楽しくて異世界☆ワタシのチート生活は本と共に強くなる☆そんな私はモンスターと一緒に養蜂場をやってます。

夏カボチャ

文字の大きさ
上 下
11 / 310
プロローグ

森で野生モンスターとお話です

しおりを挟む
 私とデンキチ……目立つんだよなぁ。

 小さい私の後ろから付いてくる巨大なデンキチの姿……まさに『美女と野獣』ならぬ、『幼児と魔獣』なんだよねぇ……

 全種の言葉オールコンタクトを毎日使う私はデンキチと普通に会話してるんだけど、それも不気味に見えるらしく最近は私までモンスター扱いされる。

※通常のデンキチの会話。『』使用時は、全種の言葉オールコンタクト発動状態。

「ねぇ、デンキチ? 家族とか居たりするの」

『ヌガ? 家族はカミル。ママさん。パパさん。タウリ。クエン。それまでは独りでいたよ』

 なによ……デンキチって寂しい生活してたんじゃない……

「そっか、なんで私のところに来てくれたの? 私さ、デンキチが初めての召喚だったんだよね」

 デンキチは私に呼ばれた時、負けたくないと言う強い感情を感じたと言う。私の負けん気に興味が湧いたのだそうだ。

 強い意思を持つ主は、使い魔にとって良きパートナーになる。何故なら、強い意思は欲望になるからだ。欲こそ力の源と言う使い魔は少なくないらしい。

 しかし、そう語るデンキチは食欲も凄い……なので今日は森に来ている。

 季節が変わり、森の果実の種類にも変化が現れる。私のマップも知った知識により新たに『果』『実』『魚』『蜜』の表示が増えた。

 説明すると、果=果実。実=木の実。魚=魚。蜜=蜂蜜である。

 デンキチは、食いしん坊なので森の果実を目的に森にきたという訳だ。

 最初に見つけたのは、アケビだ。知らない人も多いが此が実に美味しいの。日本にいた頃、お婆ちゃんの家には沢山なっていてよく食べた。“ララリルル”に地球と同じ果物があるのは正直うれしい。

 味見をするとデンキチもその甘さに感激した様子で次々に食べていく。余りに食べる為、途中でデンキチを止め、カゴいっぱいに採取した。

 次は……ザクロ!

 ふふふ、私の楽しみの1つむしろ久々の甘酸っぱい出逢いを楽しみにしてたんだから。

『これ、ゴリゴリしてるけど美味い!』

 それは……皮のの中を食べるのよ? まぁ美味しそうに食べてるからいいんだけどね。

「美味しいね。デンキチ」

『旨いねぇ。カミル』

 私達はその後も森の果実を味わいながら森を歩き回っていると突如マップがオープンになった。マップには赤い点滅が複数とその先に緑の点滅が複数。此方に走って来ている。

「これってッ! 人が襲われてるの?」

『どしたの、カミル?』

 次第に近づく赤と緑の点滅。

 ガサガサッガサガサッと草木を踏みつけながら走ってくる足音。

「助けてぇぇぇ!」と声が聞こえ、私は走り出そうとしたが、足が動かない……人を襲うモンスターの元に向かうことを私は恐怖していたのだ。

「デンキチ……ごめん、私を担いで声のする方に運んで!」

『いいよ。でも、なんで走らないの?』

「うるさいわね! 武者震いしすぎて足が動かないのよ!」

『ヌガガガ? カミル意外に怖がりなんだね?』

「あんまり言うとおやつ抜きだからね」

『はーい!』

 デンキチと肩に乗り、声の方向に向かうと、悪ガキトリオが蜂のモンスターに追い込まれ逃げ場を失っている状況だった。

『どうするカミル? 全部やっつけるの』

「あれって、ハニービーだわ! 凶暴なモンスターじゃないわ」

 私は全種の言葉オールコンタクトで取り合えずハニービーと話をすることにした。戦闘能力は低いモンスターだけに人を故意に襲うモンスターではないからだ。

「落ち着いてハニービー! 話がしたいの」

 今まではマップの力で上手くモンスターを回避してきた私の初めての野生モンスターとの会話だった。

『私達の巣を攻撃した! 蜜を盗んだ!』

 ハニービーは太陽が沈むと活動を一斉に中止するモンスターで蜜の採取はハニービーが眠る夜中以外は普通は行わない。戦闘能力が低くても数での戦闘を基本とするモンスターだからだ。

 悪ガキトリオは、ハニービーの巣を攻撃して蜜を盗んだのは間違いない……ヤバイなぁ。

「ハニービー! 聞いて、私達は仲直りしたいと思ってるわ。その代わりにあのカゴいっぱいの果実を渡すわ! どうかしら?」

 ヒソヒソ、ヒソヒソと集まり会話するハニービー。上手くいかなかったら不本意だけど戦うしかないかぁ……

『蜜を盗んだの許す。巣を攻撃したのも許す』

 そう言うとハニービーはカゴを抱えあげ巣へと帰っていった。

『デンキチの果物! あぁぁぁ、いっちゃった……』

 少しデンキチに悪いことしたなぁ……後で、もう一回果物取りにいってあげるかな?

「アンタ達ッ!! 止まりなさい!」

 ビクッ!
 その場から逃げようとする悪ガキトリオ、逃がすわけないでしょうが!

 その後、悪ガキトリオを村に連れ帰り村の大人にハニービーの一件を報告する。

 ハニービーの蜜は疲労回復に良いとされ結構いい値段がする。悪ガキトリオのリーダーは風邪気味の父親に蜂蜜を食べさせたかったのだそうだ。

『デンキチも蜂蜜食べたい!』

「ダメよ、それにハニービーと戦うなんてごめんよ」

『戦わなくても……クイーンビーを使い魔にすれば良いのに』

 私を見ながらザクロを丸噛じりするデンキチの言葉に私は……は? と意味が分からずに困惑した。

『カミルは勉強不足。デンキチより下級のモンスターなら使い魔として直接契約すれば出来る……ガリガリ』

 私は……使い魔に勉強不足と言われました。悲しい……じゃなくて!

 新たな情報が手に入りやる気が出た! デンキチの話が本当なら凄い事なんだから、そんな事実は私の借りた本には載ってなかったし。
 明日森のモンスターで実験してみようと思う。
しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

願いの代償

らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。 公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。 唐突に思う。 どうして頑張っているのか。 どうして生きていたいのか。 もう、いいのではないだろうか。 メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。 *ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。 ※ありがたいことにHOTランキング入りいたしました。たくさんの方の目に触れる機会に感謝です。本編は終了しましたが、番外編も投稿予定ですので、気長にお付き合いくださると嬉しいです。たくさんのお気に入り登録、しおり、エール、いいねをありがとうございます。R7.1/31

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

処理中です...