182 / 310
3章 素敵なハニーフォレスト
大使以上のお仕事です6
しおりを挟む
魔獣の森、思ってた以上に厄介な場所だったわ。だって、凄く養蜂場に向いてるんだもの! 数多の花と綺麗な水の流れる川、本当に外からじゃわからないわね。
でも、此処に養蜂場を作っても、駄目ね、クイーンの子供を危険に晒すなんて、心が痛むもの、この森にはこの森の遣り方がある訳だし、今回は目的だけを果たしますか。
単純に考えたら、森長が何匹いるのかを聞いてみるべきだったわね?
現状はマップのボス印が6個、1つはディマ親子よね、中心にも1つ、他の3つは特定の位置に居て、残る1つは……さっきと違う位置にいるわね? つまり、森長でない可能性が一番近いのは、動いてるボス印って事ね、ただ気になるのは移動速度が速すぎるわね? メルリやメガが狙われたら厄介ね?
私の考えを察知したのか、メルリが視線を此方に向けた瞬間に目が合ったの。
「お嬢様……私は今、凄く辛いです、お嬢様が私をそんな虫けらを見るような目で、あれですか! 何かに目覚めたのですか! いけません、そんな、そんな! でも、私はお嬢様になら!」
頭がお花畑な妄想をありがとう……うん、此なら多分、大丈夫かな……
「違うわよ。今から向かう相手が私と同じくらい素早い可能性があるの、心配してただけよ」
メルリにはスカーの側にいるように指示をして、メガを私の後ろに配置する事にしたの、マップから目指してる相手も私達に近づいてるのが、わかったからね。
マップを見てて、私は一瞬で凍りついたわ。
「メガッ! 影に今すぐ戻りなさい! スカー! メルリを連れて、今すぐ森の外に! デンキチも急いで小さくなって私の肩にッ!」
マップのボス印がディマと中心以外、一斉に動き出したの、マズイわ。
普段ならこんなに慌てない、問題は目指していた相手がマップの上で消えて姿を現す度に此方に近付いている事実よ、早い話が瞬間移動のような力があるみたいね。
油断したわ、私も直ぐに行動に出たわ。戦力は私と肩に小さくなって掴まるデンキチのみね。
森の中で見えない相手に“追いかけっこ”のつもりが、追われる側になるなんてね、皮肉だわ。
でも、確実に私の方に移動してきてくれてる。他の3つも含めれば4つのボス印が私を目指してる事になるわね、人気者は辛いなぁ、どうせなら、イケメンにでも追われたかったわ!
今の私は相手からしたら、獣の檻に放たれた活きのいいご飯って感じかしら? まあ、“窮鼠猫を噛む”って言葉を教えてあげるわ、使い方は間違ってるけど、見た目の弱い私がデカイ魔獣を相手にするんだから問題ないわね。
「ふふ、なんだかなぁ」
『カミル、なんか嬉しそう?』
私の微笑みにデンキチが首を傾げる。
『そうね、少しだけ、ワクワクしてるかもね』
『変だよ? でも、今のカミル、楽しそう』
私はマップから開けた箇所を探し、直ぐに向かっていた、相手もそれを理解して、同じ目的地に向かっていたわ。
先回りしてくれてたみたいね、私を待ち構えている銀色の猛虎に感謝したくなるわ。
『アンタが銀色の猛虎で間違いないかしら?』
…………無視か。
『オマエ、ケモノか? 聞き取りニクいが言葉がワカルのが不思議ダ』
訛りが凄いわね? 取り敢えず会話はできそうね。
『私はカミル。名前を聞かせて貰えるかしら?』
私の質問に対して、口を開き笑ったの、まるで冗談を耳にしているみたいな表情は何となく不快だわ。
『今カラ食われるモノが名などキにするナ』
あら、やっぱりそうなるのね。残念だわ。
でも、此処に養蜂場を作っても、駄目ね、クイーンの子供を危険に晒すなんて、心が痛むもの、この森にはこの森の遣り方がある訳だし、今回は目的だけを果たしますか。
単純に考えたら、森長が何匹いるのかを聞いてみるべきだったわね?
