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第5章 新しいお姉ちゃんと一緒に生きていく
62.事なかれ主義者はまた呼び出しを食らう
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ラオさんとルウさんが魔石をたくさん持って戻ってきた。
「やっぱお前の魔道具おかしいわ。これなら亡者のダンジョンも踏破いけるかもしれねぇな」
「この魔道具、私も欲しいのよねー。魔石集め頑張るから作ってくれないかしら?」
ラオさんが呆れた様子でこちらを見ながら神聖ライトを弄っている。
ルウさんもラオさんと同じで肉弾戦が主体らしいので、ゾンビに近づかず倒せるライトが欲しいらしい。
神聖魔法のホーリーライトとかいう魔法と魔石を動力とする魔法陣を付与するだけなので問題なく作れる。というか、今の今まで存在忘れてたけど、あれを鉄の床に仕込めば簡単にアンデッド倒せるのでは??
魔石の消費とどこに罠を設置するかが問題になるけど、そこら辺に乱立させているオブジェが光るようにしたらなんか面白そう。目からビーム! 的な。
「また変な事考えてんなこいつ」
「失敬な。アンデッド対策を考えてただけだよ。いちいち相手するの面倒臭いから自動的に倒せないかなぁ、って。その神聖ライトってどのくらい強いアンデッド倒せるの?」
「Eランクのゾンビはなんか勝手に燃えるし、実体を持たないレイス等は魔石を残して消滅するな。グールやリッチ、デュラハンとかCランク以上の魔物は相手にした事がねぇから分からんが、一定の効果はあるだろうよ」
「大量に湧いて迫ってきて、魔石切れになったら倒した魔物の魔石を使えばしばらくは使えるから便利なのよね。シズトくん、魔石たくさん使うから市場で買ってもらうよりも私たちが集めてきた方が安くすむと思うわ」
「魔石高騰してる」
「主にシズトのせいだけどな」
浮遊ランプやその他の魔石を使うタイプの魔道具が市場に出回るようになり、低級の魔石の供給量が減っているらしい。冒険者たちは自分で取った魔石を売る量が減っているし、冒険者以外の裕福な商人たちは魔道具を使う事が一種のステータスのような物になっているらしく、魔石の需要が増しているんだとか。
劣化版の沸騰魔石とかノエルが量産している事も関係しているんだと思う。
「何よりホムラが買い集めているからな」
「冒険者ギルドからの収入が十倍になったから、お金どんどん使わせないと無駄に増えちゃうんだよね。だから好きな物買ってくるように言っておいたんだけど、魔石ばかり買ってくるんだよ。あって困るものじゃないからいいんだけど、そろそろ魔石専用のアイテムバッグを作るべきか悩む」
以前までは一ヵ月金貨三枚くらいで寝泊まりできてたから月の収入が金貨三十枚もあると何に使えばいいか困るんだよね。冒険者ランクと収入が釣り合ってないからギルドに顔を出すとなんかじろじろ見られるし。
定期的に納入依頼をこなしているので昇格試験をもう少しで受ける事ができるらしいから余計なちょっかいを出されないように冒険者ランクを上げておくのも考えておく必要があるとは思うんだけど……。
「店は出さねぇのか? 年会費は払えるくらいにはなっただろ」
「どこにお店を出すべきか、って所が問題かな。お店を出すために建物を借りる事も視野に入れてるんだけど、なかなかなお値段がするからね。お店を持っちゃったら税金とかも諸々かかってくるだろうし。まあ、自分で作って売るだけだから材料費の事だけ考えればいいから他の魔道具店とは違ってぼろ儲けできそうだけど」
「シズトは店を持ちたい?」
ドーラさんが眠たそうな目で僕を見上げながら聞いてきたけど、悩むね。
お店の大きさによっては人手が足りなくなりそうだし。お店に魔道具を置くなら防犯面でまた頑張らないとだめだろうし。
いや、魔道具をそこに置きっぱなしにする必要はないのか。
「まあ、お店持てばもっと収入が安定するだろうし、持てるなら持とうかな。ちょっとホムラにお金貯めるように言わなきゃ」
「必要ない。任せて。シズトは魔道具を作ってればいい」
そう言うとドーラさんは転移陣で屋敷に戻っていった。
ホムラに伝えるのはドーラさんに任せて、僕は魔道具について考えとけばいいか。
とりあえず神聖ライトをせっせと作ると、ルウさんに渡し、次は何を作るか考える。
魔力残量的にオブジェの目にホーリーライトをすべて付与するのは無理。
っていうか、無駄に作りすぎたから現実的ではないと思う。
そんなに大量にアンデッドが湧き出た事ないし。
まあ、今も足元からたくさん出てこようとしてるみたいだけど。
とりあえず魔力残量的にもう一、二個作ったら屋敷に戻ろう。
アンデッド臭くて近づきたくないって言ってたし、臭いを感じなくなるマスクとか?
布あったかなぁ……。
夕方になってアンデッドが活発になるからとルウさんによって屋敷にお持ち帰りされた。
夕食の準備はすでにエミリーが終わらせていて、狐耳と尻尾が得意げに立っていた。
ホムラが帰ってきたので一緒にご飯を食べていたのだが、ドーラさんがいない。
「ドーラさんどうしたの?」
「ドーラ様はお昼ごろにどこかにお出かけをしてます。まだ帰ってきてないです」
エミリーがそう答えた丁度その時、ドーラさんが戻ってきたのだが、いきなりよく分かんない事を言ってきた。
「シズト、お店手に入った。明日、領主の館に行けば貰える」
「………領主?」
「話してみたいらしい」
神さまの次は領主様から呼び出しとか……そのうち王様からも呼び出しされそう。
いや、レヴィさんがいるからその内そういう事になるとは思うんだけどね?
