19 / 310
1章 7才以上で7才未満の召喚士。
ハチミツ漬けを配ってみたんです。
しおりを挟む
召喚の儀で私の使い魔全員が姿を現し大騒ぎになってからの旅立ちは不思議なものだわね。それでも両親の見送りがあり、村の皆が手を振ってくれるのだから感謝しないとね。
「タウリ? 早く日が暮れちゃうよ」
タウリは体力がない訳じゃないんだけど、私の大部後ろを付いてきている。
「ハァ……ハァ……無茶言うな、4時間も山道を走り続けてるんだぞ……」
「仕方無いなぁ? なら! 休憩」
私の声にタウリがホッとした顔で川辺に向かい休憩する。普段から体を鍛えてるタウリですら、山道は辛いのだと理解したわ。
「なんでカミルは平気なんだ? 毎日本しか読んでないのに」
「失礼ね? 私もトレーニングしてるから!」
スクワットとか腕立て伏せをする度に筋力があがり、森を走るだけで体力と脚力をあげてきたんだから! 此処まで極端なのは特急強化のお陰なんだけどね。
川辺に腰掛け休憩と一緒に御昼を済ませると私達は先を急ぐ事にした。私の影からデンキチとスカーを呼び出す。
影の中に入って貰っていたのには訳がある。使い魔は本来、影の中で過ごす方が食事や睡眠が安定する。
主である私が食べた物を何故か影から感じとって使い魔も食べた気になるらしい。
不思議だけど食いしん坊のデンキチは『ご飯が2倍』って喜んでるから、まぁ悪くは無いわ。
「デンキチ。タウリを宜しく。スカー食後の競争よ!」
2人の使い魔が私と山道を駆け出すとあっという間に山道を抜けて降れば深い森の入り口は直ぐそこよ。
深い森を抜ける事で王都ライパンまでの最短ルートになる。
私達は既に山を予定より遥かに早く抜けられたの。
その為……深い森を探索しようと思うの。
タウリに怪しまれないようにマップを使い木の実や果実を採取しながら進んでいく。
普通に進んでいたらモンスターとの戦闘もあるんだろうけど? 私はマップのお陰で安全に深い森を進んでいく。
本当はモンスターと戦ったり使い魔を増やしたいのが本音だけど、タウリの性格だとモンスターを完全にナ~ム~しちゃうから、今回は諦めるしかないわね。まぁ直ぐに私は帰るつもりだから、その時のお楽しみに取っておこう!
う~ん、久々に好きな物を後に食べる性格が出た気がする。
その後は草原に作られた道を歩きながら最初の村を目指す。
アメト村から王都に向かう場合に絶対に皆が立ち寄る村があるの、まぁ大概は夜中に着いて宿に入り倒れ込むようにして泊まるのがパターンね。
昼が過ぎ、時刻は2時を半刻過ぎたばかりの頃、
草原の村に辿り着いた私達が最初にしたのは宿探しではなく、商売である。
私はこの前のモームの一件から、ある事実を導き出していたわ。
ハニービーの集めた蜂蜜は売れる! 果物を試しに蜂蜜漬けにした物を空間作製魔法から取り出した私。
出し入れ自由な最高の魔法ね。
つまり……私は動く物流センターみたいな物かしら?
ストックが無くなる事もないし、蜂蜜が一杯になったら、アララが私に教えてくれるから、そしたら森のクイーンかボスを召喚して蜂蜜を私が保管する。
完璧に私……倉庫だなぁ……ハハハ。
「さぁ! タウリの出番よ。客引き宜しくね」
「いや、疲れたから……無理だって」
タウリの反抗期ね? 私に従わないなんて……よし、サービスしてやるか!
