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第4章 助手と一緒に魔道具を作って生きていく。
44.事なかれ主義者のダイエット法②
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「ダイエットっすか? んー、した事ないからわかんないっすね」
僕の部屋予定の場所で寝泊まりしているノエルはハーフエルフの魔道具師見習いだ。
エルフの特徴なのか、金色の髪は緩く波打っている。最近「邪魔っす」と言ってモジャモジャ頭を良い感じに切ったため、エルフと比べると少し短めの尖った耳が顔の横からひょこっと出ていた。
前髪も眉毛が隠れる程度まで切ったため、ひび割れが入った丸眼鏡と緑色の瞳が露になっている。
先程まで作業をしていた彼女は、羽ペンのような物を右手で持ち、弄りながら話をつづけた。
「そもそもエルフは太りにくいっすね。昔住んでいた所でも、太っている人がいなかったっすし。その血が半分あるっすから、ボクも太りにくいんじゃないんかなぁ、って思うっすけど」
「なるほどなぁ。種族特性とかもあるんだ」
「……あぁ、でも単純にご飯を食べてなかったからってのもあるかもっすね。奴隷じゃなかった頃は、食費を削って魔道具を買う資金にしてたっすし? 奴隷の今の方が食事をきちんと食べてるっす。まあ、ここの奴隷の扱いが特殊なだけってのはあるような気もするっすけどね。以前の主もちょっとアレだったっすけど、ご飯とか身の回りのものは揃えてくれてたっす。そう考えたら奴隷の時の方がやっぱりご飯たくさん食べてるっす。そのうち太るんすかねぇ?」
そんな事を言いながら自分の体をまさぐるノエル。エルフは参考にならない事がよくわかった。
でも、奴隷の食事環境ってやっぱり良くないよね、きっと。丸々と太った奴隷って労働力としてもあんまり使えないような気がするし。
飢えて死なない程度に食事を与えて、痩せているイメージとかある。
鉱山で働いている奴隷とかね。
「ダイエットに必要なものってとりあえず運動と食事を減らす事ぐらいじゃないっすか? 魔道具がなくても行けるような気がするっすけどね。それこそ、運動を効果的にする魔道具とかどうっすか?」
「運動を効果的に……腹巻の応用で脂肪燃焼機能つければいけそう?」
それこそ靴とかズボンとか……シャツとか?
うーん、いけそうではあるけど、脂肪燃焼よりもとりあえず筋肉つけた方が痩せやすいって聞くし、筋トレの効果をアップさせる機能でもつければいいのか。
そしてできた『筋トレ促進ウェア』を身につけたレヴィさんと、アンジェラを交えて終わらない鬼ごっこ。
「ちょ、ちょっと……まっ、待つのですわ………」
鬼になったレヴィさんがひたすらひぃひぃ言いながら追いかけてくるけど、僕でも簡単に逃げられる。とっても楽できたからエンドレスでもそんなに大変じゃない。
これだけ動きがのろいのは太っているからなのか『筋トレ促進ウェア』のせいなのか判断に迷う所だけど……。
とりあえず、ゲームにならなかったので大きな縄を買ってきてもらって大縄跳びをして遊んだ。
筋トレの効果どのくらい出るかなぁ、なんて思っていたら翌日。レヴィは筋肉痛で起き上がる事すらできなかった。
筋肉痛で起き上がる事すらままならないレヴィさん。それを見て寝ている状態で痩せる方法何かないかなぁ、って考えたけど普通に腹巻の応用で二の腕や太ももに巻く物を作った。ちょっと布で服を作るのが無理だったので布のままでいいや。布を巻くだけで振動させる事が出来る魔道具。筋肉はとりあえず運動できるくらい痩せてからにしよう
「痛いのですわ~~~~~」
「あ、ごめん」
筋肉痛を治すと筋肉育たないかも? って思ったので自然に治るまで待ってさらに一週間。
やっと全快した彼女は、ちょっと痩せた。やつれた感じはしないからまあいい感じだとは思う。
一週間ずっと震えながらベットでゴロゴロしているだけだったし、もう寝てるだけでいいんじゃないかな。
「震えすぎて眠れませんわ!」とか言ってたけど、安眠カバーを渡したらぐっすり眠ってたし。
寝る子は育つ作戦で行くだけでいいような気がする。
そんな彼女は今日も魔力マシマシ飴をずっと舐めている。
それを舐めながら脂肪燃焼効果の付いた腹巻を普通に使っているんだけど、魔力切れとか全然しそうにない。
「魔力量にはちょっと自信があるのですわ。私、加護がうまく制御できなくて、強制的に常に使っている状況の時もあるのですわ。好き好んで使っていたわけじゃなかったですわ。それでも、そのおかげで魔力量が増えたのですわ。魔力量が多くなったおかげで、ずっと飴を舐めてられるのは良かったですわ~」
そんな事をぶるぶる震えながら言っている。
常時強制発動型の加護……だから僕が作った指輪使っているのか。
右手の中指につけている鉄製の指輪を見ていると彼女は姿勢を正した。
「この魔道具のおかげで、私、外に気軽に出る事が出来るようになったのですわ。とっても、感謝しているのですわ。このご恩は必ず返すのですわ」
「いや、僕はドーラさんに言われるまま作っただけだからそんな気にしなくていいよ。お金もしっかり貰ってるし。てっきり加護持ちの犯罪者でもいるのかと思って作ったからレヴィさんがつけてて何でかな? って思ったけど」
「どんな経緯でも、貴方が作った事には変わりないのですわ。例えそれが作らされた物だったとしても、私のために作った物ではなかったとしても、私は救われているのですわ。もっと貴方は自信を持つべきなのですわ」
