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第14章 海洋国家を観光しながら生きていこう
234.事なかれ主義者は海に入れなかった
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魚人たちの国の話はとりあえず置いといて、レヴィさんたちと一緒にガレリアをのんびりと散策する。
街の中の建物は真っ白な壁で統一されていた。行きたいお店を探す場合、屋根の色や大きさだけで判断するのは難しい。
そんな観光客というか流れ者たちのために看板があるのだろう。パッと見てわかるデザインの看板がたくさんあった。
看板がない建物は誰かの住居のようだ。間違って入って行かないようにしないと。
リトルクラーケンの足の先端をもぐもぐと食べながら人の流れに合わせて歩いていると、海にどんどん近づいて行く。
海に近くなればなるほど、屋台料理は海で取れた物が増えてくる。
明日はラオさんとルウさんと一緒に観光する予定だし、二人のおこぼれに与ろう。
屋台の料理をすべて一人で完食する事は無理だけど、ラオさんたちが食べている物を少しずつ貰えば何とかなるような気がする。
「シズト、次はお魚を食べるのですわー」
「魚か~。醤油もあるみたいだし、お刺身食べたいなぁ」
「お刺身ですかぁ。それならぁ、屋台とかじゃなくてぇ、ちゃんとしたお店の方が良いですよぉ」
「そうなの?」
ジューンさんに聞き返すと、後ろからついて来ていたセシリアさんが話に入ってきた。
「一連の処理の工程をしっかりしていないと食中毒になったり、運が悪いと体の中を魔物が食い荒らして死にます」
「こわっ」
「なのでぇ、自分で捕まえた魚もぉ、しっかりと焼いてから食べるんですよぉ」
「そうなんだ。まあ、魚を捌けないし自分で釣った魚を生で食べる事は無いかなぁ」
捌いたら必然的に血を見る事になるだろうし、僕には無理だわ。お刺身はちゃんとしたお店で堪能しよう。
とりあえず今は僕の手を引っ張ってぐいぐい先に進んでいくレヴィさんが気に入る魚料理を、ずらりと並んだ屋台から探し出さなければ。
焼き魚や具だくさんの温かいうどんを食べたらすぐにお腹がいっぱいになってしまった。
食べる事に満足したので、今度は観光名所を見て回る。
まずは海を、という事で見ようと思ったんだけど遊べる場所はなかった。
「海で遊びたいだぁ? ここら辺は魔物が出るからとても遊べたもんじゃねぇぞ。悪い事は言わねぇから帰りな!」
肌が焼けた屈強な体の男性にそう言われて、そう言えば人を襲う魔物が普通に存在する世界だったな、と思い出す。
最近、人間に害をなす魔物を相手する事がなくなっていたからすっかりそういう考えが抜けていた。
もしも遊びたいならばもっと南の方に行かなければならないらしい。
「魚人たちに協力してもらって安全を確保してるビーチがあんだよ。そこでなら砂浜で遊んだり、海で泳いだりしても比較的大丈夫だな。ただ、それでも砂の中に潜んで移動するような魔物の被害に遭う観光客は多いけどなぁ」
泳いだり潜ったり、ボートレースとか諸々考えていたけど当分お預けのようだ。
砂浜で遊ぶ事も止められた。足元からいきなり魔物が襲ってくる事があるらしい。
だから砂浜には冒険者が数組いるんですね。
「海で遊びたかったんだけど、こればっかりは仕方ないね。しばらくは観光地巡りと食べ歩きだけか」
「残念ですわね。教会の件は先触れを出してから代官と会って話す必要があるのですわ。今日中には無理なのですわー」
「それならぁ、またのんびり街の散策をしますかぁ? 魔道具のヒントになる事もあるかもしれないですしぃ」
「そうだね。そうしよっか」
そうと決まれば海沿いの通りをのんびりと歩く。
通りを歩く人たちも、船の上で忙しなく動き回る人たちも皆こんがり肌が焼けている。
サイレンスで店番をしているホムンクルスのユキのように褐色の肌の人もいた。
「日焼け対策の魔道具でもあったら売れるのかな?」
「少なくとも、私たちには必要かと思います」
ぽつりとつぶやいた言葉に誰よりも反応したのは静かについて来ていたセシリアさんだった。
セシリアさんの顔をまじまじと見ると、ちょっと頬を赤らめた。
セシリアさんもメイドだけどそれ以前に女性だもんね。日焼けはしたくないって思う気持ちがあっても仕方ないよね。
ただ、メイドの矜持なのか分からないけど、メイド服のままでレヴィさんたちとクーがお揃いで被っている帽子を被ろうとしないんだよね。一応光をカットする魔法を【付与】しておいた物なんだけど……。
そもそも日焼けって肌を紫外線から守るためだった気がするし、黒くならないようにするのは危ない気がする。であれば、やっぱり日焼けをしないようにするには紫外線をカットするしかない。
……紫外線を防ぐ傘とかは作れそうだけど、差してくれるかな。
傘がダメならそれこそ劇とかにいる黒子みたいに顔を黒い布で隠せば何とかなるかも?
……帽子がダメだったのに頭巾をかぶってくれる気がしないわ。
後は、日焼け止めとか?
でもそういう化粧品関係の物は正直よく分からないし、思いつかないんだよなぁ。とりあえず世界樹の素材を使って効力をあげた液体を肌に塗り込めば多少はましになるのかな……?
