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3章 素敵なハニーフォレスト
思いの先にです3
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「ミズチさん!」
慌てる私に対して“大丈夫”と手を前に出し、その手はシュビナを指差したの……
「……わかったわ、シュビナは任せて」
シュビナに駆け寄った瞬間にミズチさんが光に包まれ全身が輝き出したの、何が起きているのか理解できない私は本当に混乱していたわ。
「シュビナ、何がどうなってるのよ……意味がわからないわよ」
私の問い掛けに答える様子はない、シュビナは意識を失いそのまま眠っている……ミズチさんも輝いたまま、その場で倒れ込んだまま、動く様子はないわ。
『カミル! 周り見て、なにか変』
肩からデンキチが声を上げると辺りを見渡す、気づかない間に私の周りには幽閉されていたバイキング達に囲まれていたの。
「ははは、やっと解放されたぜ!」
「だな、よくわからねぇが、此処は何処だ?」
囚人達が各々の情報を聞き出し状況を整理し始めているのが分かったわ。
そして、一人の囚人が皆を束ねるように声を張り上げたの。
「お前達よく聞け! 此処はバトラング王国城の地下だ。そして、私も含めてこの場にいる全員が犯罪者として、送られた永遠の檻と言える……だが、逆に言うなれば、今が最大の好機と言える!」
声を張り上げたのはクローム=セリだったわ、そして、魔法制御に使われていた石を次々に破壊すると皆を洗脳するように魔法を発動したの……
「アハハハ! 私達を幽閉した愚かなバトラング王国と国王カルム=シュビナに復讐を! 先ずはあの光だ、光が私達に正気を取り戻させたのだ、あの光を目指すぞ!」
「「「オオオオオオゥゥゥッ!」」」
明らかにマズイわ……地下に幽閉されてる全ての罪人が地上に出るなんて……
「そうだ、手始めに地下牢獄の管理者である長老衆の一人には人質になって貰うとしようじゃないか……」
光を目印に丘を上ってくる、今のミズチさんは動けないし、ましてや国王であるシュビナの存在を知られるのはマズイわ。
シュビナの連れてきた護衛の兵士は2人、しかも武器は各自の腰に剣があるだけ、1度シュビナとミズチさんを地上に送ろうかと考えたけど、この2人だけだと足止めも厳しそうだわ。
危ないけど限られた手段は1つね。
「アンタ達2人はシュビナとミズチさんの死守よ。何があっても2人から離れないで、いいわね!」
「は、はい。しかし、あの数を相手に?」
私を心配する兵士、でもね……
「アンタ達に2人を託した以上、此れは外交問題よ……大使に嘘をつけば死罪なんだから、しっかりと守りなさい!」
軽い脅しを言いながら、優しく微笑むとその場で立ち上がり、私は丘の下に視線を向ける。
「行ってくるわ。2人の内片方が目覚めて、まだ私が戦ってたら、その時は絶対に地上に戻りなさい。此れはベジルフレア大使、ミルシュ=カミルからの最優先事項よ。頼んだわ」
クローム=セリ率いる囚人軍団を前に声を上げる。
「アンタ達ッ! 簡単に脱獄出来ると思わないでね、私、犯罪者には優しくしない主義だから、そのつもりで掛かってきなさい!」
慌てる私に対して“大丈夫”と手を前に出し、その手はシュビナを指差したの……
「……わかったわ、シュビナは任せて」
シュビナに駆け寄った瞬間にミズチさんが光に包まれ全身が輝き出したの、何が起きているのか理解できない私は本当に混乱していたわ。
「シュビナ、何がどうなってるのよ……意味がわからないわよ」
私の問い掛けに答える様子はない、シュビナは意識を失いそのまま眠っている……ミズチさんも輝いたまま、その場で倒れ込んだまま、動く様子はないわ。
『カミル! 周り見て、なにか変』
肩からデンキチが声を上げると辺りを見渡す、気づかない間に私の周りには幽閉されていたバイキング達に囲まれていたの。
「ははは、やっと解放されたぜ!」
「だな、よくわからねぇが、此処は何処だ?」
囚人達が各々の情報を聞き出し状況を整理し始めているのが分かったわ。
そして、一人の囚人が皆を束ねるように声を張り上げたの。
「お前達よく聞け! 此処はバトラング王国城の地下だ。そして、私も含めてこの場にいる全員が犯罪者として、送られた永遠の檻と言える……だが、逆に言うなれば、今が最大の好機と言える!」
声を張り上げたのはクローム=セリだったわ、そして、魔法制御に使われていた石を次々に破壊すると皆を洗脳するように魔法を発動したの……
「アハハハ! 私達を幽閉した愚かなバトラング王国と国王カルム=シュビナに復讐を! 先ずはあの光だ、光が私達に正気を取り戻させたのだ、あの光を目指すぞ!」
「「「オオオオオオゥゥゥッ!」」」
明らかにマズイわ……地下に幽閉されてる全ての罪人が地上に出るなんて……
「そうだ、手始めに地下牢獄の管理者である長老衆の一人には人質になって貰うとしようじゃないか……」
光を目印に丘を上ってくる、今のミズチさんは動けないし、ましてや国王であるシュビナの存在を知られるのはマズイわ。
シュビナの連れてきた護衛の兵士は2人、しかも武器は各自の腰に剣があるだけ、1度シュビナとミズチさんを地上に送ろうかと考えたけど、この2人だけだと足止めも厳しそうだわ。
危ないけど限られた手段は1つね。
「アンタ達2人はシュビナとミズチさんの死守よ。何があっても2人から離れないで、いいわね!」
「は、はい。しかし、あの数を相手に?」
私を心配する兵士、でもね……
「アンタ達に2人を託した以上、此れは外交問題よ……大使に嘘をつけば死罪なんだから、しっかりと守りなさい!」
軽い脅しを言いながら、優しく微笑むとその場で立ち上がり、私は丘の下に視線を向ける。
「行ってくるわ。2人の内片方が目覚めて、まだ私が戦ってたら、その時は絶対に地上に戻りなさい。此れはベジルフレア大使、ミルシュ=カミルからの最優先事項よ。頼んだわ」
クローム=セリ率いる囚人軍団を前に声を上げる。
「アンタ達ッ! 簡単に脱獄出来ると思わないでね、私、犯罪者には優しくしない主義だから、そのつもりで掛かってきなさい!」
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