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私たちは予定通りの時刻に、ヒュドル伯爵領を目指して公爵邸を出発した。
案の定、両親と兄は王城から戻ってこなかった。
私を心底愛してくれている両親と兄。
見送りに来られなくなるほど、夜通し浮かれていたのかと思うと、なんだか申し訳ない。
(落ち着いたら手紙を書こう……)
長旅はあまりしたことがない。
窓の外に広がる景色が移り変わっていく様が楽しくて、今朝のギスギスした気持ちが嘘のようだ。
王都を抜けると騒がしい雑踏の音は遠のき、馬車の中には車輪の音だけが響く。
「お疲れではないですか? 休憩したいときは遠慮せずに言ってください」
「はい。お気遣いありがとうございます」
にっこりと笑みを返すと、ヒュドル伯爵は戸惑いながら眉を下げる。
この人は眉毛だけで会話ができそうだ。
「女性には負担の大きい行為だったでしょうから……、あの、馬車の揺れがつらいようでしたら仰ってください」
「はい……?」
彼は言葉を濁して、私と目が合うと顔を横へ向けてしまう。
(……性交後の身体を案じられているみたいね。その配慮は昨夜のうちに発揮して欲しかったわ)
この人は行為を強制された側だ。どうせ拒絶されるのなら、中途半端な配慮は不快なだけである。
「……」
「……」
(この沈黙、落ち着かない……)
馬車で男性と二人きりになることは、ほぼ無い。
兄は数に入らないし、従兄たちも血の繋がりがあるので同義だ。
ヒュドル伯爵は静かな雰囲気を漂わせる横顔をこちらに向けて、窓の外を眺めている。
気持ちの置き場が見つからなくて、私は彼と同じように長閑な景色に目を向けた。
◇ ◇ ◇
目的地までは距離がある。
そのため、途中立ち寄った町で一泊して、領地に入ったのは翌日の昼過ぎのことだ。
馬車が領地内に入ると、広がるのは実りの秋を迎えた田園風景だ。
広大な田畑には収穫を待つ稲穂が黄金色に輝き、牧草地では牛や羊がのんびりと草を食んでいる。遠くに見える農家の煙突からは、白い煙が立ち上っていた。
しかし、のどかな空気は次第に重く陰鬱なものに変わり、町に近づくにつれてそれは一層顕著になっていく。
(なぜかしら。景色が違って見える……)
不思議に思いつつも、そんな印象とは裏腹に、道端は奇麗に清掃され、通り沿いの家々も手入れが行き届いている。
街路樹は整然と剪定され、花壇には季節の花が咲いている。領民の民度の高さが伺えた。
「リュフト公爵令嬢。事前にお話しした通り、我が領地は、現在深刻な状態にあります。快適に過ごせるよう対応するつもりですが、今までのような生活はお約束できません」
「そのようなご心配は無用です。そもそも、私はそれほど華美な生活をしていたわけではありません。ヒュドル伯爵の助けになれるよう力を尽くしますわ」
大仰なことを口にしたところで、いち貴族令嬢の私に出来ることなどたかが知れている。
彼にとっては金銭援助を目的とした政略結婚で、私の存在は縁を繋ぐための道具のようなものだ。
「毎日を過ごしていく中で、なにか不便があれば仰ってください」
ヒュドル伯爵は私の言葉を信じていないらしい。
公爵家の令嬢だから贅沢に慣れていると思われがちだが、父は堅実な性格で我が子にも同じような意識を求めてきた。
もちろん、人前に出る際のドレスや装飾品は贅をこらしたものが多いが、日常生活はそうでないつもりだ。
言い返す気にもなれず首肯を返すと、彼はまた私から目を逸らして窓の外を見やった。
◇
ヒュドル伯爵邸は町を抜けた先の高台に建てられていた。
大きくも小さくもない、少々年季の入った由緒正しい貴族の屋敷といった感じだ。
ヒュドル家は長くこの土地を治めてきた一族で、血筋自体は悪くない。
