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2章 外の世界へ
三回までは我慢なんです。
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ルフレの今までに無い気迫に満ちた表情はラッペンお爺ちゃんと本気でやり合う決意の現れに見えるわ。
「どうしたルフレ? 睨み合いで儂が倒せると思うのか」
挑発するように不敵な笑みを浮かべ、口を開くラッペンお爺ちゃんにルフレが勢いよく飛び掛かったの。
「甘い、だが逃げずに挑んだ事は誉めてやる!」
そう言うと岩の塊のような姿をした使い魔を召喚するラッペンお爺ちゃん。
ルフレが慌てて後ろに後退するとラッペンお爺ちゃんはそのまま、岩の塊に命令をしたの。
「ロックッ! 久々の仕事だ。力を貸してもらうぞ」
岩の塊はスライム見たいに形を変えるとラッペンお爺ちゃんの体に貼り付いて、岩の鎧に姿を変化させたの。
「まだまだ、バトルスライム来てくれ!」
更にもう一体、銀色のスライムを召喚すると、腕に貼り付いたスライムが形を変えて両手斧になったの。
ラッペンお爺ちゃんが一瞬で鎧騎士になると、ルフレの額に汗が滲み出ていたわ。
「本気ですか! そのような姿になって、今の立場を理解してください父上!」
ルフレの言葉、其れはラッペンお爺ちゃんの感情を逆撫でする結果になったの。
「お前こそ、何故其処にいる。国よりも大切なモノを手にして尚も両方を守ろうとする為らば力を示せ。儂は国よりも家族を選んだがな、ルフレよ、お前が本当に争う気があるなら相手をしてやる。さぁ、最後の質問だ選ぶがいい!」
質問に対して無言で頷くルフレ。
そんな時、正面の門を強行突破する一団があり「正門が破られた! 敵襲ッ!」と言う門兵の声が城内に響き渡った。
私達が通ってきた道を後ろから突き進む一団をマップで確認した時、私の目に真っ赤な鎧を身に纏った戦士の姿が見えたの。
「ハァァァァッ!」
一気に距離を縮めるとルフレとラッペンお爺ちゃんに向かって其々に武器で一撃を入れたの。
「ぎゃあ!」
「痛ッ!」
ラッペンお爺ちゃんは腹部に、ルフレは頭に攻撃を受けたの。
赤い鎧の戦士が兜を外すと下からは美しい青髪が花開くように姿を現したわ。
「え、メリア御姉ちゃん!」
私の目に写るメリアの姿、同時に目に入る冒険者の調理器具に呆気に取られて口が塞がらなかったわ。
「まったく、ルフレも御父様も何をしてるんですか! 久々の狩りの帰りに偶然空を移動する姿を見つけて追ってきたら喧嘩なんて!」
よく分からないけど、ルフレとラッペンお爺ちゃんに一撃を入れるなんて御姉ちゃんもタダ者じゃ無いわね……
頭をフライパンで一撃されたルフレが起き上がるとラッペンお爺ちゃんがその場で笑いながら「儂もお前も負けたんだ!」そう言うとスライムの鎧を解除して再度ルフレを真っ直ぐに見つめるラッペンお爺ちゃん。
「儂はメリアさんに負けたからな、これ以上は戦わぬ。だが、騎士だと語る御前さんがどう判断するかによって、答えが違ってくるがな……」
「私は……」
「二人共、其まで! ルフレも御父様に謝って、御父様も本気で戦うなら場所を選んでください」
ルフレの意見なんか聞く耳無しって勢いでラッペンお爺ちゃんとルフレに仲直りをさせたの。
それと同時に姿を現したのはメリア御姉ちゃんのパーティー“シュラム”のメンバーで私がライパンであったアリエ=ククルさんだったの。
「お、親戚の、いきなりメリアが走り出したから勢いで来たけど、直ぐに出よう。流石に今回はまずいよ」
