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3章 素敵なハニーフォレスト
風の王と最小の召喚師です4
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走り出した先に未だに逃げず、攻撃を繰り返すバトラング軍の姿を確認し、その中央に如何にも指揮官と言う感じの嫌みな男を見つけたの。
「あのバカね!」問答無用で、全身の力を足に集中させ、大地を蹴ると、男いる本陣に私は殴り込みを掛けたの。
風の如く凄まじい速度と鬼神の如き勢いでバトラング軍のバイキング達を飛び越え、本陣に辿り着いた私。
「指揮官と話があるわ! 出てきなさい」
小さな私の姿を見て、安心したのかバイキング達の態度が代わり、私を睨み付ける。
発言に対する答えは態度で理解したわ。
コイツら、私がミルシュ=カミルだと気づいていないんだわ……バトラングで人間なんてあまり居ない筈なのに……仕方ないわね?
「もういいわ。取り敢えず私はアンタ達に頭に来てるのよ! 今すぐに撤退しなさい。今撤退すれば、余計な事をした事実を許してあげるわ」
私の発言に怒りを露にした男が大声を上げてきたのよね、短気な奴は好きになれないわ。
「ふざけるな! 人間風情がバトラング軍の大魔導師でる我、【クローム=セリ】に対して無礼であろう! まして、【風の王】討伐の最中の今回の無礼は死罪に相当するわ! 覚悟はよいな人間のガキよ」
そう言い放ち、自分の力を見せ付けるように冷氷魔法で氷の塊を背後に作るクローム=セリ。
私からしたらまるで子供騙しのような魔法だけど、バトラング軍の誰もが歓声をあげて、氷を称えるように武器を手に向けて振り上げる。
「はぁ、冷氷魔法なんて、まるで御遊戯会の出し物ね? 本当の氷の出し方を教えてあげるわ。上級冷凍魔法ッ!」
無詠唱にて発動した上級冷凍魔法、【ゴルゴラ】……大地が凍り付き、地面が盛り上がると一瞬で巨大な氷の剣山が出来上がる。
空気が凍り付くように冷えるとクローム=セリは動く事すら出来ず、その場で拳を握る。
無言のままに敗北を理解したクローム=セリの姿があったわ。
「実力は理解できたわね! もう一度言うわよ……邪魔だから直ぐ、この場から退きなさい!」
私は言葉に威嚇魔法を乗せて語り、バトラング軍の誰もが私の声に従い、後ろに下がる。
そんな中、クローム=セリは私に対して指を指すと「あやつは風の王の手先に違いない! この場の全勢力をあの人間に向け、討伐後に風の王を伐つ!」と声をあげたの。
勿論、時間も無いし、我慢の限界だった私は軽く暴れたわ、意識を失ったクローム=セリをバトラング軍に回収させたの。
早い話がクローム=セリ以外は私に敵わないと理解していたのね。
それから直ぐに風の王(台風)を竜巻と同じ方法で消し飛ばして全ては終わりを迎えたわ。
最初から消すことは出来たけど、本当ならウトピア村の皆と台風をやり過ごして御祝いをしたかったのに、とんだ邪魔が入ったわ。
ハニーフォレストに戻るとウトピア村の皆が私を歓声で出迎えてくれた。
「お帰りなさい。カミル様!」
「俺達無事に畑を守りきりましたよ!」
村人全員が笑い、台風の後の晴れ間に照らされ輝いている姿に私は軽く身震いしたわ。
「皆、ただいま。風の王は無事に吹き飛ばして来たわ! 私達の勝利よッ!」
「「「うおおぉぉぉぉ! カミルッ! カミルッ! カミルッ!」」」
ハニーフォレストに響く私の名に皆が声を更にあげる。
私はその日、バトラング王国の怪物、風の王に完全に勝利したのだ。
「あのバカね!」問答無用で、全身の力を足に集中させ、大地を蹴ると、男いる本陣に私は殴り込みを掛けたの。
風の如く凄まじい速度と鬼神の如き勢いでバトラング軍のバイキング達を飛び越え、本陣に辿り着いた私。
「指揮官と話があるわ! 出てきなさい」
小さな私の姿を見て、安心したのかバイキング達の態度が代わり、私を睨み付ける。
発言に対する答えは態度で理解したわ。
コイツら、私がミルシュ=カミルだと気づいていないんだわ……バトラングで人間なんてあまり居ない筈なのに……仕方ないわね?
「もういいわ。取り敢えず私はアンタ達に頭に来てるのよ! 今すぐに撤退しなさい。今撤退すれば、余計な事をした事実を許してあげるわ」
私の発言に怒りを露にした男が大声を上げてきたのよね、短気な奴は好きになれないわ。
「ふざけるな! 人間風情がバトラング軍の大魔導師でる我、【クローム=セリ】に対して無礼であろう! まして、【風の王】討伐の最中の今回の無礼は死罪に相当するわ! 覚悟はよいな人間のガキよ」
そう言い放ち、自分の力を見せ付けるように冷氷魔法で氷の塊を背後に作るクローム=セリ。
私からしたらまるで子供騙しのような魔法だけど、バトラング軍の誰もが歓声をあげて、氷を称えるように武器を手に向けて振り上げる。
「はぁ、冷氷魔法なんて、まるで御遊戯会の出し物ね? 本当の氷の出し方を教えてあげるわ。上級冷凍魔法ッ!」
無詠唱にて発動した上級冷凍魔法、【ゴルゴラ】……大地が凍り付き、地面が盛り上がると一瞬で巨大な氷の剣山が出来上がる。
空気が凍り付くように冷えるとクローム=セリは動く事すら出来ず、その場で拳を握る。
無言のままに敗北を理解したクローム=セリの姿があったわ。
「実力は理解できたわね! もう一度言うわよ……邪魔だから直ぐ、この場から退きなさい!」
私は言葉に威嚇魔法を乗せて語り、バトラング軍の誰もが私の声に従い、後ろに下がる。
そんな中、クローム=セリは私に対して指を指すと「あやつは風の王の手先に違いない! この場の全勢力をあの人間に向け、討伐後に風の王を伐つ!」と声をあげたの。
勿論、時間も無いし、我慢の限界だった私は軽く暴れたわ、意識を失ったクローム=セリをバトラング軍に回収させたの。
早い話がクローム=セリ以外は私に敵わないと理解していたのね。
それから直ぐに風の王(台風)を竜巻と同じ方法で消し飛ばして全ては終わりを迎えたわ。
最初から消すことは出来たけど、本当ならウトピア村の皆と台風をやり過ごして御祝いをしたかったのに、とんだ邪魔が入ったわ。
ハニーフォレストに戻るとウトピア村の皆が私を歓声で出迎えてくれた。
「お帰りなさい。カミル様!」
「俺達無事に畑を守りきりましたよ!」
村人全員が笑い、台風の後の晴れ間に照らされ輝いている姿に私は軽く身震いしたわ。
「皆、ただいま。風の王は無事に吹き飛ばして来たわ! 私達の勝利よッ!」
「「「うおおぉぉぉぉ! カミルッ! カミルッ! カミルッ!」」」
ハニーフォレストに響く私の名に皆が声を更にあげる。
私はその日、バトラング王国の怪物、風の王に完全に勝利したのだ。
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