楽しくて異世界☆ワタシのチート生活は本と共に強くなる☆そんな私はモンスターと一緒に養蜂場をやってます。

夏カボチャ

文字の大きさ
上 下
262 / 310
4章 輝く未来

敵は戦神バルキュリアです3

しおりを挟む
 少年を庇うようにお爺さんが前に出ると私に対して声をあげたの。

「お、お前さんはいったい何もんだ! 何故、そこから」

 お爺さんの“何故、そこから”と、言う言葉に私は慌てて訳を話す事にしたの。

「わ、私はカミル、海賊でも幽霊でもないわ、海賊艦隊のソルトから地下通路の事を聞いて、通ってきたら此処に辿り着いたのよ」

 お爺さんは私の言葉を信用できないのか、更に質問を続けたの。

「ソルトが、目的はなんだね。ヤツが簡単な理由で地下通路を使わせるなんて考えられん!」

 少し強めの口調でありながらも、私を警戒するように距離を取り、近づこうとはしてこない……やっぱり見た目が埃で真っ白だからかしら?

 両手を軽く胸の前で重ね合わせると全身を包んでいた風の防壁の上に水の防壁を作り出し高速で回転させる。

 水の防壁が次第に黒くなる、汚れを吸った水の防壁を球体のように小さな塊にする。
 そんな一連の動きに驚く少年とお爺さんが、見ている前で汚れた球体を両手で挟み、火炎魔法で左右から一瞬で焼きつくし、小さな黒い塊にする。

「さてと、見た目はこれで大丈夫ね? で、話……なんだけど……」

 慌てて高速で魔法を使ったせいなのか、お爺さんは口を開いたまま固まり、その姿に少年は涙を流しながら声をころしながら、お爺さんの服の裾を強く握っているのが見えたわ。

 すごい罪悪感を感じる……なんとか、この空気を変えないと……

 室内を軽く見渡し壊れそうな物がないのを確認すると光魔法と水魔法に加えて風魔法を発動する。

   水魔法で小さな人形や動物の形を複数作り、光魔法を重ね合わせると風魔法で動きを作り出し、空中を楽しそうに遊ぶ姿を作り出す。

 広くない室内に光輝く幻想的な世界が広がると少年は目から涙を流すのをやめ、口を大きく開くとお爺さんの後ろから一歩前に踏み出してくれた。

「すごいやぁ! 見てよお爺ちゃん、人形が動いてるよ」

 楽しそうに跳び跳ね始める少年の姿に私は、ひとまず安堵したわ。

 場の雰囲気が和んだ瞬間を見計らい私はメルリ達を元のサイズに戻してもらうと、改めてお爺さんに地下通路を抜けてきた訳を話す事にしたの。

 私達が辿り着いたのはレナクル王国の最果てに位置する村である事がわかり、お爺さんにバルキュリアの存在と王国の危機である事を告げたの。

「そんな事が起きているとは、信じられぬが、ソルトが地下通路を教えたならば、事実なのだろうなぁ」

 そこからはあっという間にレナクル王国へと続く道と関所の位置、更に抜け道などを説明してくれたの──正直、強行突破する予定だったから、かなり助かったわ。

 最果ての村を後にした私達はお爺さんに教えて貰った関所の位置を避けるようにして、メルリにガルーダをんで貰いに乗り空中から一気にレナクル王国の城を目指したの。

 時間がないわ、あと数日もしたらシュビナ達が光の壁に辿り着く、そうなったら攻撃出来ないバトラング側は単なる的にされちゃうわ。

 焦る気持ちを落ち着かせるように深く深呼吸する。

 空を進む私達の目に次第に見えてきたのは真っ黒な雲だったの、黒い雲は次第に渦を作るようにして広がっているように見え、その下には稲光、雨粒の匂いが鼻につくと次第に凄まじい雨が降っているのが感じ取れたわ。

「お嬢様、雨と雷の中を進むのは危険です、距離があるうちに地上に降ります」

 メルリの言葉にうなづき、私は降りる位置を指定する。
 指定された場所に降りると直ぐに私はセンチピードのオリンとオランを召喚し、地中から雨と雷を避けるようにして先を急いだの。

 止まってる時間と、敵に見つかるリスクを考えた結果の地中作戦はかなり有効だったわね。

 さて、一気にいくわよ。
しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた

佐藤醤油
ファンタジー
 貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。  僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。  魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。  言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。  この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。  小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。 ------------------------------------------------------------------  お知らせ   「転生者はめぐりあう」 始めました。 ------------------------------------------------------------------ 注意  作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。  感想は受け付けていません。  誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。

(完結)もふもふと幼女の異世界まったり旅

あかる
ファンタジー
死ぬ予定ではなかったのに、死神さんにうっかり魂を狩られてしまった!しかも証拠隠滅の為に捨てられて…捨てる神あれば拾う神あり? 異世界に飛ばされた魂を拾ってもらい、便利なスキルも貰えました! 完結しました。ところで、何位だったのでしょう?途中覗いた時は150~160位くらいでした。応援、ありがとうございました。そのうち新しい物も出す予定です。その時はよろしくお願いします。

願いの代償

らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。 公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。 唐突に思う。 どうして頑張っているのか。 どうして生きていたいのか。 もう、いいのではないだろうか。 メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。 *ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。 ※ありがたいことにHOTランキング入りいたしました。たくさんの方の目に触れる機会に感謝です。本編は終了しましたが、番外編も投稿予定ですので、気長にお付き合いくださると嬉しいです。たくさんのお気に入り登録、しおり、エール、いいねをありがとうございます。R7.1/31

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

処理中です...