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第13章 獣人の国を観光しながら生きていこう
226.事なかれ主義者は危うきに近寄らない
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「……でか」
農耕民族の首長は、大きな耳とラオさんよりもさらに大きな体躯が特徴的な象人族の男性だった。
象って言うから鼻が長いイメージだけど、獣人って耳と尻尾以外は大体普通の人だ。
ケンタウロスとかミノタウロスはこの世界にもいるけど魔物で、獣人とは全く違うらしい。
間違っても牛人族をミノタウロスとか言ってはダメって以前作った魔道具『タブー帳』に載っていた。
全身モフモフの獣人もありだと思うんだけど、会う事はできないと知って少し残念だった。
っていうか、本当にでかいな。
僕が入ってきた事に気付いた大男はズシンズシンと足音を立てながら迫ってくる。
「我が名はオリーヴ・エレフ・アクスファースだ。オリーヴでよいぞ。汝が世界樹の使徒シズト殿か」
「お、お初にお目にかかります。音無静人です」
「オトナシ・シズト……うむ、勇者と同じ世界からの転移者だったな。座って話でもしよう」
オリーヴさんズシズシと足音を立てながら部屋の奥に入って行く。
室内はオリーヴさんの巨大な体に合わせて天井も高いし、机も椅子も大きい。
座るように促された大きなソファーに背負っていたクーを座らせてから腰を下ろすと、レヴィさんが僕の隣に座った。
レヴィさんの合図がないから少なくともこの部屋にいる人は僕に害意を持っている人はいないようだ。
護衛としてついてきているジュリウスは、ソファーの後ろで立っている。
床に届かないから足をブラブラとさせていると、正面に座っていたオリーヴさんが口を開いた。
「我が民族が随分と世話になったようだな。礼を言う」
「いえ、自分がしたかったからしただけですので」
「左様か。シズト殿に負担にならない程度でいい。今後も手助けをしてもらえると助かる。ここ数年続いていた不作であればまだやりようはあったが、日照り続きで水不足なのはどうしようもなかったからな」
「トネリコまでのルートに入っている村や町には今まで通り魔道具を作っていきます」
「そうか。助かる」
「それと、可能であればで良いのですが、僕に加護を授けてくれた神々の教会を建ててもよろしいでしょうか? 管理はこちらでするので」
「我が民族が所有している区画であれば、用立てよう。都市の外縁部にはなってしまうが、問題ないだろう?」
窓の外にチラッと視線を向けると都市の外には広い畑が広がっていた。
ファマ様の信者になる可能性があるのは農耕民族くらいのはずだから、都市の端っこでも問題ないかな。
チラッと隣に座っているレヴィさんに視線を向けると、オリーヴさんをじっと見ていた。何か気になる事でもあるのだろうか。
「他に用件はあるか? ないのであれば、そろそろお帰り頂こう。我は忙しいのでな」
「あ! あと二つあります!」
立ち上がったオリーヴさんが灰色の瞳で僕を見下ろしてくる。
横にも大きいし、単純に僕の倍くらいある身長のせいで威圧感ヤバイ。
「魔道具店を開きたいのですが、よろしいですか?」
「お主らがどこで何を売ろうが自由だ。だが、トラブルを避けたいのであれば、それ相応の準備をしておくべきだろう」
「ご助言ありがとうございます。そこら辺はまた追々考えて行こうと思います」
「うむ。それで、最後の一つはなんだ」
「魔道具店に転移陣を設置したいんですけど、許可を頂けませんか? ドラゴニア王国とつながる転移陣です」
「ふむ………申し訳ないが、それは我の一存で決める事は出来ぬ。お主の持つ力の素晴らしさについては手紙で十分すぎるほど伝わってきた。我としては条件付きで認めても構わんが、他の長たちがどう思うか分からん。シズト殿が自ら狩猟の長と遊牧の長の所に話をしに行くといい」
んー……他の部族の長か。嫌な予感しかしないんだよなぁ。
リヴァイさんが事前に根回ししてくれたから、旅の最中は別にわざわざ王様に挨拶をしなくてもいいみたいだし、会わなくて済むなら極力会いたくない。
今回は転移陣を諦めるのもありかな。クーがいればある程度自由に飛ぶ事できるみたいだし。
「それでは、我はこれで失礼する。案内係を一人残しておく。何かあればこの者に伝えておけ」
部屋の壁際に控えていた屈強な戦士たちがぞろぞろとオリーヴさんについて出て行くのを見送った。
そして部屋に残されたのは僕とレヴィさんとジュリウスの他にもう一人。
人間の幼児くらいの背丈の小さな女の子。耳と尻尾の形からして鼠人族だろう。
彼女は首に鎖付きのごつい首輪をつけていた。それにつけられていた鈴がチリンとなる。
立っている僕の目の前で跪いてじっと僕の足元を見ていた。
レヴィさんはその少女……というか幼女の事を気にした様子もなく、僕の手を握ってクイクイと手を引っ張る。
「それで、どうするのですわ? 他の首長に会いに行くのですわ?」
「んー……ジュリウスはどう思う? 面倒事になりそうかな?」
「そうですね……。シズト様の力がどれほどのものなのか、試そうとしてくる可能性は高いでしょう。この場合の力とは、魔道具作りや作物を育てる力ではなく、戦う力です」
