楽しくて異世界☆ワタシのチート生活は本と共に強くなる☆そんな私はモンスターと一緒に養蜂場をやってます。

夏カボチャ

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3章 素敵なハニーフォレスト

常識は誰かがつくる物です3

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 太陽が大空を跨ぎ、地平線へと沈む頃、私の元に格村の村長が訪ねてきたわ。

 ウトピア村を含めて3つの村が私の領地には存在し、全ての村が食糧難と言う危機的状況だったの。

 集まった村長達を用意した席に案内する。気兼ねなく話したいので外に特別なテーブル席を設けたわ。

「わざわざ呼び出して悪かったわね。自己紹介させて貰うわね。私はミルシュ=カミル。見ての通り只の人間よ」

 そう言い軽く頭を下げると、村長達も頭を下げる。

「ミルシュ様……と呼ぶべきでしょうか?」と髭の長い村長が口にする。

 因みに、ウトピア村の村長は渋い感じで、バイキングにしては小柄。

 今話し掛けてきたのが、ユサナ村の村長で髭の長いバイキングのお爺さんね。

 最後はサンス村の村長で、他の二人より若い感じがするわ、頭は丸刈りと言うよりもスキンヘッドね。

 見分けやすいから凄く助かるわ。

「ええ、好きに呼んで。あと、名前を……今はなんて呼ばれてるのかしら?」

 私が変な質問をしたように感じるだろうけど、実はクローム=セリが原因なの。
 クローム=セリは捕まり、本来なら力を封印されて只のバイキングになる筈だったの、でも……力を失いたくないと考えたクローム=セリは自身の名前を封印し、同時に記憶も封印したの……

 結果だけみれば、刑は執行されたような物だけど、問題はクローム=セリ自身が奪った領民の名前にあったわ。

 私が何とか出来たらよかったんだけど、クローム=セリ本人は既にこの世にいない、そうだった存在は記憶が無くなり、まるで抜け殻みたいになっていて地下牢に幽閉されているの。

 地下牢には魔力を遮断する特殊な素材が使われてる見たいで、クローム=セリに会えても、牢から出ない限りは魔法がきかないの。

 しかも、地下はバトラング王国の管理下では関係無くなるとかで、地下牢に幽閉された時点でバトラング王国の管理を離れる事になるらしいの、シュビナも余り強く発言できないらしいわ。

 よく分からないけど、バトラング王国の地下には何か秘密があるみたいね。

「あのカミル様? どうか致しましたか?」

 考え込む私に声をかけるウトピア村の村長。

「ごめんなさい。話の途中だったね。名前だけど、ユサナ村の村長はロン村長と呼ぶわ。サンス村の村長はスキン村長と呼ぶことにしたわ。あと、ウトピア村の村長はオルバ村長とするわ!」

 簡単に髪型で名前を決めてしまった……怒るかな?

【ユサナ村のロン村長】……髭と同じで髪も長い。

【サンス村のスキン村長】……説明いらずのツルツルヘッド。

【ウトピア村のオルバ村長】……たまにいる、厳ついオールバックヘアー。

 因みに私が覚えやすいし助かるのが一番の魅力であり、ネーミングの理由よ。

「私達に名前をくださるのですか!」
「なんと、領主様が名前を」

「カミル様、儂にまでありがとうございます」

 感謝を口にされ、罪悪感に苛まれたわ……正直、「ふざけるな!」と言われるのを覚悟してたんだけど、まあいっか。

 喜びを語る三人の村長を前に私は本命の一言を切り出した。

「此れは決定事項よ。今から半年間、税を労働により賄って貰うわ」

 三人の村長は顔を見合わせ、恐る恐る私に質問をしてきたの。

「税を労働でとなりますと、かなりの時間を働かなければなりません……」

 ウトピア村の村長以外の二人が言わんとしている事は理解できたわ。

「労働に関してはルールを設けるので、強制労働のような誤解はしないで。取り敢えず、今から格村に私の作成したルールリストを持って帰り、村人の承諾を集めて欲しいの。三日もあれば出来ると考えてるんだけど、あと、先にリストに目を通して、本当に遣りたくないなら構わないわ」

 私は絶対に村長達が飛びつくと確信していたわ。三日後が楽しみだわね。
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