楽しくて異世界☆ワタシのチート生活は本と共に強くなる☆そんな私はモンスターと一緒に養蜂場をやってます。

夏カボチャ

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4章 輝く未来

光の矛先……永遠をなくす者です6

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 夕食になり、豪華な料理が並ぶテーブル、図書室で出会った管理者のリーヴルについて質問をすることにしたの。

 リーヴル本人は自身の事を余り語らなかった事と質問しても返答が曖昧だった為、少しずるいがペンネに訪ねる事にしたの。

「なんじゃ、奴め……カミルに姿を見せたのか? それなのにすまなかったのぉ、奴は偏屈と言うか、かなりの変わり者なのじゃ」

 ペンネはそう言いながら、微かに頭を悩ませていたわ。

「まぁ、確かに少し変わってたけど、悪い人には見えなかったわよ?」

「ふむ……それがのぉ、奴が姿を現した際には決まって怪我人が出ていたからなぁ? しばらく目撃されていなかったからと安心しておったが、いや、すまぬ」

 ペンネの表情から本当にリーヴルの存在は危険なんだと気づかされたわ。

 私は何故、無事だったのかが気になり、更に話を詳しく聞くことにしたの。

「むむ、カミルに話して良いのか……正直、あまり気が進まぬのじゃがなぁ……」

 数秒の沈黙が過ぎ去り、ペンネの口から真実が語られたの。

「リーヴルの奴は、小さな子供を大切にするようでな……カミルが、多分じゃが……小さな少女に見えた事が理由じゃないかのぉ?」

 全身に電流が走るほどの衝撃だったわ。
 予想外の内容に改めて考えてみると笑みすら浮かぶわね。

「つまり、私が……はは、納得だわ。まぁ、お陰でいろんな回復魔法を知る事が出来たから良しとするわ」

 そして話題はリーヴルの正体について語られたの。

 リーヴルは【管理者】と自身の事を説明していたけど、実際は【監視者】らしいの。

 マドラッドの城には数多の書物があり、城内ならば好きに読むことが許されてるの。

 しかし、持ち出しに関しては厳しく罰則を設けているのよね。

 理由としては国外への持ち出しの禁止にあるわ、実際に魔法のメカニズムや、マドラッド島の独自に進化した生活スタイルは他国からすれば、喉から手が出る程に欲しいものばかりの筈だもの。

 そんな厳しいルールも、やはり、すり抜ける者達の存在が目立ち出すと先代の魔王は悩んだ末に、一冊の魔本まほんを使うことにしたそうよ。

 魔本にルールを記し、魔王の力の一部を与えたそうなの、魔本は姿を美しく優しそうな女性の姿に変えるとマドラッド城の全ての書物の管理者と監視者となったそうなの。

「此れがリーヴルの生まれた理由じゃ、カミルに自身の話をしなかったのは、自身の存在が魔本であると知られたくなかったのじゃろうな」

 私は話を聞き、リーヴルの事が更に気になってしまっていた。

「ねぇ、リーヴルは管理者と監視者をいつまで続けなくちゃならないのかなぁ? 今のマドラッドは貿易や他国間交流も進んでるわ……今のリーヴルの立場は本当に必要なのかな?」

 その言葉に悩んだ表情を浮かべるペンネ。

「そうなんじゃが、リーヴル本人だけの問題でもないのじゃ、解放して遣りたい気持ちはあるが、リーヴルを一度、魔本に戻し、さらに魔本に新たな内容を書き足す必要があるのじゃ」

 簡単な話に聞こえたけど、先代魔王の魔力を解除し、更に魔本の状態を維持しながら、魔本に魔力を込めた文字を記すのは凄まじい魔力が必要となるそうなの。

 しかも……先代魔王が一人で作り出した際、ルールに“ルールを記す際は一人で行わなければ無効化される”と記しているわ、複数で魔本に魔力を注ごうとすれば、魔力無効化の防御魔法が発動する仕組みね。つまり、一人で全て行う必要があるの。

 ただ、私は窓から外を見ていたリーヴルの寂しそうな眼が忘れられないの。

「ペンネ……ビッグアザーにもう一日、休息を取ってもらって。明日には魔力がほぼ、回復するわ。メルリやシュビナ達には悪いけど、明日の朝、リーヴルを解放わ」

 私の言葉にペンネは軽く頷き「そう言うと思っておった。明日は妾とアララが見届けるから安心せよ」と口にしたの。

 私の御人好しにも、困ったもんだわ……悪い子になるとか、言ってた頃が懐かしいわね。
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