【R18】肉食令嬢は推しの王子を愛しすぎている

みっきー・るー

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番外編 ※

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「そういえば、ラーセ殿下は初めて私をお抱きになった際も、避妊されませんでしたね」

 ラーセ殿下は口に含んだばかりの紅茶を吹いた。ごほごほと咳き込みむせている。
 私たちは王家との約束通り、バース侯爵邸でお茶会の場を設けていた。
 二人きりになれるのはこの時間だけだ。
 自室の長椅子に隣同士で腰かけ、目の前のローテーブルには彼の好むスイーツが並んでいる。

「大丈夫ですか?」
 咳き込むラーセ殿下の背を撫でていると、彼は口元を手の甲で隠しながらこちらを向いた。
「と、突然なにを言い出すんだ!」
「ふと思い出したものですから」
「……唐突過ぎる。頼むから場の雰囲気を読んでくれ」

 確かに甘いものを楽しみながら語らう話題ではなかったかもしれない。

「もしかして、ラーセ殿下は強引に女性を抱くのがお好みですか?」
「だから! どうしてその話を続けるんだ⁉」
「気になってしまったものですから」
 ラーセ殿下は顔を真っ赤に染めて瞳に私を映す。

「ぼ、僕は君以外の女性を抱いたことがない。だから、そんなこと分からない」
「そうですか。でも、もし別の女性を抱く機会がありましたら、強引に迫らないほうがよろしいですよ」
「そんな機会は絶対にない」
 彼はむっと眉を上げる。狼狽えている時のラーセ殿下は表情が豊かになり可愛らしい。

「二度あることは三度あると申しますし……先に去勢しますか?」
「しない! それに三度目は無い!」
「でも」
「信用が無さすぎる……」
 ラーセ殿下は目を逸らして額を抑えた。
 落ち込ませるつもりはなかったのだけれど、そんな姿も愛らしい。
「ごめんなさい、意地悪を申しました」
 そっとラーセ殿下の腕に触れると、彼は小さく身じろぎ、私を見やる。

「酷いことをした自覚はある。セチアの信用がすぐに取り戻せるとは思っていない。でも僕は君しかいらないから、そうやってすぐに他の誰かを連想するのはやめてくれ」

「殿下……」

 苛立ったような低い声音は私の耳を心地よくさせた。甘いことを言われたわけでもないのに、砂糖菓子のようだ。

「ラーセ殿下、口づけしましょう」

 私は椅子から腰を浮かせて体を傾ける。
 ぐっと顔を寄せると驚いたような緑の瞳と視線が合い、そのまま唇を重ねた。
 久しぶりに感じた柔らかさが気持ちよくて、背中に甘い痺れが伝わる。

「ん……、セチア、ここでは」

 ラーセ殿下はここが私の実家である点が気になるようだ。
 触れただけの唇を僅かに離し、彼と目を合わせる。

「少しだけですわ」

 もう一度私から唇を重ねた。
 はむように触れて唇の隙間から舌を差し入れると、ラーセ殿下は小さく肩を跳ねさせる。
 反応が可愛い。
 吐息を飲み込むように夢中で舌先を絡めていたが、次第に体勢がつらくなってきた。
 ラーセ殿下の首に腕を回し身を寄せると、そのまま引き寄せられて私は彼の腿の上に跨る。
 ぎゅっと抱きかかえられている事実が私を高揚させ、卑猥な口づけを止められない。

「はぁ……ああ、これ以上はだめだ」

 ラーセ殿下は互いの唾液が糸を引く状態のまま、咄嗟に唇を離した。私は熱に浮かされたまま彼を見上げる。
 彼は堪えるような声を漏らして、私から目を逸らしてしまう。

「こ、この体勢はよくない……離れよう」

 ラーセ殿下は対面で跨る私から逃れようと身じろいだ。しかし、すぐに動きを止めてしまった。

「殿下?」
「……まずい」
「どうされましたか?」
「……頼むから察してくれ」

 察しろと言われても。
 私は座る位置を変えようと動くが、ラーセ殿下はつらそうな呻き声を発した。
「……?」
 腿に硬いものがあたり、視線を下げる。
 私と彼の間に張り詰めているそれは、触れてもいないのに熱さを感じた。

