楽しくて異世界☆ワタシのチート生活は本と共に強くなる☆そんな私はモンスターと一緒に養蜂場をやってます。

夏カボチャ

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1章 7才以上で7才未満の召喚士。

3体3の戦いになったんですが?

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 楽しい雰囲気と思いきや、なんか……ラッペンさんの表情が気になるのよね? ずっと笑いながらも、鋭い眼差しがデンキチに向いてるし……

 少し気になるが、気にしたらダメね。美味しいご飯も食べれたし、デンキチ達も満足したかしら……ん?

 デンキチと皿の取り合いをしてるフレイムドラゴンボルドの姿があり、私の見てる前でそれは起きた。

『その肉は我輩が先に狙ったのだ。寄越さぬかっ!』

『ヤダ。それに“パクリ”もう食べちゃったもん』

『なぁっ! 己れ……我が獲物を食らうとはいい度胸だ。代りにお前を喰ってやる!』

 ヤバイ……何してるのよ、デンキチ!

 本気で怒るフレイムドラゴンボルドを前に口に入れた肉を飲み込むデンキチ、そして先に仕掛けたのはフレイムドラゴンボルドだった。

 巨大な口を大きく開き炎を噴射する姿に慌てて私はラッペンさんに止めるように言いに行こうとするが、なんとモームが私を止めた!

 ラッペンさんも二人の戦いをまじまじと見学して始め、焦る私、そんな時、アララが念話をしてきた。

 内容は『大丈夫ですよ。それより? カミルのお肉食べちゃいました。御免なさい』……! アララに大丈夫と言われたけど、フレイムドラゴン相手にヒトデのデンキチって無理でしょ!

 あ~フレイムドラゴンとか言いづらい! 取り敢えずボルドでいいや!

 しかし、デンキチは炎をまるで感じてないように見える、寧ろ涼しい顔でボルドに近づいていく。そして、まさかの平手打ち。

“バチンッ!”と、激しい音がなり、ボルドの足元がふらつく。私は夢でも見てるのかと自分の目を擦りながら再度、デンキチを直視した。

 更に激しく早くなるデンキチの攻撃にボルドの目が血走り出すとラッペンも焦りだす。

 ラッペンさんも、取り敢えずラッペンと呼ぼう。

 ボルドは炎の温度を更に上げ、力ずく捩じ伏せようとするも、まったく退かないデンキチ、そんな時、私の頭の中に声が聞こえた。
 その声は私が契約した日に聞いた物であり、私に許可を求めてきた。

『主よ。力を解放する。許しを』

『何、デンキチなの?』

『主よ……我が問いに答えを』

 意味がわからなかった、でも私の答えは『許す』の一言しかない。目の前で炎を浴びるデンキチをほっとけるワケないじゃない!

 許すって口にした瞬間、デンキチが炎を飲み込む始めた……正直ビックリしたわ。

 ボルドも負けじと炎をだし続けたけど、更に激しく吸飲するデンキチに炎の勢いが無くなり、息を切らした。
 そこからの反撃は一方通行だったわ。

 それを見かねた、グリフィンのトスカとロゼが動き出すと、スカーとメガが二人を止めに入り睨み合いになっていたの。

 まるで怪獣映画だわ……じゃなくて! 不味いわ、急いで止めないと!

「ラッペンさん、早く止めないと」

 しかしラッペンが震えている。そして鼓膜が破れるかと思うくらい大声をあげたのよ。
 ビックリしたわ。

「何をしとるかッ!! 気合いが足らんぞ! ボルドォォォッ!」

 なっあぁぁぁぁ! 止める気ないの? なんで煽ってるのよ、このオッサン!

「カミルと言ったな! 仕切り直しだ。3体3の試合を申込む!」

 ハァァァ? なんでそうなるのよ!

「ラッペンさん、なんでそうなるの? それに試合とかルールがわからないんですが?」

「ルールは簡単! 3匹を先に倒せば終わりだ」

 しまった……受け答えが不味かった。やる気満々だよ……

 なし崩しで試合をする事になり、私は勿論、デンキチ、スカー、メガを選んだ。と、言うより3人がやる気満々だったのだ。

 私の初の試合相手のラッペンは絶対に強い……さっきは冷静じゃなかったボルドが本気で相手になるんだから、気が抜けない。

 試合は3匹同時に戦闘になり、どちらかの使い魔が戦闘不能になれば終わる。シンプルだけど、それだけに3人が心配だわ……私も本気でいかないと!

 準備が整うと審判にルフレ。あとの全員が離れた場所から私達を見ている。

「行くぞ、カミル」

 その声を合図にルフレが試合開始を口にした。

「わかったわよ! 遣るからには全力よ!」

 ボルドを先頭にトスカとロゼの3匹が一気に空中を移動し攻撃を開始する。

 デンキチは大丈夫でも、スカーとメガは、あんな炎耐えられそうに無いわね。

『任せてカミル』

 そう言うとデンキチが空中に向けて先程吸い込んだ炎を一気に吐き出した。
 炎を回避する為に三方向に別れた3匹に対してメガがデンキチを口にくわえると、その怪力で大空に投げ放った。

 手裏剣……!

 大空に投げられるデンキチの上にスカーが飛び乗り、更に空中でジャンプをしてボルドに襲い掛かった瞬間、私は指示を口にする。

「デンキチッ!! 全力で放電よ」

『ガッテンッ!!』

 デンキチが光輝き、凄まじい稲光にも似た雷が大空を四方八方に照らし出す。それはまさに、やり過ぎた……! の一言だったわ。

 トスカとロゼが余りの威力にバランスを失い落下したところをメガが地面を蹴りあげ突進、ロゼに直撃してロゼが戦闘不能に、その直後にボルドを蹴りスカーがトスカ目掛けて襲い掛かり、結果、スカーとトスカが頭を激突させて気絶……戦闘不能となったわ。

 そして……ボルドとデンキチの戦いも空中で有利に思えたボルドに対してデンキチが更に空中で激しく放電していかづちがボルドを直撃して空中で気絶したのが見て分かったわ。

 白眼向いてるし……ありゃ戦闘不能ね? ん? ちょっと……! 此方に落ちてくるんですけど!

 私、目掛けて落下するボルド、そして……私はやらかしたのだ。

 咄嗟にボルドに平手打ちをかまし、私はドラゴンを弾き飛ばした……

 ヤバイッ! 今の手加減なしだから!

 ・『全ての職を極めし者マスタージョブ『ドラゴンスレイヤー【仮】』を取得しました』


 危ない! 【仮】よね? 仮ならまだ死んでないわよね!

 私の安堵あんどの表情を浮かべる中、ラッペンが側に歩み寄り、私の顔を“ギロリ”と直視してきたの。

 流石にヤバイと感じる私にラッペンが笑った。

「久々に負けたぞ! いやはや愉快、まさか、ワシがこんな小さな子に負けるとわな。長生きはするもんだ! がははは」

 それから直ぐ、ラッペンに内緒でボルド達3匹とデンキチ達3人に蜂蜜を飲ませたわ。流石に心配だし、本当に“ドラゴンスレイヤー”になる気なんて、更々ないもん。

 その日は、夢にまでラッペンが出てきたわ……寝た気がしないわ。私の中で安眠妨害の称号確定だわ。
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