楽しくて異世界☆ワタシのチート生活は本と共に強くなる☆そんな私はモンスターと一緒に養蜂場をやってます。

夏カボチャ

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4章 輝く未来

目指す先─レナクル王国9

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 ソルトの掛け声は力強く、誰もが勝利を確信し船を大きく揺さぶるようにして船体を【ワルキューレ艦隊】に向けていったの。

 掛け声の後は海賊らしい静かな進行と波の動きを操る事で大きな動きを作らぬようにした一連の動きは本当に神業と言えるわね。

 ただ、問題があるとすれば、【ワルキューレ艦隊】はソルトの戦術を知っていると言う事ね……もう一言付け足すなら、【ワルキューレ艦隊】の戦術をソルト側は知らないと言うのが一番の問題だわ。

 デンキチの背中に乗り、ソルトの船に追い付くと私はデッキに飛び乗り、そのまま、【ワルキューレ艦隊】への攻撃に同行する事にしたの。

 その間にメルリ、サトウ、リーヴルの三人には暖かい料理をもう一度作るようにお願いして来たわ。

 一汗流したあとに、暖かいご飯があるって凄く嬉しいことだもの、皆で無事に料理を食べられるように頑張らないとね。

 海賊艦隊が接近したにも関わらず未だに気づかない様子の【ワルキューレ艦隊】、ソルトの出した指示は一時待機だったわ。

 しかし、痺れを切らした部下達はいつまでも、待機したままでいられる訳がなかったのよね。

「キャプテン・ソルト、我らは先に出る! これ以上の待機は士気に関わるしな。海賊が待機など、やはり面白くないからな!」

 力強く、そう語る海賊艦隊の一人の船長。
 しかし、それは当然ながら無謀の極みと言えるわね。

 相手の強さを推測しても考えても格上である事実と経験の差を足し引きしてもいい決断とはとても言えないわ。

 海賊達の多くは戦場を生き残ってきた強者と言えるわ、その自信が身を危険に晒そうとしていると言うべきかしら、他の船長達もソルトの待機命令を次第に我慢が出来なくなっていく様子が見てとれるわ。

 ソルトと船長達の間に不穏な空気が流れ出した瞬間、空気を吹き飛ばすように一筋の発光弾を思わせる光魔法が暗闇に打ち上げられ、海面を眩い光が一斉に照らし出す。

「……マズイッ! 全艦退避ィィィィッ! とまるなぁぁぁぁッ!」

 ソルトの叫び声に一瞬のざわめきと冷静な沈黙が入り交じった瞬間、激しく荒々しい砲音が水面を震わせる。

 ……っ……ズッガンッ!……と言う凄まじい爆音と共にコーティングされていない数隻の船が中央で真っ赤な炎に包まれる。

 見張りが慌てて被害報告を声にあげる。

「砲弾、被弾ッ! 敵の射撃が正確で──うわぁぁぁぁッ!」

 砲弾が見張りに襲い掛かろうとした一瞬、ギルグが砲弾に凄まじい重力を掛け、落下させデッキに触れる直前に重さをゼロにする。

 そんな砲弾を軽々と受け止めるソルト。

「マジに不味いな。カミル! 一旦引くぞ! って……アイツ何処に? ま、まさか!」

 私はソルトが砲弾を受け止めた事を確認し、すぐにデンキチと共に【ワルキューレ艦隊】を目指し動き出していたの。

「アイツらね、少し派手に遣り過ぎなんだから、挨拶がてらにお仕置きしないとね」

『悪い顔になってる……今のカミルの相手するなんて可愛そうな奴らだなぁ……』

 デンキチの言う通り、私は凄く怒っていたわ、命を軽く見る奴らなんかに優しさは必要ないもの、完全に廃船にしてやるんだから!
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