父がそう評していた言葉を思い出しながら、屋敷を飾るように這う蔦を見つめる。
開け放たれた門をくぐり、馬車は玄関扉の前に停まった。ヒュドル伯爵は先に降りてエスコートの手を差し出す。
「結構です」
この旅路のあいだ、何度、彼の手を拒んだのだろう。
(いい加減、諦めてくれないかしら)
差し出された手を避けて一人で馬車から降りると、ヒュドル伯爵は表情を強ばらせて手を下げる。
「ここは……」
足裏が大地に触れて、唐突に抱いていた違和感の正体に気付いてしまった。
ヒュドル伯爵の視線を感じて、私は慌てて適当なことを口にした。
「足が痺れてしまいました」
「あ、ああ……、長い時間座ったままでしたからね。歩けそうですか?」
「はい。少しずつなら歩けそうです」
「…………エスコートは必要ありませんか?」
「っ!」
断ったはずの手を、また差し出されてしまった。
ヒュドル伯爵は見透かすような瞳を細めて、柔らかく笑む。
「あ、ありがとうございます」
渋々差し出された手を取ると、彼はゆっくりと出迎えの使用人の前を歩き、屋敷の中へと誘う。
吹き抜けの玄関ホールに足を踏み入れると、背の高い窓から眩しい陽光が差し込んでいる。
(あら――、思っていたよりも奇麗ね)
決して豪奢ではないが、流行り廃りのないデザインを取り入れた作りだ。
階段や持ち手。飾られた調度品は丁寧に磨かれていて、歴史を思わせる重厚な光沢を放っている。
古い物だからこそ、普段から丁寧に磨かないと、こんな艶は出せないだろう。
使用人はそれなりに年嵩のいった者が多い。
応接室に通されてからの印象も同じだ。
私は長椅子に腰掛けて配膳にあたる侍女を見つめる。若い侍女の手は震え、差し出すカップが小さく音を立てていた。
(凄く緊張しているわ……)
あまり見ては可哀想だとは思いつつ、なんとなく目が追ってしまうのだ。
侍女が退室すると、二人きりになった室内には静寂が満ちた。
私が紅茶に口をつけ、ティーカップを置くのを見届けてから、ヒュドル伯爵は口を開いた。
「感想を伺ってもよろしいですか?」
「なんの感想ですか?」
「屋敷内や使用人たちを熱心にご覧になっていたので、何を考えているのか気になりました」
「ごめんなさい。じろじろ見るなんて失礼でした」
「いいえ。貴女はこれからこの屋敷で生活しなければなりません。仕方のないことです」
「手入れの行き届いた屋敷だと感心しておりました。使用人の数は少ないようですが、優秀な人材ばかりなのですね。ただ、年齢の高い者が多いので、あまり無理はさせたくありません」
なぜだか、ヒュドル伯爵は目を丸くして私を見つめている。
「ご実家との差を感じ、不安に思われているのかと思いました……」
「ヒュドル伯爵。そういった点は次第に慣れるものです」
下手に否定しても謙遜しているように聞こえるかもしれない。
上手く返事をしたつもりなのに、ヒュドル伯爵は不愉快そうに眉をひそめてしまった。
「あの……、僕のことを名で呼んで頂けませんか? 形だけの夫婦だとしても、ずっと婚姻前のように呼び合うわけにもいかないでしょう」
「…………アーファ様」
「敬称はいりません。僕も貴女をペレーネとお呼びしてもいいですか?」
「アーファ様、私のことはお好きにお呼びください」
「ペレーネ」
言い直しを求めるような声音で、また名を呼ばれる。
「アーファ様」
「……頑固ですね」
彼は私から一旦視線を外し、小さく息を吐く。
「ペレーネ。お疲れのところ申し訳ありませんが、見て頂きたい場所があります」
「屋敷の中ですか?」
「いえ、庭です。歩けますか?」
彼はちらりと私の脚を一瞥した。
「――っ! も、もう痺れてませんよ!?」
(私が嘘をついて誤魔化したことに気づいているくせに!)
