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第8章 二つの世界樹を世話しながら生きていこう
117.事なかれ主義者はお風呂を満喫する
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「今日はお姉ちゃんがお世話する事になったわ~。さ、体洗いましょうね~」
自分で体を洗おうとしたけど、ルウさんに捕まって洗われる。
まあ、そうだよね、知ってた。ただ、正直目のやり場に困るんですけど……。
女性らしい体つきのルウさんは、湯浴み着を着てるんだけど、それが余計に困る。
白いショートパンツが、筋肉質だけど柔らかい大きな太ももをより引き立てているし、引き締まった腰回りもよく分かる。
ラオさんと同じくらい大きな胸の大事な部分をチューブトップブラが隠してくれているけど、ふとした時に触れてヤバイ。
僕の反応を見て楽しんでいる節もあるから、心を無にしてされるがままになりたいけど、ルウさんは放っておくと体全体を洗おうとしてくるから。
そう思っていると、スルッと手が前に伸びてきたのではたく。
「ちょっとルウさん、背中だけでしょ!」
「残念、バレちゃった。それじゃ、お姉ちゃんも体を洗おうかしら。……見たかったら見ていてもいいのよ?」
「さっさと洗って世界樹風呂楽しもっと」
何かルウさんが言ってるけど無視無視。
そういうのは本当に好きな人に取っておくべきなのに、命の恩人だからってしてくるのを本当にどうにかしないとなぁ。
周囲を確認すると、皆いつものように別の方を見ている。
暗黙のルールみたいな感じになってるけど、僕が自分で洗いたい部分を洗っている時は皆見ないようにしてくれてとても助かる。……そもそも一緒にお風呂に入らなければこんな恥ずかしい思いしなくて済むんじゃね?
体を洗い終わり、タオルを腰に巻いて浴槽に向かう。
薬湯の良い匂いが風に乗って運ばれてくる。開放的な空間に、いくつかの浴槽があった。
「シズトー、いい湯加減なのですわ~。一緒に入るのですわー」
こいこい、と手招きをしているレヴィさんは世界樹の素材をふんだんに使った世界樹風呂に入っていた。
お湯加減を確認するといい具合だった。熱すぎてすぐにのぼせる事はなさそうだ。
「どうしてそんな隅っこに座るのですわ?」
のんびりお風呂に入りたいからですけど?
レヴィさんは水音を立てながら歩いて近づいてくる。
ワンピース型の湯浴み着が濡れて、より体のラインが分かる。育乳ブラの影響かは分からないけど、ラオさんやルウさん以上の大きさの胸や、ダイエットによってキュッと絞られてできたくびれによってできる曲線美に、ついつい目が行ってしまう。
「そんなチラチラ見なくても、見たければ堂々と見ればいいと思うのですわ? セシリアからお父様たちが期待している私の役割を聞いてたはずですわよね?」
「あー、まあ……ね?」
聞きましたよ。子種云々ってやつですよね?
