楽しくて異世界☆ワタシのチート生活は本と共に強くなる☆そんな私はモンスターと一緒に養蜂場をやってます。

夏カボチャ

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2章 外の世界へ

謁見大作戦は中々上手く進まないんです。

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 謁見大作戦……それは誰もが無謀と感じる筈ね。
 私自身も本当に上手くいくか自信無いわよ、当然のように口にした無茶な作戦に自分で泣きたくなるわ。

「本当に行くんですか、いくらお嬢様でも、無謀としか言えません!」

 私とメルリ、そしてアララとクレレ、その後ろにタウリとナッツにピクシーの団体、理由を知らなければザカメレア王国への侵略に見えなくも無いわね?

 そして、御約束の門兵さん達の登場、何度も囲まれたから悲しいけど慣れたわ。

 私達に目的を尋ねながら向けられる弓と槍に溜め息が出るわ、なんで何時も決まって槍を向けるのかしらね?

「私達はザカメレア国王に会いに来たのよ。分かる? 国王に話がしたいと言う人達を連れてきたの」

 私の言葉に頭上から弓を後ろに引く微かな“ググッ”と言う音が一斉に聞こえてきたわ。

「通りたいなら、我等を力で捩じ伏せれば良い。だが、諦めて帰る方が利口だぞ! 城の前に死体が転がると見た目が悪くなるからな」

 ああ、無理だわ? これ私の嫌いなタイプだわ……でも今回は我慢ね。

「改めてザカメレア国王に謁見をお願いするわ! もし断るなら仕方無いけど」

 門兵はその言葉に手を大きく振り上げたわ。

「俺が手を下ろせば一斉に矢の雨が降り注ぐぞ! 何が謁見んだ、笑わせるな餓鬼が!」

 私は笑みを浮かべ、門兵に背中を向けたの、勿論降参なんてする気は無いし、こんな苛つく奴を赦す気もないんだから。

「メルリ、アララ、ナッツの3人は防壁魔法を一様直ぐに掛けられるようにしといて」

 私の言葉に頷くメルリとアララ、そして顔から血の気が引き顔面を青く染める一同。

「作戦を謁見大作戦から、強行大作戦に変更よ!」

 私が振り向き門を無理矢理突破しようとした時、門が開き始めたの。
 まぁ、私達の為に開いた訳じゃ無いのは確かね。
 門から姿を現した鎧を身に纏った大軍が次々に門を潜り、私達の方に前進してきたの。

 その先頭集団にあの強面のカルメロを見つけたの。
 人一倍、巨大な体と頭一個分浮いたようになっている姿に改めて驚かされたわ。

 カルメロも此方に気付いたように視線を合わせると隊長のような人の側に馬を走らせてから、私達の方に走ってきたの。

「君はカミルじゃないか、何でこんな所に? 今は進軍の為の移動があるから危ないんだ退いてなさい」

 私に対して気遣いの言葉をくれるカルメロを見て表情を改める門兵達、当然ながらチャンスだと確信したわ!

「カルメロさん! 実は魔王の使者を連れてきたの。どうしてもザカメレア国王に謁見して、謝罪したいと言ってるの!」

「魔王の使者だと? なんでカミルと魔王の使者が一緒に居るんだ!」

 驚きの声を荒げた瞬間だったわ、後ろからカルメロに声を掛けてきた長髪の男、金色の髪に鎧を纏い、立派な剣を腰に下げ、真っ赤なマントのイケメン。

「カルメロ副隊長、何を騒いでるんだい? それと、その子は誰だい? 隠し子にしては随分可愛いじゃないか」

 そう言い笑うイケメンに「違うぞ! 断じて違うからな、ディス!」

「オイオイ、今は指揮を任されてるんだから、呼び捨てはやめてくれよ。自己紹介がまだだったねお嬢さん。私はディストル=クレムス。この大隊の指揮を任されてる者だ」

 私達の前に姿を現したディストル大隊長は話を詳しく聞きたいと部隊をその場で停止させたの! 余りの出来事にビックリしたわ。

 私達の謁見大作戦はまだ始まったばかり、諦めないんだから。
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