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第3章 居候して生きていこう
40.事なかれ主義者は名前を覚えられない
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ブライアンさんが選りすぐりの奴隷を連れてきた。
応接間に何人も奴隷の首輪をつけた奴隷たちが並んでいる。
その中の一人の元C級冒険者であるアンディーとシルヴェラは、依頼を失敗してしまい、違約金が払えず借金奴隷になってしまったらしい。
アンディーは人族で寡黙なゴリマッチョ。背丈が同じくらいなので猫の目の宿の主人であるライルさんほど威圧感はない。
依頼を失敗した際に、左腕を失ってしまったらしい。警護してもらうんだったら何とかしてあげたいなって思う。
シルヴェラも人族でそばかすが特徴的なスレンダーな女性だった。
その二人の子どもであるアンジェラは奴隷ではないがブライアンさんの好意で預かっていたらしい。
まだ幼い子で、アンディーの足に抱き付いてこちらをちらちらとみている。
今は落ち着いているらしいが、子どもが病弱で、彼女の病気を治すために大金を支払った後に依頼を失敗してしまったから奴隷になってしまったらしい。
「こちらの元冒険者はランクは低いですが、護衛依頼の経験が豊富です。屋敷の警護であれば問題ないでしょう。夜の警護に関してはこちらの奴隷はいかがでしょうか? 合わせて買って頂ければ昼夜の護衛を交代で行わせる事も可能でしょう」
そう言って紹介されたもう一人は黒い翼の翼人と言われる種族らしい。
獣人の一種だけど、この世界の獣人も翼人も、人間がベースで動物の特徴が一部分にあるだけだ。
まあ、日常生活をするうえで不便が少なくていいんじゃない?
「名前はパメラ。ソロで斥候職をしていましたので一通りの事は出来ます。ギャンブルが趣味で、大負けして支払いができず奴隷落ちしました」
「ダメ人間じゃん」
パメラは目線を合わせる事なく、下を見て控えている。
黒い髪に黒い瞳は親近感が湧くけれど、ギャンブルかー……依存症だったりしたら面倒事になったりしないかなぁ。
身体的な特徴としては小柄で、ペッタンコ。イザベラさんと同じレベルのペッタンコは久しぶりに見たかもしれない。いや、まじまじと見るのなんてそうそうないからこれがメジャーなのかもしれないけど。
僕の視線に何か思い至る所があったのか、ブライアンは表情を変える事なく話をつづけた。
「男性経験はないですよ」
「いや、聞いてないからね?」
ブライアンさんは分かっています、って感じでゆっくりと頷いた。
うん、誤解回避できたね。
「夜の相手をさせるならもう一人警護要員が必要ですね。こちらは酒を飲んで大暴れをしたシンシーラ。狼人族で、鼻と夜目がよく聞きます。こちらも未経験です」
「全然わかってないじゃん!」
パタパタと尻尾がゆったり揺らしながら姿勢よく立っていた犬耳……じゃなくて狼耳が特徴的な茶髪の女性と目が合う。身長は僕より少し低いくらいだが、胸とお尻が大きい。ボンッキュッボン!!って感じだ。人懐っこそうにこちらを見ている茶色の瞳に騙されてはいけない。酒癖悪いんだからやめといたほうがいいような気もする。
そんな事を思いつつ尻尾を目で追っていたら尻尾がちょっと早く動き始めた。ちょっと触って見たい。
尻尾の動きに合わせて視線が動いているのを見ていたのか、ブライアンが全てを察したように頷いた。
「気に入っていただけたようで何より。セットでご購入いただけるのなら多少割引しましょう」
「いいんじゃねぇか? 夜の相手の方はお前の好きにすればいいが、夜の警護は交代でさせるのは賛成だ。アンディーとシルヴェラはアタシも知ってる。まあ、ここら周辺だったらこのくらいいれば十分だろうさ」
「夜の相手とか関係ないから!」
「はいはい」
ラオさんが適当に僕をあしらう。
魔力マシマシ飴を静かに舐めてるなぁ、って思っていたら元同業者の実力を見て考えていたみたいだ。
とりあえず本当に雇うならギャンブル好きと酒乱を何とかする魔道具を作らなきゃ……。
ブライアンさんは元冒険者組を部屋の外で待つように指示を出して、残った同年代か、年下の女の子の集団を横一列に並ばせた。
「いろんな種族を見てみたい、というご要望でしたので本日到着した中でそれぞれの種族のオススメを持ってきました。どの娘たちも戦争をしている隣国やその他の地域から流れてきた者たちですね」
「攫われてきた子とかいないの?」
こういうの、ラノベだと厄介事を抱えた人が含まれてたり、どこかから攫われて連れてこられたりして面倒事に巻き込まれるんでしょ。
「その点は心配ご無用です。伊達に公認されておりません。事前に裏は取ってあります」
「大丈夫、問題ない。この商人は信用していい」
「ここの家主のドーラさんがそういうならいいんだけどさ」
雇うのは僕だけど、住まわせているからね。上司の上司みたいな人なんだよ。ちゃんとドーラさんのいう事聞いてね。
「納得いただけたようなのでご紹介させていただきます。隣国のユグドラシルとは無関係のエルフのジュリーンは精霊魔法を使えます。ダークエルフのダーリアは褐色肌が一部の男性から人気がある種族でございます。没落貴族のモニカはある程度の教養を身につけております。狐人族のエミリーは尻尾の触り心地が良いのではないでしょうか」
確かにもふもふで触り心地よさそう。
ちょっともふらせてくれないかなぁ。嫌がられそうだから無理かなぁ。
そんな事を考えていたらホムラがお金をブライアンさんに渡していた。
即断即決だった。
僕、買うとは言ってないんだけどなぁ。
「とりあえず、名札作るか~」
応接間に何人も奴隷の首輪をつけた奴隷たちが並んでいる。
その中の一人の元C級冒険者であるアンディーとシルヴェラは、依頼を失敗してしまい、違約金が払えず借金奴隷になってしまったらしい。
アンディーは人族で寡黙なゴリマッチョ。背丈が同じくらいなので猫の目の宿の主人であるライルさんほど威圧感はない。
依頼を失敗した際に、左腕を失ってしまったらしい。警護してもらうんだったら何とかしてあげたいなって思う。
シルヴェラも人族でそばかすが特徴的なスレンダーな女性だった。
その二人の子どもであるアンジェラは奴隷ではないがブライアンさんの好意で預かっていたらしい。
まだ幼い子で、アンディーの足に抱き付いてこちらをちらちらとみている。
今は落ち着いているらしいが、子どもが病弱で、彼女の病気を治すために大金を支払った後に依頼を失敗してしまったから奴隷になってしまったらしい。
「こちらの元冒険者はランクは低いですが、護衛依頼の経験が豊富です。屋敷の警護であれば問題ないでしょう。夜の警護に関してはこちらの奴隷はいかがでしょうか? 合わせて買って頂ければ昼夜の護衛を交代で行わせる事も可能でしょう」
そう言って紹介されたもう一人は黒い翼の翼人と言われる種族らしい。
獣人の一種だけど、この世界の獣人も翼人も、人間がベースで動物の特徴が一部分にあるだけだ。
まあ、日常生活をするうえで不便が少なくていいんじゃない?
