楽しくて異世界☆ワタシのチート生活は本と共に強くなる☆そんな私はモンスターと一緒に養蜂場をやってます。

夏カボチャ

文字の大きさ
上 下
149 / 310
3章 素敵なハニーフォレスト

風の王と最小の召喚師です3

しおりを挟む
 ウトピア村へと次第に近づく台風の雨風が強くなり始める。

 皆が与えられた仕事を必死に確認し、一晩に渡る台風との戦いが始まったの。

 杭1本に対してバイキングが5人一組で陣形を取りその周りに更に5人のバイキングが待機している。

 深く突き立てられた杭を支え、ネットと布が吹き飛ばないように全力で引っ張り続けていく、激しい突風に煽られるネットが大きくうねると透かさず、待機していたバイキングが加勢に入り、押さえ付けていく。

 杭事態を支えるには5人が限度だけど、控えのメンバーが入れ代わり立ち代わり交代する事で1本1本の杭は安定されるわ。

 力任せな作戦と言われるかも知れないわ、でも体格や能力を最大に活かす為に考えられた今回の台風対策は間違いなく成功しているわ。

 3重に張られた穴付きの布とネット、更に穴なしの布はその能力を十分に発揮している。

 風と雨を分散する穴開き布とネット、其処から雨水が大量に下のコーティング去れた布に流れ角度の付いた布は坂のような状態になる。
 流れる先には堀があり、大量の水を吸収する木の実や植物が次々に雨水を吸い膨らむ、其をバイキング達が回収して、濡れにいようにした新たな木の実や植物を堀に投下する。

 吸収出来ない分は堀の先に流れ、その先でも同様の吸収作業が行われる事となり畑は雨水に対して絶対の要塞に変化していく。

 私は台風をなんとか出来ると確信していたわ、そんな矢先に予想外の行動が起きたの。

 バトラング王国から数人の魔術士と魔導士の部隊が軍隊を引き連れて台風に対して攻撃を開始したの。

 バトラング軍の【移動型投石機戦車】が次々に石を放ち、指揮官と思われる魔導士が氷魔法で作った氷の矢を次々に射ち放つ。

 当然だけと、無意味でしかないわ、中途半端な【氷の矢アイスアロー】は火に油を注ぐような物でしかない、更に投石機で放たれた石も更なる被害にしか繋がらないわ。

「まったく、何で今更になって、要らない手間を増やすのかしら面倒だわ」

 私は頑張る皆の苦労を無にしたくないと考えながらも、台風に向かっていく愚かなバトラング軍を見捨てる事も出来ないと考えていた。

「一郎は村長に、二郎と三郎は皆に伝えて、台風を吹き飛ばすわ、皆はよく頑張ったわ。今回は私も協力する……皆には本当に“ごめんなさい”と謝りたいわ」

 私はバトラング軍を見捨てる事が出来なかった、ウトピア村の皆が頑張る姿を最後まで見ているつもりでいたけど、不本意だけど、被害が出る前に台風を消すことに決めたの。

 序でに余計な事をしたバトラング軍にもお仕置きをするわ……あと、王であるシュビナにも確りと話をつけるつもりよ。

「カミル様、俺達はカミル様を責める気はありません! 村の連中もです。カミル様がくださった希望の種を守りたいと願う気持ちも感謝の気持ちも揺るぎません! 御武運を祈ってます」

 一朗達はそう言うと皆の元に駆け出していく。
 私は嬉しさと恥ずかしさで頬を濡らしていた。
 雨風と違い、温もりのある滴に感謝を込めながら、私は台風へと駆け出していた。
しおりを挟む
感想 24

あなたにおすすめの小説

積みかけアラフォーOL、公爵令嬢に転生したのでやりたいことをやって好きに生きる!

ぽらいと
ファンタジー
アラフォー、バツ2派遣OLが公爵令嬢に転生したので、やりたいことを好きなようにやって過ごす、というほのぼの系の話。 悪役等は一切出てこない、優しい世界のお話です。

願いの代償

らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。 公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。 唐突に思う。 どうして頑張っているのか。 どうして生きていたいのか。 もう、いいのではないだろうか。 メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。 *ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。 ※ありがたいことにHOTランキング入りいたしました。たくさんの方の目に触れる機会に感謝です。本編は終了しましたが、番外編も投稿予定ですので、気長にお付き合いくださると嬉しいです。たくさんのお気に入り登録、しおり、エール、いいねをありがとうございます。R7.1/31

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

異世界の貴族に転生できたのに、2歳で父親が殺されました。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリー:ファンタジー世界の仮想戦記です、試し読みとお気に入り登録お願いします。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

どうも、死んだはずの悪役令嬢です。

西藤島 みや
ファンタジー
ある夏の夜。公爵令嬢のアシュレイは王宮殿の舞踏会で、婚約者のルディ皇子にいつも通り罵声を浴びせられていた。 皇子の罵声のせいで、男にだらしなく浪費家と思われて王宮殿の使用人どころか通っている学園でも遠巻きにされているアシュレイ。 アシュレイの誕生日だというのに、エスコートすら放棄して、皇子づきのメイドのミュシャに気を遣うよう求めてくる皇子と取り巻き達に、呆れるばかり。 「幼馴染みだかなんだかしらないけれど、もう限界だわ。あの人達に罰があたればいいのに」 こっそり呟いた瞬間、 《願いを聞き届けてあげるよ!》 何故か全くの別人になってしまっていたアシュレイ。目の前で、アシュレイが倒れて意識不明になるのを見ることになる。 「よくも、義妹にこんなことを!皇子、婚約はなかったことにしてもらいます!」 義父と義兄はアシュレイが状況を理解する前に、アシュレイの体を持ち去ってしまう。 今までミュシャを崇めてアシュレイを冷遇してきた取り巻き達は、次々と不幸に巻き込まれてゆき…ついには、ミュシャや皇子まで… ひたすら一人づつざまあされていくのを、呆然と見守ることになってしまった公爵令嬢と、怒り心頭の義父と義兄の物語。 はたしてアシュレイは元に戻れるのか? 剣と魔法と妖精の住む世界の、まあまあよくあるざまあメインの物語です。 ざまあが書きたかった。それだけです。

処理中です...