「そうだよね……カミル、我儘でスゴく嫌な子だね……御兄ちゃんと一緒にお店屋さん遣りたかったんだけど……もう、言わない……御兄ちゃんごめんね」
私の泣きそうな顔からの最後のエンジェルスマイル。
「あ、あの、少し休みたかっただけだから! 大丈夫だカミル、お兄ちゃんは頑張るから待ってろ!」
走りだし何を売るかも聞かぬまま人を集めるタウリ。
私の天下だわ。タウリのあの扱いやすい性格が最近、可愛くて好きだなぁ。
そして集まった人達に私は一欠片ずつ、蜂蜜漬けを試食として配った。
さぁ! 素敵な反応を見せて頂戴ね。
「タウリ? 早く日が暮れちゃうよ」
タウリは体力がない訳じゃないんだけど、私の大部後ろを付いてきている。
「ハァ……ハァ……無茶言うな、4時間も山道を走り続けてるんだぞ……」
「仕方無いなぁ? なら! 休憩」
私の声にタウリがホッとした顔で川辺に向かい休憩する。普段から体を鍛えてるタウリですら、山道は辛いのだと理解したわ。
「なんでカミルは平気なんだ? 毎日本しか読んでないのに」
「失礼ね? 私もトレーニングしてるから!」
スクワットとか腕立て伏せをする度に筋力があがり、森を走るだけで体力と脚力をあげてきたんだから! 此処まで極端なのは特急強化のお陰なんだけどね。
川辺に腰掛け休憩と一緒に御昼を済ませると私達は先を急ぐ事にした。私の影からデンキチとスカーを呼び出す。
影の中に入って貰っていたのには訳がある。使い魔は本来、影の中で過ごす方が食事や睡眠が安定する。
主である私が食べた物を何故か影から感じとって使い魔も食べた気になるらしい。
不思議だけど食いしん坊のデンキチは『ご飯が2倍』って喜んでるから、まぁ悪くは無いわ。
「デンキチ。タウリを宜しく。スカー食後の競争よ!」
2人の使い魔が私と山道を駆け出すとあっという間に山道を抜けて降れば深い森の入り口は直ぐそこよ。
深い森を抜ける事で王都ライパンまでの最短ルートになる。
私達は既に山を予定より遥かに早く抜けられたの。
その為……深い森を探索しようと思うの。
タウリに怪しまれないようにマップを使い木の実や果実を採取しながら進んでいく。
普通に進んでいたらモンスターとの戦闘もあるんだろうけど? 私はマップのお陰で安全に深い森を進んでいく。
本当はモンスターと戦ったり使い魔を増やしたいのが本音だけど、タウリの性格だとモンスターを完全にナ~ム~しちゃうから、今回は諦めるしかないわね。まぁ直ぐに私は帰るつもりだから、その時のお楽しみに取っておこう!
う~ん、久々に好きな物を後に食べる性格が出た気がする。
その後は草原に作られた道を歩きながら最初の村を目指す。
アメト村から王都に向かう場合に絶対に皆が立ち寄る村があるの、まぁ大概は夜中に着いて宿に入り倒れ込むようにして泊まるのがパターンね。
昼が過ぎ、時刻は2時を半刻過ぎたばかりの頃、
草原の村に辿り着いた私達が最初にしたのは宿探しではなく、商売である。
私はこの前のモームの一件から、ある事実を導き出していたわ。
ハニービーの集めた蜂蜜は売れる! 果物を試しに蜂蜜漬けにした物を空間作製魔法から取り出した私。
出し入れ自由な最高の魔法ね。
つまり……私は動く物流センターみたいな物かしら?
ストックが無くなる事もないし、蜂蜜が一杯になったら、アララが私に教えてくれるから、そしたら森のクイーンかボスを召喚して蜂蜜を私が保管する。
完璧に私……倉庫だなぁ……ハハハ。
「さぁ! タウリの出番よ。客引き宜しくね」
「いや、疲れたから……無理だって」
タウリの反抗期ね? 私に従わないなんて……よし、サービスしてやるか!
「そうだよね……カミル、我儘でスゴく嫌な子だね……御兄ちゃんと一緒にお店屋さん遣りたかったんだけど……もう、言わない……御兄ちゃんごめんね」
私の泣きそうな顔からの最後のエンジェルスマイル。
「あ、あの、少し休みたかっただけだから! 大丈夫だカミル、お兄ちゃんは頑張るから待ってろ!」
走りだし何を売るかも聞かぬまま人を集めるタウリ。
私の天下だわ。タウリのあの扱いやすい性格が最近、可愛くて好きだなぁ。
そして集まった人達に私は一欠片ずつ、蜂蜜漬けを試食として配った。
さぁ! 素敵な反応を見せて頂戴ね。
12
お気に入りに追加
548
あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。


積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!
ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。
悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
愛されない皇妃~最強の母になります!~
椿蛍
ファンタジー
愛されない皇妃『ユリアナ』
やがて、皇帝に愛される寵妃『クリスティナ』にすべてを奪われる運命にある。
夫も子どもも――そして、皇妃の地位。
最後は嫉妬に狂いクリスティナを殺そうとした罪によって処刑されてしまう。
けれど、そこからが問題だ。
皇帝一家は人々を虐げ、『悪逆皇帝一家』と呼ばれるようになる。
そして、最後は大魔女に悪い皇帝一家が討伐されて終わるのだけど……
皇帝一家を倒した大魔女。
大魔女の私が、皇妃になるなんて、どういうこと!?
※表紙は作成者様からお借りしてます。
※他サイト様に掲載しております。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる