楽しくて異世界☆ワタシのチート生活は本と共に強くなる☆そんな私はモンスターと一緒に養蜂場をやってます。

夏カボチャ

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4章 輝く未来

敵は戦神バルキュリアです4

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 地中を進みながら私は不思議な違和感を感じていたわ。

 幾ら地中深く掘った穴を進んでいても雨水は土に浸透する筈なの、地中を進み始めて二時間ばかりの時間が過ぎた今も地上から雨水が流れ落ちてくる様子がないの。

「可笑しいわね、間違いなく雨は降り続いてる筈なのに、まさか止んでるのかしら?」

 地中に潜る前の様子からは降り止むなんて、絶対に想像できない私は地中の中を写していたマップを地上に向けようと考えたの。

「皆、少し待って、マップを地上に向けるわ、雨が止んでるなら、空からの移動が一番早いから、調べてみるわ」

 マップを地上に向けた瞬間、私は背筋を凍りつくような寒気に襲われたの。

 地上を生む尽くすようにドクロマークが広がり、敵を示す赤い点滅が広範囲に私達の向かうレナクル王国へと向かって動いていたの。

 何なのよ……地上で何が起きてるのよ。

 私の表情を心配するようにメルリとサトウが声をかけてきたの。

「お嬢様、顔色が宜しくないですが、大丈夫ですか?」

「カミルちゃん、メルリの言う通りだよ。少し休んだ方がいいよ」

 心配する二人に私はマップに写った地獄のような光景を説明したの。

 二人は私同様に表情を曇らせたの、しかし、サトウが一言、予想だにしない事を口走ったの。

「敵のマークが此方と同じ方角に動いてるんだよね? でも、空からの移動してた時にそんな表示がなかったって事だよね」

 サトウの推測は敵とされる存在が私達の通った後、生まれてるんじゃないかと言うものだったの。

「どういうこと?  私達の通った後からって……」

「あくまでも仮定だけど、ソルトさん達が見たって言ってた雨だよ。雨に触れた人達が可笑しくなったって話、それがレナクル全土に広がってるんじゃないかな?」

 急いでマップを広げる、通ってきた間に見てきた村などにマップを合わせる。

 そこには見たくない光景が広がっていたわ……緑の点滅が毒マークと共に赤い点滅へと変わっていく。

 サトウの考えは残念だけど当たっていたの。

 私達は休む事を止め、急いで目的地を目指して先を進んだの。

 地下を進み事でかなりの時間を消費したけど、私とリーヴル、メルリの三人で土を柔らかくし、センチピードのオリンとオランが疲れた際にはサトウのゴーレム部隊が穴堀を交代してくれたの。

 それから二日間の過酷な地中生活を過ごすことになり、私とリーヴルが魔法で空気を作り出し、食事はパンと干し肉を食べたわ。

 レナクル王国に辿り着いた私達は地上に出る際にも全身に雨よけの魔法を使い、口元を水を弾く魔法を掛けた布でしっかりと覆う事で準備を整える。

「皆、今から地上に出るわ。雨よけの魔法は約半日しか持たないの、あと、私自身は直ぐに掛けられるけど、皆に使う際には体に合わせないとだから、直ぐに再発動は出来ないわ。時間との勝負になるわよ。いいわね!」

 皆が無言でうなづき、それを確認した私は敵がいない場所を見つけ、出口を作るように指示を出したの。

 二日ぶりの地上にはピンクの雨が毒々しく降り続いていたのだろう、雨水が土に染み込まずに大きな水溜まりになり、溢れた雨水は川に流れ、川の水が薄ピンクに変色しているのがわかったわ。

「これじゃ、井戸水も川の水も口に出来ないわね……」

 周囲を見渡せば、力なく葉を落とした木々と萎れた草花が無惨に地面に横倒れになっていたわ。

 時間がないのは私達だけでなく、レナクル王国その物であり、この現状が世界に広がればやがて全てが崩壊する……そんな危機感を感じずには要られない光景だったわ。
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