「ラーセ殿下。最後まで致しますか?」

 丁寧に訊ねてはいるが内容は直球だ。
 彼は目を剥き、慌てている。

「い、致さない!」

 面白い返答をされてしまった。動揺が伝わり可愛らしい。 
 ラーセ殿下の視線が部屋の扉へと向いた。いつ誰が来てもおかしくない状況ではある。

「殿下、大丈夫です。静かに済ませましょう」
「大丈夫では……!」

 私はラーセ殿下の言葉を塞ぐように唇を重ねた。
 そのまま頬、首筋に口づけていく。
 近距離で愛しい人の匂いに触れて、欲が下腹部に溜まっていくのを感じる。

「ま、待て!」
「嫌です。それに、こういう時でないと愛を囁いて頂けません」

 わざとらしく拗ねたような表情を見せると、彼は驚いたように目を見開いた。

「ラーセ殿下は睦言くらいでしか、私を愛していると仰ってくださいません。本当はもっと耳にしたいのです」
「そ、それは……」
 彼は動揺しながら視線を彷徨わせている。
「恥ずかしいんだ」
「……?」
「セチアは平気かもしれないが、僕は言葉にするのに勇気がいる。気分が高まっている時は言いやすいから……その……」

 言葉尻をごにょごにょとさせているが、そんなラーセ殿下の姿を見て愛しさがこみ上げてきた。

「可愛い!」
 私は思わず彼の頭に抱きつく。
「う!」
「可愛い! 可愛いですわ!」

 ラーセ殿下の栗色の髪に頬擦りしながら告げると、彼は私の両肩を掴んで身を離させた。

「だ、大体、君は僕とできるのか!」
「はい?」
「だから……その、セチアは、僕とそういう」

 ラーセ殿下の瞳の中に怯えが見える。
 その理由を察してしまい、なんだか泣きたい。

「殿下。触ってください」
「え?」

 私は膝をつき、彼の手をスカートの中に誘う。
 ラーセ殿下の指が私の太腿に触れて、びくりと震えた。
 長い指は躊躇いながら下着越しに秘部を撫で、くちりと粘着質な音をたてる。

「ほら、濡れていますでしょう? ラーセ殿下と口づけを交わし、私も興奮しております」

 なんて恥ずかしい言葉を口にしているのだろう。
 ラーセ殿下は私を見つめ、そして喉をこくりと鳴らす。愛しい人のそんな姿を見て冷静でいられるはずがない。

 私はそっと手を伸ばして彼の下衣をくつろげ、熱く勃ち上がった欲を露わにさせる。

「セチア……」
「私はラーセ殿下のことが大好きです」
 何度目かも分からない告白をして口づける。
「ん……」
 ラーセ殿下は切なげな息を漏らす。
 先程よりも深く舌を絡め口内を蹂躙していく。彼にもっと触れたいという欲が湧き上がり、動きを止められない。

 ラーセ殿下の指が下着の隙間から陰唇に触れた。
 濡れそぼつそこは、これ以上刺激を与えなくてもいいほどに、絶え間なく涎を垂らし続けている。
 彼は指に愛蜜を絡めて中をかき回し始めた。
「あぁ……」
 ラーセ殿下の肩に額を預け愛撫の快感を堪えるが、膝に力が入らなくなってきた。
「も、もう……入れたいです」
 私は我慢できずに彼の昂ぶりに触れた。竿に愛蜜を擦りつけようと、下着をずらし腰を前後に振る。

「セ、セチア……」
「はい?」
「動きが、いつもより、いやらしい」
 ラーセ殿下は陰茎に与えられる刺激のせいか眉間に皺を寄せている。
「いやらしい事をしているのですから、そうなりますわ」
「それはそう、なんだが」

 そんな会話をしつつ、私は彼の昂ぶりに手を添えて少しずつ腰を下ろしていった。
 膣壁を押しながら侵入してくる熱さを感じて、私は深く息をはく。

「ぐ、セチア……」
「は……ぁ、奥まで入りました……」

 自重で彼のものを深く咥えこみ、先端が最奥に届き息苦しい。呼吸を整えるだけで精一杯だ。
 ラーセ殿下に身を寄せたまま動けない。

「だ、大丈夫か?」
「はい……少し馴染むまで待ってください」
「本当に大丈夫なのか? 痛みはないか?」
 彼の焦る声を耳にして、私の脳内に疑問符が浮かぶ。
「ラーセ殿下?」
 顔を持ち上げると、愛しい人の不安げな表情が吐息のあたる距離にある。
「痛いのか?」
「……いえ、圧迫感が凄まじいだけですわ」

