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3章 素敵なハニーフォレスト
ハニーフォレスト学校開校です4
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文字に数字が加わるまで、長い時間は掛からなかったわ。
ハニーフォレスト学校が始まり1ヶ月が過ぎようとしていたわ。
生徒である3つの村の子供達は合わせて38人、誰一人休むことなく学校を楽しんでくれてるように感じる。
あっという間に流れる日々の中で子供達は文字を学び、数字を学んだわ。
最初は半日のみの学校生活をしてもらっていたけど、この1ヶ月が終わるといよいよ、【農業】と【格闘技】の授業がプラスされるわ。
本当にあっという間だったわ。その間にベジルフレアから帰還したメルリが講師として参戦してくれた事も大きなプラスね。
あとは、全体のバランスを見て【魔法】の授業が取り入れられればバッチリなんだけど、焦るとよくないわ。
新しい授業を開始する前に私は子供達に農業について語る。
狩りを目的にし、自然の恵みとして食材を探すバイキングにとって、農業と言う作業は未知の物だもの。
ウトピア村で最初に農業が何かを説明をした時、皆が不思議な表情を浮かべていたものね。
生産による食の安定を口にするとかなり大規模な話になるけど、その先に確実な安定が見える。
その事実をしっかりと教える事で何代にも安定が保たれれば、結果的に裕福な環境が生まれる、そうなれば、一気に大きな産業が生まれていくのも道理よ。
教室で最初に種について語る私、現物を生徒に配る事にしたの。
「はい。皆の前にいま小さな5粒の種があると思います。その種は、とても」
私が説明を開始しようとした時よ、一人の生徒が「はい! 俺、これが何か知ってます!」と大きく手をあげ発言したの。
「あら、知ってるの?」
しっかりと頷く男の子は徐に種を手にのせると皆に見えるように掲げたの。
「これは凄く美味しい奴です!」と勢いよく種を口に運び、“バリバリ”と音を発てて食べてしまったの……
「えぇ? 美味しいの、僕も食べる」
「え、なら私も!」
オーマイガァァァァっ!
私の目の前で、いきなりハムスターと化した生徒達を見て、私は自分の甘さを感じたわ。
「ふっ! 皆、残念ね! 種で美味しい物は成長したら更に多くの美味しい野菜になるのに、今食べてしまうなんて、その種はカボチャの種よ。実れば甘くて美味しいカボチャになって、給食を作るサトウがお菓子にしてくれたのになぁ」
一斉に固まる生徒達。
「え、そうなの!」
「誰だよ、最初に食べたやつ?」
悲しきかな、罪の擦り合いが始まり出したわ。でも、ここでそれを赦す私じゃないわ。
「はい! 静かに。どちらにしても食べて貰うのが早いと考えていたの! つまり、野菜の種もまた食材になり得るの、皆には改めて種を配るわ。でも、最初に言っとくけど、誰かが悪いなんて決めるより、悪いと感じたなら、謝るのが先よ! この場にいる全員が仲間なの、だから、誰のせいかを責めるよりどうしたら良かったかを考えてほしいの」
私は真剣にそう語ると生徒達は一人一人が手を上げて私にどうするべきだったかを語ってくれたわ。
食べた事を責めるのは簡単だし、そうすれば皆が同じことをしなくなるかもしれない、でも、それは集団による生け贄に感じるの、一人の悪者を作り、皆がいい子になるなんて、絶対にイヤ! 私は皆で楽しく学ぶのが一番だと思うもの。
でも、この一件が皆の農業への興味を引き立てたの、ある意味で、“棚ぼた”(棚からぼた餅)ね。
ハニーフォレスト学校が始まり1ヶ月が過ぎようとしていたわ。
生徒である3つの村の子供達は合わせて38人、誰一人休むことなく学校を楽しんでくれてるように感じる。
あっという間に流れる日々の中で子供達は文字を学び、数字を学んだわ。
最初は半日のみの学校生活をしてもらっていたけど、この1ヶ月が終わるといよいよ、【農業】と【格闘技】の授業がプラスされるわ。
本当にあっという間だったわ。その間にベジルフレアから帰還したメルリが講師として参戦してくれた事も大きなプラスね。
あとは、全体のバランスを見て【魔法】の授業が取り入れられればバッチリなんだけど、焦るとよくないわ。
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教室で最初に種について語る私、現物を生徒に配る事にしたの。
「はい。皆の前にいま小さな5粒の種があると思います。その種は、とても」
私が説明を開始しようとした時よ、一人の生徒が「はい! 俺、これが何か知ってます!」と大きく手をあげ発言したの。
「あら、知ってるの?」
しっかりと頷く男の子は徐に種を手にのせると皆に見えるように掲げたの。
「これは凄く美味しい奴です!」と勢いよく種を口に運び、“バリバリ”と音を発てて食べてしまったの……
「えぇ? 美味しいの、僕も食べる」
「え、なら私も!」
オーマイガァァァァっ!
私の目の前で、いきなりハムスターと化した生徒達を見て、私は自分の甘さを感じたわ。
「ふっ! 皆、残念ね! 種で美味しい物は成長したら更に多くの美味しい野菜になるのに、今食べてしまうなんて、その種はカボチャの種よ。実れば甘くて美味しいカボチャになって、給食を作るサトウがお菓子にしてくれたのになぁ」
一斉に固まる生徒達。
「え、そうなの!」
「誰だよ、最初に食べたやつ?」
悲しきかな、罪の擦り合いが始まり出したわ。でも、ここでそれを赦す私じゃないわ。
「はい! 静かに。どちらにしても食べて貰うのが早いと考えていたの! つまり、野菜の種もまた食材になり得るの、皆には改めて種を配るわ。でも、最初に言っとくけど、誰かが悪いなんて決めるより、悪いと感じたなら、謝るのが先よ! この場にいる全員が仲間なの、だから、誰のせいかを責めるよりどうしたら良かったかを考えてほしいの」
私は真剣にそう語ると生徒達は一人一人が手を上げて私にどうするべきだったかを語ってくれたわ。
食べた事を責めるのは簡単だし、そうすれば皆が同じことをしなくなるかもしれない、でも、それは集団による生け贄に感じるの、一人の悪者を作り、皆がいい子になるなんて、絶対にイヤ! 私は皆で楽しく学ぶのが一番だと思うもの。
でも、この一件が皆の農業への興味を引き立てたの、ある意味で、“棚ぼた”(棚からぼた餅)ね。
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