この人は真面目一辺倒なだけではなさそうだ。
むっと眉を寄せる私を見て、アーファ様は小さく笑った。
案の定、両親と兄は王城から戻ってこなかった。
私を心底愛してくれている両親と兄。
見送りに来られなくなるほど、夜通し浮かれていたのかと思うと、なんだか申し訳ない。
(落ち着いたら手紙を書こう……)
長旅はあまりしたことがない。
窓の外に広がる景色が移り変わっていく様が楽しくて、今朝のギスギスした気持ちが嘘のようだ。
王都を抜けると騒がしい雑踏の音は遠のき、馬車の中には車輪の音だけが響く。
「お疲れではないですか? 休憩したいときは遠慮せずに言ってください」
「はい。お気遣いありがとうございます」
にっこりと笑みを返すと、ヒュドル伯爵は戸惑いながら眉を下げる。
この人は眉毛だけで会話ができそうだ。
「女性には負担の大きい行為だったでしょうから……、あの、馬車の揺れがつらいようでしたら仰ってください」
「はい……?」
彼は言葉を濁して、私と目が合うと顔を横へ向けてしまう。
(……性交後の身体を案じられているみたいね。その配慮は昨夜のうちに発揮して欲しかったわ)
この人は行為を強制された側だ。どうせ拒絶されるのなら、中途半端な配慮は不快なだけである。
「……」
「……」
(この沈黙、落ち着かない……)
馬車で男性と二人きりになることは、ほぼ無い。
兄は数に入らないし、従兄たちも血の繋がりがあるので同義だ。
ヒュドル伯爵は静かな雰囲気を漂わせる横顔をこちらに向けて、窓の外を眺めている。
気持ちの置き場が見つからなくて、私は彼と同じように長閑な景色に目を向けた。
◇ ◇ ◇
目的地までは距離がある。
そのため、途中立ち寄った町で一泊して、領地に入ったのは翌日の昼過ぎのことだ。
馬車が領地内に入ると、広がるのは実りの秋を迎えた田園風景だ。
広大な田畑には収穫を待つ稲穂が黄金色に輝き、牧草地では牛や羊がのんびりと草を食んでいる。遠くに見える農家の煙突からは、白い煙が立ち上っていた。
しかし、のどかな空気は次第に重く陰鬱なものに変わり、町に近づくにつれてそれは一層顕著になっていく。
(なぜかしら。景色が違って見える……)
不思議に思いつつも、そんな印象とは裏腹に、道端は奇麗に清掃され、通り沿いの家々も手入れが行き届いている。
街路樹は整然と剪定され、花壇には季節の花が咲いている。領民の民度の高さが伺えた。
「リュフト公爵令嬢。事前にお話しした通り、我が領地は、現在深刻な状態にあります。快適に過ごせるよう対応するつもりですが、今までのような生活はお約束できません」
「そのようなご心配は無用です。そもそも、私はそれほど華美な生活をしていたわけではありません。ヒュドル伯爵の助けになれるよう力を尽くしますわ」
大仰なことを口にしたところで、いち貴族令嬢の私に出来ることなどたかが知れている。
彼にとっては金銭援助を目的とした政略結婚で、私の存在は縁を繋ぐための道具のようなものだ。
「毎日を過ごしていく中で、なにか不便があれば仰ってください」
ヒュドル伯爵は私の言葉を信じていないらしい。
公爵家の令嬢だから贅沢に慣れていると思われがちだが、父は堅実な性格で我が子にも同じような意識を求めてきた。
もちろん、人前に出る際のドレスや装飾品は贅をこらしたものが多いが、日常生活はそうでないつもりだ。
言い返す気にもなれず首肯を返すと、彼はまた私から目を逸らして窓の外を見やった。
◇
ヒュドル伯爵邸は町を抜けた先の高台に建てられていた。
大きくも小さくもない、少々年季の入った由緒正しい貴族の屋敷といった感じだ。
ヒュドル家は長くこの土地を治めてきた一族で、血筋自体は悪くない。
父がそう評していた言葉を思い出しながら、屋敷を飾るように這う蔦を見つめる。