まっすぐ褒めてくるのでちょっと照れる。
謙遜すればするほどエンドレスに褒めてくるので、ちょっと褒められ慣れてないから調子に乗って魔力マシマシ飴をいろんな味を作ってあげちゃった。
僕の部屋予定の場所で寝泊まりしているノエルはハーフエルフの魔道具師見習いだ。
エルフの特徴なのか、金色の髪は緩く波打っている。最近「邪魔っす」と言ってモジャモジャ頭を良い感じに切ったため、エルフと比べると少し短めの尖った耳が顔の横からひょこっと出ていた。
前髪も眉毛が隠れる程度まで切ったため、ひび割れが入った丸眼鏡と緑色の瞳が露になっている。
先程まで作業をしていた彼女は、羽ペンのような物を右手で持ち、弄りながら話をつづけた。
「そもそもエルフは太りにくいっすね。昔住んでいた所でも、太っている人がいなかったっすし。その血が半分あるっすから、ボクも太りにくいんじゃないんかなぁ、って思うっすけど」
「なるほどなぁ。種族特性とかもあるんだ」
「……あぁ、でも単純にご飯を食べてなかったからってのもあるかもっすね。奴隷じゃなかった頃は、食費を削って魔道具を買う資金にしてたっすし? 奴隷の今の方が食事をきちんと食べてるっす。まあ、ここの奴隷の扱いが特殊なだけってのはあるような気もするっすけどね。以前の主もちょっとアレだったっすけど、ご飯とか身の回りのものは揃えてくれてたっす。そう考えたら奴隷の時の方がやっぱりご飯たくさん食べてるっす。そのうち太るんすかねぇ?」
そんな事を言いながら自分の体をまさぐるノエル。エルフは参考にならない事がよくわかった。
でも、奴隷の食事環境ってやっぱり良くないよね、きっと。丸々と太った奴隷って労働力としてもあんまり使えないような気がするし。
飢えて死なない程度に食事を与えて、痩せているイメージとかある。
鉱山で働いている奴隷とかね。
「ダイエットに必要なものってとりあえず運動と食事を減らす事ぐらいじゃないっすか? 魔道具がなくても行けるような気がするっすけどね。それこそ、運動を効果的にする魔道具とかどうっすか?」
「運動を効果的に……腹巻の応用で脂肪燃焼機能つければいけそう?」
それこそ靴とかズボンとか……シャツとか?
うーん、いけそうではあるけど、脂肪燃焼よりもとりあえず筋肉つけた方が痩せやすいって聞くし、筋トレの効果をアップさせる機能でもつければいいのか。
そしてできた『筋トレ促進ウェア』を身につけたレヴィさんと、アンジェラを交えて終わらない鬼ごっこ。
「ちょ、ちょっと……まっ、待つのですわ………」
鬼になったレヴィさんがひたすらひぃひぃ言いながら追いかけてくるけど、僕でも簡単に逃げられる。とっても楽できたからエンドレスでもそんなに大変じゃない。
これだけ動きがのろいのは太っているからなのか『筋トレ促進ウェア』のせいなのか判断に迷う所だけど……。
とりあえず、ゲームにならなかったので大きな縄を買ってきてもらって大縄跳びをして遊んだ。
筋トレの効果どのくらい出るかなぁ、なんて思っていたら翌日。レヴィは筋肉痛で起き上がる事すらできなかった。
筋肉痛で起き上がる事すらままならないレヴィさん。それを見て寝ている状態で痩せる方法何かないかなぁ、って考えたけど普通に腹巻の応用で二の腕や太ももに巻く物を作った。ちょっと布で服を作るのが無理だったので布のままでいいや。布を巻くだけで振動させる事が出来る魔道具。筋肉はとりあえず運動できるくらい痩せてからにしよう
「痛いのですわ~~~~~」
「あ、ごめん」
筋肉痛を治すと筋肉育たないかも? って思ったので自然に治るまで待ってさらに一週間。
やっと全快した彼女は、ちょっと痩せた。やつれた感じはしないからまあいい感じだとは思う。
一週間ずっと震えながらベットでゴロゴロしているだけだったし、もう寝てるだけでいいんじゃないかな。
「震えすぎて眠れませんわ!」とか言ってたけど、安眠カバーを渡したらぐっすり眠ってたし。
寝る子は育つ作戦で行くだけでいいような気がする。
そんな彼女は今日も魔力マシマシ飴をずっと舐めている。
それを舐めながら脂肪燃焼効果の付いた腹巻を普通に使っているんだけど、魔力切れとか全然しそうにない。
「魔力量にはちょっと自信があるのですわ。私、加護がうまく制御できなくて、強制的に常に使っている状況の時もあるのですわ。好き好んで使っていたわけじゃなかったですわ。それでも、そのおかげで魔力量が増えたのですわ。魔力量が多くなったおかげで、ずっと飴を舐めてられるのは良かったですわ~」
そんな事をぶるぶる震えながら言っている。
常時強制発動型の加護……だから僕が作った指輪使っているのか。
右手の中指につけている鉄製の指輪を見ていると彼女は姿勢を正した。
「この魔道具のおかげで、私、外に気軽に出る事が出来るようになったのですわ。とっても、感謝しているのですわ。このご恩は必ず返すのですわ」
「いや、僕はドーラさんに言われるまま作っただけだからそんな気にしなくていいよ。お金もしっかり貰ってるし。てっきり加護持ちの犯罪者でもいるのかと思って作ったからレヴィさんがつけてて何でかな? って思ったけど」
「どんな経緯でも、貴方が作った事には変わりないのですわ。例えそれが作らされた物だったとしても、私のために作った物ではなかったとしても、私は救われているのですわ。もっと貴方は自信を持つべきなのですわ」
まっすぐ褒めてくるのでちょっと照れる。
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