「名前はパメラ。ソロで斥候職をしていましたので一通りの事は出来ます。ギャンブルが趣味で、大負けして支払いができず奴隷落ちしました」
「ダメ人間じゃん」
パメラは目線を合わせる事なく、下を見て控えている。
黒い髪に黒い瞳は親近感が湧くけれど、ギャンブルかー……依存症だったりしたら面倒事になったりしないかなぁ。
身体的な特徴としては小柄で、ペッタンコ。イザベラさんと同じレベルのペッタンコは久しぶりに見たかもしれない。いや、まじまじと見るのなんてそうそうないからこれがメジャーなのかもしれないけど。
僕の視線に何か思い至る所があったのか、ブライアンは表情を変える事なく話をつづけた。
「男性経験はないですよ」
「いや、聞いてないからね?」
ブライアンさんは分かっています、って感じでゆっくりと頷いた。
うん、誤解回避できたね。
「夜の相手をさせるならもう一人警護要員が必要ですね。こちらは酒を飲んで大暴れをしたシンシーラ。狼人族で、鼻と夜目がよく聞きます。こちらも未経験です」
「全然わかってないじゃん!」
パタパタと尻尾がゆったり揺らしながら姿勢よく立っていた犬耳……じゃなくて狼耳が特徴的な茶髪の女性と目が合う。身長は僕より少し低いくらいだが、胸とお尻が大きい。ボンッキュッボン!!って感じだ。人懐っこそうにこちらを見ている茶色の瞳に騙されてはいけない。酒癖悪いんだからやめといたほうがいいような気もする。
そんな事を思いつつ尻尾を目で追っていたら尻尾がちょっと早く動き始めた。ちょっと触って見たい。
尻尾の動きに合わせて視線が動いているのを見ていたのか、ブライアンが全てを察したように頷いた。
「気に入っていただけたようで何より。セットでご購入いただけるのなら多少割引しましょう」
「いいんじゃねぇか? 夜の相手の方はお前の好きにすればいいが、夜の警護は交代でさせるのは賛成だ。アンディーとシルヴェラはアタシも知ってる。まあ、ここら周辺だったらこのくらいいれば十分だろうさ」
「夜の相手とか関係ないから!」
「はいはい」
ラオさんが適当に僕をあしらう。
魔力マシマシ飴を静かに舐めてるなぁ、って思っていたら元同業者の実力を見て考えていたみたいだ。
とりあえず本当に雇うならギャンブル好きと酒乱を何とかする魔道具を作らなきゃ……。
ブライアンさんは元冒険者組を部屋の外で待つように指示を出して、残った同年代か、年下の女の子の集団を横一列に並ばせた。
「いろんな種族を見てみたい、というご要望でしたので本日到着した中でそれぞれの種族のオススメを持ってきました。どの娘たちも戦争をしている隣国やその他の地域から流れてきた者たちですね」
「攫われてきた子とかいないの?」
こういうの、ラノベだと厄介事を抱えた人が含まれてたり、どこかから攫われて連れてこられたりして面倒事に巻き込まれるんでしょ。
「その点は心配ご無用です。伊達に公認されておりません。事前に裏は取ってあります」
「大丈夫、問題ない。この商人は信用していい」
「ここの家主のドーラさんがそういうならいいんだけどさ」
雇うのは僕だけど、住まわせているからね。上司の上司みたいな人なんだよ。ちゃんとドーラさんのいう事聞いてね。
「納得いただけたようなのでご紹介させていただきます。隣国のユグドラシルとは無関係のエルフのジュリーンは精霊魔法を使えます。ダークエルフのダーリアは褐色肌が一部の男性から人気がある種族でございます。没落貴族のモニカはある程度の教養を身につけております。狐人族のエミリーは尻尾の触り心地が良いのではないでしょうか」
確かにもふもふで触り心地よさそう。
ちょっともふらせてくれないかなぁ。嫌がられそうだから無理かなぁ。
そんな事を考えていたらホムラがお金をブライアンさんに渡していた。
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