開け放たれた門をくぐり、馬車は玄関扉の前に停まった。ヒュドル伯爵は先に降りてエスコートの手を差し出す。
「結構です」
この旅路のあいだ、何度、彼の手を拒んだのだろう。
(いい加減、諦めてくれないかしら)
差し出された手を避けて一人で馬車から降りると、ヒュドル伯爵は表情を強ばらせて手を下げる。
「ここは……」
足裏が大地に触れて、唐突に抱いていた違和感の正体に気付いてしまった。
ヒュドル伯爵の視線を感じて、私は慌てて適当なことを口にした。
「足が痺れてしまいました」
「あ、ああ……、長い時間座ったままでしたからね。歩けそうですか?」
「はい。少しずつなら歩けそうです」
「…………エスコートは必要ありませんか?」
「っ!」
断ったはずの手を、また差し出されてしまった。
ヒュドル伯爵は見透かすような瞳を細めて、柔らかく笑む。
「あ、ありがとうございます」
渋々差し出された手を取ると、彼はゆっくりと出迎えの使用人の前を歩き、屋敷の中へと誘う。
吹き抜けの玄関ホールに足を踏み入れると、背の高い窓から眩しい陽光が差し込んでいる。
(あら――、思っていたよりも奇麗ね)
決して豪奢ではないが、流行り廃りのないデザインを取り入れた作りだ。
階段や持ち手。飾られた調度品は丁寧に磨かれていて、歴史を思わせる重厚な光沢を放っている。
古い物だからこそ、普段から丁寧に磨かないと、こんな艶は出せないだろう。
使用人はそれなりに年嵩のいった者が多い。
応接室に通されてからの印象も同じだ。
私は長椅子に腰掛けて配膳にあたる侍女を見つめる。若い侍女の手は震え、差し出すカップが小さく音を立てていた。
(凄く緊張しているわ……)
あまり見ては可哀想だとは思いつつ、なんとなく目が追ってしまうのだ。
侍女が退室すると、二人きりになった室内には静寂が満ちた。
私が紅茶に口をつけ、ティーカップを置くのを見届けてから、ヒュドル伯爵は口を開いた。
「感想を伺ってもよろしいですか?」
「なんの感想ですか?」
「屋敷内や使用人たちを熱心にご覧になっていたので、何を考えているのか気になりました」
「ごめんなさい。じろじろ見るなんて失礼でした」
「いいえ。貴女はこれからこの屋敷で生活しなければなりません。仕方のないことです」
「手入れの行き届いた屋敷だと感心しておりました。使用人の数は少ないようですが、優秀な人材ばかりなのですね。ただ、年齢の高い者が多いので、あまり無理はさせたくありません」
なぜだか、ヒュドル伯爵は目を丸くして私を見つめている。
「ご実家との差を感じ、不安に思われているのかと思いました……」
「ヒュドル伯爵。そういった点は次第に慣れるものです」
下手に否定しても謙遜しているように聞こえるかもしれない。
上手く返事をしたつもりなのに、ヒュドル伯爵は不愉快そうに眉をひそめてしまった。
「あの……、僕のことを名で呼んで頂けませんか? 形だけの夫婦だとしても、ずっと婚姻前のように呼び合うわけにもいかないでしょう」
「…………アーファ様」
「敬称はいりません。僕も貴女をペレーネとお呼びしてもいいですか?」
「アーファ様、私のことはお好きにお呼びください」
「ペレーネ」
言い直しを求めるような声音で、また名を呼ばれる。
「アーファ様」
「……頑固ですね」
彼は私から一旦視線を外し、小さく息を吐く。
「ペレーネ。お疲れのところ申し訳ありませんが、見て頂きたい場所があります」
「屋敷の中ですか?」
「いえ、庭です。歩けますか?」
彼はちらりと私の脚を一瞥した。
「――っ! も、もう痺れてませんよ!?」
(私が嘘をついて誤魔化したことに気づいているくせに!)
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