後ろ盾は欲しいけど、面倒臭いなぁ……。
「やっぱお前の魔道具おかしいわ。これなら亡者のダンジョンも踏破いけるかもしれねぇな」
「この魔道具、私も欲しいのよねー。魔石集め頑張るから作ってくれないかしら?」
ラオさんが呆れた様子でこちらを見ながら神聖ライトを弄っている。
ルウさんもラオさんと同じで肉弾戦が主体らしいので、ゾンビに近づかず倒せるライトが欲しいらしい。
神聖魔法のホーリーライトとかいう魔法と魔石を動力とする魔法陣を付与するだけなので問題なく作れる。というか、今の今まで存在忘れてたけど、あれを鉄の床に仕込めば簡単にアンデッド倒せるのでは??
魔石の消費とどこに罠を設置するかが問題になるけど、そこら辺に乱立させているオブジェが光るようにしたらなんか面白そう。目からビーム! 的な。
「また変な事考えてんなこいつ」
「失敬な。アンデッド対策を考えてただけだよ。いちいち相手するの面倒臭いから自動的に倒せないかなぁ、って。その神聖ライトってどのくらい強いアンデッド倒せるの?」
「Eランクのゾンビはなんか勝手に燃えるし、実体を持たないレイス等は魔石を残して消滅するな。グールやリッチ、デュラハンとかCランク以上の魔物は相手にした事がねぇから分からんが、一定の効果はあるだろうよ」
「大量に湧いて迫ってきて、魔石切れになったら倒した魔物の魔石を使えばしばらくは使えるから便利なのよね。シズトくん、魔石たくさん使うから市場で買ってもらうよりも私たちが集めてきた方が安くすむと思うわ」
「魔石高騰してる」
「主にシズトのせいだけどな」
浮遊ランプやその他の魔石を使うタイプの魔道具が市場に出回るようになり、低級の魔石の供給量が減っているらしい。冒険者たちは自分で取った魔石を売る量が減っているし、冒険者以外の裕福な商人たちは魔道具を使う事が一種のステータスのような物になっているらしく、魔石の需要が増しているんだとか。
劣化版の沸騰魔石とかノエルが量産している事も関係しているんだと思う。
「何よりホムラが買い集めているからな」
「冒険者ギルドからの収入が十倍になったから、お金どんどん使わせないと無駄に増えちゃうんだよね。だから好きな物買ってくるように言っておいたんだけど、魔石ばかり買ってくるんだよ。あって困るものじゃないからいいんだけど、そろそろ魔石専用のアイテムバッグを作るべきか悩む」
以前までは一ヵ月金貨三枚くらいで寝泊まりできてたから月の収入が金貨三十枚もあると何に使えばいいか困るんだよね。冒険者ランクと収入が釣り合ってないからギルドに顔を出すとなんかじろじろ見られるし。
定期的に納入依頼をこなしているので昇格試験をもう少しで受ける事ができるらしいから余計なちょっかいを出されないように冒険者ランクを上げておくのも考えておく必要があるとは思うんだけど……。
「店は出さねぇのか? 年会費は払えるくらいにはなっただろ」
「どこにお店を出すべきか、って所が問題かな。お店を出すために建物を借りる事も視野に入れてるんだけど、なかなかなお値段がするからね。お店を持っちゃったら税金とかも諸々かかってくるだろうし。まあ、自分で作って売るだけだから材料費の事だけ考えればいいから他の魔道具店とは違ってぼろ儲けできそうだけど」
「シズトは店を持ちたい?」
ドーラさんが眠たそうな目で僕を見上げながら聞いてきたけど、悩むね。
お店の大きさによっては人手が足りなくなりそうだし。お店に魔道具を置くなら防犯面でまた頑張らないとだめだろうし。
いや、魔道具をそこに置きっぱなしにする必要はないのか。
「まあ、お店持てばもっと収入が安定するだろうし、持てるなら持とうかな。ちょっとホムラにお金貯めるように言わなきゃ」
「必要ない。任せて。シズトは魔道具を作ってればいい」
そう言うとドーラさんは転移陣で屋敷に戻っていった。
ホムラに伝えるのはドーラさんに任せて、僕は魔道具について考えとけばいいか。
とりあえず神聖ライトをせっせと作ると、ルウさんに渡し、次は何を作るか考える。
魔力残量的にオブジェの目にホーリーライトをすべて付与するのは無理。
っていうか、無駄に作りすぎたから現実的ではないと思う。
そんなに大量にアンデッドが湧き出た事ないし。
まあ、今も足元からたくさん出てこようとしてるみたいだけど。
とりあえず魔力残量的にもう一、二個作ったら屋敷に戻ろう。
アンデッド臭くて近づきたくないって言ってたし、臭いを感じなくなるマスクとか?
布あったかなぁ……。
夕方になってアンデッドが活発になるからとルウさんによって屋敷にお持ち帰りされた。
夕食の準備はすでにエミリーが終わらせていて、狐耳と尻尾が得意げに立っていた。
ホムラが帰ってきたので一緒にご飯を食べていたのだが、ドーラさんがいない。
「ドーラさんどうしたの?」
「ドーラ様はお昼ごろにどこかにお出かけをしてます。まだ帰ってきてないです」
エミリーがそう答えた丁度その時、ドーラさんが戻ってきたのだが、いきなりよく分かんない事を言ってきた。
「シズト、お店手に入った。明日、領主の館に行けば貰える」
「………領主?」
「話してみたいらしい」
神さまの次は領主様から呼び出しとか……そのうち王様からも呼び出しされそう。
いや、レヴィさんがいるからその内そういう事になるとは思うんだけどね?
後ろ盾は欲しいけど、面倒臭いなぁ……。
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