他のジュレムのメンバーも頷いてたわ。でも騒ぎを聞き付けて集まり出す衛兵に私達は直ぐに囲まれたの。
ペンネが戦闘を覚悟して構えを取ったの、私はそんなペンネを止めると衛兵に堂々と声をあげたわ。
「ペンネ、話し合いに来たのよ。兵隊さん、私達は戦いに来たんじゃないわ。王様にそう伝えてくれない?」
衛兵は槍を構えると「ふざけるな!」と怒鳴ってきたの。
「話し合いをしないと言うのが王様の決断って事でいいのね?」
「当たり前だ! 王はお前のような者と話す筈がない!」
衛兵の言葉にラッペンお爺ちゃんが怒りを露にしたけど、私は最後にもう一度尋ねたの。
「王様の判断だと思っていいのね?」
それでも槍を手に前に迫る衛兵に私は強行策に出る覚悟を決めたの。
「直接会ってから答えを王様に聞くわ。邪魔だから退いて、言っとくけど、“仏の顔も三度まで”よ。今からは優しくしないわよ?」
私は廊下の壁を身体強化魔法で強化した拳で全力で殴ったの。
壁はクッキーみたいに砕けて大穴が空いたわ。
衛兵に隙を作ると同時にマップで城の構造と王様の位置を確かめたの。
城の天辺に反応を確認した私は階段なんか使う気はないわ。
壊した修理代は私を素直に案内しなかった衛兵に払わせるとして、時間が惜しいわ。
「丁度、真上ね? 衛兵さん、支払いは大変だろうけど頑張ってね」
勢いよく跳び跳ねた私は天井を貫いて次の階に一気に進んで行ったの。
私の行動に慌てて階段から上がってくる衛兵にマドラッドで使った“アブラナー”の油をプレゼントしてあげたの。
階段はつるつる、衛兵は鎧を装着してるから、怪我はない筈よね。
更に3階、4階、5階と私は天井を突き破って王様の居る部屋に到着したわ。
ペンネは私の行動に呆れながら笑ってたわ。
「御主、本当に無茶をする。流石は妾の主じゃ! 認めてやるぞカミル」
いよいよ、王様と対談よ!
「どうしたルフレ? 睨み合いで儂が倒せると思うのか」
挑発するように不敵な笑みを浮かべ、口を開くラッペンお爺ちゃんにルフレが勢いよく飛び掛かったの。
「甘い、だが逃げずに挑んだ事は誉めてやる!」
そう言うと岩の塊のような姿をした使い魔を召喚するラッペンお爺ちゃん。
ルフレが慌てて後ろに後退するとラッペンお爺ちゃんはそのまま、岩の塊に命令をしたの。
「ロックッ! 久々の仕事だ。力を貸してもらうぞ」
岩の塊はスライム見たいに形を変えるとラッペンお爺ちゃんの体に貼り付いて、岩の鎧に姿を変化させたの。
「まだまだ、バトルスライム来てくれ!」
更にもう一体、銀色のスライムを召喚すると、腕に貼り付いたスライムが形を変えて両手斧になったの。
ラッペンお爺ちゃんが一瞬で鎧騎士になると、ルフレの額に汗が滲み出ていたわ。
「本気ですか! そのような姿になって、今の立場を理解してください父上!」
ルフレの言葉、其れはラッペンお爺ちゃんの感情を逆撫でする結果になったの。
「お前こそ、何故其処にいる。国よりも大切なモノを手にして尚も両方を守ろうとする為らば力を示せ。儂は国よりも家族を選んだがな、ルフレよ、お前が本当に争う気があるなら相手をしてやる。さぁ、最後の質問だ選ぶがいい!」
質問に対して無言で頷くルフレ。
そんな時、正面の門を強行突破する一団があり「正門が破られた! 敵襲ッ!」と言う門兵の声が城内に響き渡った。
私達が通ってきた道を後ろから突き進む一団をマップで確認した時、私の目に真っ赤な鎧を身に纏った戦士の姿が見えたの。
「ハァァァァッ!」