でも、前の世界の価値観が邪魔をしてそんな関係になれる気がしない。
好きな人同士がそういう事をするべきだと思うから。
「……やっぱり私たちが頑張るしかないのですわ」
「なんかルウさんにも似たような事言われた気がする」
鈍感系主人公じゃないから、自惚れじゃなければそういう事なんだろうな、って予想はついてるけど。
ただ、ルウさんは僕に助けられたからそういう想いを抱いているだけな気もするし……。
そんな事を考えていたら、隣に座ったレヴィさんが左手の人差し指で僕の眉間をウリウリと弄ってくる。
「この話は止めにするのですわ。ほら、眉間に皺ができてしまうのですわ。リラックスリラックス~」
「太ももさわさわするのやめてくれません!?」
世界樹風呂を満喫した後、少し離れたところに水風呂がある事に気づいた。
……ラオさんとルウさんがずっと入っているから気になって見てたら、クーを洗い終わったセシリアさんが教えてくれた。
色々なお風呂を楽しむのもこういう所の醍醐味だと思うので、セシリアさんから渡された飲み物を飲んで水分補給をしてから火照った体を冷ますために水風呂に入りに行く。
「……どっちかちょっとスペース開けてもらっていい?」
「あ?」
「お姉ちゃんのお膝乗る?」
「遠慮します」
あんまり水風呂は重要視されてなかったのか、二人が入ると手狭に感じるくらいの大きさだった。
二人とも出る気はないようで、ルウさんはおいでおいで、と両手を広げてニコニコしていて、そんなルウさんをラオさんが呆れた様子で見ていた。
「真ん中入ればいいだろ」
そう言うとラオさんは伸ばしていた足を開いた。ルウさんの足も開かせていたので、まあ僕くらいなら縮こまって入れば、入るスペースはできたと思う。
ラオさんはそれ以上動く気はなさそうで、ルウさんも同様だった。
仕方ない、と諦めて風呂桶を使ってかけ湯をしてから水風呂に入る。
足の先っぽからゆっくりと入る間、ラオさんもルウさんもじっと僕を見ていたのでなんか緊張した。
「はぁ……いきかえるぅ……」
「暑い日には最高だよな、これ。シズトみたいにわざわざ熱いのと交互に入る気にはならんけど、火照った体に効くのは分かる」
「世界樹の素材で作ってるみたいだし、その効果もあるのかもしれないわね~」
「屋敷の水風呂も世界樹の枝とか加工して作っちゃおうかな」
「それもいいかもしれないわね」
「世界樹の素材をそんな事に使ってるって知られたらやばそうだけどな」
ちょ、ラオさん? なんでその長い足でツンツン突くんすかね?
ルウさんにバレたら真似してきそうなので縮こまって耐える。
ただ、結局ルウさんにもバレて、足で体をツンツンされるのに耐えきれず、薬湯に入る事にした。
「……クー、寝てない?」
「寝てます、マスター」
「大丈夫なの?」
「問題ありません、マスター」
薬湯でプカーッと浮いて目を瞑っているクーがちょっと心配。
まあ、ホムラが見てるから大丈夫だよね……?
僕も薬湯に入ると、いい香りを強く感じる。どんな薬草かは分からないけど、良い感じ。
日替わりで薬草を変えてるみたいだし、明日も楽しみにしてよ。
自分で体を洗おうとしたけど、ルウさんに捕まって洗われる。
まあ、そうだよね、知ってた。ただ、正直目のやり場に困るんですけど……。
女性らしい体つきのルウさんは、湯浴み着を着てるんだけど、それが余計に困る。
白いショートパンツが、筋肉質だけど柔らかい大きな太ももをより引き立てているし、引き締まった腰回りもよく分かる。
ラオさんと同じくらい大きな胸の大事な部分をチューブトップブラが隠してくれているけど、ふとした時に触れてヤバイ。
僕の反応を見て楽しんでいる節もあるから、心を無にしてされるがままになりたいけど、ルウさんは放っておくと体全体を洗おうとしてくるから。
そう思っていると、スルッと手が前に伸びてきたのではたく。
「ちょっとルウさん、背中だけでしょ!」
「残念、バレちゃった。それじゃ、お姉ちゃんも体を洗おうかしら。……見たかったら見ていてもいいのよ?」
「さっさと洗って世界樹風呂楽しもっと」
何かルウさんが言ってるけど無視無視。
そういうのは本当に好きな人に取っておくべきなのに、命の恩人だからってしてくるのを本当にどうにかしないとなぁ。
周囲を確認すると、皆いつものように別の方を見ている。
暗黙のルールみたいな感じになってるけど、僕が自分で洗いたい部分を洗っている時は皆見ないようにしてくれてとても助かる。……そもそも一緒にお風呂に入らなければこんな恥ずかしい思いしなくて済むんじゃね?
体を洗い終わり、タオルを腰に巻いて浴槽に向かう。
薬湯の良い匂いが風に乗って運ばれてくる。開放的な空間に、いくつかの浴槽があった。
「シズトー、いい湯加減なのですわ~。一緒に入るのですわー」
こいこい、と手招きをしているレヴィさんは世界樹の素材をふんだんに使った世界樹風呂に入っていた。
お湯加減を確認するといい具合だった。熱すぎてすぐにのぼせる事はなさそうだ。
「どうしてそんな隅っこに座るのですわ?」
のんびりお風呂に入りたいからですけど?
