じよう。
「僕としては有難いんですけど、神力を溜めるために力を温存しておくんじゃなかったんでしたっけ? こうやってこっちに呼んでもらってよかったんですか?」
「シズトに今度はちゃんと成長してるって認めさせたかったの!」
「そ、そうですか」
「あとは私たちも、シズトくんとお話ししたかったから呼んだんだよ……? 呼び出した方が、長い時間お話しできるんだよ……?」
「げ、下界に声を届けている間はずっと力を使ってしまうんだな。だ、だから用件を手短にしか伝えられないんだなぁ」
「神様にも色々制約があるんですね」
神様は神様で大変そうだ。
信仰心とか色々集めるためには加護を授けるとかして下界に干渉しなくちゃいけないのに、そのためには信仰心から得る事ができる力を使わなくちゃいけない。ちょっとでも節約したいのは分かる。
「そ、それより何の用なんだな?」
「今、世界樹トネリコの世話をするために、エルフの国を訪れているんですけど、そこで『ファマ様の怒りに触れたから神罰が下った』とエルフが言ってて……ファマ様、なんかやっちゃいましたか?」
「な、何もしてないんだなぁ」
「ほんとだよ! ファマは何もしてないよ! プロスたちと一緒に雪をころころして雪だるま作ったり、お魚をもぐもぐ食べたりしてただけだよ! 今度は甘いお菓子をドドーンて頂戴!」
「甘い物ですか? いいですけど……結構高いので海産物みたいにたくさんは無理だと思いますけど……」
「シズトだけ甘いの食べてずるい!! プロスたちも食べるの~~~」
「あ、はい。頑張って用意します」
「魔道具いっぱい作って売ったらたくさん買える……?」
「買えるんじゃないんですかね? あとはまあ、ドライアドたちと協力すれば材料はある程度揃えられますし、お菓子作りが得意な人を雇って神様たちの専属にして安く用意出来たらたくさん奉納できるんじゃないですかね」
「やったーーー!」
「う、嬉しいんだなぁ」
「これで、皆にもあげる事ができるかもしれないね……?」
プロス様達が嬉しさを前面に出してピョンピョンと飛び跳ねる。
皆って誰だろう、と疑問に思ったけれどそれよりもトネリコの件だ。
やっぱりというべきか、当たり前というべきか……ファマ様は何もしていなかった。
「神罰を下すためにはね、とーってもたくさんの力が必要なんだよ!」
「それこそ、縁のない加護持ちをたくさん作れるくらいには、ね……?」
「そんな事をするくらいなら、シズトの子どものためにたくさん力を温存しておくんだな」
「たーっくさん、子どもを産んでもらってね!」
僕の子孫がプロス様達の加護を持つ事がほぼほぼ確定している件について。
っていうか、そんなにたくさん産んでもらうと子育てが大変そうなんだけど……。
「前の勇者たちは、使用人に任せていた人が多いよ……?」
「じょ、上級神の所で下界を見させてもらった時は確かにそうだったんだなぁ」
「多かれ少なかれそうなんじゃないかな……?」
そういう物なのか。
セシリアさんもレヴィさんが幼い頃からお世話をしていたって言ってたし、そうなのかも?
聞く事は聞いたので、ファマ様たちの用件を済ませる。
最初に言われた甘い物をお供えする事を改めてお願いされた後は、飾りつけされた雪だるまの数々を見せられた。
今回もやっぱりエント様が雪だるま作り選手権のチャンピオンになり、納得いかない様子のプロス様に駄々を捏ねられ、エント様に指示されたファマ様が僕を元の世界に戻してくれた。
目を開くと目の前には祠がある。
…………ちょっと神様の像が小さいから作り直すか。他の教会の物も全部直さなくちゃいけないのはちょっとめんどい。
今日は魔力がすっからかんだし、今日の所は屋敷に戻って夜ご飯を食べて、ランチェッタ女王陛下にお手紙を書こう。
ランチェッタ女王陛下の元に魔道具『速達箱』を持って行ってもらったらすぐに返事が届いていたらしいので、その内容を読んでからご飯にしようかなぁ。
そんな感じでこの後の流れを考えながら、ジューンさんと僕の両方に手を繋がれたリーヴィアを連れて屋敷へと帰った。
……子どもができたらこんな感じになるのかなぁ。先の事過ぎて分からん。
少し膨らみ始めた胸を反らして誇らしげなプロス様と、可愛らしいおかっぱ頭の女の子がプロス様よりも身長が伸びてお姉さんっぽくなったエント様。
そして、僕の背中にタックルしてきたファマ様は、縦にも横にも大きくなった。相撲とか強そう。
「ファマ様、逃げないので今後タックルは止めてください」
「わ、分かったんだなー」