んー、それは嫌だ。
教会の設置は最低限許可貰うことができたし、魔道具店と転移陣の方は諦めてさっさと退散しようかなぁ。
農耕民族の首長は、大きな耳とラオさんよりもさらに大きな体躯が特徴的な象人族の男性だった。
象って言うから鼻が長いイメージだけど、獣人って耳と尻尾以外は大体普通の人だ。
ケンタウロスとかミノタウロスはこの世界にもいるけど魔物で、獣人とは全く違うらしい。
間違っても牛人族をミノタウロスとか言ってはダメって以前作った魔道具『タブー帳』に載っていた。
全身モフモフの獣人もありだと思うんだけど、会う事はできないと知って少し残念だった。
っていうか、本当にでかいな。
僕が入ってきた事に気付いた大男はズシンズシンと足音を立てながら迫ってくる。
「我が名はオリーヴ・エレフ・アクスファースだ。オリーヴでよいぞ。汝が世界樹の使徒シズト殿か」
「お、お初にお目にかかります。音無静人です」
「オトナシ・シズト……うむ、勇者と同じ世界からの転移者だったな。座って話でもしよう」
オリーヴさんズシズシと足音を立てながら部屋の奥に入って行く。
室内はオリーヴさんの巨大な体に合わせて天井も高いし、机も椅子も大きい。
座るように促された大きなソファーに背負っていたクーを座らせてから腰を下ろすと、レヴィさんが僕の隣に座った。
レヴィさんの合図がないから少なくともこの部屋にいる人は僕に害意を持っている人はいないようだ。
護衛としてついてきているジュリウスは、ソファーの後ろで立っている。
床に届かないから足をブラブラとさせていると、正面に座っていたオリーヴさんが口を開いた。
「我が民族が随分と世話になったようだな。礼を言う」
「いえ、自分がしたかったからしただけですので」
「左様か。シズト殿に負担にならない程度でいい。今後も手助けをしてもらえると助かる。ここ数年続いていた不作であればまだやりようはあったが、日照り続きで水不足なのはどうしようもなかったからな」
「トネリコまでのルートに入っている村や町には今まで通り魔道具を作っていきます」
「そうか。助かる」
「それと、可能であればで良いのですが、僕に加護を授けてくれた神々の教会を建ててもよろしいでしょうか? 管理はこちらでするので」
「我が民族が所有している区画であれば、用立てよう。都市の外縁部にはなってしまうが、問題ないだろう?」
窓の外にチラッと視線を向けると都市の外には広い畑が広がっていた。
ファマ様の信者になる可能性があるのは農耕民族くらいのはずだから、都市の端っこでも問題ないかな。
チラッと隣に座っているレヴィさんに視線を向けると、オリーヴさんをじっと見ていた。何か気になる事でもあるのだろうか。
「他に用件はあるか? ないのであれば、そろそろお帰り頂こう。我は忙しいのでな」
「あ! あと二つあります!」
立ち上がったオリーヴさんが灰色の瞳で僕を見下ろしてくる。
横にも大きいし、単純に僕の倍くらいある身長のせいで威圧感ヤバイ。
「魔道具店を開きたいのですが、よろしいですか?」
「お主らがどこで何を売ろうが自由だ。だが、トラブルを避けたいのであれば、それ相応の準備をしておくべきだろう」
「ご助言ありがとうございます。そこら辺はまた追々考えて行こうと思います」
「うむ。それで、最後の一つはなんだ」
「魔道具店に転移陣を設置したいんですけど、許可を頂けませんか? ドラゴニア王国とつながる転移陣です」
「ふむ………申し訳ないが、それは我の一存で決める事は出来ぬ。お主の持つ力の素晴らしさについては手紙で十分すぎるほど伝わってきた。我としては条件付きで認めても構わんが、他の長たちがどう思うか分からん。シズト殿が自ら狩猟の長と遊牧の長の所に話をしに行くといい」
んー……他の部族の長か。嫌な予感しかしないんだよなぁ。
リヴァイさんが事前に根回ししてくれたから、旅の最中は別にわざわざ王様に挨拶をしなくてもいいみたいだし、会わなくて済むなら極力会いたくない。
今回は転移陣を諦めるのもありかな。クーがいればある程度自由に飛ぶ事できるみたいだし。
「それでは、我はこれで失礼する。案内係を一人残しておく。何かあればこの者に伝えておけ」
部屋の壁際に控えていた屈強な戦士たちがぞろぞろとオリーヴさんについて出て行くのを見送った。
そして部屋に残されたのは僕とレヴィさんとジュリウスの他にもう一人。
人間の幼児くらいの背丈の小さな女の子。耳と尻尾の形からして鼠人族だろう。
彼女は首に鎖付きのごつい首輪をつけていた。それにつけられていた鈴がチリンとなる。
立っている僕の目の前で跪いてじっと僕の足元を見ていた。
レヴィさんはその少女……というか幼女の事を気にした様子もなく、僕の手を握ってクイクイと手を引っ張る。
「それで、どうするのですわ? 他の首長に会いに行くのですわ?」
「んー……ジュリウスはどう思う? 面倒事になりそうかな?」
「そうですね……。シズト様の力がどれほどのものなのか、試そうとしてくる可能性は高いでしょう。この場合の力とは、魔道具作りや作物を育てる力ではなく、戦う力です」
んー、それは嫌だ。
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