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4章 輝く未来
太陽の恵みと風の知らせです10
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トンネルを掘り進めること、一時間。
地下に作られた巨大な空洞に辿り着く、空洞ないは光り苔に照らされ地下なのに生暖かいようにすら感じるわ。
『薄気味悪いわね。地上からかなりの距離にあるのに風が吹いてるなんて……』
不思議な温度のせいなのかしら、悪寒のようなものを感じるわ。
『カミル? 何がへんなの?』
首をかしげるようにして質問をしてきたデンキチ。
『普通はこんだけ地下に潜ると風は無いものなの、でも、此処にはしっかりと風がふいてるのよ』
私の言葉にデンキチが更に首をかしげる、それと同時にスカーが口を開いたの。
『だとしたら、一定の方向にしか吹かない風もあり得ない事の一つと言うわけか主』
一定の方向に向かって吹く風──その方向の先にはボスマークがあり、マップにはまるで迷路のような地下洞窟が表示されたわ。
『まるでミノタウロスの檻ね……迷宮ってわけね』
マップがなかったら多分辿り着けないような、嫌な造りになってるわね──迷宮の中はモンスターハウスみたいになってるわ。
迷宮の入り口の手前で考える私はある決断をしたわ。
『相手に気を使う必要は無いわね! オリン、オランッ! 方向は私の指差す先よ! 迷宮の壁ごとぶち抜いて進むわよ!』
『がってんッ!』
『任せて』
オランとオランが声を上げると、迷宮の入り口を無視して壁を破壊し一直線にボスマークへと進む。
その間、迷宮内の魔物達が襲い掛かってきたわ。
予想通りのミノタウロスに加えて、ゴブリンのような小柄の魔物や毒々しいスライムのような魔物がいたわね。
ミノタウロスとデンキチでは、デンキチの圧勝だったわ、メガは少し苦戦したみたいだけど、あとの振り掛かる火の粉は全て灰にしてやったわ。
流石に魔物達も私達の存在を危険視したのか道をあけるように退散していったわ。
目的地──迷宮中央──
意外にアッサリついたわね。
中央部分に作られた巨大な祭壇の先に禍々しい壺が一つ置かれているのがみえる。
壺からは黒い靄が途切れる事なく流れ出し、次第に靄が形を変え魔物へとなっていく。
『まるで、モンスター製造機ね……あの壺を叩き壊せば取り敢えず、魔物の大発生は終わる筈ね。皆、行くわよ!』
『『『オオオオオオゥゥゥ!』』』
駆け出す私達の耳に風が突如語り掛けてきたの。
”壊してはダメ……魔力を封印しなければ解き放たれた魔物は消えない“
空耳とは思えないほど、しっかりとした声に私達は動揺したわ。
”バルキュリアの本体はレナクルにいる……壺はおとり……封印して“
壊す予定だったけど、予定変更ね。
風はそのまま、私に壺の魔力を押し戻す方法を語り、不本意ながらも魔力を壺に押し戻すと魔力で包み込み一気に魔封じを掛ける。
魔封じと言っても、強力な防魔法で何重にも包み込み、時間稼ぎをしただけだけどね。
風は其れでいいと語り、最後に──”バルキュリアはレナクルで復活する……止めて……あの人を完全に復活させないで“と語ったの。
時間稼ぎとはいえ、魔物の発生はいったん止める事が出来たわ。
『あとは手間だけど、レナクル王国に向かうわよ。先ずは地上に上がる前に迷宮の魔物を全て靄に戻すわよ』
私達は数時間掛けて、迷宮の中をまわり、魔物を駆逐し、地上に戻ることになったわ。
風の声の主については大体の予想がついてるわ。
その事も踏まえて、シュビナ達に相談ね。まだまだ、忙しくなりそうだわ。
地下に作られた巨大な空洞に辿り着く、空洞ないは光り苔に照らされ地下なのに生暖かいようにすら感じるわ。
『薄気味悪いわね。地上からかなりの距離にあるのに風が吹いてるなんて……』
不思議な温度のせいなのかしら、悪寒のようなものを感じるわ。
『カミル? 何がへんなの?』
首をかしげるようにして質問をしてきたデンキチ。
『普通はこんだけ地下に潜ると風は無いものなの、でも、此処にはしっかりと風がふいてるのよ』
私の言葉にデンキチが更に首をかしげる、それと同時にスカーが口を開いたの。
『だとしたら、一定の方向にしか吹かない風もあり得ない事の一つと言うわけか主』
一定の方向に向かって吹く風──その方向の先にはボスマークがあり、マップにはまるで迷路のような地下洞窟が表示されたわ。
『まるでミノタウロスの檻ね……迷宮ってわけね』
マップがなかったら多分辿り着けないような、嫌な造りになってるわね──迷宮の中はモンスターハウスみたいになってるわ。
迷宮の入り口の手前で考える私はある決断をしたわ。
『相手に気を使う必要は無いわね! オリン、オランッ! 方向は私の指差す先よ! 迷宮の壁ごとぶち抜いて進むわよ!』
『がってんッ!』
『任せて』
オランとオランが声を上げると、迷宮の入り口を無視して壁を破壊し一直線にボスマークへと進む。
その間、迷宮内の魔物達が襲い掛かってきたわ。
予想通りのミノタウロスに加えて、ゴブリンのような小柄の魔物や毒々しいスライムのような魔物がいたわね。
ミノタウロスとデンキチでは、デンキチの圧勝だったわ、メガは少し苦戦したみたいだけど、あとの振り掛かる火の粉は全て灰にしてやったわ。
流石に魔物達も私達の存在を危険視したのか道をあけるように退散していったわ。
目的地──迷宮中央──
意外にアッサリついたわね。
中央部分に作られた巨大な祭壇の先に禍々しい壺が一つ置かれているのがみえる。
壺からは黒い靄が途切れる事なく流れ出し、次第に靄が形を変え魔物へとなっていく。
『まるで、モンスター製造機ね……あの壺を叩き壊せば取り敢えず、魔物の大発生は終わる筈ね。皆、行くわよ!』
『『『オオオオオオゥゥゥ!』』』
駆け出す私達の耳に風が突如語り掛けてきたの。
”壊してはダメ……魔力を封印しなければ解き放たれた魔物は消えない“
空耳とは思えないほど、しっかりとした声に私達は動揺したわ。
”バルキュリアの本体はレナクルにいる……壺はおとり……封印して“
壊す予定だったけど、予定変更ね。
風はそのまま、私に壺の魔力を押し戻す方法を語り、不本意ながらも魔力を壺に押し戻すと魔力で包み込み一気に魔封じを掛ける。
魔封じと言っても、強力な防魔法で何重にも包み込み、時間稼ぎをしただけだけどね。
風は其れでいいと語り、最後に──”バルキュリアはレナクルで復活する……止めて……あの人を完全に復活させないで“と語ったの。
時間稼ぎとはいえ、魔物の発生はいったん止める事が出来たわ。
『あとは手間だけど、レナクル王国に向かうわよ。先ずは地上に上がる前に迷宮の魔物を全て靄に戻すわよ』
私達は数時間掛けて、迷宮の中をまわり、魔物を駆逐し、地上に戻ることになったわ。
風の声の主については大体の予想がついてるわ。
その事も踏まえて、シュビナ達に相談ね。まだまだ、忙しくなりそうだわ。
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