ガルダ戦記、欲しい世界は俺が作る！

１章新しい風と陰謀の花

二つの思惑

いつもと変わらない昼下がり。
ガルダは何時ものようにベランダで昼寝をしている。

子供達は二段階のランクアップを終え、無事に成人の姿になったこともあり、各々で新しい職業ジョブの強化を始めていた。

コールは手先の器用で頑張り屋なこともあり地味ではあるが鍛冶を選択しアメリの元で目下修行中である。

バットは素早さと取得した職業ジョブ短刀使いから新たにシーフを選択した、勿論悪事は働かない。
クスコの元で情報収集等をしながら町の治安に貢献している。

デンはあれからアクアの元に毎日通っている他の二人と違い家にいるが、アクアから色々と教わることで水使いアクアマスターの見習いを取得出来たらしく。
毎日を頑張っていた。

ガルダがアクビをしている頃クーデルトルンの城の中では新たな問題が起きていたのだ。

クーデルトルンにおいて将軍とは強さの象徴であり絶対の存在でなければならなかった。

将軍になるには正式な試合で一騎討ちをし相手と死ぬまで戦うか、軍上層部の８割の者の賛成があれば将軍という立場になれるのだ、

その他の例外があるとすれば王の意思である。

ザルバトランの港での戦いにおいて、
将軍ヘレイン・フレアを討ち取ったガルダの噂は王の耳にまで届いていたのだ。

王はガルダがどのような男か興味をもったのである。

クーデルトルン歴代最強と言われたヘレイン将軍を討ち取っただけでも信じられないのに、ザルバトラン海域からバルドリア海域まで名のとおった海賊黒霧の女海賊を妻にめとり海賊を家族としその船長にまで一気に成り上がった男、ガルダを主柱に置きたいと王は考えたのだ。


だがクーデルトルンの中で二つの意見に割れていたのだ。

１つ目はガルダを国の重要人物とし王の言う通りにガルダを将軍とし召し抱えると言うものだ。

２つ目はその戦いを実際に見ていたのは海賊とラッソしか居らずそれを鵜呑みにして召し抱えるのは危険であると言う意見だった。

１つ目がもし本当であったとして、突風の団の裏切りや将軍による謀反むほんなど認めたくないと言う軍部がガルダの存在を快くこころよく思わなかったのだ。
その為ガルダの即将軍にと言う王の意向を真っ向から反対し対立する形になったのだ。

軍部がガルダの代わりに将軍に推薦したのはヘレイン将軍の右腕を勤めていた副官であった。

副官の名はニヒド・グノバーノ
元々は暗部に所属していた猛者でありヘレイン将軍の足枷の役目を軍上層部から密命されていた存在でもあった。

何故、軍部がここまでの強行策に出たのかには理由があった。

それはガルダである。

ガルダが王からの申し入れを断ったのだ。

それをチャンスと考えた軍上層部は将軍の空いた穴を自分達の都合のいい人材で固めていこうと考えたのだ。

だが軍部も王の意向を全て無にするような事があればヘレイン将軍と同じ反逆者となる恐れがあったのだ。
その為、軍上層部は王にある提案をしたのだ。

「ガルダ殿とニヒドを闘わし本当にガルダ殿がヘレイン将軍を討ち取るほどの実力者なのかを確かめましょう？いかがですかな王よ？」

軍上層部は噂は噂だと、ガルダのヘレイン将軍を討ち取った事実を認め様とはしなかった。
何より本当に討ち取るほどの実力者だとしても、ガルダの弱みを握ればすむ話だと考えた。

軍指令のテーブルにはガルダの報告書の他にガルダに関わる人材の調査書が並べられていた。

「ガルダは既に詰んでいるんだよ！」

そう言い軍指令は不適に笑った。

クーデルトルンの中でガルダを巻き込み新たな陰謀が花を咲かそうとしていた。