楽しくて異世界☆ワタシのチート生活は本と共に強くなる☆そんな私はモンスターと一緒に養蜂場をやってます。

夏カボチャ

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2章 外の世界へ

強制御茶会をするんです。

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 バリカは私の言葉に楽しそうに笑みを作ると静かに構えを取り直したの。

 正面からぶつかると言ったけど、本当に正面からぶつかったら間違いなく反撃されてやられるわ。
 だから、少しずるをする事にしたの、だって相手も魔法を使ってるんだもん? 当然私が使ってもいいわよね?

「行くわよ! 必殺の光魔法ラメリス

 眩しい光を放ち目眩ましにしたんだけど、バリカは目を瞑って耳を研ぎ澄ませてたのよね。
 格闘家って超身体能力の持ち主なのは分かるけど、バリカは更にその上の存在ね。

「ホッホッホッ、こんなもんで終わりかね? 目眩ましまでは誉めてやるが、些か残念に思う、仕方ないか」

 バリカの言葉に私はチャンスだと感じたわ。

 まだ目は見えてない! 行くしかないわ!

「なら、これでどうよ!」

 私はバリカに向かって大量の水魔法アクアクで作った水弾を御見舞いしたの。
 更に特別な物も一緒に混ぜてバリカの周囲に撃ち放ったの。

「更に火炎魔法メラメラ、続いて風魔法エアエアよ!」

 そう私が告げるとバリカは豪快に笑ったわ。

「ガッハッハッ。風も炎も丁度いい。水が乾いて助かるぞ。しかし、何をしようと儂の前では意味がないぞ? 水は電気を更に通す! 知らぬならば教えてやろう、ラッペンの孫よ。ぬ?」

 そう言って前に足を踏み出そうとしたバリカだったけど、動けるわけないわ。

「アハハ、正義は勝つのよ! バリカさん、貴方は既に私の術中にハマっているのよ!」

「ぐぬぬぬぬッ! 何故、動けぬ!」

 頑張るバリカだけど、全身にぶつけた液体、水と一緒に樹脂を混ぜたの、因みに混ぜた樹脂はゴムよ! 私がワザワザ炎と風を起こしたのは樹脂を固める為よ。今、バリカの体に付着しているゴムの厚みはゴムタイヤ程になってるわ。

「どう? 今までに経験のない拘束方法でしょ。千切ろうにも無理よ! 力で千切れる限界は超えてるわ」

 私の言葉にバリカは動きを止めたの。
 諦めたと思ったんだけど……異世界ならではの常識知らずの展開が待ってたの。

「儂の力をッ! 嘗めるなぁぁぁ!」

 ブチブチブチッ!

 私の目の前で力任せにゴムの塊を引き千切るバリカを見て背筋が凍りそうになったわ。
 そして、足が私の前に一歩踏み出してきたの。

「嘘でしょ……どんだけよ!」

「ガッハッハッ! 麟鳳亀竜のバリカ=クレイを止めるなら、一国の戦力をぶつけよとラッペンから教わらなかったか!」

 グギン!

「ぬぁぁぁ……」

 え、何よ今の音……それにバリカが前屈みで悶絶してるし! 何があったのよ?

「何事なのよ? ちょっと、大丈夫なの?」

「腰が……クッ、こんな事が」

 私は理解したわ。

「ぎっくり腰ね……お爺ちゃんなのに無理するからよ?」

 勝負は意外にも呆気なく私が勝利したの。
 不思議な感覚だけど、勝ちは勝ちよね?

 麟鳳亀竜のメンバーが全員戦闘不能になった事実を知って、ベジルフレアの兵士もザカメレアの兵士も戦意を完全に失ったわ。

 私達の完全勝利よ。

 でも、問題があるわ。勝っても世界に不安を残せば更にマドラッドに敵が来ちゃうじゃない、だから、今のうちに何とかしないと。

「アララ、ペンネ、メリル。今から御茶会をするわよ! この場にいる全員を強制的に参加させるわ!」

「何故じゃ! 妾が人間の為に協力せねば為らぬのじゃ」

 パチン。

 反抗的なペンネにはお仕置きデコピンをプレゼントしたわ。

「いい、今から仲直りの強制御茶会よ!」

 私の考えは無謀すぎる、でもやらないと次に繋がらないもの。

 ラッペンお爺ちゃんとじい様、あとバリカさんにバイルは私の側に座らせたわ。

 天井の無い魔王城の大広間から外まで開かれた通路、その先まで続く長いテーブルの列に椅子に縛られた兵士達、そう強制御茶会を今から開始するわ。
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