レヴィさんは水音を立てながら歩いて近づいてくる。
ワンピース型の湯浴み着が濡れて、より体のラインが分かる。育乳ブラの影響かは分からないけど、ラオさんやルウさん以上の大きさの胸や、ダイエットによってキュッと絞られてできたくびれによってできる曲線美に、ついつい目が行ってしまう。
「そんなチラチラ見なくても、見たければ堂々と見ればいいと思うのですわ? セシリアからお父様たちが期待している私の役割を聞いてたはずですわよね?」
「あー、まあ……ね?」
聞きましたよ。子種云々ってやつですよね?
でも、前の世界の価値観が邪魔をしてそんな関係になれる気がしない。
好きな人同士がそういう事をするべきだと思うから。
「……やっぱり私たちが頑張るしかないのですわ」
「なんかルウさんにも似たような事言われた気がする」
鈍感系主人公じゃないから、自惚れじゃなければそういう事なんだろうな、って予想はついてるけど。
ただ、ルウさんは僕に助けられたからそういう想いを抱いているだけな気もするし……。
そんな事を考えていたら、隣に座ったレヴィさんが左手の人差し指で僕の眉間をウリウリと弄ってくる。
「この話は止めにするのですわ。ほら、眉間に皺ができてしまうのですわ。リラックスリラックス~」
「太ももさわさわするのやめてくれません!?」
世界樹風呂を満喫した後、少し離れたところに水風呂がある事に気づいた。
……ラオさんとルウさんがずっと入っているから気になって見てたら、クーを洗い終わったセシリアさんが教えてくれた。
色々なお風呂を楽しむのもこういう所の醍醐味だと思うので、セシリアさんから渡された飲み物を飲んで水分補給をしてから火照った体を冷ますために水風呂に入りに行く。
「……どっちかちょっとスペース開けてもらっていい?」
「あ?」
「お姉ちゃんのお膝乗る?」
「遠慮します」
あんまり水風呂は重要視されてなかったのか、二人が入ると手狭に感じるくらいの大きさだった。
二人とも出る気はないようで、ルウさんはおいでおいで、と両手を広げてニコニコしていて、そんなルウさんをラオさんが呆れた様子で見ていた。
「真ん中入ればいいだろ」
そう言うとラオさんは伸ばしていた足を開いた。ルウさんの足も開かせていたので、まあ僕くらいなら縮こまって入れば、入るスペースはできたと思う。
ラオさんはそれ以上動く気はなさそうで、ルウさんも同様だった。
仕方ない、と諦めて風呂桶を使ってかけ湯をしてから水風呂に入る。
足の先っぽからゆっくりと入る間、ラオさんもルウさんもじっと僕を見ていたのでなんか緊張した。
「はぁ……いきかえるぅ……」
「暑い日には最高だよな、これ。シズトみたいにわざわざ熱いのと交互に入る気にはならんけど、火照った体に効くのは分かる」
「世界樹の素材で作ってるみたいだし、その効果もあるのかもしれないわね~」
「屋敷の水風呂も世界樹の枝とか加工して作っちゃおうかな」
「それもいいかもしれないわね」
「世界樹の素材をそんな事に使ってるって知られたらやばそうだけどな」
ちょ、ラオさん? なんでその長い足でツンツン突くんすかね?
ルウさんにバレたら真似してきそうなので縮こまって耐える。
ただ、結局ルウさんにもバレて、足で体をツンツンされるのに耐えきれず、薬湯に入る事にした。
「……クー、寝てない?」
「寝てます、マスター」
「大丈夫なの?」
「問題ありません、マスター」
薬湯でプカーッと浮いて目を瞑っているクーがちょっと心配。
まあ、ホムラが見てるから大丈夫だよね……?
僕も薬湯に入ると、いい香りを強く感じる。どんな薬草かは分からないけど、良い感じ。
日替わりで薬草を変えてるみたいだし、明日も楽しみにしてよ。
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