楽しくて異世界☆ワタシのチート生活は本と共に強くなる☆そんな私はモンスターと一緒に養蜂場をやってます。

夏カボチャ

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3章 素敵なハニーフォレスト

バトラング王国は謎だらけです5

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 軽く角度の付いた坂道でクラウチングスタートをしっかりと決める。

 その瞬間、相手の防壁魔法が一斉に解除される。
 勿論、私の防壁は確りと通路を塞いでいるわ。

「なんだ、何故防壁が! 早く解除しろ!」
「やってるが、俺達の防壁魔法じゃないうえに、複雑な術式なんだよ!」

 揉めてる揉めてる。いい感じに苛立ち始めたわね。

 駆け抜けた後に順番に防壁を解除する。
 最後尾の通路から私を追う為に飛び出してくる黒フードの男達、修道服のような格好でよく走れるわね?

 私は黒フードが次の通路に差し掛かるのを見計らい、防壁を解除する、そうすれば。

「追えぇぇぇッ!」
「行けぇぇぇッ!」

「「うわあぁぁぁぁッ!」」

 大声と同時に激しくぶつかる黒フード達、防壁が無くなり走り出した先に追っていた黒フードが出会い頭にぶつかるとなし崩しに倒れ込んでいったわ、ざまぁみなさい!

 タイミングで簡単に相手を翻弄する、数がどれ程いようと一本通路を相手取れば何とでもなるわ。

 同じように通路を突き進む私、流石に三回目になると引っ掛からないわね? 

『デンキチ、止まるわよ。しっかり掴まって』

『なわわ!』

 ちゃんと注意してから、急ブレーキを掛ける、デンキチは振り落とされないように必死ね?

「サービスよ。何が起こるかしっかりと耳に刻みなさい!」

「大地に眠りし忘れ去られしもの、名も無き地に埋もれしもの、我は名を呼び役目を与えんッ! 名を【ゴム】とする」

 地中に埋められた無数の石が一塊になり、通路をギリギリ通れる程の巨大な岩に姿を変える。

「私ね、追われるのは好きじゃないの……」

 造られた岩に片手を添え、もう片方の手で力一杯に岩を突き飛ばす。

 岩はゆっくりと坂を転がり黒フード達に向かっていく。

「うわあぁぁぁぁ! 戻れ!」

 私は一度解除した防壁魔法を再度、発動し横道を無くしたの。

 多分、死ぬほど怖かった筈よ。

最後に私の入ってきたの入り口の穴を塞ぐように防壁魔法を展開する。

 逃げ場のない通路、後ろからは巨大な岩、有名な冒険家の映画を思い出すわね。

 まぁ、私は優しいから本当に潰したりはしないけどね?

 岩はその名のとおり、外は薄い岩だけど中身は柔らかいゴムよ。

「待ち伏せなんかして、アンタ達なんか最後まで潰される恐怖を味わいなさい!」

「ぎゃあぁぁぁぁ!」
「ヒイィィィィ!」

 私は黒フードが一塊になったのを見計らい、防壁魔法で蓋をしたわ。

 岩コーティングのゴムボールに潰されて更に防壁、流石に動けない筈よ。

「さて、目的地に向かいますか。あら、デンキチ大丈夫?」

『らいじょぶらない……』

 目を回すデンキチ、流石に振り回しすぎたわね?

 邪魔者がいなくなった通路を先に進むと目の前に出口が見えてきたの。

 全体図をマップで把握していたけど、バトラング城の敷地より更に広い空間を直に見ると流石に驚かされるわね。

 地下でありながら、天井部分には【光りごけ】のような物が眩い光を放ち、暗闇である筈の地下に昼下がりのような輝きを与えている。

 中心部分に造られている教会のような建物が黒フード達のアジトかしら? 他の建物はどれも普通の集落に見えるわね?

 集落の周りには地下なのに畑が広がっていたわ、黒フード以外の住民の姿もあり、私が無事に辿り着いた事実に気づいているのかしら、少し疑問だわね?

 地下が単なる監獄と考えていた私からすれば、既に予想外の世界が広がっていると言えるわ、そんな中、マップに嬉しくない名前が表示されたの。

「この名前って……」

 マップには【クローム=セリ】の名がしっかりと表示されていたの。
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