現状はマップのボス印が6個、1つはディマ親子よね、中心にも1つ、他の3つは特定の位置に居て、残る1つは……さっきと違う位置にいるわね? つまり、森長でない可能性が一番近いのは、動いてるボス印って事ね、ただ気になるのは移動速度が速すぎるわね? メルリやメガが狙われたら厄介ね?
私の考えを察知したのか、メルリが視線を此方に向けた瞬間に目が合ったの。
「お嬢様……私は今、凄く辛いです、お嬢様が私をそんな虫けらを見るような目で、あれですか! 何かに目覚めたのですか! いけません、そんな、そんな! でも、私はお嬢様になら!」
頭がお花畑な妄想をありがとう……うん、此なら多分、大丈夫かな……
「違うわよ。今から向かう相手が私と同じくらい素早い可能性があるの、心配してただけよ」
メルリにはスカーの側にいるように指示をして、メガを私の後ろに配置する事にしたの、マップから目指してる相手も私達に近づいてるのが、わかったからね。
マップを見てて、私は一瞬で凍りついたわ。
「メガッ! 影に今すぐ戻りなさい! スカー! メルリを連れて、今すぐ森の外に! デンキチも急いで小さくなって私の肩にッ!」
マップのボス印がディマと中心以外、一斉に動き出したの、マズイわ。
普段ならこんなに慌てない、問題は目指していた相手がマップの上で消えて姿を現す度に此方に近付いている事実よ、早い話が瞬間移動のような力があるみたいね。
油断したわ、私も直ぐに行動に出たわ。戦力は私と肩に小さくなって掴まるデンキチのみね。
森の中で見えない相手に“追いかけっこ”のつもりが、追われる側になるなんてね、皮肉だわ。
でも、確実に私の方に移動してきてくれてる。他の3つも含めれば4つのボス印が私を目指してる事になるわね、人気者は辛いなぁ、どうせなら、イケメンにでも追われたかったわ!
今の私は相手からしたら、獣の檻に放たれた活きのいいご飯って感じかしら? まあ、“窮鼠猫を噛む”って言葉を教えてあげるわ、使い方は間違ってるけど、見た目の弱い私がデカイ魔獣を相手にするんだから問題ないわね。
「ふふ、なんだかなぁ」
『カミル、なんか嬉しそう?』
私の微笑みにデンキチが首を傾げる。
『そうね、少しだけ、ワクワクしてるかもね』
『変だよ? でも、今のカミル、楽しそう』
私はマップから開けた箇所を探し、直ぐに向かっていた、相手もそれを理解して、同じ目的地に向かっていたわ。
先回りしてくれてたみたいね、私を待ち構えている銀色の猛虎に感謝したくなるわ。
『アンタが銀色の猛虎で間違いないかしら?』
…………無視か。
『オマエ、ケモノか? 聞き取りニクいが言葉がワカルのが不思議ダ』
訛りが凄いわね? 取り敢えず会話はできそうね。
『私はカミル。名前を聞かせて貰えるかしら?』
私の質問に対して、口を開き笑ったの、まるで冗談を耳にしているみたいな表情は何となく不快だわ。
『今カラ食われるモノが名などキにするナ』
あら、やっぱりそうなるのね。残念だわ。
1
お気に入りに追加
548
あなたにおすすめの小説

願いの代償
らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。
公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。
唐突に思う。
どうして頑張っているのか。
どうして生きていたいのか。
もう、いいのではないだろうか。
メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。
*ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。
※ありがたいことにHOTランキング入りいたしました。たくさんの方の目に触れる機会に感謝です。本編は終了しましたが、番外編も投稿予定ですので、気長にお付き合いくださると嬉しいです。たくさんのお気に入り登録、しおり、エール、いいねをありがとうございます。R7.1/31
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。


元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
どうも、死んだはずの悪役令嬢です。
西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。
皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。
アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。
「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」
こっそり呟いた瞬間、
《願いを聞き届けてあげるよ!》
何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。
「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」
義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。
今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで…
ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。
はたしてアシュレイは元に戻れるのか?
剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。
ざまあが書きたかった。それだけです。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる