楽しくて異世界☆ワタシのチート生活は本と共に強くなる☆そんな私はモンスターと一緒に養蜂場をやってます。

夏カボチャ

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2章 外の世界へ

御茶会は楽しくです。

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 御茶会の席には魔王軍とベジルフレア、ザカメレア連合軍を向かい合わせに座らせたわ。

 バイルはまだまだ暴れたそうに叫んでたから、御茶会の前にもう1回戦うことになったの、条件は勝っても負けても御茶会に参加する事、それをバイルは納得したわ。
 まぁ、私が相手する訳じゃないんだけどね。

 今更だけど、バイルは魔王の肉体を使いこなせてないのよね?

 魔力を使わずに自身の力だけで勝ってきたみたいだから、力で捩じ伏せる!

「デンキチッ! バイルに負けたら御茶会の御菓子抜きだからね。頑張りなさい」

『大丈夫。さっきの美味しいのは絶対食べる!』

 デンキチ……摘まみ食いしたわね。

 デンキチを前にしても動じないバイルの好戦的な性格は危険だわ……よく今まで言うこと聞いてきたわね?

 バイルとデンキチのぶつかり合いが始まると私は御茶会の第2段階に入ったの。

 第1の全員参加はなんとかなったわ。次が重要なの、ベジルフレアとザカメレアの兵士を自由にしないといけないから、もし暴れられたり戦闘になったら、今度こそ止められないわ。

「お爺ちゃん、じい様、バリカさん、先ずは手荒な事をしてしまって御免なさい。でも、他に方法がなかったの」

 縄と手錠を外していったわ。

 ラッペンお爺ちゃんは困り果てた表情を浮かべてるし、じい様は今にも爆発しそうなくらい真っ赤な顔だし、バリカさんは何故か笑ってるしで、私も今回ばかりは自分が仕出かした事の重大さを沸々と感じてるわ。

 言葉が見つからない私を見かねてなのか、バリカさんが私を真っ直ぐに見て優しく口を開いたの。

「ホッホッホッ、しかし、驚いた。儂も含め、麟鳳亀竜が主のようなお嬢ちゃんにやられるなんてな。魔王軍に肩入れした以上、全力で戦ったが、歳にも若さにも勝てぬわい」

 バリカさんの言葉にラッペンお爺ちゃんと、じい様が困惑した表情を一瞬浮かべてから笑い出したの。

「カミル。儂はお前みたいな孫が出来て本当に驚いている。1人で一国を平らげると恐れられた麟鳳亀竜を生け捕りにしたんだからな。本当に驚かされたぞ」

「ふん、甘くなったなラッペン。まだまだカミルはヒヨッ子だぞ? それに儂はまだまだ、弟子に負けを認めたりせん」

 何時もと変わらないラッペンお爺ちゃんとじい様の声に私は不安が和らいだのか、涙が滲み出た。

 本当は不安だったの、皆が大好きで、でも、ペンネ達と話しちゃったらさ、兵士の人達もマドラッドの魔族達も見捨てられないじゃない……

 私は涙を拭ってから魔族の皆にも兵士達の拘束を解いていってもらったの。
 兵士達は予想外の行動に戸惑ってたけど、それでも暴れる様子は無かったわ。

 バイルとデンキチの力比べみたいな戦いもデンキチの巨大化からのビンタで勝負がきまったわ、席につくバイルは凄く清々しい顔で両手を組んで笑ってる。

 カルメロとディストルだけど、カルメロは覚悟を決めたみたいに静かに座ってる。
 その横で「俺は死にたくない! まだ結婚もしてないんだ……死にたくない!」って叫んでたけど、カルメロが頭を軽く叩いてから落ち着かせてたわ。

 本当なら、負けない筈の戦いに負けたんだもの、しかたないわよね。

 厨房では、メルリとアララを筆頭に魔族の料理人達とタウリとナッツも加わって大量の紅茶とハニーコーンに焼き菓子スコーンを用意してもらったの。

 次々に運ばれ、並べられるカップと御菓子の入ったバスケット。

 熱々のお湯が入ったティーポットと水差しに角砂糖の入ったガラス瓶が置かれていく。

 私の知る映画で見た御茶会の光景をそのまま再現して貰ったの。
 足りなかったカップも私が魔法で作ったのよ。

 紅茶にお湯を注ぐ前に水差しの水を加えて温度を調節する。
 私のいた世界、日本の茶人、千利休は飲み手の為にお湯に水を1杯加えて振る舞ったと言う話もあるわ。

 紅茶の葉が開き始めると暖かな湯気と清々しい香りが一斉に広がっていったわ。

 御茶会がスタートして、最初にお茶菓子に手を伸ばしたのは麟鳳亀竜だったわ。
 豪快に頬張るバイルの姿に兵士達も恐る恐る手を伸ばしていったの。

「旨いじゃねぇか! 食わないならお前達の分も俺が食ってやるぞ?」

 そんなバイルの冗談が飛び出す程、ハニーコーンもスコーンも大盛況。
 紅茶も綺麗に飲み干されていったわ。
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