でもそれってどっちかって言うと、日焼けが酷い時の塗り薬みたいな感じな気がする。
んー……とりあえずメイドの矜持はどこかに置いといてもらって、日傘だけでも差してもらおう。
ちょっと大きめの傘を作ってもらって、レヴィさんと一緒に入ってもらえばまあいけるでしょ、たぶん。
街の中の建物は真っ白な壁で統一されていた。行きたいお店を探す場合、屋根の色や大きさだけで判断するのは難しい。
そんな観光客というか流れ者たちのために看板があるのだろう。パッと見てわかるデザインの看板がたくさんあった。
看板がない建物は誰かの住居のようだ。間違って入って行かないようにしないと。
リトルクラーケンの足の先端をもぐもぐと食べながら人の流れに合わせて歩いていると、海にどんどん近づいて行く。
海に近くなればなるほど、屋台料理は海で取れた物が増えてくる。
明日はラオさんとルウさんと一緒に観光する予定だし、二人のおこぼれに与ろう。
屋台の料理をすべて一人で完食する事は無理だけど、ラオさんたちが食べている物を少しずつ貰えば何とかなるような気がする。
「シズト、次はお魚を食べるのですわー」
「魚か~。醤油もあるみたいだし、お刺身食べたいなぁ」
「お刺身ですかぁ。それならぁ、屋台とかじゃなくてぇ、ちゃんとしたお店の方が良いですよぉ」
「そうなの?」
ジューンさんに聞き返すと、後ろからついて来ていたセシリアさんが話に入ってきた。
「一連の処理の工程をしっかりしていないと食中毒になったり、運が悪いと体の中を魔物が食い荒らして死にます」
「こわっ」
「なのでぇ、自分で捕まえた魚もぉ、しっかりと焼いてから食べるんですよぉ」
「そうなんだ。まあ、魚を捌けないし自分で釣った魚を生で食べる事は無いかなぁ」
捌いたら必然的に血を見る事になるだろうし、僕には無理だわ。お刺身はちゃんとしたお店で堪能しよう。
とりあえず今は僕の手を引っ張ってぐいぐい先に進んでいくレヴィさんが気に入る魚料理を、ずらりと並んだ屋台から探し出さなければ。
焼き魚や具だくさんの温かいうどんを食べたらすぐにお腹がいっぱいになってしまった。
食べる事に満足したので、今度は観光名所を見て回る。
まずは海を、という事で見ようと思ったんだけど遊べる場所はなかった。
「海で遊びたいだぁ? ここら辺は魔物が出るからとても遊べたもんじゃねぇぞ。悪い事は言わねぇから帰りな!」
肌が焼けた屈強な体の男性にそう言われて、そう言えば人を襲う魔物が普通に存在する世界だったな、と思い出す。
最近、人間に害をなす魔物を相手する事がなくなっていたからすっかりそういう考えが抜けていた。
もしも遊びたいならばもっと南の方に行かなければならないらしい。
「魚人たちに協力してもらって安全を確保してるビーチがあんだよ。そこでなら砂浜で遊んだり、海で泳いだりしても比較的大丈夫だな。ただ、それでも砂の中に潜んで移動するような魔物の被害に遭う観光客は多いけどなぁ」
泳いだり潜ったり、ボートレースとか諸々考えていたけど当分お預けのようだ。
砂浜で遊ぶ事も止められた。足元からいきなり魔物が襲ってくる事があるらしい。
だから砂浜には冒険者が数組いるんですね。
「海で遊びたかったんだけど、こればっかりは仕方ないね。しばらくは観光地巡りと食べ歩きだけか」
「残念ですわね。教会の件は先触れを出してから代官と会って話す必要があるのですわ。今日中には無理なのですわー」
「それならぁ、またのんびり街の散策をしますかぁ? 魔道具のヒントになる事もあるかもしれないですしぃ」
「そうだね。そうしよっか」
そうと決まれば海沿いの通りをのんびりと歩く。
通りを歩く人たちも、船の上で忙しなく動き回る人たちも皆こんがり肌が焼けている。
サイレンスで店番をしているホムンクルスのユキのように褐色の肌の人もいた。
「日焼け対策の魔道具でもあったら売れるのかな?」
「少なくとも、私たちには必要かと思います」
ぽつりとつぶやいた言葉に誰よりも反応したのは静かについて来ていたセシリアさんだった。
セシリアさんの顔をまじまじと見ると、ちょっと頬を赤らめた。
セシリアさんもメイドだけどそれ以前に女性だもんね。日焼けはしたくないって思う気持ちがあっても仕方ないよね。
ただ、メイドの矜持なのか分からないけど、メイド服のままでレヴィさんたちとクーがお揃いで被っている帽子を被ろうとしないんだよね。一応光をカットする魔法を【付与】しておいた物なんだけど……。
そもそも日焼けって肌を紫外線から守るためだった気がするし、黒くならないようにするのは危ない気がする。であれば、やっぱり日焼けをしないようにするには紫外線をカットするしかない。
……紫外線を防ぐ傘とかは作れそうだけど、差してくれるかな。
傘がダメならそれこそ劇とかにいる黒子みたいに顔を黒い布で隠せば何とかなるかも?
……帽子がダメだったのに頭巾をかぶってくれる気がしないわ。
後は、日焼け止めとか?
でもそういう化粧品関係の物は正直よく分からないし、思いつかないんだよなぁ。とりあえず世界樹の素材を使って効力をあげた液体を肌に塗り込めば多少はましになるのかな……?
でもそれってどっちかって言うと、日焼けが酷い時の塗り薬みたいな感じな気がする。
んー……とりあえずメイドの矜持はどこかに置いといてもらって、日傘だけでも差してもらおう。
ちょっと大きめの傘を作ってもらって、レヴィさんと一緒に入ってもらえばまあいけるでしょ、たぶん。
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