楽しくて異世界☆ワタシのチート生活は本と共に強くなる☆そんな私はモンスターと一緒に養蜂場をやってます。

夏カボチャ

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4章 輝く未来

アフロディアスの花言葉です5

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 ペンネの眼が鮮やか翠玉色エメラルドグリーンに変化する。

 それと同時に雲の狭間から月灯りが地上を照らし、両者が向き合う。

 大きな羽を広げた魔王であるペンネを前にシュビナは不敵な笑みを浮かべていたの。

「マドラッドの魔王ヘルム=ペンネルか……噂にたがわぬ恐ろしき力の持ち主だな、だが、バイキングに喧嘩を売るなら、今日じゃない方がよかったな、今宵の俺は手強いぞ?」

「ほざくでないッ! 人間程のサイズのバイキングが生意気なッ!」

 ペンネは怒りの声をあげるとシュビナに向けて急降下していく、丸腰のシュビナは近くに生えていた木を軽々と引っこ抜くと急降下してくるペンネに向けて真っ直ぐに投げつけたの。

 空と地上の中間でペンネが木を粉砕した瞬間、同時に地上を蹴り上げ空中に移動したシュビナが拳が襲い掛かる。

 ペンネが拳を受け止めた瞬間、空気が振動する。マドラッドの魔王とバトラングの暴君の本気の攻防、止めないとマズイじゃない、最近こんな事ばかりだわ。

「やめなさ……」

 声を出そうとした瞬間、背後から「いい加減にしなさい!」と大声が響いたの。

 振り向くとメルリが拳を握り、全身を震わせていたの。

「お嬢様の前でアナタ達、二人は何をしているのですか! お嬢様が争いを楽しんでいると言うなら未だしも、大切な者同士が争う姿を望むはずが無いでしょう、況してお嬢様を取り合う? 本当に恥を知りなさい!」

 まさかの救世主だわ、殺気だっていたペンネとシュビナが一瞬で固まり、更に困った表情まで浮かべているわ……

 地上に降りた二人はまるで借りてきた猫のように大人しくなってたわね。

「別に妾はカミルを困らせる気など……」

「俺もだ、ただ、この魔王が」

 互いに意識した口調で口論になろうとした瞬間、メルリが指を“ポキポキ”と鳴らす、魔王と暴君を前に譲らないメルリは本当に頼もしいわね……

「いいから、今は仲直りしてください。本当ならお嬢様なんですからね!」

「「あああ!」」

 メルリの発言から、まさかの三人での口論が始まったの本当に不思議よね。

 因みにペンネはアララからの念話があり、マドラッドから加速魔法を重ね掛けして、更に風魔法で空に筒状の道を作り一気にバトラング王国まで来たらしいの。

 アララの発言から此処までややこしくなるなんてビックリだわ。

 そんな私達の元に空気を読まないアララがやって来たの、理由は……

「皆さん、ご飯が出来ましたよ。今日は煮込み料理なんですよ、昼からずっと煮付けられたお肉が最高に柔らかいんです、早く食べにいきましょう」

 アララってば、摘まみ食いしてるわね……

「だ、そうよ! 私もお腹空いたわ。皆でご飯にしましょう」

 洋館に戻り、外に作られた夕食の席に腰掛ける。
 夕食が始まる寸前まで本当に賑やかだったわ。

 そんな光景が凄く嬉しかったの、家族と食事をするってやっぱり楽しいもの。

「これからも私には皆が必要よ、私は皆が大好きなの此れからもヨロシクね」

 夕食が終わる頃にはシュビナ達は仲直りしていたわ。
 今日の夕食で感じたけど、1度実家に顔を出してあげないと、パパとママ、ついでにタウリにも会いたいし。

 ナッツも魔法使いらしくなってるだろうし。せめて、1週間は帰りたいわね?

 とにかく今はお風呂にも入りたいし、やりたいことだらけだわね。
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