 ラーセ殿下の若草色の瞳がとても近い。その瞳には先程見た怯えがいまだに消えてはいなかった。

(この人は私を抱くことが怖いんだ……)

 私だってあの日、彼に犯されるように抱かれたことは心の傷になっている。きっとしばらくは忘れられない。
 それなのにどういうわけか、あの日の行為はラーセ殿下をも傷つけていたようだ。
 痛みを加えた側が痛みを負うなんて、なんて愚かで諸刃な心なのだろう。
 繊細で、脆い、私の愛しい人。

「セチア?」
「殿下、そろそろ動きますね」
 私は返事を待たず、ゆるゆると腰を上下させた。
「んっ……!」
 ラーセ殿下の堪える声が大きくなった。再び彼を見やると恍惚とした瞳が私を映す。
 私は両手で彼の頬を包みこむように触れた。

「ラーセ殿下、気持ちがいいですか?」

 粘着質な水音を室内に響かせながら抜き挿しを繰り返す。
 彼は手の甲で口を隠しながら、こくこくと頷いた。

「よかった。私も気持ちがいいです」

 はぁ、と熱い呼気を漏らし、私は笑う。
 何故かラーセ殿下は目を瞠っているが、私は構うことなく隙間を埋めるように秘部をぐりぐりと動かしてみる。

「んっ……そんな顔、見せられたら……我慢できない」

 彼は突然熱い杭を下から突き上げた。

「ひあぁっ!」

 ずん、と強い刺激が最奥を叩き、目の前が白く点滅する。
 痙攣する体を何度も下から突き上げられて、声を我慢するのがつらい。
 ぎしぎしと長椅子が軋む。

「んっ、ぁ、セチア」
 ラーセ殿下は余裕のない声で私を呼ぶ。
「名を、僕の名を呼んで」
 彼は懇願するように言葉を重ねながら、私の中を擦り続けている。

「ラーセ、大好きです……っぁ好き、ラーセ、大好き……っ」

 何度も愛しい人の名を告げて、声を閉じ込めるように口づけを交わすと、下からの律動はより激しくなっていく。
 ラーセ殿下の綺麗な瞳は嬉しそうに蕩け、彼の昂ぶりは何度も最奥を叩く。
 その勢いで私は達してしまった。
「ああっ、ん!」
 ラーセ殿下に震える体を傾けると、重なった胸元から駆け足な鼓動が聞こえて、彼は苦しそうな声を漏らし熱い飛沫を膣奥に放つ。
「ぐっ……」
 ラーセ殿下は私の肩に顔をうめて精を吐き出し続けた。
 下腹部に広がる熱さを感じながら、私は対面で密着したまま呼吸が整うのを待つ。

 頭の中が真っ白だ。とても気持ちがよかった。
 幸福感と、得も言われぬ高揚感。

 ラーセ殿下はゆるゆると顔を持ち上げて、私を若草色の瞳に映した。

「僕もセチアが好きだ。愛している」

 予期していなかったせいで、真っ直ぐに伝えられた言葉に少々戸惑ってしまった。
 そんな私の態度に気付き、ラーセ殿下は少々不服そうに口を曲げた。

「これからは睦言以外でもきちんと伝える。……少々照れくさいが、セチアが妙な誤解をしては困る」

 情交の際でしか愛を囁いてもらえないと言ったことを、彼は気にしていたようだ。
 こんなにも激しく交わっていたのに、その間も頭の隅で考えていたのだろうか。
 真面目というか、不器用というか。

「ラーセ、可愛いです。本当に可愛い」

 私は愛しさがこみ上げてきて、ラーセ殿下の頬に口づけて彼を抱きしめる。

「だから、可愛いと言われても嬉しくな……ああ!」

 突然ラーセ殿下は大きな声を発した。
 がしりと両肩を掴まれ、勢いよく身を離される。

「殿下?」
「ま、また……避妊していない」
 絶望するような小さな声で彼は繋がったままのそこを見下ろした。既に力を失くしたそれは、ふにゃりと柔らかくなっている。
 私は体をずらして繋がりを抜いた。とろりと白濁が伝う。