ニコニコしている坊主頭のファマ様に、もう一度お願いをしたけど、正直信用できない。
ジト目で見ていると、エント様が「今度はちゃんと止めるから、ね……?」と困った様に眉を下げながら言ってきたので信じよう。
「僕としては有難いんですけど、神力を溜めるために力を温存しておくんじゃなかったんでしたっけ? こうやってこっちに呼んでもらってよかったんですか?」
「シズトに今度はちゃんと成長してるって認めさせたかったの!」
「そ、そうですか」
「あとは私たちも、シズトくんとお話ししたかったから呼んだんだよ……? 呼び出した方が、長い時間お話しできるんだよ……?」
「げ、下界に声を届けている間はずっと力を使ってしまうんだな。だ、だから用件を手短にしか伝えられないんだなぁ」
「神様にも色々制約があるんですね」
神様は神様で大変そうだ。
信仰心とか色々集めるためには加護を授けるとかして下界に干渉しなくちゃいけないのに、そのためには信仰心から得る事ができる力を使わなくちゃいけない。ちょっとでも節約したいのは分かる。
「そ、それより何の用なんだな?」
「今、世界樹トネリコの世話をするために、エルフの国を訪れているんですけど、そこで『ファマ様の怒りに触れたから神罰が下った』とエルフが言ってて……ファマ様、なんかやっちゃいましたか?」
「な、何もしてないんだなぁ」
「ほんとだよ! ファマは何もしてないよ! プロスたちと一緒に雪をころころして雪だるま作ったり、お魚をもぐもぐ食べたりしてただけだよ! 今度は甘いお菓子をドドーンて頂戴!」
「甘い物ですか? いいですけど……結構高いので海産物みたいにたくさんは無理だと思いますけど……」
「シズトだけ甘いの食べてずるい!! プロスたちも食べるの~~~」
「あ、はい。頑張って用意します」
「魔道具いっぱい作って売ったらたくさん買える……?」
「買えるんじゃないんですかね? あとはまあ、ドライアドたちと協力すれば材料はある程度揃えられますし、お菓子作りが得意な人を雇って神様たちの専属にして安く用意出来たらたくさん奉納できるんじゃないですかね」
「やったーーー!」
「う、嬉しいんだなぁ」
「これで、皆にもあげる事ができるかもしれないね……?」
プロス様達が嬉しさを前面に出してピョンピョンと飛び跳ねる。
皆って誰だろう、と疑問に思ったけれどそれよりもトネリコの件だ。
やっぱりというべきか、当たり前というべきか……ファマ様は何もしていなかった。
「神罰を下すためにはね、とーってもたくさんの力が必要なんだよ!」
「それこそ、縁のない加護持ちをたくさん作れるくらいには、ね……?」
「そんな事をするくらいなら、シズトの子どものためにたくさん力を温存しておくんだな」
「たーっくさん、子どもを産んでもらってね!」
僕の子孫がプロス様達の加護を持つ事がほぼほぼ確定している件について。
っていうか、そんなにたくさん産んでもらうと子育てが大変そうなんだけど……。
「前の勇者たちは、使用人に任せていた人が多いよ……?」
「じょ、上級神の所で下界を見させてもらった時は確かにそうだったんだなぁ」
「多かれ少なかれそうなんじゃないかな……?」
そういう物なのか。
セシリアさんもレヴィさんが幼い頃からお世話をしていたって言ってたし、そうなのかも?
聞く事は聞いたので、ファマ様たちの用件を済ませる。
最初に言われた甘い物をお供えする事を改めてお願いされた後は、飾りつけされた雪だるまの数々を見せられた。
今回もやっぱりエント様が雪だるま作り選手権のチャンピオンになり、納得いかない様子のプロス様に駄々を捏ねられ、エント様に指示されたファマ様が僕を元の世界に戻してくれた。
目を開くと目の前には祠がある。
…………ちょっと神様の像が小さいから作り直すか。他の教会の物も全部直さなくちゃいけないのはちょっとめんどい。
今日は魔力がすっからかんだし、今日の所は屋敷に戻って夜ご飯を食べて、ランチェッタ女王陛下にお手紙を書こう。
ランチェッタ女王陛下の元に魔道具『速達箱』を持って行ってもらったらすぐに返事が届いていたらしいので、その内容を読んでからご飯にしようかなぁ。
そんな感じでこの後の流れを考えながら、ジューンさんと僕の両方に手を繋がれたリーヴィアを連れて屋敷へと帰った。
……子どもができたらこんな感じになるのかなぁ。先の事過ぎて分からん。
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