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3章 素敵なハニーフォレスト
思いの先にです2
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ミズチさんの手を掴みそう口にする、驚いた表情を浮かべた後、私に微笑みを浮かべると「だそうだよ、どうする?」と私の後ろ側に問い掛けたの。
慌てて振り向くと、息を切らしたシュビナが兵士に支えられて私達の方に歩いて来ていたの。
「ハァ、ハァ……ミズチ婆、カミルに余計な事を吹き込むなよ、カミルは本当に実行するタイプなんだからな……」
明らかに顔色が悪くなっているわ、早く“バルキュリアの針”を射さないと……
心配し近づこうとした私に対してシュビナは「頼む……俺はまだ大丈夫なんだ、最後のチャンスなんだ……カミル、待ってくれ」そう呟いたの。
その言葉にミズチさんが即座に反応したわ。
「シュビナ、本当に仕方無い御人好しじゃな……」
その後、わかったのは呪いに掛かっているのは、シュビナじゃなかったの……呪いに掛かっていたのはミズチさんの方だったの……
ミズチさんは何代も前の王と生き、別れながら次の王を守護する存在であり、王を生かす為だけに寿命が尽きる事のない不死の呪いと言える魔法を掛けられていたの。
不死の魔法を掛けたのは神、バルキュリアであり、既に存在しない神だとミズチさんは語ったわ。
地球でも確か、そんな神様がいた気がする……神様の名前が似てるって少し不思議でなんとも言えないわ。
ミズチさんには、不死でいる間に幾つかの条件をクリアする必要があり、それが途絶えた際に不死のままに老いだけが時間を刻み始める……老いが限界に達すれば塵となり骨すら残らないであろうとミズチさんは笑いながら語ったわ。
「ミルシュさん、シュビナは本当は優しくて強がりで意地っ張りなのさ、だが、本当に真っ直ぐなんだよ」
「それ以上は言うな……俺は」
「ありがとうよ、シュビナの優しさは、いつも感じてるんだ。これ以上の苦しみに身を焦がす事はさせないよ」
ミルシュさんはそう語るとシュビナの動きを拘束魔法で封じ、優しく笑みを浮かべた後に“バルキュリアの針”を無言でシュビナの腕に突き刺したの。
「うわぁぁぁぁ! やめろ、やめてくれ、ミズチ! 今までなんの為に苦しみに耐えてきたんだ、ミズチィィィッ!」
シュビナの叫び声が途絶えると気を失い、それと同時にミズチさんも苦しみだし、全身に突如キズが刻まれていったの。
慌てて振り向くと、息を切らしたシュビナが兵士に支えられて私達の方に歩いて来ていたの。
「ハァ、ハァ……ミズチ婆、カミルに余計な事を吹き込むなよ、カミルは本当に実行するタイプなんだからな……」
明らかに顔色が悪くなっているわ、早く“バルキュリアの針”を射さないと……
心配し近づこうとした私に対してシュビナは「頼む……俺はまだ大丈夫なんだ、最後のチャンスなんだ……カミル、待ってくれ」そう呟いたの。
その言葉にミズチさんが即座に反応したわ。
「シュビナ、本当に仕方無い御人好しじゃな……」
その後、わかったのは呪いに掛かっているのは、シュビナじゃなかったの……呪いに掛かっていたのはミズチさんの方だったの……
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不死の魔法を掛けたのは神、バルキュリアであり、既に存在しない神だとミズチさんは語ったわ。
地球でも確か、そんな神様がいた気がする……神様の名前が似てるって少し不思議でなんとも言えないわ。
ミズチさんには、不死でいる間に幾つかの条件をクリアする必要があり、それが途絶えた際に不死のままに老いだけが時間を刻み始める……老いが限界に達すれば塵となり骨すら残らないであろうとミズチさんは笑いながら語ったわ。
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「それ以上は言うな……俺は」
「ありがとうよ、シュビナの優しさは、いつも感じてるんだ。これ以上の苦しみに身を焦がす事はさせないよ」
ミルシュさんはそう語るとシュビナの動きを拘束魔法で封じ、優しく笑みを浮かべた後に“バルキュリアの針”を無言でシュビナの腕に突き刺したの。
「うわぁぁぁぁ! やめろ、やめてくれ、ミズチ! 今までなんの為に苦しみに耐えてきたんだ、ミズチィィィッ!」
シュビナの叫び声が途絶えると気を失い、それと同時にミズチさんも苦しみだし、全身に突如キズが刻まれていったの。
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