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第11章 旅の準備をしながら生きていこう
192.事なかれ主義者は下見した
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半分くらい魔力を持ってかれたけど、ファマリーのお世話をサクッと終わらせて、ファマリーの周りをぐるっと見て回る。
歩いていると、畑の中で作業をしている小さな人影が無数に見える。
見た目は人間の幼児だが、頭に花が咲いている不思議な生き物ドライアドたちだ。精霊に近い存在らしい。
普段は魔動散水機の魔石管理や、雑草抜き、収穫その他諸々の事をしてもらって、魔道具で作ったたい肥をあげている。
見た目が幼子なドライアドたちが働いている姿は未だに慣れない。
ただ、そんな事を気にした様子もなくせっせと作業に取り組んでいたドライアドたちは、野菜を持ってわらわら集まってくる。
「きゅうり~! 美味しいよー」
味噌が欲しくなるね。……この世界に味噌ってあるのかな?
そのまま丸かじりをしながら歩いていると他の子もどんどんそこら辺の作物から収穫して持ってくる。
「なすー」
「焼くと美味しいよね」
でも生で流石に食べる事は無いかなぁ。
アイテムバッグの中にしまっていると、渡してくれた紫の花が咲いている子は茄子を丸かじりしていた。
「唐辛子!」
「辛いの好きな人いたかなぁ」
「お芋!」
「……それはジャガイモなの? サツマイモなの?」
皮の色がサツマイモなジャガイモ??
ご飯にするのかデザートで使うのか悩む見た目だ。
とりあえずエミリーにポテチにしてもらおう。
「レモーン!!!」
「君それ好きだね。自分でお食べ」
レモンを丸かじりして、キュッと口をすぼめるドライアドの頭をポンポンと撫でる。
「オクラー」
「ちょっとそれは苦手かなぁ」
「美味しいのに……」
「…………美味しいよね、貰っとくね」
しょぼんとするドライアドを見て胸が痛いので、受け取っておいた。エミリーが良い感じに美味しく調理してくれる事を願おう。
そんな感じで野菜やら何か分からない物を受け取ったり、一緒に食べたりしながら歩いていたけど、住居と祠の周囲以外はどこもかしこも畑になっていた。
ファマリーを囲う結界の中はレヴィさんが丹精込めて耕してたからなぁ。
「建物、建てるスペースないね」
「住居ならあるけどよ、あれじゃあだいぶ小せぇからな。いや、今住んでいる所が無駄にでかいだけか」
「あんなに大きくなくてもいいけど、お風呂はいろんなの作って入りたいから、やっぱりそのためのスペースは欲しいかな」
「あの住居に併設する形で浴場と奴隷たち用の住居を作りますか? 守る側としては、一カ所に固めてしまいたいのですが……」
「やっぱりその方が守りやすいよね。魔道具を作る数も少なくて済むし。寝泊まりをするのはこっちの建物にして、普段生活するのは向こうにすると結局護衛問題は解決しないかな……?」
んー、やっぱ新しくちょっと大きめの建物を建ててもらうしかないか。
幸いな事に、超特急でエント様の建物を建ててくれた魔法建築士たちがまだファマリアに滞在しているはずだ。
街の建物を増やす作業をお願いしていたけど、こっちを先に対応してもらおう。
ただ、建てる場所をどうするか……。
話したらレヴィさんもドライアドたちも分かってくれるだろうけど、畑を潰すのはちょっとなぁ。
「ファマリーとファマリアの間でいいんじゃねぇか?」
「早めに話を通しておかないと、レヴィア様が耕してしまうでしょうね。あそこの結界の中まで緑が広がっていますし」
だいぶ緑が不毛の大地を侵食しているようで、ファマリーからファマリアに向けてどんどん緑が広がっていた。
雑草がそこら中に生えていて、さらにはドライアドたちが好き勝手に作物を植えている事もあってなかなかにカオスだ。
聖域の魔道具のおかげか、それとも緑が広がったおかげか、アンデッドが湧いて出てくる事はないらしい。
とりあえず建物を建てるスペースを確保しようと思ったけど、どのくらいのスペースがあればいいのか分からん。
そこら辺は皆に相談した方が良いか。
今できる事として、全自動草刈り機を【加工】と【付与】で数台作って原っぱに放つ。
ドライアドたちが興味深げにその魔道具を追いかけていく。
……よくよく考えたらどうやってあの草刈り機曲がってるんだ?
もう一度草刈り機を作って裏返してみた。
前輪は丸い球体で、そこから少し離れたところにブラシの代わりに鎌がついている。
後輪は二つで、これがそれぞれ動いて回る感じ……か?
それなら三輪車的な感じの馬車を作れば行けそうか?
前輪はこれみたいな感じで丸くしておいて、後輪だけで進ませるとか……。前輪も普通にタイヤみたいな感じの方が良いかな。っていうかそれバイクじゃない?
そんな感じのバイクなんかの映画で見たような気がするぞ?