「もう、手遅れですわね……」

 ラーセ殿下は言葉を詰まらせてしまった。
 気まずい雰囲気から目を背けるように、私たちはそのまま体を離して下衣を整え始める。そして何事も無かったように長椅子に隣同士で腰かけ、改めて顔を見合わせた。

「セチア、避妊薬の準備はあるか?」

「残念ながら持ち合わせておりません。そもそも、私が自室に避妊薬を常備していたら嫌ではありませんか?」

「それは……嫌だ」
「ですよね。後程、内密に用意させますわ」

 ラーセ殿下は頷きを返して深い溜息をついた。

「僕はセチアを大切にしたいと思っているが、うまくいかないな。また信用を失うことをした……」

 彼は自嘲気味に口の端を持ち上げている。

「ラーセ殿下。私は殿下を信じております。それに今回は私がいけないのです。私が煽り誘いました。だから殿下に責任はございません」

 そう告げると、彼は眉をつり上げ、じとりと私を見やる。
 ラーセ殿下の大きな手の平が私の両頬を覆い、何故かぎゅっと押しつぶされた。

「だから、僕を甘やかすのはやめてくれ。どうして君一人の責任になるんだ」

 頬を挟む手に力が込められて、少々痛い。

「ひょ、ひょめんなひゃい」

 私は謝罪を口にしたが、当然、言葉にならない。
 ラーセ殿下は不愉快そうに私の顔を見つめていたが、どういう訳か、私の潰され変な形に尖った唇に口づけて小さく笑う。

「セチア、可愛い」
「……っ!」

 ラーセ殿下は陽だまりのように柔らかく笑い、ふにふにと私の頬を押している。
 不意打ちの笑顔に私の胸は早鐘を打ち始めた。それに可愛いだなんてあまり言われた事がない。
 顔が熱い。口元も震えている気がする。
 彼は動揺する私の姿を見てご満悦のようで、楽しそうに笑いながら私を抱きしめる。

「僕もセチアを信じている」
 そう言いながら、ラーセ殿下は尚も楽しげに笑った。


 二週間後、幸いなことに月のものがきた。
 今回も妊娠は避けられたようで安堵したが、残る気がかりは、あの日から弟のイオが口をきいてくれなくなったことだ。
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感想 5

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みんなの感想(5件)

ま
2023.06.03

番外編ラストの弟のイオくんは、口をきいてくれるようになったのでしょうか?
気になります〜

それにしても、イオくんはすごくできた弟くんですよねー!

2023.06.03 みっきー・るー

ま 様

最後までお読み頂き、ありがとうございます😊✨

イオは本作中で最もまとも(?)な男性キャラです。書いていて楽しかったので、番外編ではイオ視点も考えています✨
お楽しみ頂けるか不安ですが、暫しお待ち頂けたら幸いです🙇

解除
HIRO
2023.06.03 HIRO

完結おめでとうございます🎉🎊

ラーセ殿下、口下手は卒業してくださいませ😮‍💨
拗らせやすい2人なんですから、程々にお願いしますね😏

2023.06.03 みっきー・るー

HIRO 様

口下手なラーセと、思い込みの激しいセチアの組み合わせなので、すぐ拗れます🤣
拗れていく過程を書くのに手間取って、長々と書いてしまったのですが、最後までお付き合い頂けて嬉しいです!
ありがとうございます🥰

解除
HIRO
2023.05.31 HIRO

気持ちを伝えているのに相手に伝わらず、伝えられた方は答えが出ているのに自分の気持ちが分からず。
関係が拗れていて、毎日もどかしい。
ハッピーエンド、それって美味しいの?

2023.05.31 みっきー・るー

ハッピーエンドタグを付けていても、拗れターンが延々と続いているのでもどかしいですよね^_^;
あと六話ほどで終わりなので、さすがにハッピーエンド近いです!✨
どうかラストで、HIRO様のもどかしい気持ちが晴れますように(*ᴗˬᴗ)⁾⁾

解除

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