楽しくて異世界☆ワタシのチート生活は本と共に強くなる☆そんな私はモンスターと一緒に養蜂場をやってます。

夏カボチャ

文字の大きさ
上 下
76 / 310
2章 外の世界へ

三回までは我慢なんです。

しおりを挟む
 ルフレの今までに無い気迫に満ちた表情はラッペンお爺ちゃんと本気でやり合う決意の現れに見えるわ。

「どうしたルフレ? 睨み合いで儂が倒せると思うのか」

 挑発するように不敵な笑みを浮かべ、口を開くラッペンお爺ちゃんにルフレが勢いよく飛び掛かったの。

「甘い、だが逃げずに挑んだ事は誉めてやる!」

 そう言うと岩の塊のような姿をした使い魔を召喚するラッペンお爺ちゃん。
 ルフレが慌てて後ろに後退するとラッペンお爺ちゃんはそのまま、岩の塊に命令をしたの。

「ロックッ! 久々の仕事だ。力を貸してもらうぞ」

 岩の塊はスライム見たいに形を変えるとラッペンお爺ちゃんの体に貼り付いて、岩の鎧に姿を変化させたの。

「まだまだ、バトルスライム来てくれ!」

 更にもう一体、銀色のスライムを召喚すると、腕に貼り付いたスライムが形を変えて両手斧バトルアックスになったの。

 ラッペンお爺ちゃんが一瞬で鎧騎士になると、ルフレの額に汗が滲み出ていたわ。

「本気ですか! そのような姿になって、今の立場を理解してください父上!」

 ルフレの言葉、其れはラッペンお爺ちゃんの感情を逆撫でする結果になったの。

「お前こそ、何故其処にいる。国よりも大切なモノを手にして尚も両方を守ろうとする為らば力を示せ。儂は国よりも家族を選んだがな、ルフレよ、お前が本当に争う気があるなら相手をしてやる。さぁ、最後の質問だ選ぶがいい!」

 質問に対して無言で頷くルフレ。

 そんな時、正面の門を強行突破する一団があり「正門が破られた! 敵襲ッ!」と言う門兵の声が城内に響き渡った。

 私達が通ってきた道を後ろから突き進む一団をマップで確認した時、私の目に真っ赤な鎧を身に纏った戦士の姿が見えたの。

「ハァァァァッ!」

 一気に距離を縮めるとルフレとラッペンお爺ちゃんに向かって其々に武器で一撃を入れたの。

「ぎゃあ!」
「痛ッ!」

 ラッペンお爺ちゃんは腹部に、ルフレは頭に攻撃を受けたの。

 赤い鎧の戦士が兜を外すと下からは美しい青髪が花開くように姿を現したわ。

「え、メリア御姉ちゃん!」

 私の目に写るメリアの姿、同時に目に入る冒険者の調理器具お玉とフライパンに呆気に取られて口が塞がらなかったわ。

「まったく、ルフレも御父様も何をしてるんですか! 久々の狩り同窓会の帰りに偶然空を移動する姿を見つけて追ってきたら喧嘩なんて!」

 よく分からないけど、ルフレとラッペンお爺ちゃんに一撃を入れるなんて御姉ちゃんもタダ者じゃ無いわね……

 頭をフライパンで一撃されたルフレが起き上がるとラッペンお爺ちゃんがその場で笑いながら「儂もお前も負けたんだ!」そう言うとスライムの鎧を解除して再度ルフレを真っ直ぐに見つめるラッペンお爺ちゃん。

「儂はメリアさんに負けたからな、これ以上は戦わぬ。だが、騎士だと語る御前さんがどう判断するかによって、答えが違ってくるがな……」

「私は……」

「二人共、其まで! ルフレも御父様に謝って、御父様も本気で戦うなら場所を選んでください」

 ルフレの意見なんか聞く耳無しって勢いでラッペンお爺ちゃんとルフレに仲直りをさせたの。

 それと同時に姿を現したのはメリア御姉ちゃんのパーティー“シュラム”のメンバーで私がライパンであったアリエ=ククルさんだったの。

「お、親戚の、いきなりメリアが走り出したから勢いで来たけど、直ぐに出よう。流石に今回はまずいよ」

 他のジュレムのメンバーも頷いてたわ。でも騒ぎを聞き付けて集まり出す衛兵に私達は直ぐに囲まれたの。
 ペンネが戦闘を覚悟して構えを取ったの、私はそんなペンネを止めると衛兵に堂々と声をあげたわ。

「ペンネ、話し合いに来たのよ。兵隊さん、私達は戦いに来たんじゃないわ。王様にそう伝えてくれない?」

 衛兵は槍を構えると「ふざけるな!」と怒鳴ってきたの。

「話し合いをしないと言うのが王様の決断って事でいいのね?」

「当たり前だ! 王はお前のような者と話す筈がない!」

 衛兵の言葉にラッペンお爺ちゃんが怒りを露にしたけど、私は最後にもう一度尋ねたの。

「王様の判断だと思っていいのね?」

 それでも槍を手に前に迫る衛兵に私は強行策に出る覚悟を決めたの。

「直接会ってから答えを王様に聞くわ。邪魔だから退いて、言っとくけど、“仏の顔も三度まで”よ。今からは優しくしないわよ?」

 私は廊下の壁を身体強化魔法メキロスで強化した拳で全力で殴ったの。
 壁はクッキーみたいに砕けて大穴が空いたわ。

 衛兵に隙を作ると同時にマップで城の構造と王様の位置を確かめたの。

 城の天辺に反応を確認した私は階段なんか使う気はないわ。
 壊した修理代は私を素直に案内しなかった衛兵に払わせるとして、時間が惜しいわ。

「丁度、真上ね? 衛兵さん、支払いは大変だろうけど頑張ってね」

 勢いよく跳び跳ねた私は天井を貫いて次の階に一気に進んで行ったの。
 私の行動に慌てて階段から上がってくる衛兵にマドラッドで使った“アブラナー”の油をプレゼントしてあげたの。
 階段はつるつる、衛兵は鎧を装着してるから、怪我はない筈よね。

 更に3階、4階、5階と私は天井を突き破って王様の居る部屋に到着したわ。
 ペンネは私の行動に呆れながら笑ってたわ。

「御主、本当に無茶をする。流石は妾の主じゃ! 認めてやるぞカミル」

 いよいよ、王様と対談よ!
しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

願いの代償

らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。 公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。 唐突に思う。 どうして頑張っているのか。 どうして生きていたいのか。 もう、いいのではないだろうか。 メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。 *ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。 ※ありがたいことにHOTランキング入りいたしました。たくさんの方の目に触れる機会に感謝です。本編は終了しましたが、番外編も投稿予定ですので、気長にお付き合いくださると嬉しいです。たくさんのお気に入り登録、しおり、エール、いいねをありがとうございます。R7.1/31

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

処理中です...