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5章“貴方”と“わたし”と“子供達”と

マナカは怒ってます!

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ぽかぽかした陽気にウトウトしながらガルダは平和な昼下がりを過ごしていた。

みんなのランクアップも終わり。

改めて家族の絆が深まっただろう。

珍しくのんびりなガルダであったが、やはり気になることが一つあった。

子供達がランクアップした力を上手くコントロール出来るか父親としては気になるのだ。

今度エメルに相談してみるかな?と思っていた矢先に、エメルがやって来たのだ。

『どうしたんだ?エメルから来るなんて珍しいな?なにか依頼か?』

ガルダはアクビをしながらエメルを出迎えるとエメルは困った様に此方をみて謝ってきたのだ?

『ガルダごめんにゃぁ』

『おいおい?どういう事だ?流石にわからんぞ?』

エメルはある森で行き倒れの少女を見つけて、そのままにしておいたら魔物の餌になると思い、とりあえず馬車で少女を町の病院まで連れてきたのだと言った。

『つまり?人さらい?誘拐?拉致?のどれかと間違われたのか?エメル』

『違うにゃぁぁぁぁぁぁ!!!』

『話は最後まで聞くにゃ!』

エメルの話はまだ続きがあった。
その少女と馬車の中で少し話した時にガルダの名前が出たと言うのだ?そしてその子はガルダを探しているらしいとの事だった

『それでどんな娘なんだ?と言うか?普通の話だよな?』

『普通じゃにゃいから困ってるにゃ!はじめはクレリックかと思ったにゃ、修道服を来てたし背中に杖のような物を繰るんでしょってたしにゃ』

『違ったのか?』

『それがいきなり目を覚ますにゃり、人さらいとか食われるとか言いながら背中の布を此方にむけたりゃ、にゃんと中身は見たこともないライフルだったのにゃ!』

『おい!それって』

『それから誤解を何とか解くまで生きた心地がしなかったにゃ、それから人を探してると言われて?誰かを聞いたらにゃんとガルダの名前が!居場所を教えてほしいと言われて最初は断ったのだがにゃどうしても知りたいと涙を流しながら頼まれて仕方無く教えてしまったのにゃぁぁぁ』

『おい!何やらかしてんだ!エメル』

『だから早く逃げるにゃ!あの娘はなんか危ないにゃー!』

ガルダは頭にある問題児の姿が浮かんでいた。

その時いきなりドアが開いた!

バタン

『ガルダ!ラミアの仇!覚悟です!』

『やっぱりお前か!アメリ!』

『ガルダはラミアを見捨てた!ラミアが簡単に殺られるわけないです!』
ズドン!

カギン!

いきなりライフルを射ってきたのだ!

そしてその弾は壁目掛けて弾が飛んでいくその先にはマナカの愛用のフライパンがかかっていた!

『ガルダ?今の音なに?……』

マナカは壁に掛けてあるフライパンが無惨に変形しているのを見つけた

『ちっ外したです!次は外さないです!』

カチャ、ライフルを再度ガルダに向けた瞬間にそれは起こった。

『ビッググリーン、ビッグアクア、リトルも出てきて……』

マナカがそう言うと家の中の植物と水があっという間にゴーレムになったのだ。

『ひぃ、なんなんです?この気味悪いの!アメリは悪くないです!悪いのはガルダです!逆らうならあなたも射つです!』

『うるさいわよ、少し黙って!』

『ひぃぃ!こ、こわいです!』

怒り狂うマナカにアメリはかなりビビっていた。

そしてマナカの怒りの矛先は俺とエメルに向けられたのであった。

『僕はしらないにゃぁぁぁぁぁぁ』

そう言うとエメルは姿を消そうとしたがガルダは逃がさなかった。

『お前だけ逃がすか』

『嫌だにゃ!危ないにゃ!マナカの眼が据わってるにゃ』

『みんな静かに……とりあえず訳を聞いてあげる』

ガルダはエメルが家の場所を教えた事、ライフルをアメリが撃ったこと、誤ってフライパンが無惨な姿になった事、全てをマナカに話した。

『つまり、この二人が悪いわけね?』

後ろでエメルとアメリはマナカのゴーレムに捕まったまま、謝っていた。

『もうしないです!もうフライパンは壊さないです、許してですぅ』

『許してにゃ、悪気はなかったのにゃ、不可抗力だにゃ』

『もういいわ、私もやり過ぎたわね、ゴーレムちゃん達放してあげて』

『フンガ』

二人は解放される深く反省した、

『あ、あのさ?そのフライパンがそんなに大切な物だと知らなかったんです、ごめんなさいです』

『もういいのよ、仕方ないわ』

マナカは悲しそうに下を向いた

『少しこれ借りるです!』

そう言うとアメリはフライパンを持って中庭へ飛び出した。

アメリは小さな大食いの箱スモールグラットンボックスの中に入っていったのだ!

そして10分くらいして中からアメリが汗だくで出てきた、その手には穴が修繕されたフライパンがあった。

箱の中では久々に鍛冶仕事をしたせいもあり1日過ぎてしまったらしいがアメリはフライパンを治したのだ?

『本当にごめんです、嫌でなければ受け取ってほしいです』

申し訳無さそうにアメリがマナカにフライパンを見せる

『ありがとう。アメリちゃん♪大切に使わせてもらうよ』

アメリはやっと笑顔になった。

『アメリちゃんお風呂に入ってって箱の中で1日汗だくになったんだし?』

言われるがまま、アメリはお風呂に入ることになった。

『ガルダ?アメリちゃんとはどんな関係?ハッキリしなさい!』

矛先はやっぱり俺に来た

そしてマナカにはアメリがラミアの妹だと言うことやラミアが前の護衛で死んだこと等を話せる範囲で話した。

『なら、誤解とかないとね!』

マナカはその日の晩にアメリを含めて皆でご飯を食べることにした、アメリはガルダに殺気ムンムンだったがアメリと子供達の手前、我慢してるようにも見えた。

『あの?なぜ皆さん別々の獣人なのです?ガルダは狼?マナカは小熊?コール君達は狐?』

『それはね!ガルダが僕たちを助けたからだよ?』
『そうなんだよ!ガルダは僕達のために頑張ってくれたの』
『ガルダは絶対見捨てない!』

『そんなのわからないです!』

『わかるもん!』
『わからないです!』
『わかる』

『そこまで!ストップしろ!』

ガルダはアメリを連れ中庭に向かった

『やっと戦う気になったですか!ガルダ』

『まず、落ちつけ、あの日の事を少し話そう』

そしてアメリにラミアの裏切りと仲間を手にかけたラミアをガルダが討ち取り最後にガルダの手の中で息をひきとったこと、ガルダはそれを誰にも言わず、名誉の戦死としたこと、全てをアメリに話したのだ

『う、嘘だ!』

『真実だ!』

そしてアメリにラミアから引き継いだ双剣を見せた。

双剣はガルダにしっかりと引き継がれ双剣はガルダを、主と認めていた。

『双剣がガルダを、認めてる、本当に本当なんだね、ガルダ』

『ああ、本当に本当なんだ』

アメリはガルダに深々と頭を下げた。

『本当に御迷惑をお掛けしたです』

何とか誤解は解けたが色々と複雑な気持ちになりながら子供達との風呂を楽しむガルダであった。

お粗末。
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