242 / 310
4章 輝く未来
太陽の恵みと風の知らせです3
しおりを挟む
メルリとリーヴルの揉め事に決着がなし崩しにつくと、私達はフォレストタウンへ、ペンネ達はマドラッドへと帰還していったわ。
フォレストタウンに向かう道中、私から離れようとしないリーヴル、そんな姿を真っ白になったメルリが見つめていたわ。
「私のお嬢様が……お嬢様が……子持ちになってしまうなんて、しかも……父親なしの連れ子……いぇ! 隠し子がいたなんて」
私とリーヴルの姿を再度見つめ涙を浮かべるメルリ。
「って! 隠し子ってなによ! 詳しく話すからよく聞きなさい」
マドラッドでのリーヴルとの出会いから、バトラング王国へと戻るまでの流れを確りと話す事にしたわ。
「と、言う訳で、リーヴルは魔本に魔力を注いで生まれた子なのよ。だから、変な勘違いはしないで、まったく」
簡単な説明を終わらせると、メルリは満面の笑みを浮かべていたわ。
「つまり、あれですね。リーヴルさんとお嬢様は親子ではないと言うことですね!」
当たり前じゃないのよ。
メルリの言葉に私が頷こうとした瞬間、リーヴルが声をあげたの。
「その答えは違うかな! 私はカミルの一部をもらったの、私はカミルの所有物で娘で、カミルの一部なんだよ! 嘘は言ってないから……わかって欲しいかな」
まるで、欲しいオモチャの説明を子供が必死にするように、リーヴルは自分が私と、どんな関係なのかをメルリにアピールしだしたの。
再度、固まるメルリは身を震わせていたわ。
怒りを堪えているのかと、心配になっていた私、しかし、思わぬ展開に発展したの。
「つまり、リーヴルお嬢様はカミルお嬢様の一部なのですね! 理解が追い付きませんでしたが、今理解いたしました!」
リーヴルも私も、メルリの急変に顔を見合わせたわ。
幸せのオーラを全身にまとった様なメルリはいきなり、フォレストタウンにいるクレレを召喚したの。
「でしぃぃぃ……なんでしか、メルリ。いきなりどうしたんでし、フォレストタウンから飛び出したと思ったら呼び出して、呼ぶなら初めから連れてきて欲しかったでしよ」
繋ぎ服を纏い、畑仕事をしていたのであろう、タオルを頭に巻いたクレレが目の前に召喚されてきたの。
「クレレ、大切な話があり呼んだのです! これはまさに大事件です!」
「だ、大事件でしか!」
圧倒的な言葉の力に目を輝かせるクレレ。
メルリはあろうことか、リーヴルを指差すと「お嬢様が二人になりました!」と喜びに浮かれたような表情でリーヴルを紹介したの。
最初は混乱した様子のクレレだったけど、状況を説明するとすぐに理解してくれたわ。
「つまり、あれでしね? メルリの暴走はいつもの事でしが、本当にカミルの力の一部からできてるのでしね?」
小さくなったリリーヴルとクレレが向き合うとお互いに頭の先端から爪先までをしっかりと見つめていたの。
……何が始まるのよ?
「「カミル!」」と二人が同時に声を出す、そして……
「クレレの方が身長がたかいのでし」
「それは君の勘違いかな、私の方が大きいよ」
小さな二人が身長を競い始めたの、ドングリの背比べといった感じかしら?
結論から言えば、二人の身長は同じくらいよ。
でも、子供は凄いわよね? どんなに喧嘩してたりしても、最後には仲直り出来るんだから、本当に羨ましいわ。
因みに身長はリーヴルの方が少しだけ小さいのよ。二人とも気づいていないけどね。
賑やかな帰り道は退屈することなく過ぎていったわ。
とにかくフォレストタウンに帰ったら皆に説明しないと、また隠し子なんて言われたらたまらないもの。
フォレストタウンに向かう道中、私から離れようとしないリーヴル、そんな姿を真っ白になったメルリが見つめていたわ。
「私のお嬢様が……お嬢様が……子持ちになってしまうなんて、しかも……父親なしの連れ子……いぇ! 隠し子がいたなんて」
私とリーヴルの姿を再度見つめ涙を浮かべるメルリ。
「って! 隠し子ってなによ! 詳しく話すからよく聞きなさい」
マドラッドでのリーヴルとの出会いから、バトラング王国へと戻るまでの流れを確りと話す事にしたわ。
「と、言う訳で、リーヴルは魔本に魔力を注いで生まれた子なのよ。だから、変な勘違いはしないで、まったく」
簡単な説明を終わらせると、メルリは満面の笑みを浮かべていたわ。
「つまり、あれですね。リーヴルさんとお嬢様は親子ではないと言うことですね!」
当たり前じゃないのよ。
メルリの言葉に私が頷こうとした瞬間、リーヴルが声をあげたの。
「その答えは違うかな! 私はカミルの一部をもらったの、私はカミルの所有物で娘で、カミルの一部なんだよ! 嘘は言ってないから……わかって欲しいかな」
まるで、欲しいオモチャの説明を子供が必死にするように、リーヴルは自分が私と、どんな関係なのかをメルリにアピールしだしたの。
再度、固まるメルリは身を震わせていたわ。
怒りを堪えているのかと、心配になっていた私、しかし、思わぬ展開に発展したの。
「つまり、リーヴルお嬢様はカミルお嬢様の一部なのですね! 理解が追い付きませんでしたが、今理解いたしました!」
リーヴルも私も、メルリの急変に顔を見合わせたわ。
幸せのオーラを全身にまとった様なメルリはいきなり、フォレストタウンにいるクレレを召喚したの。
「でしぃぃぃ……なんでしか、メルリ。いきなりどうしたんでし、フォレストタウンから飛び出したと思ったら呼び出して、呼ぶなら初めから連れてきて欲しかったでしよ」
繋ぎ服を纏い、畑仕事をしていたのであろう、タオルを頭に巻いたクレレが目の前に召喚されてきたの。
「クレレ、大切な話があり呼んだのです! これはまさに大事件です!」
「だ、大事件でしか!」
圧倒的な言葉の力に目を輝かせるクレレ。
メルリはあろうことか、リーヴルを指差すと「お嬢様が二人になりました!」と喜びに浮かれたような表情でリーヴルを紹介したの。
最初は混乱した様子のクレレだったけど、状況を説明するとすぐに理解してくれたわ。
「つまり、あれでしね? メルリの暴走はいつもの事でしが、本当にカミルの力の一部からできてるのでしね?」
小さくなったリリーヴルとクレレが向き合うとお互いに頭の先端から爪先までをしっかりと見つめていたの。
……何が始まるのよ?
「「カミル!」」と二人が同時に声を出す、そして……
「クレレの方が身長がたかいのでし」
「それは君の勘違いかな、私の方が大きいよ」
小さな二人が身長を競い始めたの、ドングリの背比べといった感じかしら?
結論から言えば、二人の身長は同じくらいよ。
でも、子供は凄いわよね? どんなに喧嘩してたりしても、最後には仲直り出来るんだから、本当に羨ましいわ。
因みに身長はリーヴルの方が少しだけ小さいのよ。二人とも気づいていないけどね。
賑やかな帰り道は退屈することなく過ぎていったわ。
とにかくフォレストタウンに帰ったら皆に説明しないと、また隠し子なんて言われたらたまらないもの。
0
お気に入りに追加
548
あなたにおすすめの小説


元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません
きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」
「正直なところ、不安を感じている」
久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー
激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。
アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。
第2幕、連載開始しました!
お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。
以下、1章のあらすじです。
アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。
表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。
常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。
それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。
サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。
しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。
盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。
アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる