楽しくて異世界☆ワタシのチート生活は本と共に強くなる☆そんな私はモンスターと一緒に養蜂場をやってます。

夏カボチャ

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1章 7才以上で7才未満の召喚士。

ハチミツ漬けを配ってみたんです。

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 召喚の儀で私の使い魔全員が姿を現し大騒ぎになってからの旅立ちは不思議なものだわね。それでも両親の見送りがあり、村の皆が手を振ってくれるのだから感謝しないとね。

「タウリ? 早く日が暮れちゃうよ」

 タウリは体力がない訳じゃないんだけど、私の大部後ろを付いてきている。

「ハァ……ハァ……無茶言うな、4時間も山道を走り続けてるんだぞ……」

「仕方無いなぁ? なら! 休憩」

 私の声にタウリがホッとした顔で川辺に向かい休憩する。普段から体を鍛えてるタウリですら、山道は辛いのだと理解したわ。

「なんでカミルは平気なんだ? 毎日本しか読んでないのに」

「失礼ね? 私もトレーニングしてるから!」

 スクワットとか腕立て伏せをする度に筋力があがり、森を走るだけで体力と脚力をあげてきたんだから! 此処まで極端なのは特急強化ハイアップのお陰なんだけどね。

 川辺に腰掛け休憩と一緒に御昼を済ませると私達は先を急ぐ事にした。私の影からデンキチとスカーを呼び出す。
 影の中に入って貰っていたのには訳がある。使い魔は本来、影の中で過ごす方が食事や睡眠が安定する。
 主である私が食べた物を何故か影から感じとって使い魔も食べた気になるらしい。

 不思議だけど食いしん坊のデンキチは『ご飯が2倍』って喜んでるから、まぁ悪くは無いわ。

「デンキチ。タウリを宜しく。スカー食後の競争よ!」

 2人の使い魔が私と山道を駆け出すとあっという間に山道を抜けて降れば深い森の入り口は直ぐそこよ。

 深い森を抜ける事で王都ライパンまでの最短ルートになる。
 私達は既に山を予定より遥かに早く抜けられたの。

 その為……深い森を探索しようと思うの。
 タウリに怪しまれないようにマップを使い木の実や果実を採取しながら進んでいく。
 普通に進んでいたらモンスターとの戦闘もあるんだろうけど? 私はマップのお陰で安全に深い森を進んでいく。
 本当はモンスターと戦ったり使い魔を増やしたいのが本音だけど、タウリの性格だとモンスターを完全にナ~ム~しちゃうから、今回は諦めるしかないわね。まぁ直ぐに私は帰るつもりだから、その時のお楽しみに取っておこう! 

 う~ん、久々に好きな物を後に食べる性格が出た気がする。

 その後は草原に作られた道を歩きながら最初の村を目指す。
 アメト村から王都に向かう場合に絶対に皆が立ち寄る村があるの、まぁ大概は夜中に着いて宿に入り倒れ込むようにして泊まるのがパターンね。

 昼が過ぎ、時刻は2時を半刻過ぎたばかりの頃、
草原の村に辿り着いた私達が最初にしたのは宿探しではなく、商売である。

 私はこの前のモームの一件から、ある事実を導き出していたわ。

 ハニービーの集めた蜂蜜は売れる!  果物を試しに蜂蜜漬けにした物を空間作製魔法から取り出した私。
 出し入れ自由な最高の魔法ね。
 つまり……私は動く物流センターみたいな物かしら?
 ストックが無くなる事もないし、蜂蜜が一杯になったら、アララが私に教えてくれるから、そしたら森のクイーンかボスを召喚して蜂蜜を私が保管する。

 完璧に私……倉庫だなぁ……ハハハ。

「さぁ! タウリの出番よ。客引き宜しくね」

「いや、疲れたから……無理だって」

 タウリの反抗期ね? 私に従わないなんて……よし、サービスしてやるか!

「そうだよね……カミル、我儘ワガママでスゴく嫌な子だね……御兄ちゃんと一緒にお店屋さん遣りたかったんだけど……もう、言わない……御兄ちゃんごめんね」

 私の泣きそうな顔からの最後のエンジェルスマイル。

「あ、あの、少し休みたかっただけだから! 大丈夫だカミル、お兄ちゃんは頑張るから待ってろ!」

 走りだし何を売るかも聞かぬまま人を集めるタウリ。

 私の天下だわ。タウリのあの扱いやすい性格が最近、可愛くて好きだなぁ。

 そして集まった人達に私は一欠片ずつ、蜂蜜漬けを試食として配った。

 さぁ! 素敵な反応を見せて頂戴ね。
 
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