一気に距離を縮めるとルフレとラッペンお爺ちゃんに向かって其々に武器で一撃を入れたの。
「ぎゃあ!」
「痛ッ!」
ラッペンお爺ちゃんは腹部に、ルフレは頭に攻撃を受けたの。
赤い鎧の戦士が兜を外すと下からは美しい青髪が花開くように姿を現したわ。
「え、メリア御姉ちゃん!」
私の目に写るメリアの姿、同時に目に入る冒険者の調理器具に呆気に取られて口が塞がらなかったわ。
「まったく、ルフレも御父様も何をしてるんですか! 久々の狩りの帰りに偶然空を移動する姿を見つけて追ってきたら喧嘩なんて!」
よく分からないけど、ルフレとラッペンお爺ちゃんに一撃を入れるなんて御姉ちゃんもタダ者じゃ無いわね……
頭をフライパンで一撃されたルフレが起き上がるとラッペンお爺ちゃんがその場で笑いながら「儂もお前も負けたんだ!」そう言うとスライムの鎧を解除して再度ルフレを真っ直ぐに見つめるラッペンお爺ちゃん。
「儂はメリアさんに負けたからな、これ以上は戦わぬ。だが、騎士だと語る御前さんがどう判断するかによって、答えが違ってくるがな……」
「私は……」
「二人共、其まで! ルフレも御父様に謝って、御父様も本気で戦うなら場所を選んでください」
ルフレの意見なんか聞く耳無しって勢いでラッペンお爺ちゃんとルフレに仲直りをさせたの。
それと同時に姿を現したのはメリア御姉ちゃんのパーティー“シュラム”のメンバーで私がライパンであったアリエ=ククルさんだったの。
「お、親戚の、いきなりメリアが走り出したから勢いで来たけど、直ぐに出よう。流石に今回はまずいよ」
他のジュレムのメンバーも頷いてたわ。でも騒ぎを聞き付けて集まり出す衛兵に私達は直ぐに囲まれたの。
ペンネが戦闘を覚悟して構えを取ったの、私はそんなペンネを止めると衛兵に堂々と声をあげたわ。
「ペンネ、話し合いに来たのよ。兵隊さん、私達は戦いに来たんじゃないわ。王様にそう伝えてくれない?」
衛兵は槍を構えると「ふざけるな!」と怒鳴ってきたの。
「話し合いをしないと言うのが王様の決断って事でいいのね?」
「当たり前だ! 王はお前のような者と話す筈がない!」
衛兵の言葉にラッペンお爺ちゃんが怒りを露にしたけど、私は最後にもう一度尋ねたの。
「王様の判断だと思っていいのね?」
それでも槍を手に前に迫る衛兵に私は強行策に出る覚悟を決めたの。
「直接会ってから答えを王様に聞くわ。邪魔だから退いて、言っとくけど、“仏の顔も三度まで”よ。今からは優しくしないわよ?」
私は廊下の壁を身体強化魔法で強化した拳で全力で殴ったの。
壁はクッキーみたいに砕けて大穴が空いたわ。
衛兵に隙を作ると同時にマップで城の構造と王様の位置を確かめたの。
城の天辺に反応を確認した私は階段なんか使う気はないわ。
壊した修理代は私を素直に案内しなかった衛兵に払わせるとして、時間が惜しいわ。
「丁度、真上ね? 衛兵さん、支払いは大変だろうけど頑張ってね」
勢いよく跳び跳ねた私は天井を貫いて次の階に一気に進んで行ったの。
私の行動に慌てて階段から上がってくる衛兵にマドラッドで使った“アブラナー”の油をプレゼントしてあげたの。
階段はつるつる、衛兵は鎧を装着してるから、怪我はない筈よね。
更に3階、4階、5階と私は天井を突き破って王様の居る部屋に到着したわ。
ペンネは私の行動に呆れながら笑ってたわ。
「御主、本当に無茶をする。流石は妾の主じゃ! 認めてやるぞカミル」
いよいよ、王様と対談よ!
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