首をひねって考えていると、突然ひょいっと担ぎ上げられる。
「やること終わったらさっさと戻るぞ」
「ジュリウスー。明日、ユグドラシルに馬車準備しておいてー」
「承知しました」
だんだん運ばれるのに慣れ始めている自分がちょっと不安だけど、とりあえず魔動車を思いついたから作ってみたい。
見本となる馬車も準備してもらったし、明日はユグドラシルのお世話をする事にして、馬車……じゃないか。魔動車を作ってみよう。
歩いていると、畑の中で作業をしている小さな人影が無数に見える。
見た目は人間の幼児だが、頭に花が咲いている不思議な生き物ドライアドたちだ。精霊に近い存在らしい。
普段は魔動散水機の魔石管理や、雑草抜き、収穫その他諸々の事をしてもらって、魔道具で作ったたい肥をあげている。
見た目が幼子なドライアドたちが働いている姿は未だに慣れない。
ただ、そんな事を気にした様子もなくせっせと作業に取り組んでいたドライアドたちは、野菜を持ってわらわら集まってくる。
「きゅうり~! 美味しいよー」
味噌が欲しくなるね。……この世界に味噌ってあるのかな?
そのまま丸かじりをしながら歩いていると他の子もどんどんそこら辺の作物から収穫して持ってくる。
「なすー」
「焼くと美味しいよね」
でも生で流石に食べる事は無いかなぁ。
アイテムバッグの中にしまっていると、渡してくれた紫の花が咲いている子は茄子を丸かじりしていた。
「唐辛子!」
「辛いの好きな人いたかなぁ」
「お芋!」
「……それはジャガイモなの? サツマイモなの?」
皮の色がサツマイモなジャガイモ??
ご飯にするのかデザートで使うのか悩む見た目だ。
とりあえずエミリーにポテチにしてもらおう。
「レモーン!!!」
「君それ好きだね。自分でお食べ」
レモンを丸かじりして、キュッと口をすぼめるドライアドの頭をポンポンと撫でる。
「オクラー」
「ちょっとそれは苦手かなぁ」
「美味しいのに……」
「…………美味しいよね、貰っとくね」
しょぼんとするドライアドを見て胸が痛いので、受け取っておいた。エミリーが良い感じに美味しく調理してくれる事を願おう。
そんな感じで野菜やら何か分からない物を受け取ったり、一緒に食べたりしながら歩いていたけど、住居と祠の周囲以外はどこもかしこも畑になっていた。
ファマリーを囲う結界の中はレヴィさんが丹精込めて耕してたからなぁ。
「建物、建てるスペースないね」
「住居ならあるけどよ、あれじゃあだいぶ小せぇからな。いや、今住んでいる所が無駄にでかいだけか」
「あんなに大きくなくてもいいけど、お風呂はいろんなの作って入りたいから、やっぱりそのためのスペースは欲しいかな」
「あの住居に併設する形で浴場と奴隷たち用の住居を作りますか? 守る側としては、一カ所に固めてしまいたいのですが……」
「やっぱりその方が守りやすいよね。魔道具を作る数も少なくて済むし。寝泊まりをするのはこっちの建物にして、普段生活するのは向こうにすると結局護衛問題は解決しないかな……?」
んー、やっぱ新しくちょっと大きめの建物を建ててもらうしかないか。
幸いな事に、超特急でエント様の建物を建ててくれた魔法建築士たちがまだファマリアに滞在しているはずだ。
街の建物を増やす作業をお願いしていたけど、こっちを先に対応してもらおう。
ただ、建てる場所をどうするか……。
話したらレヴィさんもドライアドたちも分かってくれるだろうけど、畑を潰すのはちょっとなぁ。
「ファマリーとファマリアの間でいいんじゃねぇか?」
「早めに話を通しておかないと、レヴィア様が耕してしまうでしょうね。あそこの結界の中まで緑が広がっていますし」
だいぶ緑が不毛の大地を侵食しているようで、ファマリーからファマリアに向けてどんどん緑が広がっていた。
雑草がそこら中に生えていて、さらにはドライアドたちが好き勝手に作物を植えている事もあってなかなかにカオスだ。
聖域の魔道具のおかげか、それとも緑が広がったおかげか、アンデッドが湧いて出てくる事はないらしい。
とりあえず建物を建てるスペースを確保しようと思ったけど、どのくらいのスペースがあればいいのか分からん。
そこら辺は皆に相談した方が良いか。
今できる事として、全自動草刈り機を【加工】と【付与】で数台作って原っぱに放つ。
ドライアドたちが興味深げにその魔道具を追いかけていく。
……よくよく考えたらどうやってあの草刈り機曲がってるんだ?
もう一度草刈り機を作って裏返してみた。
前輪は丸い球体で、そこから少し離れたところにブラシの代わりに鎌がついている。
後輪は二つで、これがそれぞれ動いて回る感じ……か?
それなら三輪車的な感じの馬車を作れば行けそうか?
前輪はこれみたいな感じで丸くしておいて、後輪だけで進ませるとか……。前輪も普通にタイヤみたいな感じの方が良いかな。っていうかそれバイクじゃない?
そんな感じのバイクなんかの映画で見たような気がするぞ?
首をひねって考えていると、突然ひょいっと担ぎ上げられる。
「やること終わったらさっさと戻るぞ」
「ジュリウスー。明日、ユグドラシルに馬車準備しておいてー」
「承知しました」
だんだん運ばれるのに慣れ始めている自分がちょっと不安だけど、とりあえず魔動車を思いついたから作ってみたい。
見本となる馬車も準備してもらったし、明日はユグドラシルのお世話をする事にして、馬車……じゃないか。魔動車を作ってみよう。
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