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3章 素敵なハニーフォレスト
風の王と最小の召喚師です3
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ウトピア村へと次第に近づく台風の雨風が強くなり始める。
皆が与えられた仕事を必死に確認し、一晩に渡る台風との戦いが始まったの。
杭1本に対してバイキングが5人一組で陣形を取りその周りに更に5人のバイキングが待機している。
深く突き立てられた杭を支え、ネットと布が吹き飛ばないように全力で引っ張り続けていく、激しい突風に煽られるネットが大きくうねると透かさず、待機していたバイキングが加勢に入り、押さえ付けていく。
杭事態を支えるには5人が限度だけど、控えのメンバーが入れ代わり立ち代わり交代する事で1本1本の杭は安定されるわ。
力任せな作戦と言われるかも知れないわ、でも体格や能力を最大に活かす為に考えられた今回の台風対策は間違いなく成功しているわ。
3重に張られた穴付きの布とネット、更に穴なしの布はその能力を十分に発揮している。
風と雨を分散する穴開き布とネット、其処から雨水が大量に下のコーティング去れた布に流れ角度の付いた布は坂のような状態になる。
流れる先には堀があり、大量の水を吸収する木の実や植物が次々に雨水を吸い膨らむ、其をバイキング達が回収して、濡れにいようにした新たな木の実や植物を堀に投下する。
吸収出来ない分は堀の先に流れ、その先でも同様の吸収作業が行われる事となり畑は雨水に対して絶対の要塞に変化していく。
私は台風をなんとか出来ると確信していたわ、そんな矢先に予想外の行動が起きたの。
バトラング王国から数人の魔術士と魔導士の部隊が軍隊を引き連れて台風に対して攻撃を開始したの。
バトラング軍の【移動型投石機】が次々に石を放ち、指揮官と思われる魔導士が氷魔法で作った氷の矢を次々に射ち放つ。
当然だけと、無意味でしかないわ、中途半端な【氷の矢】は火に油を注ぐような物でしかない、更に投石機で放たれた石も更なる被害にしか繋がらないわ。
「まったく、何で今更になって、要らない手間を増やすのかしら面倒だわ」
私は頑張る皆の苦労を無にしたくないと考えながらも、台風に向かっていく愚かなバトラング軍を見捨てる事も出来ないと考えていた。
「一郎は村長に、二郎と三郎は皆に伝えて、台風を吹き飛ばすわ、皆はよく頑張ったわ。今回は私も協力する……皆には本当に“ごめんなさい”と謝りたいわ」
私はバトラング軍を見捨てる事が出来なかった、ウトピア村の皆が頑張る姿を最後まで見ているつもりでいたけど、不本意だけど、被害が出る前に台風を消すことに決めたの。
序でに余計な事をしたバトラング軍にもお仕置きをするわ……あと、王であるシュビナにも確りと話をつけるつもりよ。
「カミル様、俺達はカミル様を責める気はありません! 村の連中もです。カミル様がくださった希望の種を守りたいと願う気持ちも感謝の気持ちも揺るぎません! 御武運を祈ってます」
一朗達はそう言うと皆の元に駆け出していく。
私は嬉しさと恥ずかしさで頬を濡らしていた。
雨風と違い、温もりのある滴に感謝を込めながら、私は台風へと駆け出していた。
皆が与えられた仕事を必死に確認し、一晩に渡る台風との戦いが始まったの。
杭1本に対してバイキングが5人一組で陣形を取りその周りに更に5人のバイキングが待機している。
深く突き立てられた杭を支え、ネットと布が吹き飛ばないように全力で引っ張り続けていく、激しい突風に煽られるネットが大きくうねると透かさず、待機していたバイキングが加勢に入り、押さえ付けていく。
杭事態を支えるには5人が限度だけど、控えのメンバーが入れ代わり立ち代わり交代する事で1本1本の杭は安定されるわ。
力任せな作戦と言われるかも知れないわ、でも体格や能力を最大に活かす為に考えられた今回の台風対策は間違いなく成功しているわ。
3重に張られた穴付きの布とネット、更に穴なしの布はその能力を十分に発揮している。
風と雨を分散する穴開き布とネット、其処から雨水が大量に下のコーティング去れた布に流れ角度の付いた布は坂のような状態になる。
流れる先には堀があり、大量の水を吸収する木の実や植物が次々に雨水を吸い膨らむ、其をバイキング達が回収して、濡れにいようにした新たな木の実や植物を堀に投下する。
吸収出来ない分は堀の先に流れ、その先でも同様の吸収作業が行われる事となり畑は雨水に対して絶対の要塞に変化していく。
私は台風をなんとか出来ると確信していたわ、そんな矢先に予想外の行動が起きたの。
バトラング王国から数人の魔術士と魔導士の部隊が軍隊を引き連れて台風に対して攻撃を開始したの。
バトラング軍の【移動型投石機】が次々に石を放ち、指揮官と思われる魔導士が氷魔法で作った氷の矢を次々に射ち放つ。
当然だけと、無意味でしかないわ、中途半端な【氷の矢】は火に油を注ぐような物でしかない、更に投石機で放たれた石も更なる被害にしか繋がらないわ。
「まったく、何で今更になって、要らない手間を増やすのかしら面倒だわ」
私は頑張る皆の苦労を無にしたくないと考えながらも、台風に向かっていく愚かなバトラング軍を見捨てる事も出来ないと考えていた。
「一郎は村長に、二郎と三郎は皆に伝えて、台風を吹き飛ばすわ、皆はよく頑張ったわ。今回は私も協力する……皆には本当に“ごめんなさい”と謝りたいわ」
私はバトラング軍を見捨てる事が出来なかった、ウトピア村の皆が頑張る姿を最後まで見ているつもりでいたけど、不本意だけど、被害が出る前に台風を消すことに決めたの。
序でに余計な事をしたバトラング軍にもお仕置きをするわ……あと、王であるシュビナにも確りと話をつけるつもりよ。
「カミル様、俺達はカミル様を責める気はありません! 村の連中もです。カミル様がくださった希望の種を守りたいと願う気持ちも感謝の気持ちも揺るぎません! 御武運を祈ってます」
一朗達はそう言うと皆の元に駆け出していく。
私は嬉しさと恥ずかしさで頬を濡らしていた。
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