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3章 素敵なハニーフォレスト
大使以上のお仕事です6
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魔獣の森、思ってた以上に厄介な場所だったわ。だって、凄く養蜂場に向いてるんだもの! 数多の花と綺麗な水の流れる川、本当に外からじゃわからないわね。
でも、此処に養蜂場を作っても、駄目ね、クイーンの子供を危険に晒すなんて、心が痛むもの、この森にはこの森の遣り方がある訳だし、今回は目的だけを果たしますか。
単純に考えたら、森長が何匹いるのかを聞いてみるべきだったわね?
現状はマップのボス印が6個、1つはディマ親子よね、中心にも1つ、他の3つは特定の位置に居て、残る1つは……さっきと違う位置にいるわね? つまり、森長でない可能性が一番近いのは、動いてるボス印って事ね、ただ気になるのは移動速度が速すぎるわね? メルリやメガが狙われたら厄介ね?
私の考えを察知したのか、メルリが視線を此方に向けた瞬間に目が合ったの。
「お嬢様……私は今、凄く辛いです、お嬢様が私をそんな虫けらを見るような目で、あれですか! 何かに目覚めたのですか! いけません、そんな、そんな! でも、私はお嬢様になら!」
頭がお花畑な妄想をありがとう……うん、此なら多分、大丈夫かな……
「違うわよ。今から向かう相手が私と同じくらい素早い可能性があるの、心配してただけよ」
メルリにはスカーの側にいるように指示をして、メガを私の後ろに配置する事にしたの、マップから目指してる相手も私達に近づいてるのが、わかったからね。
マップを見てて、私は一瞬で凍りついたわ。
「メガッ! 影に今すぐ戻りなさい! スカー! メルリを連れて、今すぐ森の外に! デンキチも急いで小さくなって私の肩にッ!」
マップのボス印がディマと中心以外、一斉に動き出したの、マズイわ。
普段ならこんなに慌てない、問題は目指していた相手がマップの上で消えて姿を現す度に此方に近付いている事実よ、早い話が瞬間移動のような力があるみたいね。
油断したわ、私も直ぐに行動に出たわ。戦力は私と肩に小さくなって掴まるデンキチのみね。
森の中で見えない相手に“追いかけっこ”のつもりが、追われる側になるなんてね、皮肉だわ。
でも、確実に私の方に移動してきてくれてる。他の3つも含めれば4つのボス印が私を目指してる事になるわね、人気者は辛いなぁ、どうせなら、イケメンにでも追われたかったわ!
今の私は相手からしたら、獣の檻に放たれた活きのいいご飯って感じかしら? まあ、“窮鼠猫を噛む”って言葉を教えてあげるわ、使い方は間違ってるけど、見た目の弱い私がデカイ魔獣を相手にするんだから問題ないわね。
「ふふ、なんだかなぁ」
『カミル、なんか嬉しそう?』
私の微笑みにデンキチが首を傾げる。
『そうね、少しだけ、ワクワクしてるかもね』
『変だよ? でも、今のカミル、楽しそう』
私はマップから開けた箇所を探し、直ぐに向かっていた、相手もそれを理解して、同じ目的地に向かっていたわ。
先回りしてくれてたみたいね、私を待ち構えている銀色の猛虎に感謝したくなるわ。
『アンタが銀色の猛虎で間違いないかしら?』
…………無視か。
『オマエ、ケモノか? 聞き取りニクいが言葉がワカルのが不思議ダ』
訛りが凄いわね? 取り敢えず会話はできそうね。
『私はカミル。名前を聞かせて貰えるかしら?』
私の質問に対して、口を開き笑ったの、まるで冗談を耳にしているみたいな表情は何となく不快だわ。
『今カラ食われるモノが名などキにするナ』
あら、やっぱりそうなるのね。残念だわ。
でも、此処に養蜂場を作っても、駄目ね、クイーンの子供を危険に晒すなんて、心が痛むもの、この森にはこの森の遣り方がある訳だし、今回は目的だけを果たしますか。
単純に考えたら、森長が何匹いるのかを聞いてみるべきだったわね?
現状はマップのボス印が6個、1つはディマ親子よね、中心にも1つ、他の3つは特定の位置に居て、残る1つは……さっきと違う位置にいるわね? つまり、森長でない可能性が一番近いのは、動いてるボス印って事ね、ただ気になるのは移動速度が速すぎるわね? メルリやメガが狙われたら厄介ね?
私の考えを察知したのか、メルリが視線を此方に向けた瞬間に目が合ったの。
「お嬢様……私は今、凄く辛いです、お嬢様が私をそんな虫けらを見るような目で、あれですか! 何かに目覚めたのですか! いけません、そんな、そんな! でも、私はお嬢様になら!」
頭がお花畑な妄想をありがとう……うん、此なら多分、大丈夫かな……
「違うわよ。今から向かう相手が私と同じくらい素早い可能性があるの、心配してただけよ」
メルリにはスカーの側にいるように指示をして、メガを私の後ろに配置する事にしたの、マップから目指してる相手も私達に近づいてるのが、わかったからね。
マップを見てて、私は一瞬で凍りついたわ。
「メガッ! 影に今すぐ戻りなさい! スカー! メルリを連れて、今すぐ森の外に! デンキチも急いで小さくなって私の肩にッ!」
マップのボス印がディマと中心以外、一斉に動き出したの、マズイわ。
普段ならこんなに慌てない、問題は目指していた相手がマップの上で消えて姿を現す度に此方に近付いている事実よ、早い話が瞬間移動のような力があるみたいね。
油断したわ、私も直ぐに行動に出たわ。戦力は私と肩に小さくなって掴まるデンキチのみね。
森の中で見えない相手に“追いかけっこ”のつもりが、追われる側になるなんてね、皮肉だわ。
でも、確実に私の方に移動してきてくれてる。他の3つも含めれば4つのボス印が私を目指してる事になるわね、人気者は辛いなぁ、どうせなら、イケメンにでも追われたかったわ!
今の私は相手からしたら、獣の檻に放たれた活きのいいご飯って感じかしら? まあ、“窮鼠猫を噛む”って言葉を教えてあげるわ、使い方は間違ってるけど、見た目の弱い私がデカイ魔獣を相手にするんだから問題ないわね。
「ふふ、なんだかなぁ」
『カミル、なんか嬉しそう?』
私の微笑みにデンキチが首を傾げる。
『そうね、少しだけ、ワクワクしてるかもね』
『変だよ? でも、今のカミル、楽しそう』
私はマップから開けた箇所を探し、直ぐに向かっていた、相手もそれを理解して、同じ目的地に向かっていたわ。
先回りしてくれてたみたいね、私を待ち構えている銀色の猛虎に感謝したくなるわ。
『アンタが銀色の猛虎で間違いないかしら?』
…………無視か。
『オマエ、ケモノか? 聞き取りニクいが言葉がワカルのが不思議ダ』
訛りが凄いわね? 取り敢えず会話はできそうね。
『私はカミル。名前を聞かせて貰えるかしら?』
私の質問に対して、口を開き笑ったの、まるで冗談を耳にしているみたいな表情は何となく不快だわ。
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あら、やっぱりそうなるのね。残念だわ。
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